【完結】ウマ娘プリティーダービー ー夢のおわりのその先でー 作:プレリュード
これにて最終話です。どうぞ、最後までお楽しみください。
◆
「さあ、年末の有馬。ターフに住む魔物はだれを襲い、勝利の女神はいったい誰に微笑むのでしょうか!」
何度目の有馬だったっけ。数を数えるか、自分の年齢から初めて有馬に出た年齢を引き算すれば、この答えは出せる。
でもボクは答えを出さなかった。出ようが出まいがどっちだっていいこと。
何回目だろうと勝つ。それだけの話。
願わくば――
「テイオー先輩」
話しかけられたことで思考に沈んでいたボクの意識がゆっくりと引き戻される。
「今日はよろしくお願いします」
だれだっけ。
まだ完全に引き戻されていなくて、頭がうまく回らない。一言たりとも話さないボクを集中しているとあちらは勝手に勘違いしたようだった。
「私、勝ちますから」
尾を翻して立ち去っていく。その背中を見送りながらようやくボクの記憶は彼女を思い出した。
そうだ。確か5番人気のウマ娘だ。番号は16番。ぶっちぎりの外枠だ。
最近はこうした勝利宣言も珍しい。ここまで露骨に挑戦状を叩きつけてくる若さが最近はうらやましい。
ゲートイン。余計な思考をすべて取っ払う。深呼吸を2、3回ほど。
「ゲートが開きました。各自、一斉にスタート!」
ゲートが開くと同時。ボクは一気に先頭へ躍り出る。周りのウマ娘たちが小さく息を呑む音が聞こえた気がした。
「トウカイテイオー、珍しく先頭集団に位置をつけていますね」
「そうですね。最近は差しが多かったので珍しくはあると思います。ですがデビュー当時は先行策が多かったので、意外ではありませんよ」
これ、後から雇い主は怒られるかもなぁ。勝てるレースをご所望だったから。中、長距離で差しは有効な戦略。勝てるレースにするなら、冷静に見極められる差しがボクの適正にも合っている。
でもそうはしなかった。雇い主の意向をボクは無視した。
(ほんとにさ。ネイチャのせいだからね)
このレースをたぶん見ているだろう同期に向かってボクは悪態を吐く。
勝つことが当然になっていた。勝つために走っていた。
でも、そんなのつまんない。
勝つために走るのはいい。走るからには勝ちたい。そのために全力で走る。それ自体に文句はこれっぽっちもない。なかったはずだった。
でもネイチャのせいで思い出させられた。
ただ走りたいわけじゃない。ボクは楽しく走りたい。淡々と勝つために走るんじゃなくて、勝つために自分のすべてを出し切って楽しかった! って叫んで勝ちたい。
うん、やっぱり先行がボクの肌に合う。
例え差しの適正もあったとしたって、ボクは先行の方が好きだった。
先頭集団にいて、ずっと自分の最強を見せつける。最初っから最後までバチバチに火花を散らして競い合うあの先行がボクに一番の興奮をくれた。
中盤になってボクは速度をあげた。そろそろ先頭集団から出ておきたい。差しと追い込みが追いつけないくらい距離を開けておくべきだ。
ま、そんな理屈っぽいこと言ったけど。
もう我慢できなくなってきたんだよね、これが!
溜めていた脚を解き放つ。身体に受ける風の抵抗が一気に増えた。それはボクのスピードがあがった証拠だ。
心のままに加速する。自分のやりたいように。一方で冷静に頭はレースを分析して、スタミナ配分を考えている。
「おっと、ここでトウカイテイオー、一気にごぼう抜き! トップに躍り出た!」
抜き去るたび、景色と一緒に通り過ぎていく絶望の表情。
やっぱり、いつも通りなのかな。少し落胆する。せっかく楽しくなってきたのに。
そんな矢先だった。
真横で風が吹いた。さっき抜き去ったと思っていた娘だ。
16番。その数字を見た瞬間に記憶が蘇った。
あれはレース前にボクへ挑戦状を叩きつけてきた娘じゃないか。
彼女が抜かれまい、とスピードをあげて追い上げてきた。
きっとレース全体で見ればここでスタミナを余計に消費するのは悪手だ。一度、泳ぐに任せて後から抜き去ればいい。
でも、彼女はそんなセオリーを投げ捨てて、ボクに対して対抗心を燃やして追いかけてきた。
思わず笑みがこぼれる。
いいね、キミ。
今まで戦ってきたのとは違う。本気でボクに勝ちに来ている。
ボクが抜いたらみんなが絶望の色を浮かべた。
でもこの娘は違った。
一度はボクが抜いたのに、歯を食いしばって差し返してきた。必死の形相でボクのことを睨みつけ、譲ってやるかと意地を張り通そうとしている。
いいよ、キミ。本当に素敵だ。
「さいっこうだよ!」
瞬間、あの感覚がボクを襲った。
温水プールの中でぷかぷかと漂っているような。意識はクリアなのに、微睡んでいるみたいな。
ネイチャと一騎打ちした時にも感じた、あの感覚だ。
なんて楽しいんだろう!
久しぶりだ。諦めずに食らいついてきた相手は。
さざ波みたいな興奮が全身を満たす。冷水を注ぎ込んだみたいに脳髄が冴えわたる。
まず音が消えた。歓声も怒声も息づかいも聞こえない。ありとあらゆる音をボクは遮断していた。
次に視界。やけにクリアなくせに、目に入るものは16番とゴールだけ。酸欠の時のブラックアウトとはまるで違う。世界が透明になって、見たいものだけが強調して表示されているような感じ。
「絶対に勝つ!」
「絶対はボクだ!」
同時に猛り吼える。意識していないのに、ボクの口角があがった。
最終コーナー。遠心力に振り回されそうになる重心を、柔軟な足首が最適な角度で安定させる。
フォーム崩れは空気抵抗の増加。余計なロスにしかならない。完璧なフォームでコーナーを曲がり切る。
ネイチャもこんなふうに曲がっていた。ごく当たり前にネイチャもやっていたけど、速度を一切落とすことなく、かつ姿勢もまったく崩さないのは相当に難しい。崩れない体幹と身体を完璧に支える柔軟な足首が必須だ。
さらに加速。トップスピードでコーナーに突入したというのに、隣を走る16番は引き離せない。最終直線に入ってもまだこの加速にまだついてくる。
やるなあ。正直すでに全力だ。これで引き離せないとは思わなかった。
負ける? いや、まさか。
追い詰められている。それを理解してなお、ボクの感情は恍惚とした快楽を感じていた。
すごいよ。本当にすごい。ここまで諦めずにボクへ食らいついてくる相手はずいぶんと久しぶりだ。
ああ、久しぶりじゃないか。ついこの間、ネイチャが食らいついてきたばっかりだった。
今もネイチャと短距離で走ったのと同等の興奮がずっとボクの中でざわめいている。
この16番は強敵だ。ネイチャと同じくらい、あるいはそれ以上。速度が落ちてしまいがちなコーナーも加速を維持して勝負してきた。スタミナが尽きるかな、と思ったけれどそんな様子も見えない。
本当に久しぶりだ。負けるかも、なんて予感をしたのは。
だからといって、負けてあげるものか。
「これがボクの帝王伝説だ!」
帝王の矜恃を見よ。最強のウマ娘として今まで名を馳せてきたのは伊達じゃない。
全力のスピードについてこられる?
なら最高速度を覆せばいいだけだ。
100%で足りないならその先へ。ラストスパートはまだ始まったばかりだ。
勝てる。今ならウマ娘の限界だって越えられる気がする。
だんだんゴールが近づいている。それが惜しい。もっとこの時間が続けばいいのに。
このまま走り続けられたら。ゴールの向こう、そのさらに遠くできらめくなにかにだって手が届きそうだ。
鼓動がまた一段、跳ね上がった。今さらのように頭蓋の中で血流が跳ね回る。呼吸が苦しい。でもまだ走りたい。速さの限界を越えてそのまま飛んでいってしまいたい。
「両者もつれこむようにゴール!」
ゴール。その言葉でレースが終わったことを認識した。あの透明な集中からゆっくりと引き戻される。温水のプールで漂っていたような心地よさがなくなった。全身を満たしていた昂揚感も。
「これは……どっちだ?」
「写真判定に入りましたね」
軽く流して呼吸を整える。
会場中が固唾を飲んで見守っている。写真判定の結果を。きっとこの放送を見ている人たちも。
ボクの帝王伝説がまた新たに1ページを刻むのか。それとも、挑戦者が終止符を打つのか。きっとその瞬間を今か今かと待ち望んでいる。
どっちが勝ったか。その答えを現時点で知っているのはボクとこの16番の娘だけだろう。
もしかしたら、ボクだけかも。
電光掲示板が光る。
1着は……16番。
ボクの番号は2着の欄に輝く。
瞬間、会場が湧いた。
「トウカイテイオー有馬に沈んだ! ついに無敗伝説が破られたぁ!」
ボクの負け、か。
なんだろう。認められないんじゃないかと思ってた。地団駄踏んでこれは嘘だって言い張るんじゃないかな、って。
でもいざ目の前に敗北をぶらさげられて、ボクはあっさりしたものだった。
どこかこの敗北を待ち望んでいたのかもしれない。そう思えてしまうくらいに。
それほど楽しいレースだった。トウカイテイオーの無敗伝説が破られても納得できてしまうくらい激しく興奮した。
「勝っ、た……? 勝った、んだよね……」
勝利した。そのはずなのに、16番の娘はあまりに現実感がなくて困惑していた。なんとも初々しい反応。
ボクに勝ったんだから、堂々としていてよね。まったくさ。
「いいレースだったよ。ありがとうね」
手を差し出す。最初、彼女は困惑したみたいだった。にっこりと笑ってボクがうなずくとようやくそっと手を取った。勝者を称えるつもりで彼女の手をしっかりと握り返す。
「おめでとう。次の最強はキミだ」
きっと今、ボクはあの日会見を開いていたカイチョーと同じ目をしているんだと思う。
ねぇ、カイチョー。
あの記者会見でボクを見たとき、もしかしてこんな気持ちだったの?
今ならなんとなくわかる。カイチョーがどうしてURAの要職じゃなくて、フリーランスを選んだのか。
うまく言葉にはできないけど。でもカイチョーと同じ立場になったからわかる。
ようやく下ろした荷物。ずっと背負っていた肩が軽かった。たぶん、そういうことだ。
悔しくない。そう言ったら嘘になる。
負けたのはめちゃくちゃに悔しい。勝ちたかった。まだ走っていたかった。
でも同時にボクはこうも思う。
ずいぶん長く走った。カイチョーがボクに最強の席を譲ったように、ボクも席を譲るときが来たんだ。
長く最強に居座った。最強とボクの名前がセットになって独り歩きをして、久しく挑戦する気概のある人なんてずっと出てこなかった。
ボクは退屈だった。挑まれない最強なんて面白くもなんともない。火花散らしてぶつかりあった果てに勝つから、その勝利が輝く。誰も彼もが諦めムードのレースなんて、ぜんぜん楽しくない。
今日このレースが最強伝説を破ったレースになって本当によかったと思う。
「あー! 楽しかった!」
心からボクはこれが言えるから。
◇
夕ご飯。それからお風呂。いつもみたいなルーチンワーク。
ああ、でもちょっとだけ違うか。最近は身体を仕上げるために食事管理もしていたけど、今日は気にせずに食べたいものをメニューにした。
キャロットグラッセ、キャロットラペにエトセトラ。にんじんづくしだ。
なんだかお腹いっぱいに好きなものを食べたのは久しぶりな気がした。大して時間は過ぎていないはずなんだけど。
いつもみたいに皿洗いを彼に任せた。手早く順番に入浴を済ませていく。
その間、特別なにも話さなかった。アタシはわざと、彼はきっと迷って。
日常を演じた。そっちの方がアタシにとって心地いいから。そのはずだから。
でも、そんなふうに今日が終わるはずがなかった。
「……なあ、ネイチャ」
ああ、ついに来た。きっと来るとわかっていた。
彼はトレーナーだ。アタシが引退してもそれは変わらない。今日のレースについて、なにも言及しないわけがなかった。
「あれだけブランクあったのにさ。付け焼刃でよく走ったんじゃないかなって思うんだよ」
咄嗟にアタシの口は走っていた。ぺらぺらとよく回る口だと我ながら思う。肝心なことは話せないくせに。
「正直さ、最初っから無理があったとは思うんだ。だって引退してるんだよ? 歳も取ったしさ」
「ネイチャ」
「むしろ現役のテイオーをあれだけ追い詰めたなら大金星なんじゃない?」
「ネイチャ」
「うん、よくやったよアタシ。そりゃあ、短距離だからテイオーも慣れてない距離だろうけどさ。でもすごくない?」
「ネイチャ!」
彼が声をあげた。寝室に声が反響する。なかなかここまで大きな声を出すことも珍しい。思わずアタシは飛び上がった。
「ここは俺たちの家だ」
「そうだね」
「住んでいるのは俺たちだけだ」
「そうだよ」
「他にはだれもいない。だれにも聞こえない」
そう、だね。アタシたち以外に聞く人はいないと思う。
「……でもあなたには聞こえるよ」
「ネイチャが抱えたままの方がずっと辛い」
「で、でも……!」
「有馬記念2着。納得してなかったんだよな。あの時の失敗を俺に繰り返させないでくれ」
頭のてっぺんが温かい。大きな手がアタシの頭の上に乗せられたからだった。くしゃ、と髪が乱れる。撫でられた、と少し遅れてから気づく。
「甘えたいときは甘えてくれよ、ネイチャ」
「そっか」
「うん」
「アタシ、甘えていいんだ」
「ネイチャの夫だからね」
「……なら、お言葉に甘えよっかな」
「どんと来い!」
ちいさく笑う。そんなにアタシは甘えたがりに見えたんだろうか。これでもわりといい歳になってしまっているんだけど。
確かに昔から甘えにいったことはなかった。トレーナーとウマ娘の関係で甘えるって恥ずかしい。そんなプライドとか意地みたいなのが邪魔して素直にならなかった。
でも、まあ。もう、いっか。旦那さんに妻が甘えるってそんなにヘンな話じゃない。それにだれも見ていない。
「じゃあそこに座って」
「ベッドのへりに?」
「そうそう。そんな感じ。そのままでキープして」
座らせた彼の正面。足の間にするりと身体を滑り込ませる。
ちょっとだけ見つめ合う。二度、三度と深呼吸。心の準備を整える。
「えいっ」
彼の胸に顔を埋める。規則的な心音が聞こえてくるけど、どっちのものだろう。たぶん、アタシのであって彼のでもあるのだと思う。
あったかい。その熱はアタシが凍らせていたものをゆっくりと解かしていく。
うん、やっぱり好きだなぁ。
この人に恋してよかった。
この人に選んでもらってよかった。
この人と結ばれて本当によかった。
アタシは幸せ者だ。
「アタシ、がんばったよね」
「うん。がんばったよ、ネイチャは」
「速かったよね」
「ああ、間違いなく速かったよ」
「もっと褒めて」
「たくさんありすぎて困る。ネイチャは俺の自慢の愛バだから」
「まあ、ネイチャさんってばいい奥さんですから」
ちょっとおどける。彼はゆっくりと頷いたらしい。
彼の手を借りながら自分を認めてあげて。よくがんばったねって褒めてあげてから。
ようやく、堪えていたものが溢れだした。
「ほんとはね、勝ちたかったんだよ……!」
0.012秒。
アタシとテイオーのタイムの差だ。
仕事が終わってから、何度も短距離のトレーニングをした。
昔のスタミナを可能な限り戻すために早朝のジョギングもやった。
主婦の権力を振りかざして、食事も栄養バランスやカロリーを整えたものにした。
やれるべきことはすべてやって、その上でテイオーに挑んだ。
本気だった。あの有馬とは違う。最後まで手放さなかった。
でもテイオーには届かなかった。
勝負の世界は残酷だ。勝ちと負けの結果が嫌でも明確に出る。
1秒の100分の1ほどの時間。たったそれだけの時間がアタシとテイオーの間を巨大な壁として隔てている。
全力はとても痛かった。こんなに痛いものだったなんて知らなかった。
たぶん初めてアタシはちゃんと負けたんだと思う。
はじめて知った。こんなに負けることが悔しいものだったなんて。
「勝ち、たかった……、勝ちたかった、よぉっ……!」
すがりつくようにアタシの手は彼の服を掴む。一度でもあふれてしまったものは、もう止められない。優しい抱擁。黙って彼はアタシの頭を撫でていた。
慰めも同情もなにも言わない。そんな彼の素っ気なさが今は沁みる。
トレーナーとウマ娘。そんな関係だったころに戻ったみたいに、アタシはわあわあと泣き続けた。
有馬記念2着。
短い時間でしたがここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
自分で言うのもなんですが、結構面白い話になったんじゃないかな、と思います。
大人になったネイチャとテイオーがそれぞれに別の角度で憧れや羨望を抱きながらまったく別の想いを抱えている。そんなお話でした。
感想、評価などお待ちしております。それではまた、どこかで私が筆を取った時にお会いできたならば。
……せっかくですので、最後にキャラ設定を公開したいと思います。興味のある方はご覧ください。見なくても特に問題はありません。
以下設定
ナイスネイチャ
有馬記念2着後に引退。トレセン学園の経理課事務員に就職する。就職後は仕事をしつつ、終業後にはトレーナーがウマ娘にトレーニングをつけている様子を見に行くことが多い。
忙しいから、とコンビニ弁当が主体の食生活になっている彼を見るに見かねて「アタシのぶんとついでだから」とお昼ご飯のお弁当を作るようになる。そのままずるずると休日にごはんを作りに行ってあげたりするようになり、なぁなぁで付き合っているような関係になる。最終的には彼からのプロポーズを受ける形で同棲→結婚のルートを辿った。ネイチャ母曰く「思ってたよりあんたら時間かかったね」とのこと。
ナイスネイチャのトレーナー
トレーナーとウマ娘の関係だったころからネイチャがわりと露骨に(本人は隠しているつもり)好意を見せていたせいで、「俺はトレーナーで彼女はウマ娘」という鋼の意志が崩れかけていた人。それでも引退するまではがんばった。引退するネイチャの就職先をトレセン学園に用意していたのは、完全に離れたくなかったからですね、わかります。
ネイチャ自身が有馬2着に対してなにかしら抱えていることはうっすらとわかっていた。だが引退を決めているネイチャにどうすればいいのかわからず、なにもできなかったことにトレーナーとしての自分の未熟さを痛感した。作中でほとんど明言しなかったけど、彼の後悔はこれ。
鹿毛のウマ娘
特にモデルとかはいない。テキトーにそれっぽく作ったキャラクター。鹿毛って響きがカッコいいな、と思って鹿毛にしたくらい。おどおど気質だが、とんでもないオタク気質。好きなものに一直線で自分の譲れないものに対しては強情。
トウカイテイオー
トレセン学園卒業後は企業がバックについた実業団のスカウトを受ける形で入団。目覚ましい成績を残し、「孤高の帝王」「無敗のウマ娘」の二つ名と共に最強まで昇りつめた。成長によってか自身の天真爛漫さがメディア受けという意味で武器になることをある程度理解している。
レースが楽しくなくなったきっかけは連戦連勝を続けたテイオーに、その無敗を継続させようと勝つために合理的な手段を実業団のコーチに伝えらたことがきっかけ。テイオー自身も勝ちたかったため、その走り方にだんだんとシフトしていったが、勝つことだけを目的として走り、そしてまた勝ててしまったがためにだんだんと周囲がテイオーに対しての挑戦を諦めてしまった。闘争心のぶつけ合いを感じられなくなり、レースが楽しいと思えなくなった。
シンボリルドルフ
引退後はしばらく休暇を取っていた。その後、働くという話になってもウマ娘のためになにかしたいという気持ちは健在だった。その一方で、組織に所属してだれかを導くという形に疑問を覚えて、URAからの誘いを断った。ウマ娘たちを別の形のアプローチで支えたいと感じてフリーランスを始めるようになる。実際、ライターを名乗ってはいるが、あれは記者会見に入り込むための方便であってライター業に限ってはいない。ただ、三冠ウマ娘の書いた今後の競バ界についてのトピックなど、高い原稿料がもらえるためにメインがライター業になっている。
テイオーがレースを楽しんでいないことに気づいていた数少ない人物。だがテイオーに最強の座を譲り渡し、継承させた自分がこれを指摘する資格はないと考えて口をつぐんでいた。