ウイニングファーム興亡記   作:おたま

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少し書き直しました。申し訳ありません


1993 春競馬とロイヤルアスコット

あの有馬記念からはや4か月。

 

あのメジロパーマーの有馬記念は別名爆逃げのための有馬記念と呼ばれている。

凄い面白かった。お酒入りながら見ると笑いが止まらん。

アイネスフウジン、ダイタクヘリオスはこのレースで引退となった。ブルボンは体調を崩してしまって復活は秋競馬になりそうだ。

 

トウカイテイオーは2度目の骨折だ。中々重く復帰できるかは分からない。毎日様子を見て祈ることしかできないのはつらいものだ。

 

 

 

今年の2歳。94世代のうちの所有馬はビワハヤヒデの弟のナリタブライアン。サクラローレル。外国産馬のヒシアマゾン。の三頭だ。

 

 

ここからハヤヒデはきさらぎ賞から皐月ダービーといく、タイシンはシンザン記念から共同通信杯。スプリングステークスから皐月、ダービーと挑む。チケットは弥生賞から皐月ダービーだ。

 

この三頭、多分だが一緒にレースを行うと予想以上に強くなる。一緒の放牧場や、レース場にともにいると強くなるかもなので、意識しよう。噂に聞く「優駿の絆」みたいなのが有るのかもしれん。

 

 

 

『さあ中山の3コーナー今年も春競馬クラシックの第一関門!

BNWは一体どのような競馬を見せてくれるのか!残り200!残り200!アンバーライオンが先頭!アンバーライオン先頭!そとから!ウイニング!ウイニングチケット!真ん中からビワハヤヒデ!!競り合う!競り合う!軽く交わした!アンバーライオンを交わした!!二頭が競り合う!二頭が競り合う!

最内から!!

空いているところから!!ナリタタイシンやってきた!ナリタタイシンがやってきた!ナリタタイシンが差し切った!!!ナリタタイシン!!』

 

 

 

『残り400mだ!さあアンバーライオン頑張った!アンバーライオン頑張った!

ウイニングチケット2番手!速めに仕掛けたぞウイニング!!白い帽子、ナリタタイシンもやって来た! 白い帽子、ナリタタイシンもやって来た!ここでウイニングが先頭に立った! ウイニングチケットが先頭に立ったが、外のほうから白い帽子、ナリタタイシン! ナリタタイシン! そして内をついてはビワハヤヒデ!

人気の3頭の競馬!BNWの競馬さあ先頭はウイニングチケットか! 内をついてはビワハヤヒデ!先頭はウイニングチケット! ウイニングチケット!ウイニングチケット!!新幡これが念願のダービー制覇!

新幡将人勝ちました!悲願のダービー制覇! ウイニングチケットで決めました! 勝ったのはウイニングチケットです!BNW対決のダービー馬はウイニングチケット!!』

 

 

と、皐月賞はナリタタイシン。ダービーはウイニングチケット。となったBNW対決は全馬1勝づつだ。

 

 

そして、なんと3月にセシルさんからあの有名なロイヤルアスコットへの招待がかかったのだ。一度ホースマンとして来てみないか?という感じだけれども。

 

今回それを所有馬の調教師さん達に話したら、興奮してロイヤルアスコットレースに出走してみないかという提案が有った。他にもアイルランド等にもウイニングファーム欧州大遠征を提案されたのだ。

 

ロマンだあ。

 

ロイヤルアスコット。6月第三週にイギリスのアスコット競馬場でイギリス王室が主催する競馬開催の事でテニスのウィンブルドン選手権。ゴルフ全英オープンに並ぶ競馬会のみならず世界の社交界だ。

 

英国のみならず世界中から上流階級が集まる。ただの場違いになってしまうかもしれないところだ。

正直行っても恥かくだけだと思う。いや、俺のマナー的にね?

 

谷平雄二(やひらゆうじ)厩舎のヤマニンゼファーは初日開催の1600mGⅠクイーンアンステークス。新幡義武(しんばたよしたけ)騎手にお願いする。

 

河江安朗(かわえやすろう)厩舎のメジロマックイーンはロイヤルアスコット前の3250mGⅢヘンリー2世ステークス。いつも道理の岳騎手だ。

 

濱田光晴(はまだみつはる)厩舎のビワハヤヒデはこれもロイヤルアスコット前ではあるが、なんとあの「ザ・ダービー」エプソムダービーに出走するとのこと。新馬戦から乗ってくれている岡安騎手だ。

 

藤正雅夫(ふじまさまさお)厩舎のウイニングチケットは2400mGⅡ「アスコットダービー」キングエドワード7世ステークスだ。新幡騎手にお願いする。

 

古原勇(ふるはらいさみ)厩舎のナリタタイシンは7月に行われる2400mGⅠアイルランドダービーに出る。岳騎手だ。

 

松本安久(まつもとやすひさ)厩舎のライスシャワーは3日目の世界最長4000mGⅠゴールドカップに出走する。大丈夫かと聞いたら「スタミナは無限のようにあります。この馬もブルボンに負けない!と美浦の坂路で鍛えてきました。なので大丈夫です。」とのことだ。

主戦騎手である間桐騎手にお願いする。

そして同厩舎のサクラバクシンオーは初日の1200mGⅠキングスタンドステークスに出走する。騎手はサクラの大島騎手だ。

 

合計7頭の日本のGⅠ馬で遠征を行う。

 

ロイヤルアスコットのためにドレスコードを買ってこよ…。

 

 

 

 

今私たちはイギリスはアスコット。ウイニングファーム大遠征のために訪れている。ウイニングファームのオーナーは今岳騎手と岡安騎手と一緒にテレビ撮影中だ。

ミスターシービーのころから思っていたが、あの人って休みはあるのだろうか。

今でもずっと美浦来たり栗東に行っているらしい。周りの馬を見るたびに撫でまわしていて「この馬かわいいですね~!お父さんは何の馬なんですか~?」とか「昨日の第〇レースの○○騎手の騎乗良かったですよね!今自分の牧場に多分合う馬がいるんですけど…」みたいないわゆる営業を無意識に行っているのがオーナーだ。

 

人懐っこくて結構可愛がられる性格をしている。竜胆秘書に聞いた所最近は書類仕事にも慣れたようで、新人研修に紛れ込んで馬の世話を行っているらしい。

動物に懐かれる体質もあるから天職なのかと思ったのだが、馬や動物が周りに居ついて身動きが取れなくなったり、集牧や馬の手入れの最中にも馬が甘えてきて角に追い詰められて何もできなくなり助けを求めたりと逆に仕事ができない判定になっているらしい。

そして今でも中々に仕事をさぼるようで、勝手に昼寝に行ったりしているらしい。最近は新人のスタッフにサボり場を分析されてお縄を頂戴されることも多くなってきたと竜胆秘書が笑顔で話していた。

 

 

 

あの頃からこの人は何も変わってはいない。その図太さがとても羨ましいものだ。もしかしたら気づいていないだけかもしれない。

 

きっとあの80年代を彩る数々の優駿を所有してきた彼の価値はこの10年で大きく上がっている。

最初は目の上のたん瘤みたいな感じで避けられてはいたが、あそこまで勝たれるとすり寄ったほうが得策と思う人も多いだろう。

 

今回だって、イギリスの令嬢に誘われてたと言われていたけれども、もしかしたら本当にこの競馬の世界から抜け出せなくなってしまうかもしれない。

 

まあ、大丈夫か。あれは所謂人たらしだ。あれが羽柴秀吉ならば、私は最初からの知り合いだから蜂須賀正勝か前野長康だろう。いつの間にか惹かれているのだ。

食ってやろうと近づくといつの間にか食われている。それを無意識でやるから恐ろしい。

 

まあ、私からすればかわいげのある変人だけれども。

 

「おーい!松山さーん!」

 

どうやら収録が終わったらしい。なぜあの人は何時もいつも名前を間違えるのだろうか。

 

「だから松本です!なんでいつも間違えるんですか!」

 

「いやはやすみません。やっぱり間違えちゃいます。さっき河江さんとも話をしたんですけど、間違えて池江さんって読んじゃいました。」

 

全く…本当に10年前から何も変わらない。

 

「でですね、さっきここにきてたアラビアの殿下とお話しして、今度牧場にお邪魔することになったんですよ!ラヴスミットゥンの92を買う約束をしたんですよ。なんか写真を見せてもらったんですけど、すごくいい馬体をしてて、あれは必ずGⅠとりますよ。他にはグローリアスソングの92なんかもよかったです。買えたら、松本さんの厩舎でお願いすると思うので、よろしくお願いしますね。」

 

……本当に早めに知り合っていてよかった。

 

 

 

 

『クイーンアンステークス!

直線マイルはあと半分!我らが”マイルの皇帝の傑作”GⅠ2勝!

ヤマニンゼファーは今は中段!ヤマニンゼファーは今は中段に居ります!

今日は三番人気!勝ってほしい!動いた!動いたぞ!一番人気のマーリングだ!マーリングが加速する!さあどうだ残りは400!二番人気のセカンドセットも動いたぞ!ヤマニンはまだ動かないか!いや仕掛けた!!新幡義武(しんばたよしたけ)騎手の鞭がうなるぞ!

ヤマニン加速!ヤマニン加速!きたぞ~!そよ風が吹き荒れる!ゼファーの風だ!

200を通過してマーリング先頭か!マーリング先頭か!セカンドセット!カナディアンウィドウ!ジューンも来ているがヤマニン並ぶか!

ヤマニンか!抜けたか!?だがもう一度マーリング!さあこの二頭の叩き合いか!二頭の叩き合いか!?マーリングか!ヤマニンゼファーか!マーリングかヤマニンかぁ!!?

インコース僅かにヤマニンかぁ!!?』

 

 

『さあ!電撃5ハロン!キングズスタンド!残りは600!ロックソング!ハナを譲らず!ウィリー・カーリン!先頭で外から来たのはバクシンオー!

サクラの電撃バクシンオー!

さあ!最初からこの二頭だ!大島の追い!大島の追い!さあどうだ残り400!一騎打ち!バクシンオーは外!ロックソングは内!

日欧王者の争いだ!ウルフハウンド追ってくる!ウルフハウンド追ってくる!グロリアナセフト!セイノヴァ!だが、この二頭だ!

サクラ出たか!?サクラ出たか!?

どうだ!どうだ!200だ!200だ!ロックソング差し返す!ロックソング!差し返す!どうだ!どうだ!どうだ!サクラバクシンオーだぁぁぁ!!!!

サクラバクシンオー!GⅠ取ったぁ~!大島篤が右手を上げました!

強い!強い!………強い!!』

 

 

 

 

『直線だ!ライスシャワーは3番手スパートをかけていくか!?

外からヴィンテージクロップ!外からヴィンテージクロップ!リパーピングオーバースピード!ムーンライトピーチ!ライスは仕掛ける!

仕掛けるか!ヴィンテージクロップが先頭に立ちました!ライスシャワー動いた!

ライスシャワー動いた!!残りは200だヴィンテージクロップがいまだに先頭!どうだ間桐!行けるか!ライスシャワーが来た!天皇賞春の勝馬は伊達ではない!!

さあ来たぞ~ライスがヴィンテージを交わすか!?交わすか!?交わした!交わした!交わしたところでゴールイン!

欧州最強ステイヤー!ヴィンテージクロップに勝利したのは!「黒い刺客」ライスシャワー!間桐騎手!首筋をやさしくたたきます!』

 

 

日本馬が3勝。これは見事だ。オーナーとして鼻が高いぜ。

 

中々骨が折れるところだが、関係を確立のためにもうひとガンバリだ。




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