よろず短編集   作:機械学習はいいぞおじさん(仮)

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「僕が教えるのは幽波紋の呼吸です。まずはこの矢に撃ち抜かれても死なないでください」
「無理ですよ!」


鬼滅の刃 柱合裁判─その6

炭治郎は目を覚ますと鬼滅隊本部、御館様の屋敷前の庭にいた。鬼となった妹を隠していた罪で、拘束され連れてこられたのだ。

 

「ここは鬼殺隊の本部です。あなたは今から裁判を受けるのですよ。竈門炭次郎君」

 

蟲柱───胡蝶しのぶが話しかける。炭治郎が慌てて周りを見回すと他にも人の姿があった。

 

炎柱──煉獄杏寿郎。

音柱──宇髄天元。

恋柱──甘露寺蜜璃。

岩柱──悲鳴嶼行冥。

霞柱──時透無一郎。

蛇柱──伊黒小芭内。

水柱──富岡義勇。

風柱──不死川実弥。

 

そして……ジョジョ柱──ジョルノ・ジョバーナ。

 

「炭治郎君、あなたを鬼殺隊規約違反で訴えます! 理由はもちろんお分かりですね?あなたが皆を騙し、鬼を連れていたからです! 覚悟の準備をしておいて下さい。貴方は重大違反者です! 首を刎ねられるのを楽しみにしておいて下さい! いいですね!」

ジョルノの一息で炭治郎の罪と処分を言い渡した。漆黒の意志が感じられる瞳に睨まれ、恐怖を感じた炭治郎だがすぐに反論する。

 

「待ってください! 俺は禰豆子を治す方法を探していました! それにあの時は誰も死んでいないはずです! 確かに規則には反しましたが……」

「口答えするな!! お前の意見など聞いてないんだよ! 黙れ!!」

「よもや! 言い訳がましい口答えをするとは見損なったぞ少年!」

「あああ……なんというみっともない真似をするんですか……。恥をさらすんじゃありません」

 

他の柱達からも非難の声が上がる中、お館様こと産屋敷耀哉が現れた。

 

「おはようみんな。今日はとても良い天気だね。空は青いのかな?」

その言葉を聞きながら、柱達は皆、平伏し頭を下げる。

 

「顔ぶれが変わらずに半年に一度の柱合会議を迎えれた事、嬉しく思うよ。さて、まずは新しい柱である君の話を聞こうじゃないか。ねえ? ジョルノ・ジョバーナ」

 

その名を聞いた瞬間、炭治郎の顔色が変わった。

 

「えっ!? ジョ……ジョルノさんってまさか…………」

「はい、俺の名はジョルノ。ジョルノ・ジョバーナといいます。この度新たに『柱』に就任致しました」

 

そう言って優雅に一礼をした彼を見て、誰もが絶句していた。

 

「うむ!それは実にめでたいな! よろしく頼むぞ! ところで君は何歳なんだ?」

空気を読まない煉獄が質問するが、それどころではない。

 

「では次に竈門炭次郎君について話しましょうか。彼は現在鬼殺隊士でありながら、鬼を連れているのです。これは重大な規律違反です」

 

胡蝶の言葉を受けて宇髄が手を挙げた。

「すみません。僕は彼の事を全く知りません。一体どういう経緯があって彼が鬼になった妹を庇っているのか教えてくれませんかね?」

「そうだね。私もその辺りの事はよく知らないんだ。だから当事者から直接聞く事にしようか。ジョルノ、説明してくれるかい?」

 

「はい」

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

ジョルノは懐から取り出した一枚の手紙を開き読み上げ始めた。

 

「『此度の任務において、鬼の妹を連る剣士と共に行動する事となるだろう。しかしながら、私は彼らを信用している。よって、もしその妹が人を襲った場合、兄共々即刻斬首とし、私も責任を取って腹を切るものとする。なお、この件についてはお館様に許可を頂いているため問題はない』と書かれています」

 

その内容を聞いて何人かが眉間にシワを寄せたが、当の本人は全く気にしていなかった。

 

「それともうひとつあります。こちらの文面の方が重要かもしれませんね」

 

手紙を読み終えたジョルノはもう一通の書状を取り出し広げた。

「こちらは妹の禰豆子さんの血液検査の結果です」

 

そこには炭治郎の血と禰豆子の血を採取して調べた結果が書かれていた。それによると兄弟の血には鬼化を抑制する因子があり、これが活性化すると人を喰わずにいる代わりに体力が著しく低下し衰弱死してしまう事が分かったのだ。また、逆に禰豆子の血は人間に戻るための薬となる可能性がある事も判明した。

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

「なるほど、つまり竈門君は妹を人に戻そうと頑張っていたのですね」

「うむ! 感心なことだ!」

 

甘露寺と伊黒が納得したように言うと、炭治郎はその通りだと言わんばかりに大きく何度も首を縦に振った。しかし、そこで異議を唱えたのは意外にも不死川だった。

 

「おいちょっと待てェ。こいつは鬼を連れていたんだぞォ。そんな奴の話を簡単に信じるんじゃあねぇ」

「まあまあ落ち着け実弥。お前の悪い癖が出てしまっているぞ。いつも言っているだろう? 自分の目で見たものしか信じてはいけないと」

 

ですが……とジョルノは続ける。

「鬼滅隊規律違反は重大な問題です。即刻彼の首を刎ねるべきでしょう」

「俺もそれに異存は無い。むしろ今まで生かされていた事に感謝するべきだ」

「私も賛成だわ。鬼を連れているなんて許せないもの」

「僕も同意見だよ」

「ああ……こんな子供まで……」

 

柱達が次々と処刑に賛同していく中、それを止めたのはお館様こと産屋敷耀哉であった。

 

「みんなの意見も分かるけど少し待ってくれないか? それに、彼を試す機会があるかもしれないよ」

「御意」

 

全員が平伏し頭を下げる中で、一人だけ顔を上げ産屋敷を見つめる者が居た。

 

「おや?どうしたんだい善逸?」

「あのー、一ついいですか?」

「何かな?」

「俺は反対です。だってこいつからは嘘の音が全くしないんですもん。この音が聞こえないって事は多分本当に悪いヤツじゃないと思いますよ」

 

その言葉を聞き、その場に居る全員の動きが止まった。

そして真っ先に動いたのは他でもない産屋敷である。

 

「ふふっ、そうか。君がそういうならそうなのかな?」

その一言で、その場の雰囲気が変わった。誰もが認めざるを得なくなり、それ以上何も言えなくなったのだ。

 

「さすがは耳が良いだけのことはあるな」

「でもなんであいつあんなに自信満々なわけ?」

「きっと彼なりに思うところがあったんでしょう」

 

小声で話し始める宇髄、時透、胡蝶を横目に、不死川は舌打ちをしながら再びそっぽを向く。

 

「ではこれで議題は終わりですね。みなさん解散でいいですよ」

こうして波乱の柱合会議は幕を閉じた。

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

その後、炭治郎達は産屋敷邸内の一室に案内された。そこで傷だらけの男──風柱、不死川実弥とジョジョ柱──ジョルノ・ジョバーナによる面談が始まる事となったのだ。

 

「俺はお前らみたいなガキは嫌いだァ。特に冨岡の弟弟子ってのが気に食わねえ」

「御館様の手前、あなたの首を刎ねるは諦めましょう。しかし、覚悟の準備はしておいて下さい」

 

いきなりの罵倒に目を見開く炭治郎。柱達の態度からある程度予想していたが、ここまでとは思わなかったようだ。

 

「俺は鼻が効くんです。あなた達が俺たち兄妹を信じていないってことくらい分かります。匂いなんか嗅がなくたって、あなたから発せられる言葉に信頼の念は一切感じられないんです」

 

その言葉を聞いた瞬間、不死川の額に青筋が浮かび上がった。

 

「黙れクソ餓鬼ィ……テメエみてえなのは昔山程見てきたぜぇ。『自分は正しいことをしている』『自分が一番偉い』って顔しやがって……虫酸が走るんだよォ!!」

 

「それは僕も同じです」

今度はジョルノが口を開く。

 

「先程の裁判もそうですが、貴方は鬼という存在を何だと思っているんですか。ただの化け物か、それとも悪意ある敵か。どちらにせよ、彼らは罪のない人達の命を脅かしているのです。それを野放しにしておく理由がどこにあるというのですか」

「テメェは鬼を全滅させることが出来るっていうのかァ? できるってんならやってみろよォ」

「ええ、もちろんできます」

「はっ、ほざけェ!! 出来る訳ねえだろうが!!」

「口ではなんとでも言えます。本当に覚悟ありますか? 覚悟の準備は出来ていますか?」

「覚悟の準備……?」

「鬼殺隊に入った以上、常に死は隣り合わせ。けれど、その覚悟の準備を兄妹共々今ここで決めてもらいたい」

 

ジョルノの漆黒の意志を込めた視線が、再び炭治郎を貫く。

 

「この世に絶対はありません。もしも妹さんを治す方法が見つからなかった時は、その時は兄であるあなたが、責任を持って妹さんの頸を斬り落としなさい」

 

その言葉に、思わず炭治郎は声を上げた。

「そんな……そんな事を言うためにわざわざここに連れて来たんですか!?」

「はい。それだけ大事な事なのです。それに、今の君には覚悟がない。覚悟の準備がなければ妹さんは死ぬことになります」

その言葉で炭治郎は押し黙ってしまった。

 

「最後に、この質問に答えてくれたら今日の所は帰ってもいいです。もう一度聞きます。覚悟の準備はできていますか?」

「………………はい」

 

「よろしい。不死川さん、彼は覚悟を示しました。ならばこちらも一度は信用してみましょう。最も、信用を裏切ったら死よりも恐ろしい目にあってもらいます。僕のゴールドエクスペリエンス・レクイエムで」

「……チッ、勝手にしろォ!」

「有難うございます! 不死川さん! ジョルノさん!」

 

こうして炭治郎は辛くも柱達の説得に成功し、無事、産屋敷邸を去ることができたのだった。




それなりにカオスな始まりをしたつもりが綺麗な着地をしたので、のべりすと先生の小説力は怖いなと思いました。
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