鬼斬り ~艦これ改に捧ぐ~   作:日明月

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第五-21話

「天龍さまのお通りだあああああああああ!! 雑魚は引っ込んでなああああああァァァッ!!!」

 

 

ズガガガガガガッ!!

 

 

バシュッ! ブシュウウ!

 

 

スパアアン!!

 

 

「あらあら~たくさんいるわね~。ウチのボウヤを攻めてる悪いコだ~れだ?」

 

 

ドガアンッ!!

 

 

「ガア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ!!」

 

 

(提督、お待たせしました……ご命令を!)

 

 

 

第五-21話

 

 

 

ザクウッ! バシュッ!

 

 

スパン! ガスッ!!

 

 

ズガアン!!

 

 

 

(五月雨、もう勝敗の趨勢(スウセイ)は決したよ。第八艦隊の誇る遠征部隊の帰還が決め手になって、ね。敵はもう双龍に呑み込まれてしまうか逃亡するかのどちらかだ…いちばん重装備の艦船が見える?)

 

(はい、提督……あの、もしかして…深海棲艦なのですか?)

 

(違うぞ、新しい仲間だよ。いっぱい増えた新しい仲間の一人だ。彼女は戦艦、そして名はタルト……負傷したみんなを守っている。彼女と暁、そして響の動きを見ながら三人を補助して仲間の安全を確保するんだ。逆上したイ級やワ級が突っ込んでこないとも限らないからな)

 

(分かりました!)

 

この戦闘も間もなく終了だ……今回も、艦娘の強大な力のお陰で。

 

(海風!)

 

(はい、提督ぅ!)

 

(聞いての通りだ、今から五月雨がそちらへと向かうからね……しっかり頑張って、彼女に随伴するんだぞ!)

 

(は……はい。分かりました提督!!)///

 

(五月雨、海風は弾切れだから連装砲か機銃を貸してやってくれ。そして妹に、色々と教えてあげるんだ。今回は俺が居るから艦娘同士でも念話が可能だ……一対一の念話を使うといい)

 

(海風……。あぁ…提督……はい、提督! お任せください!)

 

(頼んだよ……天龍! 龍田! ヘ級に守られている離島棲鬼が指揮官だ、捕虜にしてくれ!!)

 

(げっ!? 本気か、何で沈めねーんだ!!)ドガガガガ

 

(そうね~、この数相手の中では骨が折れるかしら~。提督、どうしても捕虜にしなくちゃダメですか~?)スパァン!

 

(ああ! 試すのは一度きり、危なくなったら直ぐに離脱してくれ! 詳しくは後で説明するが、彼女たちは単なる鬼じゃない! 沈めちゃいけないんだよ!)

 

(…天龍ちゃん、提督は本気よ~。私が取り巻きの相手するから~、天龍ちゃんは指揮官をお願いね~)

 

(仕方ねぇな……離島棲鬼は…あそこか。 ヘ級を切り崩してからオレが突っ込む! ついてこい!!)

 

(あらあら~待ってよ天龍ちゃ~ん)

 

艦隊の古株である2人は国防省ファイルの内容をしっかり記憶している。斬撃と銃撃、それに砲撃を繰り返しながら離島棲鬼を目指して駆けてゆく天龍と龍田……イ級とワ級が装着している砲塔を踏み台にしつつ、一歩一歩と着実に。

 

(うわー………因幡(イナバ)の白兎みたいだね)

 

それとも源義経かな。

 

(提督ちゃん、あの二人が……?)

 

(そうだよミルディ、第八艦隊の大黒柱たる天龍と、その姉妹艦の龍田だ。見ろ、陣形が崩れ始めたぞ。奴ら逃亡しようとしてるんだ………戦闘機は上空を旋回しつつ待機、爆撃機と雷撃機は格納庫へ)

 

(了解しました、提督ちゃん……ありがとうね…こんな艦隊相手じゃ、私なんてとても勝てなかったよ………)

 

勝利を確信して緊張が緩んでいるミルディ。勿論、俺たちの勝ちは間違いないんだけど、まだ戦闘は終わっていない。本来なら、気を抜いてはいけないぞと注意する場面なんだが。

俺は…

 

(お前たちが仲間になってくれたお陰だよ。お礼を言うのはこちらだ…ありがとうな、ミルディ)ギュウッ

 

(あぁんっ……提督…)///

 

ミルディはタルトと同様、もう限界に近い状態なんだ……緊張を強いる言葉なんて、今は不要。

 

(みんな、逃亡する艦には構うな……向かってくるヤツだけを相手にするんだ。密集したままで、暁、響、五月雨と海風が対処するんだ)

 

(了解よ)

 

(ん…了解)

 

(了解しました)

 

(了解です!)

 

(タルト。手負いの連中は帰還よりも復讐を目論むって話だったが……奴らの動きを見て、どう思う?)

 

(提督、奴らは戦意を喪失しています。前の戦闘では泊地水鬼という指揮官が一緒でしたが、今度は指揮官である離島棲鬼に新手のお二人が突き進んでいるので形勢不利を悟っています。復讐は次の戦闘に持ち越しでしょう……尤も、逃亡できればの話ですが)

 

(確かに、向かってくる奴は見当たらないな……暁、そちらはどうだ?)

 

(ほんの少しだけ倒したわ…でも他は逃亡ばかり。私たちの中から誰か一人でも、天龍と龍田の援護に向かいましょうか?)

 

(そうだな……よし暁、天龍が離島棲鬼を確保したら龍田と共に天龍を護衛しろ。運ばなくちゃいけないから、両手が塞がってしまうからね)

 

(了解!)

 

 

よし。こんなところだな。

 

 

(みんな、そろそろ決着だぞ。しっかり見ててくれ)

 

 

(……提督、あのね…鬼を捕虜にするのって、とても難しいんじゃないかな?)

 

(大丈夫だ阿武隈、ほら)

 

 

 

 

 

(「おりゃああああああああああああ!!」)

 

 

 

ザバアアアアアン!

 

 

 

(う~ん天龍ちゃん、流石ね~)///

 

(提督、今…何が?)キョトン

 

(みんな稽古してるぞ? 柔道だよ)

 

(……マジで?)

 

(…信じらんない。深海棲鬼を相手に、素手とか)

 

素手、か………。でもね秋雲、艦娘の体力を以(モッ)て放つ技は歴とした武器だ。

 

(鮮やかに入ったね……天龍の肩車)

 

(早ッ!もう絞めてる!)

 

(……あのさ。ヘ級は?)

 

(とっくに逃げたみたいね。何体か倒されてから)

 

陸軍とは異なり、海軍では広く受容せられたかつての柔道。その凄さと、そして恐ろしさ……投げから絞めに移行する連絡技は非常に合理的なので、攻撃や護身だけでなく相手をなるべく傷付けずに制圧する場合にもピッタリだ。

くーを確保したあの夜明け、外傷がなかった様子を見て直ぐに分かったなあ…柔道の技を使ったんだなって。

 

(……提督ちゃん、戦闘機……どうしましょう?)

 

(さっきは砲火で飛ばせなかったから、壊滅寸前の今なら出すかもしれないと思ってたんだが……もう大丈夫だよ、格納してくれ)

 

(はい、了解しました)

 

(司令官、こちらの残敵は片付けたわ!)

 

(提督、お疲れ様~)ニコッ

 

(おいボウズ、 確保したぜ! 今からそっちに戻るからな)ニヤッ

 

 

 

          続く




艦娘ひとりひとりのキャラクター設定
いったいどれほどの時間と創造力が注がれたのか
想像するだけでも圧倒されてしまいそうです
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