ウイニングファーム興亡記   作:おたま

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旗を振り回す文化はこちらのオリジナルです。
サッカーとかの応援で使われている旗ってかっこいいじゃないですか(ロマン派)
見た目的にはダービー時の騎手紹介に出てきた勝負服カラーの旗がモデルです。


1994 衝撃と進軍

2001年4月。 ~コースポ記事~怪物伝説12番勝負3戦目。KGⅥ&QES

 

『今年は8頭で争われます。キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス GⅠ。アスコット競馬場の芝2400mで行われます。

今年は日本馬としてスピードシンボリ、シリウスシンボリの3頭目。まだ一度も日本馬は勝利したことありません。

今年の2冠馬GⅠ4勝の9戦6勝。エプソムダービー馬の弟。ナリタブライアンが同レースに挑みます。現在2番人気。どのようなレースを見せてくれるのか。

今年のKGⅥ&QESの有力馬を紹介いたしましょう。

一番人気は今年のエプソムダービーを勝利いたしました。エルハーブ。鞍上はウィリー・カーリン。

3番人気、去年のイタリアダービーの勝者にして、KGⅥ&QES、凱旋門賞2着馬の名馬。ホワイトマズルアイルランドで活躍しているジョン・リール。

他にも去年のイギリスセントレンジャーを勝利したボブズリターン。

今年のエプソムダービー、アイルランドダービー2着馬のキングスシアター。

今年も好メンバーで争われます。

今、10番コジーン産駒のエンヴァイロンメントフレンドがゲートに収まりまして……

スタートしました!』

 

 

 

ナリタブライアンは当時海外からも注目される素質馬であった。2歳時にブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフを9馬身で圧勝し、アメリカ、欧州共々日本のルドルフやシービーに連なる大名馬になるのか、ただの早熟馬なのかをこのレースで見極めようという雰囲気があった。

私はコースポの記事のために同レースを観戦しに行って息子氏や水内騎手、調教師の黒井さんに軽い質問などをしていた。

ブライアンが引退して5年となる今だから書く事ができるがこのレース。KGⅥ&QESと凱旋門賞、そして菊花賞の3レース時、ブライアンは調子が悪く常にギリギリの状態でレースを行っていた。

ジャパンカップ時には少しは持ち直したが、本調子には程遠かったと聞いている。

 

ナリタブライアンは先行差し馬だ。好位に位置し四角先頭で他馬をちぎる。だがこのレースでは逃げ馬がいない。

事前インタビューでは一頭逃げ宣言を行ってはいたが、ペースメーカーの役割になる。

 

日本のレースとは少し違った緊張感がほとばしっていた。

 

 

『アージェントリクエストがゲートから出ません。アージェントリクエストが大きく出遅れました。エズードが前に行きそうです。

逃げ宣言馬が大きく出遅れました!まさかまさかの展開です!一体どうなるのでしょうか!これはスローペースになりそうです。スローペースになりそうです。』

 

スタートのキレが良かったアージェントリクエストではあるがここでまさかの出遅れとなった。

 

最初からスローペースになるという予想はされていたが更にのスローペースとなる。

ナリタブライアンはここで動いた。

 

『白い帽子の馬がスルスルっと先頭に立つ!

漆黒の馬体に白いシャドーロール。ナリタブライアンです!内の好位に着いていたブライアンが一気に加速をした!遅いと見たか!水内克己(みなうちかつき)

先頭はナリタブライアン!先頭は日本のナリタブライアンです!

ニ番手にはホワイトマズル!イタリアダービー馬がつけました。

3番手エルハーブ!今年のエプソムダービー馬!エルハーブです!ダービー馬が続いております!ダービー馬が続いております!

後方にはセントレンジャー馬ボブズリターン。アップルツリー、キングスシアター。

ニ馬身後ろにシャトヤンシー 。最後方にアージェントリクエスト。

最初の1000mは58秒3!欧州競馬では見ない中々の好タイムを見せています!』

 

さて、余談ではあるが、このレースではいつも通りに息子氏の父である父氏の会社が海外の競馬を見ようツアーを行っている。83年からスタートしたこのツアーは10年たち日本国内でも有名になって50名から400名まで上限が伸びている。

人が多いことは利益につながり、非常に良いものではあるがやはり人が多いと問題が起きるもので。

基本欧州競馬は紳士淑女の祭典であるのでドレスコードや応援の仕方等が非常に厳しい。

 

そこは何とか参加者は確り用意していたのだが、その中の5名ほどが現地で組み立て式の大きな旗を造り、本馬場入場の際に大きく振り回して競馬場を追い出されるというちょっとした事件が起きた。

 

日本では84年のスプリンターズステークスのころから特定の馬を応援する際に、その馬の二つ名やメッセージを勝負服カラーの旗を掲げる文化があったため彼らにとってはいつも通りだったのかもしれないが、欧州競馬では普通じゃないので日本の競馬ファンの品位を落とす中々の騒動となった。

 

私個人としてはこの文化が嫌いではない。1993有馬記念時のトウカイテイオーの旗には”帝王は皇帝を超えられるか”と書いていたし、引退式では”天才はいる。悔しいが。”と書いてあり、私含め、ファンの涙腺を誘っていた。

 

その時のナリタブライアンの旗に書いていたのは”シャドーロールの怪物”と達筆な字で書かれており、その下には”Monster of the Shadow Roll”とこれもまた達筆な字で書かれていた。

この事件から欧州。ひいてはアメリカにナリタブライアンの二つ名が”シャドーロールの怪物”と広まった。

 

 

『最終直線にはいる!“スウィンリーボトムからオールドマイルコースは20mの坂がある!タフな馬が勝利するぞ~!ナリタブライアンが先頭だ!まだ先頭はナリタブライアン!

まだ1馬身くらいは開いているぞ!耐えられるのか!

外からはホワイトマズル!内にはキングズシアター!

エズートは伸びない!ずるずる後退する!後退する!

ボブズリターンもやって来るがどうだ!どうだ!ブライアンが止まらない!ブライアンが止まらない!?

加速を続ける!?加速する!?

残りは400!ブライアン!衰えない!衰えない!

どんどんどんどん加速する!加速する!2馬身!3馬身!これは強い!強い強い強い!

ホワイトマズル上がってくる!キングズシアターとの叩き合い!だが、差が縮まらない!

200を通過した!恐ろしい力だナリタブライアン!

これが日本(にっぽん)の怪物だ!二冠馬だ!最強の弟だ!

4,5,6,7!まだ加速する!強すぎる~~!!

ナリタブライアン1っ着~~!!

タイムが2分26秒2!!レコードタイム~!!グランディのレコードタイムの2分26秒98を上回る、恐ろしい結果となりました~!』

 

こうしてブライアンの2度目の海外遠征の幕は閉じた。

このレースを報道したイギリスのレース雑誌。レーシング・ホーシングポストではこのレースのナリタブライアンの事をこう書いている。

 

「また一頭歴史を変える馬が東の地から訪れた。何が強いのか、どうしてそんなに強いのか、言葉がみつからない。ただ言えることはレース映像を見てほしい。それだけだ。」

 

『ベストパル早め先頭!デルマーの直線は300です!短い直線!後ろの馬は間に合うのか!

外からコロニアルアッフェアー!サンドピットも突っ込んでくる!

内から来たのはシガー!シガーが来ている!200を通過!

ベストパル先頭!ベストパル先頭!ダンシングヒット!

アメリカンディミーア!

シガーだァ!シガーが抜けた抜けた!突き抜けた!

二番手は団子状態!

シガー完勝〜!

シガーここまででGⅠ4連勝!重賞は7連勝!これがアメリカ現役最強馬!シガーであります!』

 

8月4週のデルマー競馬場で行われた2000mパシフィッククラシックをシガーは4馬身で勝利した。

ここからシガーはやはりBCクラシックに、歩を進めると陣営から発表があった。

BCを勝利した後は日本のGⅠチャンピオンズカップに出走を検討しているとも発表があった。

 

こんなことを俺が言うのは駄目なのかもしれないが日本現役のダート3強はアメリカに遠征してもシガーには勝てないであろう。

 

トウケイニセイはそもそも地方の馬主が許可を出さなければ遠征はできないし、体質が弱い。良い状態でも勝てるかわからない相手を最悪な状態で相手しても負けは見えている。

 

トロットサンダーはダートでも芝でもマイルなら負けない自信があるがBCクラシックは2000mだ。距離が持たない。

 

ホクトベガもトウケイニセイクラスの世界に通用する馬ではあるが牡牝の差は大きく、BCクラシックの勝ち馬で牝馬はいない。

 

こうなると日本で対決するほうが勝利できる可能性が出る。

幸いチャンピオンズカップは1800だ。

トロットサンダーも出れる。勝利を狙える距離だ。

 

今年の日本総大将は3頭になるかな。

総大将なのに3頭いるのは違うな。

 

なんていうんだろうな。

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