よろず短編集 作:機械学習はいいぞおじさん(仮)
「うまい!うまい!うまい!」
「お館殿が来ているぞ杏寿郎、おじぎをするのだ」
「断る!俺は俺の食務を全うする!!」
ほかの柱達がお館様におじぎする中、1人だけ黙々と口に弁当を運び続ける杏寿郎をヴォルデモート卿を諌めた。
「煉獄さん……相変わらずですね……」
「うまい!!うまい!!!うまい!!!」
柱合会議にお館様が来てると言うのに大声で叫びながら食べる姿はまさに圧巻だった。
「それでね……みんなに相談があるんだ……」
そう切り出した御館様の言葉で皆んなの顔つきが変わった。
「鬼殺隊を辞めたい?」
お館様から告げられた言葉に柱達は動揺した。
「うん……もう限界なんだ……僕には無理だよ……」
悲しそうな顔をしながら親方様は言った。
「お館様!そんな事言わないで下さいよぉー!」
甘露寺蜜璃は泣きながら御館様にすがりついた。
他の柱達も何も言えなかった。
「ほら、杏寿郎を見てご覧なさい……すっかり僕なんて無視されてるじゃないか……」
「うまい!!!うまい!!!」
御館様の声など聞こえていないかのように、ただひたすらに弁当を食べ続けていた。
「………いい加減にしないか、杏寿郎。クルーシオ!」
自信を無くしかけている御館様に同情してか、ヴォルデモート卿は杏寿郎に魔法を唱えると、その痛みに耐えきれずその場に倒れ込んだ。
「うま……い……」
しかしそれでもなお、杏寿郎は弁当に手を伸ばしていた。
その姿を見たお館様は涙を流した。
「あぁ……こんなになってもまだ食べてるよ……僕は一体何のために頑張ってきたのか分からないや……」
涙を流すお館様を見かねて宇髄天元は声をかけた。
「御館様!御館様が辞めても俺たちは続けますよ!」
するとそれに賛同するように、不死川実弥と伊黒小芭内が続いた。
「そうだぜェ、今までやってきたことは無駄じゃねぇだろォ」
「御館様がいなくても鬼舞辻無惨を倒す事は出来るだろう」
2人の言葉で少し元気を取り戻したお館様だったが、やはり辞めたいという気持ちが強かったため、辞めるという決断をした。
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それから数日後のこと。
御館様がいなくなったことにより、柱合会議は中止となった。しかし、杏寿郎だけは違った。
毎日のように弁当をたらふく食べては眠り、起きたらまた食べた。ただそれだけを繰り返していた。
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そして数ヶ月後、ついに杏寿郎が死んだという知らせが届いた。
死因は食べ過ぎだった。
葬式が行われた時、そこにいた者は皆、あまりな情けなさにさめざめと泣いたという……。
のべりすと先生に全部任せるととんでもない着地をするので、楽しいです。