よろず短編集 作:機械学習はいいぞおじさん(仮)
「煉獄さん、鬼が来ました!下弦の鬼です」
無限列車の中、鬼の存在に気がついた炭治郎は急ぎ杏寿郎へと伝える。
「うまい!うまい!うまい!」
しかし、炭治郎の警告を無視するかのように杏寿郎は弁当を頬張り続けるのだった。
「煉獄さん!弁当を食べてる場合じゃないですよ!早く鬼を斬らないと乗客の人たちが!」
「断る!俺は俺の食務を全うする!」
「そんなこと言ってる暇はないんですよ!今すぐ戦いましょうよ!」
一向に戦闘態勢に入ろうとしない杏寿郎に対し、炭治郎は必死の説得を試みる。
「竈門少年!腹が減っているのか?ならばこの弁当を食うといい!遠慮はいらんぞ!」
そう言いながら杏寿郎は、炭治郎へ弁当を差し出す。
(この状況で食べるわけないだろ!)
あまりにも唐突な提案に、炭治郎の心の声も思わず声に出てしまう。
「いえ、結構です……」
「うまい!うまい!」
「だから、話を……もういいや」
「うまい!」
「はい、美味しいですね〜」
結局説得を諦めた炭治郎は、弁当を受け取ることになってしまった。
「うまい!うまい!うまい!」
「お口に合ってよかったです〜(棒)」
「うまい!うまい!うまい!」
「あぁー、良かったですねー」
その後しばらくの間、杏寿郎の大声だけが車内中に響き渡った。
そして、数分後。下弦の鬼だろうか?美味しそうな匂いが強くなることを炭治郎は感じた。
「お弁当はいかがですかー」
下弦の壱・魘夢がお弁当のカートを押しながら現れる。
「むぅっ!?︎」
突然現れたその鬼を見た瞬間、今まで食べ続けていたはずの杏寿郎の動きが止まる。
「!?どうしたんですか?」
「よし、弁当のおかわりを貰おう!」
「はーい、どぞー」
先程までの真剣な雰囲気から一変、和やかな雰囲気になった2人を見て、状況を飲み込めていない炭治郎だったが、とりあえず自分もご飯を食べることにした。
「うまい!うまい!うまい!」
「ありがとうございましたー」
2人の会話を聞きながら、炭治郎は弁当を口に運ぶ。
「あのぉー、すみませんけどそっちのお兄さんはちょっと静かにしててもらえますかね?」
「なぜだ?」
「他のお客様に迷惑ですからねー」
「わかった!」
「ありがとございまーす」
(本当にわかってんのか?)
魘夢はそのままカートを押して奥の車両へと消えていった。こうして、何事もなく無限列車は目的地まで走り続けていった。
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無限列車終点、何とか駅。出迎えたのは駅長の猗窩座だ。
「杏寿郎、お前もおにぎりを食べないか?」
「うむ!頂こう!」
「…………」
目の前で繰り広げられる光景に唖然とする炭治郎。もぐもぐと次々渡されるおにぎりを頬張る杏寿郎。黙々とおにぎりを渡す猗窩座。
(どういうことだこれは)
あまりの出来事に思考停止してしまう炭治郎だが、その時ふとあることに気づく。
(煉獄さん……太ってきている?)
杏寿郎の顔をよく見ると少し丸くなっているような気がするのだ。そこでやっと炭治郎は理解することができた。
(この人は、俺たちのためにわざとこんな馬鹿げたことをしていたんだ)
杏寿郎の性格上、自分の責務を放棄して誰かを助けるなんてことは絶対にありえないだろう。
(それにしてもこの人……どれだけ食べるんだよ)
その後も杏寿郎の勢いは止まらず、あっという間に全ての米粒が無くなってしまった。さすがに満腹なのか、顔には疲れの色が見える。
「どうした杏寿郎、もうおしまいか?おかわりはまだまだあるぞ」
そう言って猗窩座は大量のおにぎりが入った袋を見せる。
(なんでそんなにあるんだ……)
呆れを通り越して感心してしまった炭治郎だった。
「うまい!うまい!うまい!」
「…………ええ……そうですね……」
無限列車の任務を終えた2人だったが、まだ戦いは終始まったばかりだ。
「次はどこに行く?」
「もう勘弁してください……」
「うむ!美味しいものをたくさん食べよう!」
「……」
この後も炭治郎と杏寿郎の旅は続くのであった。
つづかない。
ネタとしてはとても弱かったので不満足です。