よろず短編集 作:機械学習はいいぞおじさん(仮)
鬼滅の刃 無限おじぎ編
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爆発する無限列車を背後に、杏寿郎に杖を突きつけヴォルデモート卿は言い放つ。
「おじぎをするのだ杏寿郎」
しかし杏寿郎の表情には一片の変化もない。まっすぐな眼差しでヴォルデモート卿を見つめているだけだ。
「さあ!」
「断る!俺は俺の責務を全うする!!」
その瞬間、ヴォルデモート卿の杖から赤い閃光が迸った!
「うむ!」
だが、それを炎のような闘気をまとう刀が受け止める。同時にヴォルデモート卿は杖を振るい、さらなる呪文を放つ。
「アバダ・ケダブラ!」
緑の光弾が、今度は空中で爆裂した。だが、それも炎をまとった刃によって防がれてしまう。
「何度やろうとも無駄だ!!俺はいかなる理由があろうともおじぎはしない!!」
「ならば死ぬがよい!」
ヴォルデモート卿はさらに魔法を放った。先ほどと同じ緑の閃光が一直線に走る。しかし、それが到達する前に、杏寿郎は動いた。
一瞬にして距離を詰めると、そのまま炎の軌跡を描いて抜刀し――
「炎の呼吸、壱ノ型『不知火』!!!」
強烈な一撃を繰り出す。
たがヴォルデモート卿もまた、帝王と呼ばれるほどに優れた魔法使いだ。即座に反応すると防御のための呪文を唱えていた。
「プロテゴ・マキシマ!」
半透明の壁が出現して杏寿郎の攻撃を防いだ。
さらに反撃として闇の魔術を打ち出す。
「アグアメンティ!」
水が現れ、球状になると杏寿郎に向かって飛んでいった。
「炎の呼吸弐ノ型『昇り炎天』!」
再び刀身が煌めき、闇の術を切り払った。そしてそのまま跳躍してヴォルデモート卿に迫る。
だが、それはヴォルデモート卿にとっても予想していた動きだったようだ。
「インペディメンタ!妨害せよ!」
呪文とともに、杏寿郎の動きが大きく鈍った。
それでもかまわずに突っ込んでくる相手に、ヴォルデモート卿は恐怖を覚えたらしい。杖を振りかざすと叫んだ。
「クルーシオ!」
苦痛を与える呪いだ。これを受けてまともに立っていられる者はいない。
しかし、杏寿郎の目に絶望の色はなかった。それどころか笑みすら浮かべているではないか。
「素晴らしい威力だ!だが、俺は痛くないぞ!」
その言葉を証明するかのように、ますます速度を上げて迫り来る剣士に対し、ついにヴォルデモート卿の方は冷静に呪文を紡ぐ。
「ステューピファイ!麻痺せよ!」
赤い光が杏寿郎に命中した。しかし、やはり杏寿郎は止まらない。
「肆ノ型『盛炎のうねり』!」
渦巻きを描くような剣撃により赤い閃光が霧散する。同時に、ついに距離が詰まり、両者は鍔ぜり合う形になった。
「なぜだ……なぜ効かない?」
動杏寿郎は不敵な笑みを浮かべながら答える。
「俺は鬼殺隊の柱の一人だからだ!お前たち死喰い人とは違う!この世に悪がいる限り、俺は決して倒れない!!」
だが、ヴォルデモート卿もまたニヤリと笑う。
「なるほど、たかがマグルと侮っていたようだ。謝罪しよう。そして認めようとも。小僧、貴様は十分に俺様の敵足りえると!!」
次の瞬間、杏寿郎の体が激しく燃え上がった。
全身に火傷を負っていく。
「ぐぅっ……」
苦悶の声を上げる杏寿郎を見て、ヴォルデモート卿は笑い声を上げた。
「どうした?苦しそうだなぁ、小僧!もっと見せてくれ!貴様の力の全てを!!」
杏寿郎の顔から血が流れ落ちた。しかし彼はなおも不敵に微笑んだままだ。
「生憎だが、俺はもう出し切った!」
そう言うと同時に、杏寿郎は力任せに刀を押し込んだ。同時に素早く後ろへ飛び退く。
一瞬遅れてヴォルデモート卿がよろめいた。傷だらけになった体がボロ布のように地面を転がる。杖が手を離れ、遠くへと吹き飛ばされていった。
「……おのれぇ」
なんとか立ち上がろうとするものの、体に力が入らない。
杏寿郎はそんな宿敵に近づき、静かに見下ろした。
「さらばだ。トム・マールヴォロ・リドル」
刀を逆手に構え、切先を心臓に向ける。
そのまま勢いよく突き刺そうとしたその時――
「ククク…、この度は素直に敗北を認めよう。だが次こそはこうはいかんぞ……必ずやお前の首を落としてくれるわ!!」
最後の力でそれだけ叫ぶと、ヴォルデモート卿は地面に崩れ落ち、絶命した。しかし、その亡骸はたちまちのうちに幻のように消え去った。
「待っていろ、ヴォルデモート卿――今度こそ、俺が決着をつけてやる!!」
刀を突き立て、杏寿郎は天に向かって宣言する。
夜明け前の空に、高らかに響き渡る雄叫びだった。
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「うむ!なかなかに骨のある男であった!!」
「えーっと、つまり、杏寿郎さんは死喰い人の親玉を倒したんですね!?すごいじゃないですか!!」
翌朝、ハリーたちと共に朝食を食べている炭治郎の元にに、杏寿郎が現れた。ヴォルデモート卿はどうやら逃げたらしいことを報告するためだ。
「まあ、運がよかっただけだ。それにあの男はまたいつか現れるだろう――それより、竈門少年!」
「はい!」
「君はいい目をしているな!」
いきなり褒められて、炭治郎はキョトンとした。
「目はいつも見えていますけど……」
「そういう意味ではない!昨夜の戦いのことさ!」
「ああ、あれですね!」
言われてみれば確かに、自分は杏寿郎の活躍ばかり見ていた気がする。
「煉獄さんの戦う姿はとても格好良かったです!」
「そうか!ありがとう!」
二人はお互いの手を取ってぶんぶんと振り合った。
それを横で眺めていた善逸がボソリと呟く。
「なんか暑苦しい奴らが仲良くなってる……」
ほぼシリアスで狙った結果(ショートコント)にはならなかったので、リベンジするかもしれません。