「お前に全ての艦娘同士の交流を任せる。さっきのは戦闘時の権限だが、これは平時の権限だ。お前は今後、交流させる必要があると判断した艦娘たちを、いつでもどこの艦隊からでも呼び出すことができる。たとえ第一艦隊であろうと文句は言わせん………今までの空白を、埋めてやってくれ」
第五-32話
タタタタタ……
ガバッ!
「ほんとに提督だあー! 第二艦隊にようこそ!」ギュウウウッ
ここは第二艦隊の鎮守府、正門の守衛室前。連絡を受けて迎えに来てくれた2人の艦娘のうち、まずは先頭の少女が歓迎してくれた。
「十日ぶりだね古鷹。先週さ、帰りに雨が降っちゃったけど大丈夫だった?」
「雨具のおかげでへっちゃらでしたよ~。ありがとうございます提督」ギュー
大きな胸をギュウギュウと俺に密着させながら抱擁してくれる古鷹。大胆というよりも、心が素直なのかな……まるで子どものようにストレートな歓迎の気持ちが伝わってくる。
「そうか、良かった」ギュ
「提督う、来てくれたんだね!」
あとから続いてきたもう1人の少女から発せられた明るくて快活な声。姉の古鷹に似て、周囲の雰囲気を和ませるような響きがある。
「加古、お邪魔するよ。先週はいろいろありがとうね」
「アタシのほうこそ。さ、入って入って!」ガシッ
素早く距離を詰めて、こちらの腕に自らの腕を絡める加古。無駄のない動作。動きがよく見えなかったぞ…柔道、強いんだろうなあ。
「加古、気持ちは嬉しいんだけど、事前連絡をせずに来たこちらが建物に入るのは……。正門の辺りで少し立ち話でもする積りだったんだよ」
「もー、何言ってんの! アタシたちが先週ヤツらを追い掛けたとき! 提督はアタシと古鷹を泊めてくれたじゃない!! 美味しいゴハンまで出してくれて! さあ、入るの! 今すぐに!」グイグイ
「そうです提督! 私たちに恥をかかせないで~!」ガシッ
「待ってぇ加古、まだだよっ。お連れのみなさんを置いてっちゃダメー」
いま入場手続きを終えた守衛室からの、加古を呼び止める声。ここに所属している、ほかの艦娘のものだ。
「あれ、そうだったのか」
「え……提督ひとりじゃなかったんですか……?」
「まあね。さっき課長に会ってきたんだけど、今までとこれから先の流れを共有しておくためにね、ウチの重鎮三人と一緒だったんだ」
「司令部の帰りに寄ってくれたんだね! 挨拶しなくちゃ。ほら、古鷹」
「……うん、そうだね……」
しょぼんとした古鷹が抱擁を解いてゆく。こちらを歓迎してくれる気持ちが強かったのかな。
「古鷹。一緒に連れてきた理由はもう一つあるんだ。先週話したことを実現させるために、だよ」
「え……提督?」キョトン
「ごめんよ子ノ日。二人に再会できて、俺もついつい舞い上がってしまった。もう終わったかな?」
正門の守衛室。その受付の窓ごしに、室内で勤務する元気いっぱいな艦娘へと話し掛ける。さっき俺の手続きをしてくれた時、あっという間に仲良くなったんだ。
「うん、手続き終わったよ! さぁみなさん、どうぞ場内へ」
「ああ、ありがとな」ガチャリ
室内で手続きを終えた天龍たちが、扉を開けてこちらへと向かってくる。
「!?」
「まさか……」
「天龍。いまは第二艦隊の旗艦、古鷹だよ。そして妹の加古」
そして次は2人に向き直って、
「古鷹、加古。第八艦隊の大黒柱、天龍だ。遠征から無事に帰還したよ」
ザッ……
「ウチのボウズが世話になったらしいな、ありがとよ。二人とも元気にしてたか?」
「あ…ああ……」
「てん……りゅ…」
「天龍だ! 天龍お姉ちゃんだあああー!」ガバッ
「おう」ギュッ
天龍にしがみつく古鷹。木曾と再会した時の夕雲のように。
「ほんとうに……お姉ちゃん……なんだね」///
「旗艦やってるんだってな。大したもんだぜ古鷹」
「うん……私……重巡洋艦みんなのお姉さんだもん」ニコッ
古鷹は重巡洋艦カテゴリの中で最年長、そして天龍はその古鷹よりも、さらに7つ年上だ。
「そうだったな。加古、ほらコッチ来いよ」
「うん、天りゅ………わわッ!?」
加古の髪を撫でる天龍。加古は恥ずかしそうな、くすぐったそうな表情を浮かべている。
「その姿……お前も古鷹とおんなじ、改二になってたのかよ。もう八十年ぶり…になるのか?」
「七十九年さ。この時代にアタシらが顕現したのは八年前でね……それ以外はほとんど眠ってたカンジ。でもさ、目覚めてからは頑張ったんだよ! アタシたちが改二になったのは第一艦隊に居た頃さ……それからコッチに、ね」
「そうか、オレよりも少し後に目覚めたんだな。八年も離ればなれだったわけか」
「でもさ、やっと会えたよね……」ニッコリ
「ああ。そうだな」ナデナデ
「も、もぉ……天龍」///
「何だよ、いいじゃねえか。久し振りなんだし」ニッコリ
天龍、古鷹、加古。
共にソロモンの海戦で戦った仲間同士。そして、第一次の戦いを終えての帰途…潜水艦からの雷撃を受けた加古は………。
「それにしてもさ、天龍」ジーッ
きっと加古の心には今、様々な思いが去来して……
「あん? どうかしたか」
ちょっと待て。加古がジッと見ているのは、もしかすると天龍の……。
「いったい何食べたら、そんなに立派になるワケ?」
加古!?
「ちょっ………! な、何言ってやがんだよ!?」ガバッ
服の上からでもハッキリ分かる天龍の爆乳。慌てて後ずさりしながら両腕で自らを抱きしめるようにして隠そうとする。あ、カオ真っ赤だな。
「きゃっ!?」
それまで天龍に密着していた古鷹は当然、いきなり引き離される格好に……。
「加あ~~古お~~!!」ズゴゴゴゴ
「わ、悪かったよ! その…な、あまりにもスゴかったというかさ……古鷹よりもデカいなんて信じられなかったっていうか……」
ブチッ
あ。
「もおおおおおお!! 提督の前でええええええ!! あ、こら待ちなさいいいいいい!!!」
脱兎の如く逃げ出す加古。重巡なのにすげぇスピードだな……天龍や木曾にも肉薄できる速さだ。古鷹も負けじと飛び出たけれど、スタートの差で距離ができてしまっていた。……って、あれ? 第二室長は今ココに居ないんだから、まともに陸上制約を受けてるハズだぞ。なのに2人とも何であんなに速いんだ?
そういえばおとといの晩、北方棲姫も……。
「もう……加古ったら。知らないっ」プンスカ
こちらへと戻ってくる古鷹。驚いたな……先週、一緒に食卓を囲んだ際には、どちらかというと加古の方が古鷹を精神的にリードしているように見えたんだけど。いざという時はやっぱりお姉さんの方が強い、ってことなのかも。
「若葉。加古と古鷹、大丈夫かな……?」
子ノ日と共に守衛室で勤務している、もう1人の艦娘に話し掛ける。
「問題ない……あの二人はとても仲が良い。こんなことで絆が揺らいだりはしない」
「そうか、なら安心だね。ありがとう若葉」
「おやすいご用……」
「そうだね、いつも直ぐに元通りだもん」
「子ノ日。艦隊のみんなは仲良さそうだね?」
「もうバッチリですー! 毎日がね、とっても楽しいんだよ~」ニッコリ
「そうなんだ。ま、旗艦があんなに明るくて素敵だもんね」
「はい!」///
破顔する子ノ日。この艦隊は問題ナシか。ということは矢張り、第三艦隊だな…俺が新しい権限を使って艦娘を呼び出すべき艦隊は。そこからパワハラ野郎に関する情報を集めるとしよう。決戦は近い。なるべく急がなくちゃ。
「あ、あのお……すみません、提督う…。その……私たちのこと、呆れちゃいましたか……?」///
戻ってきた古鷹が傍らに立って、伏し目がちにこちらの様子を窺(ウカガ)いながら尋ねる。
「そんなことないよ。あのさ、気が変わったんだ……古鷹と加古の厚意、ありがたく受け取ろうと思う。案内してくれるかな? 古鷹が働いている場所、早く見たい」
「あ……はい提督! ご案内します! 子ノ日、若葉あ~、あとはお願いね!」パアアァ
あ、いつもの古鷹だ。
「承知」
「はーい。お客様の前ではおしとやかにね~」
「ありがとう二人とも。じゃあね」
「これからよろしくです~」
「いつでも来るといい。それにしても」
?
「どんな人かと思ってたけれど安心した。これから…どうかよろしく」ペコリ
あー、俺ココで怖がられてたんだっけ。振る舞いには気を付けよう。
「ありがとう。こちらこそよろしくね、若葉、子ノ日」
「提督、こっちこっち!」ギュッ
(みんな。少し予定変更になるけど、いいよな?)
(ああ、ボウズのやりたいようにやれ。こりゃ一気に話を進める好機かもな)
(新人の頃はしょっちゅう天龍ちゃんに指示を仰いでいたボウヤが、今じゃ自分で……。変わりましたね~)ニッコリ
(コイツは頑張ってるからな。当然だよアネゴ)
ガチャ…
「ここが応接間です。ゆっくりしてくださいね」
高価そうな調度品が並べられていて、思わず気圧(ケオ)されそうになりそうな雰囲気を醸し出している部屋へと案内された。第二艦隊の鎮守府……煉瓦造りのこの建物はあまり大きくないけれども、いま歩いてきた屋内を見る限りでは手入れが行き届いていて心地よいという印象だ。
「ありがとう古鷹。でも本当にいいのかい?」
「勿論です! さ、座ってくださいね。お姉ちゃんもみなさんも、ほらほら!」
「分かった。古鷹も座ってよ、先週から今日までのこととか聞きたいし。天龍だって古鷹と話したいことが沢山あると思う」
「はい、分かりました。それじゃ失礼して……」
全員がソファに腰掛ける。良い座り心地だ……ウチの応接室のソファよりも柔らかいかも。
さてと、いきなり本題に入ることはない。先ずはゆっくりとお話だ…もっともっと交流を深めるために。
「……それ以来、私と加古はずっとココを任せられています。ですので私たちの室長があんなに頑張り屋さんなのは……もしかしたら私たちへの対抗意識がそうさせているのかも」
「成る程ね、彼が何か作戦を立案しようとしても、古鷹と加古がそれ以上の良策を提示するから……彼にしてみれば立つ瀬がないな」
「そうなんです……いま思うと、もっとうまくリードしてあげるべきでした…」
やや気落ちした表情。とても弾んでいた会話はいつしか古鷹と加古の第一艦隊時代へと話題を変え、やがて第二艦隊を切り盛りするようになった経緯について俺たちがいろいろ質問するようになっていた。
「それは仕方ないだろう。お前たちだって新しい艦隊に来て張り切っていたんだからな。これからだよ」
「うん……ありがとうお姉ちゃん」ニコッ
「ボウヤみたいに先任の室長が居れば良かったのにね~」
「同感だよ。右も左も分からないのにいきなり艦隊の指揮官だなんて、本当に辛かっただろうな。司令部も酷なことをしたもんだ」
今なら分かるぜ。
司令部が鬼たちを打倒するための指揮官として頼りにしているのは第一艦隊提督だけだ。それ以外の艦隊は第一のサポートと艦娘分散が存在理由だ……たとえば第一の艦娘が負傷したら第二の誰かが臨時で第一に赴く、みたいな感じで。そして艦娘を第一艦隊に集中させてしまうと司令部内に潜り込んでるアンチ派閥にとって脅威になるから、分散させた艦娘の居場所として第二以降が必要となる。アンチ連中がイロイロと理屈を並べて上層部を上手く説得し、現在の艦隊編成にさせたんだろうな。
つまり今の司令部にとっては、第二艦隊以降の提督がどんな能力値であろうと大した問題じゃない。敵は第一室長がやっつけるんだから。
「第一艦隊の提督ってどんな人?」
「もう卒寿を迎えていらっしゃいますよ。私たちが第一艦隊を去ってココに来た頃に、だから……うん、三年前です」
卒寿!?
90歳かよ!?
それが3年前ってことは……今年で93歳じゃないか!
……いや違うか。
古鷹たち艦娘は数え年で年齢を把握しているから……誕生日前なら91歳、もう誕生日を過ぎていれば92歳だな。それでも仰天してしまう年齢だ。何だか今日は驚かせられてばかりだぞ……鎮守府のシーフになりたいのに、シーフどころかいきなりギルドの長みたいな権力持ったし。
(どうした?)
(何でもないよ木曾。ただ、いろいろ起きるから飽きないなあって)
(確かに目まぐるしいな。でもそんな中でお前は頑張ってるよ。大したもんだぜ)
(ありがとな……第六の鎮守府に潜入した時さ、お前の質問に答えられなかったの覚えてる? ずいぶん時間が掛かったけどさ……司令部でさっき課長に話したことが、あの森での質問の答だよ。遅くなってゴメンな)
(そんなこともあったな。ああ、確かに受け取ったぜ)
(古鷹の艦隊を仲間にする。見ててくれ)
(勿論だよ)
さあ、古鷹の真意をきちんと見極めなくちゃ。彼女たちを仲間に迎えるために。
「驚いたよ……元気な人なんだね」
「はい。毎日の稽古を欠かさないお方ですから」
「天龍。ウチのみんなは顕現してから直ぐに第八へ来たんだよな?」
「その通りだぜ。第一艦隊で勤務したことのある奴は一人も居ない。雷は五年ほど前に第六艦隊へ顔を出したことがあったっけな…。ま、オレも龍田も木曾も誰も、第一艦隊の室長や艦娘には会ったことがない」
「オレはコイツが居ればそれでいいけどな」ギュッ
隣に座っている木曾が片腕で俺の肩を抱く。ふくよかな胸の感触とシャンプーの香りに意識を持っていかれそうになるけど、何とか耐える。
「ふわぁ……羨ましいですう」ジーッ
あれ? 俺に関心持ってくれてるのかな。
「古鷹、お前もオレたちの仲間になれ。そうすりゃ今よりもずっとコイツの近くに居られるぞ。先週の返事、そろそろ聞かせてくれよな」ニヤッ
俺が古鷹に、手を組まないかと打診した件だ。不在だった天龍と龍田には、ココに来る前にもう説明してある。
「あ……はい、そうでしたね。私たちはもう結論を出しています。それをお伝えするため、先ずは私たちの指揮官……第二室長がこちらに同席することから始めたいと思います」
フリートークの時間は終わりだな。そろそろ本題だ。
「そうだね、彼には是非会ってみたい。お願いするよ、古鷹」
「はい、提督!」ガチャリ
テーブルの端に置かれている内線電話の受話器を取り上げたが、耳へと添えることはせずにボタンを押してから直ぐに受話器を元に戻した古鷹。そうか、彼女からの呼び出し音が鳴ったら第二室長がこちらへと来るように予(アラカジ)め打ち合わせしていたわけか。
「提督、私たちの指揮官が最初からお出迎えしなかったことをお詫びします。実は、その……」
だが俺は、
「いいんだよ古鷹。聞かせてもらった話から判断すると、彼はとても大変な日々に忙殺(ボウサツ)されている。余計な負担を掛けるわけにはいかないよ。しかもこちらはアポなしだ」
「提督…」
コンコン
お。ご対面だな。
ソファから起立する俺。ほとんど同時に、ウチの三羽烏が続く。そして古鷹も。
ガチャリ
「…あの……はじめまして」
小鳥のさえずるような……いや、鈴の音のようなというべきかな。初めて会うことができた第二室長、数え年で25だと聞いてはいたが……思ってた以上に……。
「第二分室室長、です……。ようこそ第二艦隊鎮守府へ」
大きくはないが瑞々しい響きがあってよく通る声。しっかり休息してから学生服を着たら間違いなく高校生に見えるであろう童顔。でも思った通りだな、その表情には疲労の色が浮かんでいる。鬼だけではなく司令部の面々をも相手にしなければならないし、なかなか慣れないんだろうな。森から離れて騒々しい人間世界で迷ってしまった妖精って感じかも。
「はじめまして。もと第八分室室長、いまは特務分室室長です。突然お邪魔したにも拘わらずお時間を割いてくださり、本当にありがとうございます」
頭を下げる俺。さっき古鷹は第二艦隊に来てから3年だと言っていた。それなら彼の着任だって3年前の可能性がある。俺は2年前。ここは先手を打って礼儀をわきまえておこう。
「天龍だ」ペコリ
「龍田よ」ペコリ
「木曾だ。よろしく」ペコリ
「えっ!? あ、あの……そんな……! 僕のほうが年下なのに…あと、特務分室って!? えっと、その、はじめまして!」ペコリ
少し緊張させてしまったかな? 話を長引かせるよりもさっさと要点を述べたほうがいいか。
「先週は古鷹と加古に色々とお世話になりました。実は今日、お願いがあるんです。われわれ第八艦隊と手を組んでほしいんです」
「それは先週、古鷹から聞きました。でも……あの、手を組むって…。僕らはもう仲間ですよね? 同じ組織に所属してるんだから」
あー、そこからか。
自分なりの世界観が強過ぎるから、リアルを生きていく中でどうしても違和感に悩ませられるタイプ……。
「勿論そうであればいい。でもね、実際は……同じ組織に居るからといって仲間だとは限りません。むしろ足を引っ張ろうと待ち構えている奴だって居る。仲間になるにはいろんなことをしなくちゃいけない。自分を見せること。相手を信じること。そういうのをしていきたい。君の艦隊と」
「……………」
無言だが目はしっかりとこちらを見ている。いい感じだ。
「第二艦隊とは仲良くなれそうな気がしていたんだ。それは古鷹や加古の物腰や言動から判断したんだけどね……。こんなに素晴らしい艦娘を擁する艦隊なら、きっと指揮官とだって仲良くなれる。そう思ってました」
「…僕と?」
「そう」
「……………」
ふたたび無言に。でも何だか……目の奥に宿る光が、さっきよりも力に溢れているような。
もう一息か?
「この戦いはもうすぐ終わりを迎える。勿論、長年に亘(ワタ)る第一艦隊の活躍に負うところが大きい。でもね」
「……?」
「第一艦隊だけで戦ってるわけじゃない。俺たちの艦隊にも歴とした任務がある。第一艦隊は第一艦隊の戦いかたを貫けばいい。俺たちは俺たちの戦いかたを、だよ。つまり協力だね。仲間としての」
「………分かりました。僕らはもう、結論を出していたんです。加古、はいってきて」
「ええっと……さっきはその、変なトコ見せてゴメンね提督。えへへ」///
「もう加古お、反省してない!」
「してるよ、してるって! それより古鷹、今はその話じゃないよ」
「んもぅ……」
「加古はマイペースだね。ここに来てくれたってことは、いよいよ返事を聞かせてもらえる……そういうことだよな?」
「ああ。アタシは最初からこうなることを望んでたんだ。言い出したのはアタシさ。先週からずっとココのみんなを説得してるのもアタシ。ほら古鷹、提督に伝えることがあるだろ」
「そうだね。……提督、私たちを仲間にしてください。私たち、一緒に戦います。敵はとても少なくなったと聞きましたが……でもでも! 戦力が多ければそれだけお互いに助け合うことができる筈です!」
……よし!
「嬉しいよ古鷹。そういえばあの時、加古は何かを思い付いたみたいな様子だったね。加古、何か特別な希望があるのなら言ってほしい」
「提督は切れ者だねえ。その話はね、本人から…ね」
「本人?」
「僕のことです。僕も二人と同じ気持ち………仲間に、してください! それから……その…」
「遠慮しちゃダメだよ」
「………僕の艦隊を」
「うん」
「第八艦隊に、吸収してほしいんです! それが、僕の希望なんです!」
続く