英太は、ガジェットドラゴンの力で雄香を変身解除へと追い込む。だが、それが互いに正体を知る原因となり………!?
英太「ど………どうして雄香がディストピアピーコックに………!?」
雄香「あ………ああ………!!」
雄香は言葉を失っていた。自分が敵視していたヒーローの正体が、自分が大好きな義兄だったというショックと、自分の手で義兄を傷付けていた罪悪感が原因である。
英太「なあ………どうしてそのベルトを持っているんだ………!? 教えてくれないか………!?」
英太は雄香の肩を掴み、雄香に質問攻めをする。雄香は英太の顔を見るが、歪んでいるように見えた。
雄香「(私は………大好きなお兄ちゃんを倒そうとしていたの………!? 私は………私は………なんて事をしてしまったの………!?)」
雄香は自身の中で苦悩する。
英太「雄香………頼むから何か言ってくれ!!」
英太は口を開かない雄香を揺さぶる。だが、雄香は英太の手を払ってしまう。
雄香「(なんで………? さっきから何もかもが歪んで見える………)」
今の雄香には、彼女の視界に映るもの全てが歪んで見えていた。
雄香「あ………ああ………!」
雄香の視線はベルトに動き、雄香はベルトを外そうとする………だが、ベルトは外れなかった。
雄香「(ど、どうして………!? ベルトが外れない………!?)」
雄香は更なる絶望を感じると………
雄香「うっ………うわああああああああああああああ!!」
雄香は大声を上げ、どこかへと走って行ってしまった。
英太「雄香!? 待ってくれ!!」
英太は追いかけるが、雄香は路地裏の方へと向かってしまい、そこで彼女を見失ってしまった。
英太「雄香………どうしてだ………どうしてディストピアピーコックになっていたんだ………? もしかして、過去にフェニックスに家族を殺されたから………ヒーローを憎んでいたのか………?」
どうやら、英太は雄香の詳しい過去を知らなかったようだ。
英太「どうして………そんな事を俺に教えてくれなかったんだ………それを教えてくれていたら………こんな事にはならなかったのに………!!」
英太は地面に拳をうちつけ、雄香に対する自身の気持ちを口にする。だが、この言葉の中には、恨みも怒りも混じっていなかった。それよりも、悲しみの気持ちが強くなり、英太は涙を流す。そこへミルクが駆けつけ………
ミルク「英太………」
ミルクは涙を流していた英太の背中を優しく撫でた。そして、それを見ている者がもう1人………
老人「あの娘を使ってヒーロー共を倒そうと思ったが………もう限界か。所詮、あのベルトを使う素質がない、ただの娘のようだな………」
少し前に変な様子を見せた八百屋の老人がそんな事を口にしながら、英太達を見ていたのだった………
To be continued………
次回予告
英太は優に、ディストピアピーコックの正体が雄香であった事を明かす。そんな彼に対し、優は雄香に寄り添うようアドバイスする………
次回「崩れる兄妹の仲」