ウイニングファーム興亡記   作:おたま

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第一章は拍手喝采歌合が意外にもマッチしているかもしれません。


二頭の七冠馬

『1枠1番。最内は八冠馬であります。一か月前の世界決定戦を勝利し、今年の最強馬となりました。有馬記念も勝利し、九冠馬となれるのでしょうか。2番人気。人気投票2位。「奇跡の豪脚」ミスターシービー。吉岡正人。』

 

 

 

 

 

”これが最後なんだ” ”ここしかないんだ”

 

 

 

 

 

『8枠11番。今年の有馬記念の大外に位置しました。七冠馬。シンボリルドルフ。岡安幸夫騎手であります。一か月前のあの涙!彼も勝ちたい!今回は「皇帝」としてではなく、「挑戦者」として八冠馬に挑みます。』

 

 

 

 

 

”いつも通りにやるだけだ” ”どうすれば勝てる”

 

 

 

 

 

『あの、世界頂上決定戦から1ヶ月。

年末の有馬記念であります。八冠馬ミスターシービーはこれでラストラン。

ルドルフの惜敗の涙。観客の心に刺さったか、ルドルフが人気投票。そして一番人気であります。観客が皆固唾をのんで見守ります!

泣いても笑ってもこれで最後です。悔いの残らない最高の最後の走りを魅せてくれ!

人馬ともに勝ちたいと願う!第三十回有馬記念の枠入り完了!…スタートしました!』

 

 

”きっと勝つ方法は” ”彼に勝つにはそこしかないのか”

 

 

 

 

 

『さあ始まりました!有馬記念です!

全馬いいスタートを切りました!一団で始まりました!

先頭に行くのはニシノライデン!ニシノライデンが先頭に立つのか!?

外からカネクロシオ!カネクロシオが先頭か!?カネクロシオだ!カネクロシオが先頭だ!3番手スダホーク!4番手天皇賞秋を勝ちました!ギャロップダイナ!サクラサニーオー!大島篤!隣にミホシンザン!!ミホシンザンはここ!馬群の真ん中!

さあ!ホームストレッチに駆けていきます!

お聞きくださいこの大歓声!17万の大歓声!

中山のテンションは最高潮に達しようとしております!

ミホシンザンの後ろはヤマノシラギク!高原清輝!ハーバークラウン!ローラーキング!

そして、ルドルフ!シンボリ、ルドルフはここ!いつもの競馬よりも後方!後ろから二番目であります!!

少し離れて最後方!!ここにミスターシービー!ラストラン!いつもと全く変わりません!!』

 

 

 

 

 

”全力を見せてくれ””いつ仕掛けるんだ”

 

 

 

 

 

『向こう正面を通過して!第三コーナーに入っていきます!先頭入れ替わっておりますニシノライデンであります!

カネクロシオは隣!外側に居ります!三番手スダホーク4ば、ん!?来ました!来ました!最後方からまくりに行きます!!ロングスパートをかけて行きます!登り龍だ!ミスターシービー!!!おお!?ルドルフも動いた!!

上がっていった、シンボリ、ルドルフ!!!ルドルフも駆け上がる!真っ向勝負を挑むのか!?それにつられてミホシンザンも上がって行きました!

一気にこの3頭が抜け出した!一気に3頭が抜けた!ミスターシービーが先頭!外からはシンボリルドルフ!この2頭が並んで4コーナーに向かって行きます!中山競馬場!ボルテージは最高に上がってきた!』

 

 

 

 

 

”友よ。見せてくれ。つなげてくれ” ”やることはやった。勝ちたい”

 

 

 

 

 

『200mの直線だ!中山の直線だ!

さあ!二頭びっしりと併せて!!

内からはミスターシービー!外からはシンボリルドルフ!

二頭ともお互い譲らない!!ここからが心臓破りの坂!!

ここからが2mの大坂であります!!それでもそれでも二頭さすがだ!二頭さすがだ!日本のミホシンザンをどんどん離していく!!

世界の二頭!さあ、どちらが瞬発力で勝負をみせるか!

首の上げ下げ!首の上げ下げ!ミスターシービー!!シンボリ、ルドルフ!!ミスターシービー!!シンボリ、ルドルフ!!どっちだ!どっちだぁ…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

The Rival

 

 

 

85年。有馬記念。

 

 

 

二頭の七冠馬。最後の死闘。

 

 

 

「唯一抜きんでて並ぶものなし。」

 

 

 

言葉などもう意味をなさない。

 

 

 

勝者の名前は「シンボリルドルフ」

 

 

 

 

『日本のミホシンザンをどんどん離していく!!世界の二頭!さあ、どちらが瞬発力で勝負をみせるか!首の上げ下げ!首の上げ下げ!ミスターシービー!!シンボリ、ルドルフ!!ミスターシービー!!シンボリ、ルドルフ!!、どっちだ!!どっちだぁぁ!!!!僅かに外か!?わずかに外!シンボリルドルフか!?最強の2頭!! 最後は2頭!!…ものすごいレースですっ!!』

 

 

 

”友よ。ありがとう。”

 

 

 

 

 

 

 

ミスターシービー

 

 

現役期間1982年〜1985年

 

 

欧米字: Mr.C.B.

 

 

性別:牡

 

 

毛色:黒鹿毛

 

 

生誕:1980年4月07日

 

 

父:トウショウボーイ

 

 

母:シービークイン

 

 

母父:トピオ

 

 

生国:日本北海道浦河町

 

 

馬主:ウイニングファーム

 

 

調教師:松本安久(まつもとやすひさ)

 

 

 

 

勝ち鞍

 

 

GI ジャパンカップ 1985年

 

 

GI BCターフ 1985年

 

 

GI フランク・E・キルローマイルハンデキャップ 1985年

 

 

GI 天皇賞秋 1984年

 

 

GI 菊花賞 1983年

 

 

GI 日本ダービー 1983年

 

 

GI 皐月賞 1983年

 

 

GI ホープフルステークス 1982年

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『東京は燃えているぞ府中の直線!府中の直線!アメリロードが先頭か!アメリロードが先頭か!外からジュピターアイランドも来ているぞ!!ジャック・エデリー!!

内からミホシンザン!内からミホシンザン!!真ん中からルドルフだ!!真ん中からルドルフだ!!借りを返しに来た~!!残り200mか!

先頭はやはり突き抜けた!ルドルフだ!ルドルフだ!ケガがなんだ!

簡単だ!

有馬記念振りの走り!

みたか!!これが皇帝の走りだ!!お見事でした!

シンボリルドルフと岡安騎手!!大きく左手を掲げます!』

 

 

 

『おっと~!ウイニングランの途中です!

岡安騎手!指を!9を!掲げております!シンボリルドルフは有馬記念で八冠馬ミスターシービーを下したのちに骨折!

ジャパンカップが復帰レースにして引退レースであります!有馬記念後!走り方がおかしいとして!ウイニングランも!口取り式も行いませんでした!

不器用に重ねた5本指と4本指!恐ろしい記録です!今ここに「九冠馬」シンボリルドルフ誕生せしめました!!おめでとう!

あ!今「オカヤスコール」が響いています!!

競馬はスポーツになりました!馬も人も勝ちたい心があるとルドルフ自身が証明してくれました!おめでとう!おめでとう!ルドルフ!!その伝説はいつまでも輝くでしょう!!』

 

 

 

 

 

 

シンボリルドルフ

 

 

現役期間1983年〜1986年

 

 

欧米字: Symboli Rudolf

 

 

性別:牡

 

 

毛色:鹿毛

 

 

生誕:1981年3月13日

 

 

父:パーソロン

 

 

母:スイートルナ

 

 

母父:スピードシンボリ

 

 

生国:日本北海道門別町

 

 

馬主:ウイニングファーム

 

 

調教師:谷平雄二(やひらゆうじ)

 

 

 

 

勝ち鞍

 

 

GI ジャパンカップ 1986年

 

 

GI 有馬記念 1984・1985年

 

 

GI 凱旋門賞 1985年

 

 

GI サンクルー大賞典 1985年

 

 

GI イスパーン賞 1985

 

 

GI 菊花賞 1984年

 

 

GI 日本ダービー 1984年

 

 

GI 皐月賞 1984年

 

 

 

 

 

ミスターシービーは抒情詩。シンボリルドルフを叙事詩とだれかは言った。

 

連続して生まれた2頭の三冠馬は驚くほど対照的なものであった。

だからこそ、人々は燃えたのだ。

 

”これが俺たちの三冠馬だ。”

 

劇的であれ。

 

現実は小説より奇なり。

 




きっとこの年代のホースマンはとってもワクワクしていたことでしょう。
シンザン以来の三冠。それも2年連続。

この世代があったから、オグリたちが輝いたのだと思います。

オグリたちの世界が漫画の世界ならば、彼らはエピソード0でしょう。
日本競馬の大事な変換点だと考えております。

アナウンサーごとに実況の感じを変えております、こうした方がそれっぽくなるんじゃないかな~。とかありましたら、ぜひコメント欄等にお書きいただけると幸いです、

面白かったら高評価。コメントの方もよろしくお願いします。
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