「戦うのはあくまでも目的を果たすための手段。目的じゃないし望みでもない。聞いてくれ、ヤツらと内通している連中がいる。調べたからな」
本当の望みを伝える。
「俺は叩き潰したい。ヤツらも、ヤツらと内通している鎮守府も」
第四話「裏切り者を特定せよ!」
ガサッガサガサ…
「どれだったかな…ああ、これだ。書類の束ってのは魔境みたいだな。雪風、これ読み上げて」パサリ
「はい、司令。
第一艦隊
バランス型
最低でも五十人以上の艦娘を擁する規模
練度が非常に高く資源資材も豊富な最強艦隊
第二艦隊
重巡主体型
二十人ぐらいの規模
練度が高く資源資材も豊富
第三艦隊
重巡主体型
二十人ぐらいの規模
練度は高いが資源資材は不足気味
第四艦隊
航空母艦主体型
十人ぐらいの規模
練度は普通で資源資材はそこそこ
第五艦隊
第六艦隊
第七艦隊
いずれも軽巡主体型
規模は不明、どうやらお互いに融通し合っている模様
資源資材についても不明
追記
あらゆる艦船カテゴリの中でも圧倒的な数にのぼる双璧の一つ、駆逐艦娘は言うまでもなく重要な存在であり、全ての艦隊に配属
……以上です。
あの…司令、こんなに調べていたんですか。ビックリです」
「重要な存在だって…」///
「事実だぞ電。妖精さんのお陰だよ、雪風。他にもいろいろ分かったけど先ずはこれだけな。前に言ったかもだが、小さい頃からいろいろ見えてたから相性がいいのかもな、凄く捗ったよ。黙ってたのは、みんなを巻き込みたくなかったからだ。でも、これからはどんどん頼るって決めた。一蓮托生だよ。いいんだな?」
「雪風の気持ちは変わりません。おじ様からも司令の力になるように言われていました」
「おじ様」というのは前任の提督だ。厳しくて優しい先生って感じの人。
「みんなも?」
「お前を見守るのがオレの役目だ」
「暁も一緒に行くのです。でも驚いたわね、雷」
「本当よ。まさか司令官がこんなことをねー。危険よ、大丈夫なの? あ、勿論だけど私も一緒に行くからね」
「危険は承知だ…最初は、艦娘を大切にしない鬼畜鎮守府を探ってたんだ。そしたら、よりにもよって、パワハラだけじゃなく深海棲艦との内通だぜ。一つの鎮守府だけが両方やってるのかも知れないし、二つの鎮守府が片方ずつかも知れない。そこまではまだ分からないけど、少なくとも行われているのは間違いない。それに…」
話してるうちに湧き上がってきた怒りを、何とか抑えながら
「本当に危険な目に遭(ア)ってるのは艦娘なんだ…もう許せない。叩き潰す」
「司令官さん……」
「フェスチバーリの始まりだね。どこから攻めるの?」
祭典ときたか。響、もしかして高揚してるのかな?
……っと、笑顔の明石と目が合ったぞ。彼女も気持ちに変わりなし、か。ありがてぇ。
「軽巡グループだ。調べた感じ、一番怪しい。俺たち第八艦隊と同じ編成タイプだから、あわよくば何人か引き抜いてやろうと思う」
「ほんとなのです!? 仲間が増える!?」ドゴォ
げふぅ
「う…うまくいけば、だよ。どうなるか分からないが、手ぶらで帰る積りはない。それと電、お前たちは力が強いから気をつけてな」ポンポン
「あ…ごめんなさい。でも、嬉しいな…」///
電のタックルは久しぶりだ…効いた。筋トレしなくちゃだな。
「提督、天龍たちが戻るまで待つのは無理ですか? やっぱり人手は多いほうが好都合なのでは」
「確かにな、明石。でも帰還を待ってるうちに、こっちの海域で鬼が出現する可能性もある。そしたらスパイは中止だ、抜錨しなくちゃいけないからな。それに」
「それに?」
「天龍は今回、こっちに加えない。くーと仲良くなってほしいから、戻って来たら直ぐ、好感度アップに専念だ」
「そうか、くーを倒したのは天龍ですものね。二人が仲良くなれば、万が一の心配もなくなる」
「その通りだ。今のままじゃ、天龍と会った途端に取り乱すかも知れない」
「分かりました。私はどうしましょうか」
「変装して、鎮守府の周りや、できたらゲート近辺も調べてほしい」
「お任せください!」
明石のコミュ力を前に、ガードを固められる職員なんて、殆どいないだろう。
「変装アイテムは、全員分を頼む。ここから最も近いのは第六艦隊の鎮守府だけど、みんな、行ったことは……」
「大丈夫よ、司令官。私たち全員、他の鎮守府は行ったことあるわ。任せて」
「頼もしいな。それじゃ明石みたいに、それぞれの役割分担を説明する。集まってくれ」
ひとりひとりに、果たすべき目的や注意事項を伝えていく。いよいよって感じだな。
「司令官さん、スマホ持って行ったらダメ? あったら便利じゃないかな」
「紛失の可能性がある。もしも相手に拾われたら、バッドエンド直行便だ。心配ない、少し離れた場所から俺がサポートするよ」
「どうやって?」
(こうやって、だ)
(あ……念話)
(みんなもちゃんと聞こえるな? さあ、目にもの見せてやろう。頼りにしている)
(司令官、カッコいいけど、くーに指を嘗められたぐらいで動揺しちゃダメ。もしかしてロリコン?)
ぐっはあああああああア!
「見、見てたのかああああああああ!? うまく誤魔化したとばかり……!!」
(大海原で戦う艦娘の視力をナメちゃダメ。それより……ねえ、ロリコンなの? 答えて)
「そのスレスレワードはやめろおおおおおお!
人生詰ませるレッテルワードおおおおおお!」
(司令官さん、やっぱりエッチなのです。しかもロリコン)
グハァ!!!
お……お前か、電…
今やっと分かったぜ…
明石プレゼンツお茶会で、エッチなのに手を出さないヘタレッテルをお見舞いしてくれやがったのは……!
(司令官、ほっぺた真っ赤)
「お前からだよ不死鳥!つーかいつまで念話なんだよ!」
いつの間にか床で仰向けの俺。ついでにローリングでもしてやろうかな!
「四人とも、少し怒ってるんだよ? …ほっぺた冷やしてあげる」サスリサスリ
「響、何を…あ、両手が気持ちいいなコレ」
「良かった…頑張ろうね、司令官」ペロリ
……2回目かよ。
指の次は頬。でも、さすがに慣れるわ。
「そう、それでいいの。指揮官は常に冷静にね」ペロ
続く
図鑑も素晴らしいですよ
あのイラスト群はスゴいの一言