ポンコツ勇者 VS クソガキ魔王 VS ダークライダー   作:やーなん

46 / 46

えー、長らく更新が途絶えて久しい本作ではありますが、個人的に納得のいかない出来であると以前から考えていました。

そこで!! 恥ずかしながら、本作のリメイクを発表致します!!
本格的なサイバーパンクな世界で、あの三人が帰ってきます!!

では、以下第一話の冒頭になります。お楽しみください。


※本作、リメイクのお知らせ

 

 

 

 2127年、7月。

 この都市が『東京』と呼ばれ、平和ボケを謳歌していたのはもう百年も前の話。

 

 深刻な資源不足と、それに続く致命的な核戦争。人類が自らの手で引き起こした未曾有の自爆芸によって、地表は余すところなく汚染し尽くされた。

 空は重金属の灰で濁り、海は死の泥をすする底なしの沼へと変わった。かつての繁栄は、まさに地獄の業火に焼かれたように綺麗さっぱり消え去った。

 

 それでも人類は大きく数を減らしつつ、しぶとくこの地に縋り付いて生き延びている。

 絶え間なく降り注ぐ汚染された酸性雨を防ぐため、空を覆い隠すように建造された巨大なドーム群──『トーキョーメガシティ』。

 

 その中でも旧東京新都心。そこの治安は最悪だった。

 

 メガシティを建造し、そこの支配者となった企業と政府の立場は逆転し

 メガシティを建造し、街の主となった巨大企業に対し、かつて政府と呼ばれたものはただの骨董品に成り下がった。

 警察組織は賄賂の味を覚え、治安はすでに崩壊の閾値を越えている。

 

 退廃と腐敗に満ちたスラム街。

 巨大なドームが汚染から街を隠すように、この街の住人たちは自らの醜悪な欲望を、路地の闇に塗り潰して隠していた。

 

「あ、あッ、あう……」

 

 安アパートの一室。

 ネオンの残光が、ひび割れた窓から虚ろな部屋を青白く照らしている。

 薄暗い室内で、男は獣のように女を貪っていた。

 

 女の顔には粗末な神経インターフェースが突き刺さり、脳を直接苛む違法電子ドラッグが、その瞳孔を濁らせている。女はただ、生理的な反応として口元から泡を垂れ流すだけの“モノ”と化していた。

 このスラムでは、見ず知らずの人間が誰かの欲望の燃料になるなど、ありふれた日常の一部に過ぎない。

 

「くそッ、もうしまりが悪くなってやがる」

 

 男が悪態をついたその時だった。

 電子的なノイズを纏った、無機質な呼び鈴が鳴り響いた。

 

「なんだよ、クソがッ」

 

 行為を邪魔された男は、腕に埋め込まれた神経接続デバイスを操作し、玄関先の監視カメラを網膜に同期させる。

 

 

「ちわーっす。イーライーツです」

 

 カメラは黒いヘルメットを被った配達員の姿を映していた。

 

「出前なんて頼んでねぇよ!!」

 

 男は怒鳴り散らした。しかし配達員は動じない。

 

「おかしいですね。住所はここで合っている筈ですが……。

 あのー、料金は支払い済みですから、受け取ってくれないと困るのですが」

「だったらそこに置いておけ!!」

「え? あははは。この辺りは物騒ですし……勝手に持ってかれちゃいますよ。だからうちでは置き配はしてないんです」

 

 配達員の懸念は尤もだった。

 他人の置き配を勝手に持って行かないなど、このスラム街にそんな倫理観を期待してはならない。

 

「ちゃんとデバイスで認証をお願いします」

「ちッ、わかったよ!!」

 

 男は粗雑に衣服を着ると苛立ちを隠さずに立ち上がり、電子ロックを解除した。

 重い遮音扉がスライドし、路地の湿った冷気が流れ込む。

 

「ほら、さっさと──」

 

 寄越せ、とまでその男は言えなかった。

 

「お客様、こちらがお届けの品物です」

 

 寄越せ、とまでその男は言えなかった。

 配達員の持っていた冷凍バッグの隙間から、鈍く光る黒い自動拳銃の銃口が突きつけられていたからだ。

 男が硬直した、その一瞬が命取りだった。

 

「御確認、お願いしまーす」

 

 ぱん、ぱん。引き金に頭と胴体に二発。

 男は即死だった。どさり、と物言わぬ死体となった男が崩れ落ちる。

 

「はーい、確認完了です。またのご利用を、お待ちしておりまーす」

 

 配達員は男の死体を冷ややかに一瞥し、網膜内のカメラで『納品完了』の証拠写真を送信した。

 

 

 

 彼は外に停めていた黒塗りの大型バイクに跨る。

 彼の背後からは、証拠隠滅を専門とする“清掃員”たちが、何食わぬ顔でアパートへ入っていくのが見えた。

 

『レイジさん。今日の依頼はこれで完了です。お疲れ様でーす』

 

 甘ったるい女性AIのオペレーターが、着信と同時に彼の鼓膜を震わせる。

 

「……」

『どうかしましたか?』

「いや、被害者を助けられなかった」

『仕方ありません。依頼主の発注が遅れてました。それに、我々の業務は犯人の抹殺です。我が社に被害者の救助等のオプションはありません』

「……そうだな」

 

 レイジは低く呟き、エンジンの振動を全身に伝えた。

 バイクはネオンの光の中へ消えていった。

 

 

 

 ――続く。

 

 





こんな感じで、骨太なサイバーパンクものになってたらいいなぁ、って感じです。
リメイク作では、レイジの殺し屋としての描写をマシマシにします。あと三人の関係に余分な設定も簡略化します。


それでは、興味がおありでしたら→【Re】ポンコツ勇者 VS クソガキ魔王 VS ダークライダー【make】からお願いします。(__)。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。