KING MEETS LITTLE QUEEN 作:ジャンボス
今回はモナークのあの人が転移してきます。2014年版のゴジラには欠かせない人です。
ーバジュラ本星より15光年離れた宇宙空間ー
「あ〜、ヒマだぜ」
とある新統合軍のパイロットがそう呟いた。
「おいおい、隊長に聞かれたらどやされるぞ」
「だって、オレ達の星の周りの調査って退屈でよ〜。特にオレ達の任務って星を探すだけじゃなねえか。後の事は政府がほとんどやるし、正直な所、物足りないんだよな〜」と不満を漏らした。
「何言ってるんだ。オレ達の任務だって非常に重要な任務だぜ。それにバジュラとの戦争の時と比べたら今の方が平和でいいじゃないか」ともう一人のパイロットが苦言を呈した
「それはそうだけどよ〜。てか、こうゆう任務って普通SMSの仕事だろ? 何でそいつらに頼まねえんだよ」
「仕方ないさ。向こうも色んな方面で出払ってるからな。それに彼らはランカ・リーの護衛もやってるって聞くしな」
「はあ〜、羨ましいぜ。俺もSMSに入ろうかな」と軽い口調で言った。
「やめとけ。聞いた話じゃ状況によっては新統合軍より真っ先に前線に送らされるし、新兵器の実験に協力するとか、それに死んだとしてもその詳細は家族とかには伝えないとか、要するにオレ達がやんない事を率先してやるっていう宇宙の何でも屋だ。割に合わない仕事を押し付けられるのが関の山さ」と説明した。
「だけどよ、『超時空シンデレラ』の護衛はやりてえよな〜」と愚痴をこぼすと、もう一人のパイロットも
「確かにそれは憧れるよな。何でも噂じゃSMSにはその『超時空シンデレラ』の彼氏がいるって聞いた事があるぜ」
「マジかよ!? ますます羨ましいな、おい。で、そいつはどんな奴だよ」
「それが、バジュラとの戦争の後に消息不明になったらしいぜ。その後も全く行方不明らしい」と説明した。
「かあ〜、不幸な奴。同情するわ。出来れば俺もこの機に彼女とお近づきに....」と軽口を叩いた。
「おい、不謹慎だぞ」と注意されるも、
「分かってるって、冗談だってば」と軽く流した。
二人はこんな感じの会話を続けていて、特に何も起こらないだろうと思っていた。
だが、
突如レーダーが鳴り出した。
「なっ、何だ!? おい、どうしたんだ!?」と突然の出来事にパイロットが慌てふためいた。
「わ、分からん! 何かがこっちに向かって来ている!」
「バジュラか!?」
「いや、分からん!だが、サイズからして....、ビショップ級、いや もっとか!?」
「とにかく一旦ここから離脱して、本部に連絡を....」とパイロットが離脱しよとした時、機体が動かなかった。
「な、何だ。機体が動かない!? どうしたんだ!」
「こっちもだ! 何をしても動かない!!」
二人が蒼惶そうこうしている時にそれは現れた。
それはとてつもないスピードで向かって来る巨大な隕石だった。
大きさはゆうに100mを超えていた。
「な、何だあれは!? 隕石か!?」
「こちら新統合軍所属のブレンダン・ロズウェル、たった今我々は謎の隕石に遭遇、並びに不明な機体異常になりここから離脱できない状態にある。すぐ救援を....!」と言い掛けた時、その機体が動き出した。
(何だ、動ける!? これならここから....)と彼は期待した。
だが、彼の乗ってるVF-171 ナイトメアプラスは別の方向へ動いた事により期待は裏切られた。
(ち、違う。これは...、隕石の方へ向かってる!? まるで....、まるで隕石に引き寄せられてる!?)
ナイトメアプラスは隕石に徐々に近付いて行った。
(マズい!! このままじゃ隕石にぶつかる!!)
パイロットは必至に脱出を試みるも、全く作動しなかった。
そして....、
謎の隕石の出現とほぼ同時刻、
平行世界においての地球ー
太平洋上をある飛行機が飛んでいた。
飛行機の中には最先端のレーダーが装備され、そこには数人の研究者達が行き交っていた。
その飛行機の中央部分の窓際に座り、海を見下ろしていた男がいた。
男の名は「芹沢 猪四郎」。
生物学者で放射能が生物に与える影響を研究し、またゴジラの事を父の代から引き継ぎ研究していた。
そして彼はこの研究者達のリーダーでもあった。
あの戦いから数ヶ月が去り、依然としてゴジラの行方は分かっていない。
「先生、やはりゴジラは...」と芹沢の助手のグレアムは不安そうに語った。
「いや、ありえない。奴がそんな簡単に死ぬとは思えない」と芹沢は即座に否定した。
「しかし あれから数ヶ月、ゴジラの生存は確認されてません。MUTOとの戦いはゴジラにとって相当の深手でのはずです。死んでないにしても、動けない状態のはず。しかし、何の手掛かりも見つかってません。仮にあの時の核爆発で大量の放射能を吸収し回復したとしても すぐ動けるとは....」とグレアムは自身の見解を述べた。
芹沢自身もまたゴジラが傷を負ってるのは知っていた。
だが1954年のビキニ環礁での水爆実験にも耐え、何より地球上のほぼ9割近くの生物が絶滅した、あの「ペルム紀の大量絶滅」からも生き延びたあの怪獣王がそう簡単に死ぬとはどうしても思えなかった。
「分かってる。だがゴジラは....」と芹沢が言い掛けたその時、
突如として飛行機が大きく揺れた。
「何だ、どうした!?」と研究員の一人が慌てふためいた。
「分かりません!! 機体が突然コントロール不能に....!」とパイロットもまた突然の出来事に驚きを隠せなかった。
ただその後はすぐに冷静さを取り戻し、すぐに機体を安定させようとした。
しかし、いかなる手段を用いても正常に戻す事は出来なかった。
「こちらジョージ・アダムス、太平洋上にて機体のコントロールを失った! 応答を願う、応答を!!」
しかし、無線は全く通用しなかった。
「クソッ、ダメだ。操縦がきかねえ!」
機体は更に大きく揺れ、中の研究者は冷静さを失っていた。
その時だった。
「な、何だ、あれは!?」と一人のパイロットが驚きの声を上げた。
芹沢は何があったと思い操縦席の窓の方を見た。
それは目を疑う様な光景だった。
目の前の空間が水紋の如く揺れ始めたのだ。
「ダメだ!! まるで吸い込まれていくみたいで機体がコントロールできない!!」
芹沢は目の前の光景を見て恐怖もあったがそれと同時に「興味もあった」のだ。
あれは一体何だ....。
あれを抜けたら何が起きるんだ....。
あれの先には何があるんだ...。
周りの科学者達がパニックに陥ってる中、芹沢だけが落ち着いていた。
この状況で目の前の現象に興味を持つあたり彼もまた科学者なのだ。
そして、そんな彼らをよそに機体は宙に浮かぶ水紋に吸い込まれる様に入っていった。
沢達が目を開けた瞬間、彼らはそこが空だと分かった。
機体は安定を取り戻し、正常な動きになった。
パイロット達と研究員達は何があったと動揺を隠せなかった。
「一体今のは何だったんだ? 機体の状態は?」
「正常です。レーダーも元に戻っております」
「とにかく....、我々は助かったのか...?」
芹沢と彼を気に掛けるグレアムを除く全ての人達が一同に安堵した。
我々は助かった。
そんな思いが彼らを支配していた。
だが、彼らに近付いて来る影があった。
『こちらSMSスカル小隊所属、オズマ・リー少佐だ! その機体に乗ってるパイロットは速やかに名前と所属を言え!』
荒々しい男の声が響いてきた。
芹沢達は何が起こったのかと窓を覗いた。
すると外には戦闘機らしき物が複数飛んでいた。
だが、更に驚いたのはその戦闘機が変形し、瞬時に人型のロボットになったのだ。
(何だ、アレは!? あんなのは見た事ないぞ!!)と芹沢を含む人々は驚きを隠せなかった。
あんな高度なロボット技術は存在しないはず。
しかし、今彼らの目の前にあるのは今まで見た事のない兵器だった。
「何だあのロボットは!? ロシアの新兵器か!?」
「いや、あそこにあれほどの兵器もそれを作る技術もないはずだ。博士、あれはあなたの国のですか?」
パイロットの一人が芹沢に聞いた。
「いや、あんなのは見た事がない。ましてや瞬時に人型に変形するなど聞いた事もない」
『繰り返す。所属と名を言え! さもなくばフロンティア船団まで連行する!』と男は警告をして来た。
『こちらジョージ・アダムス、アメリカ空軍所属。我々は太平洋上を飛行中、突如として謎の現象に遭遇した。我々に敵意は無い。繰り返す。我々に敵意は無い!』
パイロットのジョージ・アダムスは突如として現れた謎の戦闘機に答えた。
(フロンティア船団、SMS、聞いた事がない。一体ここは何処なんだ....)
芹沢は今起きてる状況にただ困惑すると同時に高揚感にも溢れていた。
だが彼は知らない。自分が別世界に転移してしまった事を....。
更にはこの世界に彼らの探してる『ゴジラ』がいる事も又、知る由もなかった.....。
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