よろず短編集 作:機械学習はいいぞおじさん(仮)
お金持ちのペンションに招かれたコナン一行。
パーティの夜、主催者の男性が殺害される事件が発生した。
そこに残されたダイイングメッセージ『あ』と意味とは?
見た目は筋肉、頭脳は脳筋。真実はいつも筋肉。
その名は───名探偵コナン・ザ・バーバリアン!
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
「そうか、わかったぞ犯人が!」
コナンの筋肉の詰まった脳筋色の頭脳が推理を見出す。
「おい待て! なんでお前は推理をすると突然に脱ぐんだ!?」
コナンは筋肉を見せつけながら、推理を語り出す。
「いいか? このダイイングメッセージの意味するところは……」
『あ』から始まる単語を探し当てる。それはたった一つの単語。
「『赤』だ!」
そしてその瞬間、部屋の明かりが全て消えた。停電である。
「なんだとっ!?」
暗闇の中で混乱する小五郎。そんな彼を尻目に、コナンは冷静に推理を続ける。
「電気系統のトラブルに違いないな。つまり犯人はこの場に潜んでいる! 俺が殴って死んだやつが犯人だ。今から全員ぶん殴る!大人しく全員殴られろ!」
そう言って部屋を見渡す。その時だった。窓の向こう側から何か黒いものが見えた。人影である。
コナンはそれを確認して叫んだ。
「いたぞ!! あいつが犯人だ!!」
しかしそれと同時に、その人影も消えてしまった。
「くそっ、逃げられたか……!」
悔しがるコナン。そこに蘭が言う。
「それよりお父さん、さっきの停電だけど……。あの時誰かがブレーカーを落としたんじゃない?」
「ああ、そうだよ。きっと犯人の仕業だよ!」
英理もそれに同調した。だが小五郎はまだ疑っているようだった。
「んなことしなくても、普通に消すだけでいーじゃねーか」
「それが出来なかったんだよ」
「何故だ?」
「だってほら、ブレーカーには指紋がつくじゃないですか。もし手袋をしてたとしても、拭き取らないとダメだし……」
「なるほど……そういうことか」
小五郎はその説明で納得したようだ。そして次の瞬間には、もう興味を失ったように眠りについた。さすが眠りの小五郎だ。
「えぇ……」
しかし、蘭は呆れた声を出すしかなかった。
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
コナンは犯人の人影を追いかける、ほぼ全裸で。
「筋肉は!いつも!ひとつ!」
全裸に近い姿で筋肉を見せつけるように全力疾走しながら、謎かけのようなことを叫ぶコナン。その様子はもはや不審者である。通報案件だ。
しばらく追いかけると、人気のない場所に出た。
そこは倉庫街らしく、周りは高い塀で囲まれている。
辺りに誰もいないことを確認した後、コナンは立ち止まって息を整える。
(ここなら大丈夫だろう)
そして残りの服を脱ぎ始めた。全裸になって塀を乗り越えようとする。その時だった。
───パァンッ! 乾いた銃声が聞こえた。
撃たれたのだ。背後から何者かによって。だが、たかが銃撃で鍛え抜かれた筋肉に傷を与えることは出来ない。高度に発達した筋肉は魔法に等しい。銃弾ごときではビクともしない。
パァン!パァン!再び、そして三度の銃声。それでもなお、弾かれたような反応を示すコナンの体を見て、発砲者は慌て始める。
「うわぁ!?効かない!? こいつ何者だ!?」
───パァン! 四度目の弾丸が放たれようとしたその時、
「そこまでだ!」
男の声が銃撃を遮る、男の名は───江戸川コナン。
見た目は筋肉、頭脳は脳筋。真実はいつも一つ。その名は──コナン・ザ・バーバリアン!
「お前がこの事件の真犯人だな!?」
筋肉を見せびらかすようにポーズを取りながら言った。
そんな彼の姿を見て、男は観念したように両手を挙げる。
「くそっ!バレちまったか……」
彼は白状するように語り出した。
「そうだよ、俺がやったんだ。全て計画通りだったのに……」
「計画だと?」
「ああ。俺は元々探偵だったんだ。毛利さんに弟子入りして、いつかは自分の事務所を構えようと意気込んでいた……。なのにある日突然、あの人はお前を預かったからって追い出されたんだ。俺はただ名を上げたいだけなんだ!だからあの人を殺して、俺が犯人になれば名が上がると思ったんだ!」
そう言いながら拳銃を取り出し、それをこちらに向けてきた。
「くそっ、こうなったら死んでもらうしかないな……!」
そして引き金に手をかけた。
しかしそこで、コナンは冷静に推理をする。
(落ち着け……こいつは素人だ。落ち着いて行動すれば勝てるはずだ…つまり素早く近づいて殴り殺す!)
「死ねぇ!!」
男が叫びながら引き金を引こうとするが、それよりも早く、コナンが動いた。男の懐に飛び込むと、そのまま腹に拳を叩き込んだ。
「グフゥ!」
悶絶する男。コナンはそのまま男に馬乗りになると、何度も顔を殴った。
「ぐっ!がはっ!やめろ!」
必死に懇願してくるが、コナンは構わず殴る。やがて顔の原型が分からなくなるくらいまでボコボコにすると、ようやく満足して殴るのをやめた。
「ふう、スッキリしたぜ!」
コナンは立ち上がると服を着直し始めた。
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
翌日、新聞の一面には
『連続殺人鬼逮捕!』
『真犯人は少年探偵団の子供たち』
『子供を人質に取って立てこもり』
などの見出しが躍っていた。
そしてコナンの写真の下には、こんな文章が添えられていた。
───筋肉の申し子─── コナン・ザ・バーバリアン。
米花町は今日も平和である。
お わ り
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
⿴⿻⿸あとがき⿴⿻⿸
はじめまして、もしくはこんにちは、作者です。
この度は「コナン・ザ・バーバリアン」をお読みいただきありがとうございます。
この作品は「小説家になろう」様にて掲載していたものを、大幅に加筆修正したものです。
元々はもっとギャグ要素の強い作品だったのですが、「筋肉キャラを出して欲しい」という要望があり、それに応える形でこの作品が生まれました。
まあ、そのせいでシリアスな要素が薄くなった気もしますが……。
ちなみに作中でコナンが脱いだ理由は、特にありません。強いて言うなら、作者の趣味です。それと作中に出てくるコナンの推理シーン。あれは全部嘘です。本当はあんなこと言ってません。
「犯人はあの窓の向こうにいた!」とか「犯人はこの中にいる!」なんて言ってません。
もし仮にそんなことを言っていたら、読者の皆さんに怒られるどころの話ではありません。本当にすいませんでした。
最後に謝辞を。
担当編集のKさま。いつも色々と相談に乗ってくださり、本当に感謝しております。あなたのおかげでここまでやってこれました。
イラスト担当のU先生。毎回素晴らしいイラストを描いていただいており、本当に嬉しい限りです。これからもよろしくお願い致します。
挿絵を書いてくれた、S先生。とても可愛らしい絵に仕上げていただき、感無量であります。
そして何より、この本を手にとってくれた皆様に最大の感謝を申し上げたいと思います。
あとがきはのべりすと先生による生成文です。
例によって冒頭3行と矛盾点修正以外は行ってません。
かなりカオスになったので大満足です。