ウイニングファーム興亡記   作:おたま

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BGMはウマ娘。メインストーリ6章の1998年日本ダービーBGMを聞きながら執筆をいたしました。


1985 世界頂上決定戦

11月4週だ。

 

みんなが楽しみでたまらないジャパンカップの日だ。

今年の秋競馬はとんでもないこととなっていた。JHKの調教映像公開は始まりでしかなった。

 

ルドルフが凱旋門賞を勝った後、レース映像はどこのテレビ局でも放映されて、お祭り騒ぎだった。

ルドルフが成田空港に凱旋のために降り立った瞬間、もう何万人いるかわからないほどの人に埋め尽くされ、とんでもない声の喝采の量だった。

 

 

BCターフをシービーが勝った後は、アメリカからの観光客が倍増した。最近のアメリカとの貿易摩擦等でなかなかに国民感情も悪くなっているかと思ったが、そんなこともなく、ウイニングファームや、社対。千喜田牧場に、ニイホリに大量の観光に行きたいという電話が国際電話で流れてきた。

 

 

英語できる人がいないから大変だったよ。

 

 

さらに言うと、オブライアン調教師を始め、世界の名調教師や馬主が、見学に行きたいとアポを取ってきたり、日本馬の海外購入も圧倒的に加速しているのだという。

 

途轍もないことになりました。

 

ついでにBCにはマイルでコジーンも出走しており、優勝したのちに11月3週に行われたマイルチャンピオンシップに出走し、今年も現役続行を決めたハッピープログレスを振り切り、1馬身差で見事に優勝していた。

 

新聞の「白き流星再来。二代目マイルの皇帝はまだか。」という文面をよく覚えている。

 

ピロウイナークラスの馬が早々現れちゃやばいのよ。

 

そして、BCターフを勝った後に二頭の七冠馬がジャパンカップに出走を決めたという報道がされた瞬間、世界各地の大名馬が続々とエントリーしてきた。

 

「ロンシャンマエストロ」サガス。「黄金の馬」ゴールドアンドアイボリー。「虹色」レインボウクエスト。「第九代目英国三冠牝馬」オーソシャープ。「舞踏家」スリップアンカー。シアトリカル。「鉄の女」トリプティク。「怪物」ティーノソ。

 

コマンチラン。ぺブルスも出走を表明してたが、ケガや、病気で回避をしていた。

 

なんと、この両陣営からウイニングファームあてに回避するという電話が来ており、「私たちが一番最初に七冠馬を倒します。」と、宣戦布告をいただいた。

 

 

少年漫画みたいで正直燃えた。

 

 

さらに言うと、チャンピオンズカップにもアメリカダート馬が出走を表明しており、有名どころだと、なんとあの「赤褐色の弾丸」スペンドアバックのラストランのために来るのだという。さらに「10ハロンの覇者」プレシジョニスト、今年のBCクラシック馬のプラウドトゥルースの三頭だという。

 

凄いことになりました!凄いことになりました!

 

そして、如月さんからアメリカ圏素質幼駒のリストをいただき一頭購入した。アルセアの84だ。

アルゼンチンの馬でかわいい牝馬だ。早めになじんでくれると嬉しいな。

 

 

そして、11月である。11月は忙しすぎたね…。

 

まず、騎手や調教師がみんなテレビに出ずっぱりだった。銀子の部屋。笑っていいかな!ニュースの競馬部門の解説役。スポーツ教室の先生役。ラジオ体操のゲスト。のど自慢大会。料理教室。まさか、海外から来たジョッキーにドラマにゲストとして出演していただくとは思わなかった。これがジャパンマネーですか…。

 

 

俺も笑っていいかな!とか5連単クイズとかに出演させてもらった。楽しかったけど、緊張がとんでもなかった。

 

 

 

出走する16頭のレース映像がゴールデンタイムで放送されるのだ。さらに、日本、海外の大名馬のレース映像も。

 

ニュース新聞には普通に競馬予想がちょこんと乗っているし、東京の小学生が「セクレタリアトとシアトルスルーってどっちが強いの?」と質問してきたときは耳を疑った。

 

最近は競馬予想部とかいうなんと教育に悪そうな部活もできているとニュースで報道されていた。

 

引退馬支援共同会の動画が100万回再生を超えていた。

 

とんでもねえな。ヤバすぎるよ。

 

 

 

これが、もう一回の爆発だったのだろうか。いや~なんか違う気がする。

 

嫌な予感がする。スタッフさん募集しなきゃ…。

 

 

日本の競馬界の国際色が豊かになっちゃう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『昨日の大雨から虹が架かる快晴になりました!馬場は稍重!

欧州で活躍している優駿たちには有利に働くことでしょう!

さあ!

始まります!

これが日本競馬が始まって間違いなく一番の大舞台となります!16頭中、12頭がG1馬!残りの4頭も重賞を制覇しております!

世界の名馬と世界の名手が集まりました!すべてのホースマンが見ています!これを見れない未来のホースマンは我々を羨むでしょう!

これをテレビで見ている人は生で見れる20万の観客を羨むでしょう!大決戦!史上初!第一回世界頂上決定戦!

場所は東京競馬場!

ジャパンカップ!

いよいよ開幕であります!』

 

 

 

歴史とは煌めきである。

 

 

 

『さあ、左野(さの)さん枠入りはどうでしょうか。』

『順調です。さすがは世界の優駿です。ゆっくりとメジロモンスニー。サガスゆっくりと入ります。モンスニー少し入れ込んでるでしょうか。』

『まあ、無理もありませんね。この大観衆ですもん。競馬場の外にも人で埋め尽くされています。3日前からキャンプして待っている人がいるほどですからね。』

『ええ。本当にすごいことになりましたね三明(みあけ)さん。』

 

 

 

伝説とは輝きである。

 

 

 

『さあ、偶数番の馬が入っていきます。が、シリウスシンボリ少しゲート入りを嫌がっています。シービーはゆっくり。確かめるように入ります。シアトリカルも少し嫌がっておりますが、収まります。』

 

 

 

『始まりますね。この歓声は正しく熱狂といってもよいでしょう。

競馬がギャンブルからあの、「トウウラコール」でスポーツになりました。そして、ライバルとの激闘。過去の名馬の歴史をみんなが知って、競馬はドラマとなりました。

そして今。

その歴史はまた大きく階段を上ります。わずか三頭から系譜を重ねてきたサラブレッド。今、彼らは伝説になります。』

 

 

 

 

競馬とは馬の「英雄譚」である。

 

 

 

 

『さあ、大外の16番、ティーノソが収まりまして……。

競馬史上最高の一戦の幕開けです!!大きな出遅れはありません!

さあ、先頭争いは!スズマッハ!ティーノソ!来た来た来た!!やはり行きます!ミルリーフからの系譜!!英国ダービー馬!スリップアンカーが行きます!スリップアンカーが先頭に立つか!!いや、スズマッハだ!スズマッハ!

行くぞ!行くぞ!さすがだ!スリップアンカーは2番手に控えるのか!スズマッハが先頭です!2番手に3番人気スリップアンカー。その後ろにシアトリカル。4番手、4番人気ティーノソ。その隣にここ!一番人気であります!シンボリルドルフ!シンボリルドルフはここにいます!

その隣にやはり居ります!サガスです!エリック・サンマルタン。虎視眈々とマークをいたします!

そしてゴールドアンドアイボリー。シリウスシンボリ、サクラサニーオー。5番人気の三冠牝馬!オーソシャープ!天才はこの位置を選びました!

その隣!

もう一人の天才!ヤマノシラギク高原清輝はここ!そし、てトリプティク。ミホシンザン。レインボウクエスト。ジャック・エデリー。後方にメジロモンスニー!そして最後方!!

今回は出遅れませんでしたが最後方!2番人気!ミスターシービーは最後方から競馬を進めます!』

 

 

 

『スズマッハは大逃げです!

本当にカツラギエースの再現をなそうというのか!

負けることを考えてレースを行う馬が、ホースマンがいるわけがありません!ゆっくりと!ゆっくりとスリップアンカーが加速します!

中段をご覧ください!ルドルフが!ルドルフが3コーナー手前から加速します!まさかここから行くのか!?

シンボリルドルフ!!凱旋門賞の再現となるのか!?サガスも行く!サガスも行く!スリップアンカーもティーノソも加速します!英国ダービー馬が合わせて加速!オーソシャープ!トリプティク!女傑2頭も上がっていく構えか!

凄いレースになりました!凄いレースになりました!

さあ!スズマッハ!リードは10馬身くらいあるぞ!大ケヤキを回ります!!大ケヤキを回ります!

各馬加速いたします!

さあ!ここからです!

この夢の2分半!!

もう半分が過ぎてしまいました!!すべてのホースマンがすべてのホースウーマンが今か今かと固唾を呑みます!』

 

 

 

『各馬やはり最強の優駿16頭!

スズマッハに一気に詰めていきます!ルドルフが3番手だ!スリップアンカー!コーナーで二番手だ!サガス!後ろ4番手!さぁ~500m直線コース!

生涯一の夢舞台! さあ先頭はスズマッハ!右ムチが入った、オーソシャープ!!スリップアンカー!スズマッハを軽く交わします!!オーソーシャープ!外にレインボウクエスト!シンザン!シンザン!真ん中シリウス!シービーは馬場の大外だ!!

ルドルフが加速したぁ!!!!

残り400!!!栄光まで400!!!!

まだ先頭!!!ティーノソ!凄い脚!凄い脚!

オーソシャープ!!スリップアンカー!!!叩き合い!!風車鞭がうなる!!

間を割ってシンボリルドルフやってきた!

間を割ってシンボリルドルフ!!

皇帝が先頭だぁ!

突き抜けた!!速い!強い!!固まっている!!残り200!!残り200!!!』

 

 

 

『ルドルフ先頭!後続から一気に広げた!

決まったか!?後続は団子状態!サガス懸命の追い!!サガスが来るか!!オーソシャープまた伸びる!大外レインボウクエスト!トリプティク!ミホシンザンも来ているぞ!内でティーノソ!ティーノソ!

スリップアンカー!大外から10番のシービーだ!!もの凄い勢いで!!

ダービー馬たちを交わす!

最強の2頭だ!!

2番手!!シービー来る!!シービーだ!!ルドルフ加速!最強馬の意地を賭けた一騎打ち!』

 

 

 

ルドルフ!

 

 

 

 

 

シービー!!

 

 

 

 

 

三馬身!!!

 

 

 

 

 

 

二馬身!!!!

 

 

 

 

 

 

一馬身!!!!!!

 

 

 

 

 

 

影を踏んだ!!!!!!

 

 

 

 

 

突き抜けるか!!!!!

 

 

 

 

 

 

ルドルフ差し返す!!!!!

 

 

 

 

 

 

合わさった!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

同時だぁああ!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

The Rival

 

 

85年。ジャパンカップ。

 

 

世界頂上決定戦。二頭の七冠馬の最初の死闘。

 

 

圧倒的な絶対の走り。暴力的な禁忌の走り。

 

 

「唯一抜きんでて並ぶものなし。」

 

 

勝者の名前は「ミスターシービー」

 

 

『三馬身!二馬身!一馬身!影を踏んだ!突き抜けるか!ルドルフ差し返す!合わさった!同時だぁ!』

 

 

『15分に及ぶ写真判定の末に!僅かにシービーが出ています!僅かにシービーが出ています!シービーです!シービーです!圧倒的な直線一気!!ミスターサラブレッドが世界一の八冠馬!!ミスターシービーが勝ちました!!』

 

 

 

その日人々は伝説を見た。

 

 

 





このレースをウイポで見た時にジャングルポケットのジャパンカップと似ていると思いました。

面白かったら高評価。コメントの方もよろしくお願いします。
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