よろず短編集   作:機械学習はいいぞおじさん(仮)

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例によって雰囲気囲碁vs雰囲気遊戯王です


ヒカルの碁 vs 遊戯王(デュエルモンスターズ)

「俺のターン……ドロー!」

 

遊戯は高らかに宣言し、山札からカードを一枚引き抜いた。そしてそのカードを確認し、不敵に微笑む。

 

「来たぜ!俺は魔法カード『死者蘇生』を発動する」

「死者蘇生だと!?」

 

ヒカルが思わず声を上げた。それは誰もが知っている強力な魔法カードの1枚だったからだ。

 

「このカードは自分の墓地に存在するモンスターを一体特殊召喚できる。蘇れ!我がブラックマジシャン!!」

 

墓地よりブラックマジシャンが復活し、遊戯のターンは終了した。

 

ヒカルのターン。碁盤上の遊戯とヒカルの状況は互角であり、次の一手で勝敗が決まると思われた。

ヒカルは碁石を握り締めると静かに言った。

 

「……オレも本気で行くぞ」

ヒカルの一手は、かつてないほどの速さで打ち出された。

 

「なっ……何だあの速度!?」

 

あまりの早さに誰も打つことができず、一瞬の間が空いた。

天元に打たれた一手は遊戯のブラックマジシャンを破壊しライフに直接ダメージを与えた。

 

「うわああぁぁあーーッ!!」

 

遊戯はライフポイント、残り2200まで減っていた。

 

「へへっ、これがオレの全力だぜ」

「くっ…………」

 

遊戯は悔しそうに歯噛みした。

(これがプロの実力かよ……)

 

「だが勝負はまだ終わっていないぜ!!次は俺の番だ!」

遊戯は祈るようにカードを引く。

 

「ドロー!……来たぜ!俺は魔法カード『融合』を発動する」

「融合だと!?」

 

ヒカルが再び驚きの声を上げる。

 

「自分のフィールドまたはデッキから素材となるモンスターを二体選択し、それらを融合させる事ができる。俺は場のブラックマジシャンと、デッキからブラックマジシャンガールを選択して融合を行う!!」

「なんだってぇええええーーー!!!」

 

場に現れた二つの黒い渦の中に、ブラックマジシャンとブラックマジシャンガールの姿が見える。

 

「黒き魔術を操る魔導師よ、可憐なる魔法使いの少女よ、今一つとなりて闇夜を切り開く新たなる力を生み出さん!!融合召喚!!ブラックマジシャンブラックガール!!!」

 

遊戯の場に新たに現れたのは、漆黒のローブに身を包んだ美しい少女だった。

 

「これが俺の新しいエースモンスターだ!!」

遊戯は自信満々といった表情を浮かべていた。

 

「なんだよそれ……」

「ブラックマジシャンブラックガールで碁石を攻撃する!ブラック・バーニング!」

 

遊戯の指示を受け、ブラックマジシャンブラックガールの攻撃が開始される。杖を振りかざすと、そこから炎が飛び出しいくつかの碁石を包み込んだ。

 

「うわぁあああっ!!!」

 

碁石は一気に燃え上がり、その勢いによって全ての碁石が吹き飛ばされてしまった。

 

「これでお前を守るものは無くなったぜ!さぁ、どうする?」

「くそぉおおおおっ!!」

 

ヒカルは追い詰められていた。しかし、その時ヒカルの脳裏に一つの考えが浮かぶ。

 

(待てよ?こいつ、確かまだデッキに切り札を残していたはずだ……。ならその切り札が出てくる前に勝負を決めるしかない!)

 

ヒカルの一手は速かった。まるで初めから決めていたかのように迷いなく打ったのだ。ブラックマジシャンブラックガールを白石で囲い込むような布陣であった。

 

「……オレの勝ちだ」

ヒカルは勝利を確信していた。

 

「ふぅん、それで?」

対する遊戯は余裕綽々といった様子である。

 

「お前のターンはこれで終わりか?」

「いや……これからだぜ」

 

碁盤に刻まれたのは白の一手。しかしその動きは先程までのものよりも遥かに速く、そして正確無比なものとなっていた。

 

「なんだと!?」

 

遊戯は驚愕の声を上げた。ヒカルが使える碁石の数はもう少ない。であればもう使える手は無いはずだ。

 

「この一手で特殊効果『神の一手』を発動させた」

「なにぃ!?」

「相手の場の最も攻撃力の高いモンスターを破壊することができる。破壊するのは勿論ブラックマジシャンブラックガールだ」

 

遊戯の場には最強のカードが存在する。それは当然ブラックマジシャンブラックガールのことである。

 

「オレの最強モンスターが……破壊されただと!?」

「囲碁vsデュエルモンスターズの時に適応される特殊ルール『モンスター破壊時にはライフダメージとなる』が適応され、お前のライフポイントはゼロとなった!」

 

遊戯は敗北した。ヒカルの勝利が確定した瞬間であった。

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

「負けたぜ」

遊戯はそう言って笑った。

 

「いやぁ、いい勝負だったぜ」

「こちらこそ楽しかったぜ」

 

二人は握手を交わした。友情が生まれた瞬間であった。

 

「ところで、どうしてこんなことをしたんだ?」

ヒカルは疑問を口にする。

 

「俺はデュエリストとして高みを目指そうと日々修行に明け暮れている。そんな中、たまたま見つけた囲碁のサイトで、プロ棋士とデュエリストの対戦という企画があることを知った。これは是非とも実現させてみたいと思ったんだ。だからこうして実行に移したのさ」

「そういうことだったのか。まぁでも、別に悪気があったわけじゃないのなら許してやるよ」

「ありがとう。助かるぜ」

「オレの方も、勉強になったぜ」

「そういえば、囲碁と将棋ではまた戦法が違うらしいな」

「そうだな。次は将棋に挑もうと計画しているところだ」

「へぇ、そうか。頑張れ!」

「ああ、お互いな」

「じゃあ、オレは帰るぜ」

「ああ、俺もまた修行に励むとするぜ」

「じゃあ、また会おう!」

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

二人の熱い戦いは終わった。

こうして囲碁界に新たな伝説が誕生した。




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