(分かったよ、木曾。やってやるぜ)
(それでいい。心配するな、疲れたらオレがいつでも助けてやる。お前を見守るのが、オレの役目なんだからな)
第五-8話
クチュ…レロ…
「凄いよ阿武隈、積極的だね。気持ちいい?」
「…カラダがあったかくなってね、素敵なの…まだダメだからね、響。今は阿武隈なんだから」クチュクチュ
「せっかく、久し振りに会えたのに冷たいね。響は寂しいよ」
「あむ……はむぅ……、響にもみんなにも会えて阿武隈、嬉しいんだよ? ……でも……今は、んむぅ…」クチュゥ…
さっきの鬼怒と同じように俺の上で横になっている阿武隈……寝間着代わりのシャツ越しに、彼女のふっくらした胸の感触と温かな体温が伝わってくる。
「んふぅ……阿武隈、おかしくなりそう……。提督、どうしよう?」チュウウ…ペロ
「おかしくなっていいんだよ、阿武隈。俺はそんな阿武隈も見たいんだ」
「ああっ…そんなぁ……。提督ってば、エッチだよね。んむ……はむぅ」
「阿武隈のキスが気持ちいいからだよ」
「んふふ……提督ぅ……はむ……ぷはぁ………。提督、ずっと阿武隈の髪なでなでしてる…くすぐったいよぉ」///
「綺麗な髪してるな。手入れとか大変だろう?」
「うん。私の前髪、くずれやすいんだよ~。気を付けて触ってね」///
「これからも触ってイイってことだな、嬉しいよ」ナデナデ
「ふふ……。提督、そろそろ……ね?」
「ああ分かった。阿武隈、気持ち良かったぞ」
「阿武隈もだよ……提督が好きって言ってくれたの、最初はビックリして信じられなかったの。でも今は違うよ…はむっ」///
布団から出ていく阿武隈がもう1回、キスを。
「提督…頑張るから、阿武隈のこと見ててね。海風、おいで」
「は、はいッ!」///
「海風は、どんな感じがイイの? ちゃんと提督にお願いしなくちゃ」
「はいっ、私は……その、提督の横で……」//////
「分かったよ。ほら、海か………!?」
「失礼しますううう!」
ギュウウウ!
横になって、俺を抱きしめる海風…だが緊張してるんだろう、力の入れ具合がとんでもないことになってる。
「う、海風。もう少し手加減してくれ……頼む」
彼女の顔に左右から両手を添えて、目をじっと見つめながら話しかける。
「え…? ……あ、ああっ? て、提督…! ごめんなさい! ごめんなさい、大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫だ……」
「提督さん!? 海風、何するの!」
「電、落ち着け。アイツはそんなヤワじゃないさ。お前らも静かに、な」
「むー……」
「提督、ほんとに大丈夫……?」
心配そうな表情の阿武隈が四つん這いになって、俺の顔を覗き込む。
「大丈夫だよ阿武隈。それより、早く布団に。体を冷やしたらいけない」
「うん…分かったよ。海風、落ち着いてね」
海風の頭を軽く撫でてから立ち上がる阿武隈。その拍子に、美しくて長い髪がフワリと。
「提督…ごめん…なさい…」グスッ
「全然気にすることないぞ。それより、海風の返事が聞きたいな。ほら、職長の工廠での」
「う……うぅ…」
聞こえてない。
心ここにあらず、か……落ち込むようなことじゃないんだけどな。言葉だけじゃダメか。
「海風」ギュッ
「あ…」
「海風」ナデナデ
「……」///
「好きだ、海風。海風はどうなのか教えてほしい」
「わ、私…私は…」
「うん」
「……………」
ダメか。
さっきので海風は傷付いてる。
だったら次は俺だ。
抱きしめてくれた彼女に、俺が。
グイッ
「ひゃあッ!?」
右腕を海風の左肩から右肩へと滑り込ませ、そのまま右手で彼女の右肩を柔らかく掴む。そして左腕を、座り込んでいる両脚と布団との隙間に差し入れて、一気に!
フワッ
「て、提督ううう!?」
戦場では凛々しく勇ましい艦娘だが、兵装がなければ俺でも軽々と持ち上げられる。
ポフッ
お姫様だっこの海風をゆっくりと布団の上に横たえる。仰臥(ギョウガ)の姿勢、つまり仰向けだ。
「………」パチクリ
ビックリしているけど、今ので泣きやんだな。
よし。
「うわ~、鮮(アザ)やかだねえ提督!」
「獲物を仕留めた野獣だよ。今日の餌食は海風」
「私たちみんな、食べられちゃうんだね……」
「お前ら楽しそうだな。……海風、好きだ」
「きゃあああああああああ!!」///
一斉に盛り上がる室内。
やっぱり楽しそうだ。
ガバッ
海風の上に伸し掛かり、そのまま彼女の唇にキスする。
「て、提督! 私も……んむうっ」
うん? いま海風、何か言おうとしたかな? まあいいや。
「ん…………んふ……」///
海風の唇をゆっくりと味わう。柔らかくて、しっとりとした感触。まるでフルーツみたいだ。
「あむ……あふ……はむぅ」クチュ…クチュ…
海風の寝間着もシャツだ……大きな胸が呼吸に合わせて上下しているのが、暗い室内でも分かる。まだ少し、遠慮があるのかも知れないな。暁たちは、もうだいぶ以前からパジャマ姿を見せてくれている。
(提督…)
(海風? どうした、念話なんて使って)
(キスしてるから、話せないから……)クチュウ……
(話したいことがあるのか。どんなこと?)
(私…も……)
(うん)
(私も…提督のこと……好き……ですぅ…!)
……………!
(海風…嬉しいよ…。あ、もしかしてさっき、何か言おうとしたのって)
(はい、好きですって……でも、提督が突然で…)///
(海風、俺ってさ…そそっかしいマネするんだよ。でもね、お前たちみんなを支えていきたいんだ……これからも、一緒にいてくれるかな?)
(はいい……あ、あのぉ提督ぅ)クチュ…レロォ…
(ん?)
(初めてコレでお話した時に言ったこと……途中で恥ずかしいなんて言って、やめちゃって………)
(そういえば、そんなことあったな。それが?)
(あれね、このことなんです……この…念話…って、多分…提督のことが好きな艦娘……なんですぅ……)クチュ
え?
(ほら……最初は四人だけ……だったでしょ……でも、だんだん…増えて。きっとみんなが……だんだん、提督を好きに…なった…から)レロ……ペロッ!
(……考えたこともなかったよ海風。でも言われてみれば、そうだな……色々と符合するよ。凄いな海風、やるじゃないか)
(んふふ………提督、提督ぅ……)///
海風の目がトロンとしてきた……このままだと、一線を越えちゃうかも知れないな。
「海風、そろそろ交代だ。立てるかい?」
「あ…………残念ですぅ。はい、大丈夫です。また、してくださいね」
「これから何回もね」
「はい」ニッコリ
「提督、谷風も提督のこと好き! あむ……れろっ」
谷風?
「えへへ、提督としちゃったぁ………ほら秋雲、長波、早霜の番だよ! くーとタルトも待ってるんだから、さっさとしてあげるんだよ」
何だかペースが上がってきたな。
「うん、分かってるって。ね、提督って結構面白いね。秋雲、お世話になるからね!……はむっ…」
「提督さぁ、痴情のもつれには気を付けなよ……? ま、私を好きになるくらいなら、女を見る目はあるか。あむぅ……はむ」
「提督。私がこの海に戻ってきた意味を、貴方なら見付けてくださるかも……はむ…れろぉ」
「谷風、秋雲、長波、早霜。ずっと一緒にいてくれるなら、本当に嬉しい。そのためにも、お前たちを支えてみせるよ」
俺の言葉に笑顔で答えてくれる4人。名取と夕雲がいなかったのは残念だけど、大切な仲間であることに変わりはない。これからも一緒に戦っていくんだ。
「さぁ、くー、タルト。二人で最後だよ……返事を、聞かせてくれるな?」
「うん」///
「はい……」///
続く
本当に
酷い会社だと思います