よろず短編集   作:機械学習はいいぞおじさん(仮)

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鬼滅の刃 柱合裁判─その4

炭治郎は目を覚ますと鬼滅隊本部、御館様の屋敷前の庭にいた。鬼となった妹を隠していた罪でここに連れてこられたのだ。

 

「ここは鬼殺隊の本部です。あなたは今から裁判を受けるのですよ。竈門炭次郎君」

 

蟲柱───胡蝶しのぶが話しかける。炭治郎が慌てて周りを見回すと他にも人の姿があった。

 

炎柱──煉獄杏寿郎。

音柱──宇髄天元。

恋柱──甘露寺蜜璃。

岩柱──悲鳴嶼行冥。

氷柱──童磨。

霞柱──時透無一郎。

蛇柱──伊黒小芭内。

水柱──富岡義勇。

風柱──不死川実弥。

 

そして……ゴリラ柱───ビーストコンボイ。

 

コンボイがビーストモードを解除しゴリラから人型に変形する。その姿を見た瞬間炭治郎は思わず声を漏らした。

 

「ゴリラが変形した?」

その言葉に全員がズっこける。

 

「誰がゴリラだ!!私はセイバートロン星出身のビーストコンボイ!よろしく!」

そう言ってビーストコンボイは手を差し出す。その手を握りながら炭治郎も自己紹介をする。

 

「あ、はい。俺の名前は竈門炭治郎と言います。こちらこそよろしくお願いします」

 

お互い握手を交わしていると、先程まで黙っていた御館様と呼ばれた人物が口を開いた。

 

「やぁみんな。今日はとてもいい天気で嬉しいな。空は青いのかな?顔ぶれが変わらずに半年に一度の柱合会議を迎えられたこと嬉しく思うよ」

穏やかな笑みを浮かべて挨拶をした御館様に皆一様に頭を下げる。

 

「お館様におかれましてもご壮健で何よりです。益々の御多幸切にお祈り申し上げます」

「ありがとう実弥」

そう言うと御館様と呼ばれる男性は微笑んだ。

 

(この人が鬼殺隊のトップ……。凄く優しい匂いがする)

 

ふわっと暖かい空気に包まれるような感覚に陥りながらも炭治郎はじっとその男性を見る。すると隣にいるしのぶが口を開いた。

 

「畏れながら、柱合会議の前にこの竈門炭治郎なる鬼を連れた隊員についてご説明いただきたく存じますがよろしいでしょうか?」

 

「そうだね。驚かせてしまってすまなかった。だけど、私の子供たちに伝えておくことがあるんだよ。まずは鱗滝左近次殿からだね」

 

その言葉に鱗滝の名前が出てきたことに驚きつつも他の者は耳を傾ける。

 

「文にも書いたけれど炭次郎の妹である禰豆子は人を喰わない。今までもこれからもだよ。このことは私が保証しよう」

 

「あり得ません!!人を襲わないなどと言うことはありえない!!」

 

間髪入れずに反論したのはやはりというか風柱だった。だが、その言葉を聞いた瞬間御館様の顔色が曇ったような気がした。しかしそれも一瞬のこと。すぐに表情を元に戻すと今度はゆっくりと話し出した。

 

「ならばどうしようか……コンボイ君」

突然話を振られたセイバートロン星の戦士、ビーストコンボイはその鋭い眼光を向けてきた。

 

「君は鬼滅隊の柱の一人でもあるんだ、どうだろう?君の目から見て彼女は本当に人を襲わないと思うかい?」

 

そう言われてビーストコンボイは再びゴリラのような姿になる。その光景を見て一同騒然となるが構わずゴリラから人型へと姿を変える。そして少し考え込んだ後口を開く。

 

「私にいい考えがある」

 

コンボイはいいアイデアを思いついたとばかりに声を上げる。

自信満々に言ったコンボイの言葉を聞いてその場にいたものは全員顔を青ざめさせた。

 

「ダメだ!それだけは絶対に駄目だ!」

 

コンボイのいい考えはフラグである。それはコンボイを除く柱達全員の共通認識であった。

 

「大丈夫さ!ちょっと痛いかもしれないけど死ぬことはないから」

その言葉で更に不安になった面々だったが、誰も止めるものはいなかった。

 

「よし!じゃあ早速始めよう!みんな離れてくれるかな?巻き込んじゃうから」

「ま、待ってくれ!一体何をするつもりなんだ!?」

嫌な予感がした炭治郎が声をかけるが時既に遅し。

「こうするのさ!!」

 

ビーストコンボイが指をパチンッと鳴らすと同時に辺り一面が眩い閃光に包まれた。

 

「目がぁああ!!目がぁあ!!」

 

あまりの明るさに炭治郎はあまりの痛みに悶絶する。

そんな炭治郎にビーストコンボイは優しく声をかけた。

 

「すまない少年、手加減はしたつもりだったんだけど……彼女をスキャンしてみた。確かに普通の人間とはどこか違うようだ。だが彼女が人を襲うことがないということは証明された」

「だからってこれはないでしょう!全くあなたときたら……」

 

ビーストコンボイに呆れたようにため息をつく胡蝶しのぶ。

 

「お館様、失礼を承知で申し上げますが、私は反対です!人を襲わない証明ができたとしても鬼であることには変わりありません!危険すぎます!」

「俺も派手に反対するぜ!鬼を野放しにするわけにもいかねぇ!」

不死川実弥に続いて宇髄天元も同じ意見だと言わんばかりに手を上げた。

 

「俺は……どちらでも構わない……好きにしろ」

「あら?私は賛成よ!だって可愛いじゃない!」

「僕も……どちらかといえば賛成かな」

「南無阿弥陀仏……人であろうとなかろうと罪なきものを罰するのは間違っている」

「僕はどうでもいいですよー」

「俺もだ。甘露寺がそう言うなら俺もそれに従う」

「俺も異論はない」

「私も別にいいわよ」

次々と上がる賛同の声に、反対意見を唱えていた者達は苦虫を噛み潰したような顔となる。

 

「それでは、竈門炭治郎及び竈門禰豆子の処遇については、ビーストコンボイのおかげで人を襲わないことの証明がされたということで、以後二人の身柄は我々鬼殺隊が預かる。いいね?」

 

御館様の言葉に皆一堂に頭を下げる。

 

「では、竈門兄妹の件はこれで終わり。次は新しい柱を任命したいと思う。では紹介しよう、彼が新しいニューリーダー柱のスタースクリーム君だ」

 

どこからがジェット機が飛んでくるとそのままキギギガガゴゴと人型ロボ生命体に変形した。

 

「俺がニューリーダーのスタースクリームだ!」

「なんかまた増えた!」

 

再び炭治郎は思わず声を漏らしてしまう。それに気づいたのは隣にいたビーストコンボイだけであったが。

 

「おいテメェ、今なんて言いやがった??もう一回言ってみやがれ」

「え?い、いえ。なんでもないです」

「まあいい。とりあえずこれからよろしく頼むぜ」

 

そう言うとスタースクリームは炭治郎に向かって握手を求める。

 

「はい。こちらこそ」

そういうことになった。




ニューリーダー柱とは?

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