よろず短編集 作:機械学習はいいぞおじさん(仮)
「死にますよ!」
炭治郎は目を覚ますと鬼滅隊本部、お館様の屋敷前の庭にいた。鬼となった妹を隠していた罪で、拘束され連れてこられたのだ。
「ここは鬼殺隊の本部です。あなたは今から裁判を受けるのですよ。竈門炭次郎君」
蟲柱───胡蝶しのぶが話しかける。炭治郎が慌てて周りを見回すと他にも人の姿があった。
炎柱──煉獄杏寿郎。
音柱──宇髄天元。
恋柱──甘露寺蜜璃。
岩柱──悲鳴嶼行冥。
霞柱──時透無一郎。
蛇柱──伊黒小芭内。
水柱──富岡義勇。
風柱──不死川実弥。
そして……ドラゴンボール柱──フリーザ様。
「ホッホッホ……全く不愉快な地球人ですね。煉獄さん、不死川さん、この方を処刑してしまいましょう。そうですね、わたし自ら汚い花火にして差しあげても構いませんよ?」
フリーザ様が機嫌よく笑う。しかし目が笑っていない。どうやら本気で怒っているようだ。
「よもや、フリーザ様の手を汚すまでもない!俺が斬首する!」
「煉獄さん、貴方の手を汚す必要もないでしょう?わたしが汚い花火に変えてしまいます」
「あァ!?︎ふざけんじゃねェぞォ!コイツは俺が殺すゥ!」
「おいおい、落ち着けってお前ら。つーか、こんな奴の為にわざわざ柱を三人も使うなよ。暇だろ?」
「南無阿弥陀仏……」
「あらあら皆さん落ち着いてください。でも、炭次郎君はこれから裁判を受けるんですよ?少し黙っていてくれませんかね?」
「……」
炭治郎は呆気に取られていたがすぐに我に返り、「禰豆子はどこですか!?︎」と声を上げる。するとそれに答えたのはお館様だった。
「炭次郎君……まずは私の話を最後まで聞いてくれないかな?」
「……はい」
「ありがとう……。実はね、鱗滝さんから君のことは報告を受けているんだ。もちろん鬼を連れた隊員のことも含めてね。それで今回皆を集めてもらったんだけど、その前に一つ確認したいことがあるんだよ」
「何でしょうか?」
「炭次郎君はどうして妹を連れているのか教えてくれるかい?」
「それは……妹だからです!!」
「つまり妹萌えということかな?」
「違います!!家族として一緒にいるだけです!」
「つまり血の繋がった妹じゃないと萌えないということかな?」
「いえ!そういうわけじゃありませんけど……って、えぇ!?︎ちょっと待って下さい!それどういうことなんですか!?︎」
「ああ、ごめんね。説明不足で驚かせてしまったみたいだね。私は別に君の妹を蔑んでいるわけではないんだよ。ただね……鬼を連れているとか関係なく、君のような変質者がいるというだけで許せないだけなんだ」
「誰が変質者ですか!俺は純粋に妹のことを思ってですね!」
「そうだね、でもね自覚のない犯罪者は皆そう言ってしまうものだよ。……フリーザ様、やはり炭治郎君は汚い花火にしてしまうべきでは?」
「そうですね、汚い花火にするしかないようですね。仕方ありません。さっさと殺ってしまいましょう」
「……どうしたら妹萌えじゃないって信じてもらえますか?」
「そうだね……誰か禰豆子ちゃんをここ連れて来てくれるかい」
「分かりました。おい、竈門炭治郎。お前はそこで大人しくしていろ」
「はい……」
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しばらくすると、禰豆子が可愛いフリフリの衣装を着せられてやって来た。いつもの格好と異なりなかなかに新鮮で可愛い。
「禰豆子ちゃん、炭治郎君に上目遣いで「お兄ちゃん」と言ってみてくれないかな?」
「お兄ちゃん♡」
「グハッ!!!!」
(こ、これは……ヤバイ!!)
炭治郎はあまりの破壊力に吐血しそうになるのを抑えながら必死に耐える。フリーザ様の冷たい視線など気にならなかった。
「俺は……俺は妹萌えじゃないです!」
炭治郎は鼻血を垂れ流し、胸を押さえながら叫ぶ。
「まだ言うか貴様ァァァァァァ!!!」
そんな彼の言葉を聞いた瞬間、伊黒は怒り狂い刀を抜いて襲いかかった。
「おやめなさい、小芭内さん」
「しかし!」
「お舘さんの前ですよ。あなたも汚い花火にして差しあげましょうか?」
「……申し訳ありませんでした」
伊黒は渋々といった感じで引き下がる。他の柱たちも一様に顔をしかめる。
「……俺は……俺は妹萌えじゃ……ないです……」
炭治郎は口元から血を流しながらも、そう言い切った。
「嘘はいけないよ、炭治郎君。鼻血、そしてその出血量から察するに相当無理をしているようだね?大丈夫かい?」
「お気遣い感謝します……。でも本当に違うんです!俺は妹のことを愛しているだけです!変態なんかじゃないです!!」
「……なるほど、萌えというレベルでなく性の対象として見てしまうほどに欲情してしまったということだね?」
「違います!そんなんじゃありません!」
「今『愛している』と断言したじゃあないか。それが証拠だろう?まったく君は救いようがないね」
兄の突然の告白に、禰豆子も炭治郎を汚い物をみるような眼差しを向ける。
「ち、違うんだ!俺はただお前のことを心の底から大切に思っているだけだ!それだけなんだ!」
「うわぁ……きもぉ……近寄らないでくれる?」
「ぐはっ!」
あまりのショックに膝をつく炭治郎。
「やはり炭治郎君、君は救いようがないようだ。フリーザ様、一思いに彼を楽にさせてあげてください」
「そうですね、わたしもこれ以上無駄話には付き合いたくないと思っていたところなんですよ。……では死になさい」
「嫌だァァァァァァ!!!」
フリーザ様が指先をクイっと動かすと、炭治郎は拘束されたかのように動けなくなり、そのまま宙に浮き上がっていく。
「いやだ!死にたくない!助けてくれェェェェェェ!!!」
「ホッホッホ、あなたの妹も含め、誰もあなたを救おうとはしなかったのでしょう?諦めることですね」
「いやだ!こんなところで死ぬなんて絶対にイヤだァァァァァァ!!!」
「ではごきげんよう、汚い花火におなりなさい」
フリーザ様は人差し指と親指を立ててピストルの形を作り、それを炭次郎に向ける。
「やめてくれェェェェェ!!」
バキュン! 炭次郎は断末魔と共に爆発四散する。フリーザ様のその顔はとても満足げであった。
「お館さん、これでよろしかったでしょうか?」
「うん、ありがとう。フリーザ様」
「いえ、これくらいどうってことないですよ」
こうして柱合会議は終了した。
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「ところで禰豆子ちゃんはフリーザ様の所で治療してもらえるということでいいのかしら?」
「ええ、そうですよ甘露寺さん。彼女が望むなら特別に私直属の戦士として鍛えてあげましょう」
「あ、あの……私もお願いできますか?」
「ええ、構いませんよ。私の部下はいくらいても困りませんからね」
「あ、ありがとうございます!」
「それでは行きましょうか」
「はい!」
「ところで煉獄ゥ」
「何だ不死川」
「オレ達の出番がほとんどなかったんだがよォ、何か意見はあるか?」
「むぅ……まあ俺としては特に不満はないのだがな!皆んなはどうかな?」
「煉獄さん、俺が妹萌えの変質者で花火オチっておかしくありませんかね?」
「竈門少年はもう少し発言に気を遣うべきだな!」
「禰豆子があんな可愛い格好で出てくるとか反則ですよ」
「ホッホッホ……炭治郎さんはあそこで選択肢を間違え無ければ、わたしの下で鍛えて差しあげるルートもあったのですがね。残念なことです」
「ええー……ちなみに他にどんなルートがあったんですか?」
「そうですね……わたしに苦しまず一瞬で消滅させられる、わたしの逆鱗に触れて消し炭にされる、煉獄さんに斬首されると言ったルートもありますよ」
「……どれを選んでも結局殺されてるじゃないですか……」
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上記あとがき楽屋ネタものべりすと先生産です。
あまりフリーザ様の活躍がなかったので、リベンジするかもしれません。