「じゃあね提督! 待ってるよ~」
「約束しましたからねー! やぶったらダメですよー」ブンブン
「気を付けて帰るんだぞ! またね」
俺も手を振る……彼女たちに向けて。
やがて二人はこちらに背を向け互いに寄り添うようにしながら、水平線へと吸い込まれるように去って行った。
第五-12話
ザアアアア………
「雨……ずっと……降ってるね…あむっ……んちゅう」
窓の方をチラリと見ながら
呟く雷。彼女の髪を撫でながらキスを堪能する俺。
「メイストーム……いや、それ程でもないか、これは違うな……。沖縄が梅雨入りしたし、来月の初旬あたりはコッチもだね」
「二人はもう……到着したかな…くちゅ…あふ…」
「心配か響?」
「雷のゴハン……美味しそうに……ちゅっ……あふ……食べてた……あれは高得点だから…むちゅ」
見るトコちゃんと見てたってワケか。響らしいな。
「んちゅるう……提督さん、あの人たちより……今は私たちだけを……くちゅる……れろ……見てくださいですぅ……」ペロ
「ああ、分かったよ電」ナデナデ
「んふふ……司令官さぁん………好きぃ」クチュクチュ…
「電も変わったわね……ちゅうっ……司令官、そう思わない?」ペロン
「暁、同感だよ。前に比べるとストレートで……それと、穏やかになった感じがする」
「ふふ……電はもう子どもじゃないのです」ニッコリ
「確かにな。少しお姉さんになった印象だ」ギュッ
以前、くーをだっこした時に電が羨ましそうにしていたのを思い出し、両腕で抱きしめてみる。
「ん……司令官さんのカラダ、あったかい…のです……」///
「電も色々……あったから……あむ……はむっ…ね」
「電は電なりに、お前と仲良くなろうとしてたのさ……んちゅ……でも方法が分からないから、あれこれ試してたんだ。時にはそれが、お前を戸惑わせることもあったみたいだけど……な……くちゅ」
「そうだな。でも今じゃ楽しかった思い出だよ……木曾、お前のおっぱい凄く気持ちいいぞ」ムニュ
「ああ……んふ……あむっ……好きなだけ揉むがいい、さ……あ……あん……」///
「そうさせてもらう」
俺が木曾の大きな胸を揉んでいくと、彼女の切なげな声が零れ落ちてきてドキッとする……普段の凛々しい姿が周囲を惹き付ける彼女だが、こんな一面も魅力的だ。着丈の短い戦闘装束なので、引き締まった腹筋の触り心地もしっかり堪能しておく。
「あ………あんッ……」///
「提督、私のおっぱいも忘れないでくださいね…」
ムニュッ
背後から俺の首筋に両手を巻き付けながら、豊かな胸を押し当ててくる明石。柔らかな感触だけでなく彼女の体温も感じることができて、とても気持ちいい。
「忘れてないよ明石。第六艦隊での変装だけどさ、今でも思い出すんだぞ……本当にドキドキしたよ」
い草の畳の上で前後から木曾と明石に包み込まれながら、その周りを取り囲む暁たち四姉妹が交替でキスやハグをしてくれている。
「提督、とても褒めてくれましたね……嬉しかったです。はむっ……くちゅう」
俺の耳に舌を這わせる明石。滑らかな感触が、心地いい。
「第六艦隊の正面ゲートでも注目の的だったな。職員たちの視線、明石に釘付けだったろ?」
「くちゅ……れろ…はい……みなさんと世間話をしてたんですが、ジッと私の胸や脚を見てました……」ペロリ
「お陰で潜入も脱出も全く問題なかったよ。明石は人の視線が気にならないほう?」
「少しは、ですね。でもゲートのみなさんが喜んでくれてるのを見ているうちに、何も気にならなくなって……」チュッ
「RPGの踊り子みたいに、大勢を魅了して元気にする天賦(テンプ)の才があるのかもな………木曾、顔が真っ赤だぞ。大丈夫か?」
「悪ィ……くちゅる………ちょっと気持ち良すぎて……これ以上はヤバそうだ……明石、頼む…んちゅ」
「少し横になるといい……木曾、俺だってとても気持ち良かったよ」
俺の言葉に微笑んだ木曾はそのままその場に横たわり、代わって明石が俺と向かい合う形になる。
「分かりました木曾。これでキスできますね、提督……んむ…じゅるり………はむぅ」
「司令官、今の話なんだけどね……どうして第五艦隊の時は明石の変装を使わなかったの?」ペロ…
「明石に夢中だったゲート職員が、第五艦隊にその話をする可能性があったからだよ暁。第五と第六と第七は密接に繋がっていたからな、俺たちと違って日常的に、電話で世間話くらいは平気でしているかも知れないと思ったんだ」
「分かったわ……明石のことを聞いた第五艦隊の職員だって、数日後に……ぺろ…くちゅ……同じような美人が自分のトコに現れたら、いくら何でも不審に思うってわけね……れろ…」
「そういうことだ。計画を実行に移す際には、できるだけ危険を排除したいからね。そして明石が不在だからバックアップ役…あの時は雷だったな…も当然、お留守番だ。どうせ人員が二人も減ってしまうのなら、思い切って俺と雪風と木曾だけにして、二人の身体能力でグイグイ押し切ってみることにしたんだ……妖精さんという心強い支援隊もいたからね」
「ふふ……司令官が傍らにいれば、私たちはあの厄介な陸上制約を受けないもんね……ぺろ…」
「くちゅ……それどころか、ずっと一緒に暮らしてきた私たちのチカラだって飛躍的に上がる……ぺろ…れろ……しかも木曾と雪風の組み合わせ……凄かったでしょ……?」クチュウ…
「ああ、大船(オオブネ)に乗った気持ちだったぜ」
「司令官……ぺろ…昨晩の海風とタルトだけど……あれって、やっぱり……」ペロ
「まさかとは思ったけどな、でも俺も同じ考えだよ雷……あの二人はどういうワケか、もう既に俺の補正をかなり受けている。一緒に暮らし始めたばかりなのに不思議だよ……タルトは戦艦だが、俺だって筋トレしてるんだ……いくら両腕を使ったとはいえ、陸上で俺の腕を圧倒する筋力なんて、普通なら有り得ないよ。海風の抱擁にも驚かせられたぜ……電のタックル以上の衝撃だったからな」
「提督…手を止めないで……お願いです、もっと…」
「すまない、明石」
彼女への愛撫を再開する。
「んふぅ……ああ…」///
「それって相当な力よ……でも変ね。タルトは昨晩、自分の力が強過ぎるって思わなかったのかしら? 陸上での生活は第六艦隊で慣れてるんだから、司令官に出会う前の自分はゼンゼン力が出なかったってことぐらい、知ってるハズよ?」
「暁、多分タルトは昨晩みたいに、強い力を出す機会がなかったんだと思う……まあパーティーで力なんて出すわけないよな。俺が抵抗しようとしたからアイツも目が真剣だったよ……陸上で初めての全力だっただろうから、あれが本気の強さだと思い込んでしまったんだと思う。これから徐々に、あれ? おかしいって気付くんじゃないかな」
「それに暁、タルトはとても興奮していたよ。自分のチカラを冷静に把握するなんて、ムリ」
「それもそうね…。分かったわ司令官、響。ちょっと疑問に思っただけよ……頼りになりそうな仲間が増えてきたわね」ニコッ
「ああ、これからが楽しみだよ……他のみんなも、どんどん強くなるよ」
「アイツらはお前のことが大好きだからな。いい子たちだ」
「木曾、もう平気なのか?」
「ああ、大丈夫だ。それより海風とタルトだけどな、お前に向ける好意がチカラになってるんだよ、きっとな。オレたちだって同じさ、お前と一緒に長く過ごしてきたからこそ、お前との絆が強くなったんだ……お前の補正はな、きっと絆の強さに比例してるんだよ」ニヤリ
「絆、か」
「ああ、絆だ」
海風にも似たようなことを言われたな…念話の件で。
「タルトは、司令官以外の男性にも興味ありそうだよ?」
「確かにな。でもそれも含めて、タルトだよ……アイツはこれから、色々と覚えていくんだ。男のことだけじゃなく色々なことをね」
「ん、分かった」
「成る程ねー。海風とタルトはもう、司令官とずっと一緒の私たちと同じくらい、あなたのことが好きなのね……あら、電………? もう、この子ってば……さっきから静かだと思ったら、寝ちゃってるわ」
(そうか、昨日の戦闘の疲れが残ってたんだな。起こしたら可哀想だ………明石、残念だけど今日はここまでだよ……立てるかい?)
(ん……分かりました、提督……はい、大丈夫です。また次の機会に、ですからね)ニッコリ
(ああ、楽しみにしてるよ。雷、まだ十八時過ぎだけど雨で暗くなっているから、このままでも眠れると思う……よっ、と………よし、ここに布団を敷くからな)ポフッ
(あ、待って… 私が敷くわ。司令官、ちょっと電をだっこしてあげて……私たちじゃ、起きちゃう)
(そうなの? 分かった)
電を抱き上げる俺。少し身動(ミジロ)ぎしたが、目を覚ましそうな気配はなかった。
(はい、お待たせ司令官。お願いね)ポンポン
(ああ)
雷が整えてくれた敷き布団に電を横たえて、掛け布団を被せる。相変わらずの無邪気な寝顔だ。
(さ、出よう……襖を閉めるぞ)
(ああ)
(はーい)
(うふふ……こんな時間から、しちゃいましたね)
(ん……昨日の晩は新入りに譲った…今日は私たち)
(アイツらは?)
(体育館で畳を敷いて稽古中です、木曾。雪風を相手に)
とても大きな執務室の一番奥を占める俺の部屋。襖を閉めておけば、向こう側で会議していても室内の光やフツー程度の話し声なら遮断されるから、起こしてしまう心配もない。
カチャカチャ……コトッ
「はいどうぞ、司令官。熱いから気を付けてね」
「ありがとう雷………ぷはぁ。美味い」ゴクゴク…モグモグ
「はむっ……雷、お前のおにぎり…美味いな」モグモグ
「ふふっ、ありがとう司令官、木曾。沢山あるからどんどん食べてね二人とも」ニッコリ
お馴染みウッディな椅子に腰掛けて夕食を頬張る俺たち。真ん中のテーブルには、雷の作ってくれた握り飯が大きな皿の上に並んでいる。
「雷がいると、ついつい食堂から足が遠退(トオノ)くわね」パクパク
「そうだな……ハヤのおススメ定食、しばらく食べてないや」モグモグ
「いかづち、おにぎりおいしい。あむっ」///
「ありがとね、くー」///
「雷、これは何て言うのですか?」
「レタスの海苔あえよ、タルト。おにぎりの余った焼き海苔を使ったの。どう、お味は?」
「サッパリしてて、海苔もピッタリ……美味しい」///
「嬉しいわタルト。ありがと」ニッコリ
「雪風、みんなとの稽古はどうだった?」
「司令のご指示通り、基本技を中心に行いました。秋雲と長波は、試合をしたいと言ってましたが……」クスクス
「あの二人は元気だな……雪風は俺がいない時でもかなり強いから、手加減だけは絶対に忘れないでね」
「はい、司令。気を付けて稽古します!」パク
「まったく、長波のヤツ……なあ、オレが稽古をつけてやろうか?」
「お前は初日に、その長波の件で鬼軍曹のイメージを植え付けてしまったからダメだよ。もっと一緒に過ごして、みんながリラックスして接するようになってから、だね」
「ちぇ……分かったよ」モグモグパクパク
「雪風。柔道着は各自、風呂の残り湯で洗うように伝えてくれた?」
「はい、みなさんキチンと部屋に持ち帰りました」
「私たちみたいに、イダにお願いするのは、しばらく先だね?」
「そうだ響。最初のうちは自分で、だよ」
「ん」パク
「イダ……ですか?」
「ああ。タルトは昨日、ハヤに会っただろう? 彼女は食堂スタッフであると同時に、鎮守府に於ける炊事関連の仕事全てに関わっている。同じように、洗濯と掃除を担当するスタッフもいるんだ……洗濯の方で働いているのがイダさ。ハヤよりも少し年上の女の子だよ」
「あ……そうなのですね。じゃあ私とくーも、自分で……」
「そうだな。柔道着は当分、自分の部屋で入浴した後に残り湯で洗ってくれ。でも柔道着だけだからな? それ以外の洗濯物は、各フロアの大浴場内に置いてあるカゴに入れておけば、イダや他のスタッフが回収して、翌日には洗濯して同じトコに置いといてくれるよ」
「はい、分かりました」
「ただ、タルトの柔道着は用意するのに少し時間が掛かる……その、サイズが……分かるだろ?」
「あ……はい」クスクス
「稽古は道着が届いてからだ。それまでは見学な」
「分かりました」ニッコリ
「急ぐ時はね、カゴの近くにあるコインランドリーを使うといいわ。司令官、タルトとくーにも私たちのお給料と同じように、何か代わりになるものが出るわよね?」
「暁、勿論だよ。タルト、くー。これを受け取ってくれ」つ
手元のクリアファイルから2つの封筒を取り出し、彼女たちに手渡す。
「提督、これは何でしょう………?」
「なかに、なにかはいってるよ」
「ちゃんと給料として渡したいんだが……。タルトに伝えたように、お前たち二人は命令系統に入っていないから、それができないんだ。でも俺はそんなの納得できないから、これを用意した……これは昨日の戦闘での働きに対する俺の感謝のしるし……仲間であるお前たちが受けるべき正当な報酬だよ。勿論これから先も、ちゃんと渡すからな」
「まあ………提督……ありがとうございます……私たち、お金が必要ですから」ギュッ
封筒を胸に抱きしめるタルト。喜んでくれたみたいだな。
「お前は第五艦隊や第七艦隊で頑張ってたもんな」
「提督……はい……」
「しれい、ありがとう。これで、おかしかえるね?」
「ああ、たくさん買えるぞ。食堂の中にある購買部で、好きなのを買うといい」
「えへへ……うれしい」///
(タルト。くーは多分、貯金なんてムリだ。お前の封筒に、くーの分を混ぜてあるから代わりに貯めてやってくれ)
(提督、分かりました……うふふ、お気遣いありがとうございます)///
「くーちゃん、電と一緒に行ってあげてくれるかな? 楽しみにしていたから」
「うん、ゆきかぜ。くーもいなずまといくの、たのしみ」ニコッ
「あの子、喜ぶわね………あ、司令官。タルトに補正のコト、伝えなくちゃ」
「そうだったな。タルト、雪風と腕相撲してほしい」
「え……腕相撲、ですか? はい………あら、提督。どうしてタルトから離れるんです?……あの………」
電が眠っている俺の部屋ギリギリまで離れる……この部屋ほんと広いな……タルトまでは、ざっと15メートルくらいか。ま、巨大な鎮守府だもんな。
(タルト、ここから見ているからな。頑張れよ)
(提督、どうして念話を……あ、電が眠っているんでしたね。分かりました、やってみます……)
(木曾、開始の合図を頼む)
(よし)
ウッディなテーブルの上に右腕を載せ、互いの手を握り合う雪風とタルト。その手を包み込むようにして木曾が両手を被せる。そして、
「レディ………ゴー!」
パシッ!
合図と同時に両手で2人の手を勢いよく叩く木曾。始まりだ。
「ん……んッ………」
「く………ん……」
(タルト強いね……流石だよ)
(ああ……雪風を相手に、これだけ粘るなんてな)
でも
「く………あ……ああッ?」
やがて雪風の手がタルトのそれを圧倒し、テーブルに組み伏せる。決着だ。
「…………………」キョトン
信じられない、といった様子のタルト。昨晩、俺に対して発揮した力とは明らかに違うことを今、実感してるんだろう。
(タルト、落ち込むな。第二試合だよ……ちょっと待ってろ)
(え……提督?)
フワフワ絨毯に膝立ちのタルトに寄り添い、彼女の肩を抱く。補正値マックスの体勢だ。
「あっ……あの…提督?」///
「雪風」
「はい司令。タルト、もう一回ですよ?」ギュッ
雪風がタルトの手を取り、再び開始待ちの状態にさせる。
「戦艦の意地を見せてくれ」
タルトに囁く。
「!」
「木曾、頼む」
「ああ。レディ……ゴー!」
パシッ!
「やあああああああッ!!」
「くぅっ!?」
ドン
「ん……勝負あり」
「…………………うそ」キョトン
「嘘じゃないぞタルト。よくやったな」
「…………………?」
「負けました……流石だね、タルト。戦艦のスゴさ、確かに味わいました」
「雪風に勝つとはな。やるじゃないか」ニヤリ
「えと………ありがとう………ございます……」
「これが昨晩のお前だよ。タルト、よく聞くんだ………艦娘はな、ずっと一緒に過ごした指揮官が側にいる時に、凄まじいチカラを発揮できるんだ……陸上制約なんて無効化さ。木曾は絆って言葉を使ってるけどな。一回戦は離れていたから、お前には補正が殆どなかったハズだ。しかし雪風には、あの距離でもちゃんと補正が付与されていたんだ」
「え……あんなに離れていたのに、ですか?」
「そうだ。オレたちはコイツとの絆が強くてな、お前に会った第五艦隊に忍び込んだ時は、コレが大いに役立ったぜ……二回戦でも雪風には勿論、補正があったけどな……一回戦と同じくらいだよ。オレたちはもう上限の辺りまで来てると思うからな、距離は関係ない」
「木曾の言う通りだ。ココにいる初期メンバーはもう、これ以上の強化は難しいと思うよ。でもタルトやくー、名取たちはこれからまだまだ伸びる。だからお前は二回戦で、一気に強化されたんだよ」
提督から、艦娘を強化する指輪について聞いたことがあるけど……指揮官補正とどっちが強いのかな?
「分かりました……昨晩の私は、提督のチカラで強化されていたに過ぎなかったんですね……」
「そう、それを伝えたかったんだ。お前たち艦船にとって陸上が危険だということだけは、絶対に忘れないでほしいからな………くーもな」
「はい、提督」
「うん、しれい。わかった」
「よし、そろそろ解散しようか。みんなから何か、言っておきたいこととかあるかな?」
「提督。一つだけ、よろしいですか?」
「ああタルト、何だい?」
「さっき私たちの仲間から、使いの者が参りまして……」
「仲間か。姫グループだな」
「はい。私たちに指令を出す指揮官がいるのですが、その者からの連絡です」
待ってたぜ。
俺たちは手を取り合わなくちゃいけないんだ。
「聞かせてくれ」
「第八艦隊と手を結びたい。友好の証として、私自らがご挨拶に伺いたい、とのことです」
続く
あの会社はもう二度と営業してはいけないと思います