息子ももう大きくなった。今15歳。今年から競馬学校に入学している。12期生だ。私も部長に昇進を果たした。あのルドルフのダービーから早8年。いまだに競馬にどっぷりだ。
CBの旗は今、リビングに馬のぬいぐるみと共に飾られておりマックイーンのミニゼッケンを手に入れた。いつの間にかリビングは競馬グッズ置き場になって久しい。
さて、今私は妻と共に中山競馬場に赴いた。今日は有馬記念だ。年末の最期のGⅠ。
今年はGⅠ4勝。天皇賞春連覇馬の「ターフの名優」メジロマックイーン。GⅠ3勝。「坂路の申し子」ミホノブルボン。GⅠ4勝「皇帝の子」トウカイテイオーの三頭がラストランとなる。
そのほかの有力馬は、今年のダービー馬ウイニングチケット。菊花賞とエプソムダービーを勝利したビワハヤヒデ。GⅠ2着5回にして、今年の宝塚記念馬レガシーワールド。有馬記念連続3着のナイスネイチャ。牝馬二冠馬のベガ。去年の春秋グランプリホースのメジロパーマー。
去年と比べても豪華なメンバーとなったのだ。
ナリタタイシンも出走予定だったが直前の熱病で回避となった。
今日は息子が競馬学校に入学して今はいない。
妻と二人っきり。そんな雰囲気を察知したのか、いつも話しかけに来てくれるおっさんたちも今回は遠巻きから見ているだけだ。今年は結構競馬場来てるんだけどね。
妻は逃げ馬が基本好きなようで、みんなで応援馬券を買う時も必ずと言っていい程に逃げ馬の馬券を買うのだ。今回買った馬券はメジロパーマー。ミホノブルボンとどっち応援するかをうんうん競馬場に来た時から悩んでいた。
応援馬券は一頭だけと家族で決めているので、去年は逃げ馬5頭でうんうん前日から頭を悩ませていた。
私たちも競馬歴は早くも9年。オグリが消えても、いまだに競馬人気は衰えることもなくますます盛況だ。
朝から競馬場に来ていたが、私が見た範囲だと3か所で撮影が行われており、神戸屋イワシと演歌で有名な歌手で、馬主でもある
更にこの中山競馬場には息子も競馬場見学ということで見に来ており、さっき軽く話してきた。テレビ通話で毎週面を交わして話してはいるが実に半年ぶりの再開であり、喜ばしいものであった。
息子が言うには同期に、あの元祖天才
凄いタイミングだ。陽一騎手といえばオヤマテスコの桜花賞とハードパージの皐月賞だろう。最近ひいきにしてくれる上司にめちゃくちゃ見せられるのだ。”私はシンザンから競馬を見ているがこんなにすごい騎手を見たことはない!”と進められるのだ。他に薦める人はいないのだろうか。
『3枠4番。一年ぶりの出走です。ラストラン。トウカイテイオーと
トウカイテイオーは今。私が最も期待している馬だ。初めて生で見たダービーは父ルドルフ。その初めての産駒世代での3冠を期待された馬だ。走り方も美しく、芸術品として飾れるほどだと私は思う。
ダービー後と去年の有馬記念の二度の骨折を克服してのラストランだ。勝ってくれは言わないが、無事に帰ってきてほしい。
応援馬券はもちろん買ったが。
『6枠11番。ラストランです。最後のTM対決であります。葦毛神話4頭目の傑物。史上初。菊花賞馬にして天皇賞春連覇馬。史上最強のステイヤーであります。先月のジャパンカップの勝利馬でもあります。衰えたとのことですが、天才岳穣は二冠馬ベガではなく、この馬を選びました。ラストラン!花道を飾るのが「ターフの名優」なのでありましょうか。』
マックイーンとテイオーが共に待機所まで歩いていく。歩く姿は親友のようだ。本当に「帝王」と「名優」のごとしだ。
『7枠13番。サイボーグがアスコットから凱旋であります。今年の世界頂上決定戦チャンピオンステークス2000mを勝利し、この中山の地でラストランです。栗毛の来訪者。グランプリの舞台は爆逃げよりも緻密な品のある逃げの方がふさわしいというところでありましょうか。鞍上は
こっちはライスシャワーと一緒に歩いている。この二頭もライバルと言われており、戦ったレースはわずか4戦のみだが、それでも92世代を代表する2頭だ。
最近、ウイニングファームのMETUBEのチャンネルでこの二頭でグルーミングしている動画が公開されていたが、本当に仲がいいんだね。
ブルボンは引退後に種牡馬になるが、ライスシャワーの帯同馬として活躍するのだという。
ウイニングファームは今もっとも有名な牧場だ。マスコミからの露出が多くオーナーがテレビにも出ている。GⅠはタマモクロスやサクラスターオーを自家生産で勝利している。
共同馬主として様々な名馬を所有しているが、最近は自家生産馬で勝利はしていなく、馬主ランキングではトップに入るが、生産者ランキングでは上位にはいない中々特殊な牧場といえるだろう。
馬の合計は500頭を超えているらしく、大体が引退馬だ。主な収益はオーナーの相場眼をあてにしたレースでの賞金だが、最近はふれあいパークも同じくらいの収益をたたき出しているらしく、収益は右肩上がりなのだそう。
だんだんと、繁殖牝馬と種牡馬も増えており、今社来やニイホリに次ぐポテンシャルがある牧場と言われている。
さあ、いよいよスタートだ。ファンファーレの時に後ろの旗が応援団のようにはためいており、サッカーの試合かなんかというところだ。どっちかというとF1かもしれない。
今私たちは一番前だ。ゴール板の真正面だ。ここを抑えられたのは、実にルドルフのダービー以来だ。
めちゃくちゃうれしい。
『今、スターターが上がります。ファンファーレであります………。
ファンファーレが終わりました。お客さんは17万の大歓声であります。この光景も見慣れてきました。師走の第38回有馬記念であります。
今年も16頭フルゲート。晴天。良馬場です。2500m。きっとパーマーがいくでしょう。ですがブルボンがどうするか、ホワイトストーンはどうでしょうか。大外はメジロパーマー収まりまして…スタートしました!メジロパーマーいいスタートです!全頭見事なスタートを決めました!さすがは選ばれた16頭!
見事な始まりであります!メジロパーマーが3馬身、4馬身一気に開けて先頭!ミホノブルボン2番手、ライスシャワー3番手。ホワイトストーンが4番手、その隣にレガシーワールド
マックイーンの後ろ!天才の後ろには天才!トウカイテイオーが居ります!一年ぶりのレースであります!どんな走りを見せてくれるのでしょうか!
パーマーは大逃げではありません!パーマーは大逃げではありません!さあ一週目のホームストレッチ!観衆の声援を一身に浴びながらの各馬疾走していきます!
エルウェーウィンがいてウイニングチケット。ナイスネイチャ。ナイスネイチャはここです。エルサーカリバー、ウィッシュドリーム、そして13番手でありましょうか、ここに二冠馬のベガ!ベガはここです!セキテイリュウオー。
最後方にマチカネタンホイザという体制であります。』
今回のレースは去年とは違ってみんなが力を発揮できるような展開になった。流石にこんな熱狂の中といっても、8年もファンをやっているから、冷静に物事を見れる。
きっとこのままパーマーが引っ張るのは難しいだろう。なぜなら、大逃げになってないのはブルボンがいるからだ。
何時でもいくぞ。何時でも行くぞと常に圧をかけているのがわかる。その後ろにもまたマーク屋コンビの
きっとプレッシャーに負けて少しでも加速したら、ライスシャワーが詰めるだろう。
『17万の歓声はどうだ!熱気は最高だ有馬記念だ!
師走の風すら熱波となるぞ!
3コーナを回る!熱波の先頭はメジロパーマーだ!メジロパーマーが先頭!
ブルボンは始動するのか!ブルボンはどうだ!! そして兄貴ビワハヤヒデが早くも上がった!弟は勝ったぞビワハヤヒデ!レガシーワールドが3番手に下げました!マックイーンは大外だ!!
さあ、後続の中からウイニングチケットが今、 現在4番手まで上がって来ている!メジロパーマーがわずかに先頭! ビワハヤヒデ、そしてブルボン3番手!
ウイニング4番手!そして、レガシーの手がちょっと動いている! トウカイテイオー赤い帽子も来ているぞ!残り400mを切りました!残り400を切った!
さあ、ビワハヤヒデ岡安が先頭か!ビワハヤヒデ岡安が早くも先頭に立ったか!どうだブルボンはどうだ!ブルボンは伸びない!ナイスネイチャにベガ!!タンホイザはマックイーンと来ている! 外のほうからトウカイテイオーも来ている!トウカイテイオーも来ているぞ!
マックイーン!ビワに届くか!
マックイーンとビワハヤヒデ!葦毛対決だ!オグリ以来だ! 』
やはりハヤヒデか。あのパーマを4角先頭。次代のエースとしての大立ち回り。あれがエプソムダービー馬。
いや、外に目が行く。あの時のように。
皇帝が来る。
『さあ、残り200を切りました!
残り200を切った!ナイスネイチャも来る!ライスシャワーはまだ後方だ!トウカイテイオー来た! トウカイテイオーが来たっ!?トウカイテイオーが来たッ!!!ビワハヤヒデとトウカイテイオー!マックイーンは伸びない!
ダービー馬の意地を見せるか!トウカイテイオーだ!トウカイテイオーだ!トウカイテイオ~!
奇跡の復活~!!一年ぶりのレースを制しました! トウカイテイオー高原清輝!トウカイテイオー!
ミラクル!
奇跡の復活をみせました!トウカイテイオー! こんな事があるんでしょうか!!ラストラン御見事!!御見事!!』
なんという馬だ。あれがトウカイテイオーか。
帝王は皇帝を超えた。
さて新年だ。去年の有馬記念はトウカイテイオーの1年ぶりの勝利だ。ビワハヤヒデ2着。3着にナイスネイチャ。4着メジロマックイーン。5着ミホノブルボンとなった。
トウカイテイオーは一年ぶりのレースにしての勝利。この記録はルドルフの有馬記念からのジャパンカップを超えた日本競馬一位だ。
正直泣いた。ウイニングランでは高原コールではなくテイオーコールが響き渡り、寒風でトウカイテイオーの体から煙が立ち昇り幻想的な光景だった。
有馬記念後にテイオー、ブルボン、マックイーン。そしてゼファーの引退式を行った。19時からの引退式だったが、だれも帰っておらずみんな歓声で迎えてくれた。本当にありがとうございました。
新聞でもテレビでもテイオーの勝利は報道され、新年に特別CMを流す予定なのだが、急遽テイオーのCMも追加で制作した。
もう一ついい報告があり、共同馬主を行っていたトロットサンダーが浦和競馬場から中央に移籍すると報告があった。浦和競馬では今無敗であり、移籍後の初レースは東海S。そしてフェブラリーステークスの予定だ。そこから芝にも適性があるとのことなので、ここから京王杯や安田記念にも出走予定だ。
後、俺個人の報告なのだが、今年に入ってお見合いを行った、お相手は何とセシルさんだ。
4日に正装に着替えろと言われて、旅館の一室で待ってたらかわいいワンピース姿で顔を真っ赤にしてとことこ歩いてきたのだ。
セシルさんから聞いたのはセシルさんからお見合いをしたいと10月に竜胆さんと話したらしい。
事実上の告白をもらったということだ。まさか俺がこんな美人さんに告白されるとは思ってもみなかった。
俺はお見合いでそれを聞いた瞬間にOKを出した。自分から告白をできればよかったのだが、ヘタレなのが悪い。
まあ、そういうことで2人ともOKなので遠距離恋愛スタートかと思ったら、すぐさま飛行機に乗せられ、気が付いたら結婚式に居り、いつの間にか結婚をして、そしていつの間にかウイニングファームに二人で戻ってきたのだ。
俺がセシルさんの方の家名に入るのかと思っていたのだが、セシルさんが、うちの家名に加わることに。ほんとにいいのかと聞いたが、セシルさんの両親にも俺の両親にもOKをもらっているとのこと。
そんな感じでウイニングファームに新しい家族が増えたのだ。