KING MEETS LITTLE QUEEN 作:ジャンボス
今回は芹沢博士達がSMSのメンバーと出会う所からスタートします!
よろしくお願いします!
芹沢達はSMSのマクロスクォーターへ連れて行かれた。
芹沢はあまりにも巨大な戦艦が空に浮いている事に驚愕した。全長は400mあり、甲板と思わしき所からは先ほど彼らが目撃した人型ロボットに変形する戦闘機が着陸し、艦内へ収容されていった。
科学力の差に芹沢はショックを隠せなかった。
全てが彼の時代を上回っていた。
(一体、我々はどこに来たのだ?)芹沢はそれしか考えなかった。
あの未知の現象に巻き込まれた後、この見知らぬ世界へやって来た。
こんな事が実際にありえるのだろうか?
だが今実際に目の前でその「あり得ない」事が起きている。
芹沢達の乗っていた軍用飛行機はクォーターに無事着陸し、芹沢達は飛行機から降りた。
すると、彼らの目の前に二人の男が立っていた。
一人は顎髭と口髭を生やしており、鼻の上辺りには目立つ傷があった。軍服を見事に着こなしており、海軍帽子が良く似合っていた。芹沢は一目見ただけでこの男が艦長であり、数多くの危機を乗り越えてきた軍人だという事を直感した。
そしてその隣に立つもう一人の男もまた艦長と思わしき男にも引けを取らないほど威風堂堂いふうどうどうとしており、この艦長の副官かと思われる。髪を後ろに束ね、顎髭を生やしていた。特殊なスーツを纏まとい右腕でヘルメットを抱きかかえている事から先ほどの戦闘機のパイロットだと芹沢は理解した。
芹沢達は最初こそは警戒心を持ったが、艦長と思わしき男が口を開いた。
「初めまして、マクロスクォーターの艦長を務めております、ジェフリー・ワイルダーと申します。以後よろしくお願いします。隣にいるのは私の部下でありS・M・Sスカル小隊の隊長のオズマ・リー少佐です」と艦長の男は礼儀正しく挨拶し、自分の副官の紹介をした。
艦長の態度に一同は一瞬驚いた。
自分達は連行されたため相手はもっと強硬姿勢でくるのかと思っていたが、艦長の落ち着いた態度は芹沢達を少なからず落ち着かせた。
「よければ、あなた方の代表の方と話をしたいのですが、よろしいでしょうか?」と聞かれ、この調査の代表である芹沢と助手のグレアム、そして彼らの護衛の担当であるジョージ・アダムスが前に出た。
「生物学者の芹沢猪四郎と申します。こちらは私の助手のヴィヴィアン・グレアムです。そして彼は我々を護衛しているジョージ・アダムスです。よろしくお願いします」と自己紹介した後、芹沢とジェフリーは握手をした。
「ここでは落ち着いて話できないので、よければ別室を用意しているのでそこで話を聞きたいのですが、よろしいでしょうか?」
ジェフリーが芹沢に提案すると芹沢はすぐに承知した。
(先生、大丈夫でしょうか? 彼らに私達の目的を話しても....)とグレアムは不安そうに話した。
(うむ....、しかし今、下手に隠し立てしてもかえって危険だ。それに我々は見知らぬ世界にいる。少しでも味方がほしい)と芹沢は答えた。
「つまり、あなた方はこの惑星とは別の地球からやって来て、ある『生物』を捜索中に突如として謎の自然現象に巻き込まれてこの『世界』にやって来たと?」とジェフリーは芹沢の話を再確認した。
「はい。私達自身も信じられないのですが」と芹沢は正直に答えた。
「我々にあった出来事は事実です。私自身もこの目で見ました」とアダムスも話した。
ジェフリーとオズマは黙り込んだ。彼らも今話された事が信じられない。しかし、今回連れて来られた研究員、そしてアダムスの部下の軍人、全てが謎の現象に巻き込まれたと説明している。
別の地球。
それが二人には到底信じられなかった。
それもゼントラーディとの戦争がなかった世界とは....。
しかし、このアダムスは自身が「アメリカ軍」という今の時代には存在しない軍が自分の所属している軍であり、ましてや彼らはかつての地球の国の出身だと明言していた。
「話は変わりますが、あなた方はある『生物』を捜索と話しておりました。その生物とは一体どのような?」とジェフリーは話題を変えた。
「.....我々はある『巨大生物』を追っていました」と芹沢は説明し始めた。
「あなた方は1954年の水爆実験をご存知ですか?」と芹沢はジェフリーに質問をした。
「...ええ、確かマーシャル諸島のビキニ環礁での核実験と聞きましたが....」
「はい...、我々の世界では『表向おもてむき』は、そう発表しました」
「表向き」、その言葉がジェフリーには引っかかって聞こえた。
「本当の目的は...、我々が捜索しているその『巨大生物』を殺害する事が目的でした」と芹沢は説明した。
「!!」
ジェフリーを含むその場にいたマクロスの乗組員はまさかの真実に驚きを隠せなかった。
「ちょっと待ってください。その核実験はその生物を殺すのが目的だったんですよね? それを今も探しているという事はつまり....」とオズマは嫌な予感がするも芹沢に聞いた。
「はい....、オズマ少佐の推測どうり水爆でも奴を殺す事は出来なかった。寧ろ奴はそれらの放射性物質を自らのエネルギーにしているのです」
それを聞いた一同は息を飲んだ。
(そんな生物が存在するなんて....)
今でこそ『核兵器』よりも強力な兵器は存在するが、それでも『核兵器』の恐ろしさは伝わっており、人類史初の『殺戮破壊兵器』として語られている。
その『核兵器』ですら殺せないどころか、それを自らの『エネルギー』にするというありえない生命力を持つその生物にジェフリー達は信じられなかった。
「あなた方がウソを言っているとは思えないが、にわかには信じ難い。無礼を承知であなた方の研究資料を拝見してもよろしいでしょうか?」とジェフリーは彼らの研究資料の提示を要求した。
「無論、強制はしませんが我々にはあなた方を知る権利があります。あなた方の協力無しにフロンティア船団に連れて行く訳にはいきません。どうか研究資料を見せて頂きたい」
芹沢は少し考えた後、その要求を飲んだ。
「分かりました。我々の研究資料を見せます」
芹沢達は室内にあるモニター画面に彼らの資料映像を映そうとしたが、芹沢の時代のと彼らの時代のとでは構造が違うため、どう繋げるかが分からなかった。
それを見たオズマが「ルカ、手伝ってやれ」と言うと、とある少年がやって来た。
見た目は明らかに15歳くらいの少年で芹沢達は目を丸くした。
「ま、まさか君もここの隊員なのか?」と芹沢が聞くと、
「はい。ルカ・アンジェロー二といいます。宜しくお願いします」と少年は自己紹介をした。
「ちなみに年齢は?」
「16です。あ、意外でした?僕みたいな子供がここの隊員なのは」と返された。
「いや、まあ....」と返答に困った。
(こんな少年もこの艦の一員なのか....)と芹沢は驚きを隠せなかった。
自分の国の自衛隊も18歳から入隊するものもいるし、それ以下の歳の子も入れる特殊な部門もあるが、それでも大人達と混じって任務を行うというのは通常ありえない。本来なら基礎訓練を受けているはずだ。
(やはりこの世界と我々の世界は違うな....)と違和感を感じざるを得なかった。
そしてようやく、モニターにつなぎ映像を映す事が出来る。
「明かりを消します」とルカが電気を消し、モニターに映像が流れ始めた。
映像にはまず「モナーク・プロジェクト」という組織の名前らしき題名が映し出され、その後に海が映し出された。
一見穏やかに見えたが、直後に巨大な剣山の如くの背びれが海面から波を立てて出て来た。
一同は唖然としながら映像を見続けた。
何隻かの軍艦がその背びれと平行しながら海を進んでいた。
「1954年、アメリカ軍はこの生物を倒すために模索し、奴の正体を知るため研究し続けた。すると奴からは低濃度程度だが放射能が検出され、更に研究をした結果、奴はペルム紀から我々の地球に生息していた古代の生物であり当時の生態系の頂点に君臨していたという事が分かった。そして、この時代の地球には我々の時代の何倍もの放射濃度があった事が分かり、奴はそれをエサにしていたという事も分かった」
芹沢がそう説明した後にクランが口を開いた。
「馬鹿な! 当時のペルム紀がそれほどの放射濃度だったらその時代に生息していた単弓類や哺乳類の先祖でもある生物などは当然生きていけない! それにその様な巨大生物が生息していたなんて古生物学上知られていない。それにどうやってあの大量絶滅を生き残れたのだ?」と自身の見解を伝えた。
「我々もそこはまだ研究途中であるが、恐らく比較的放射濃度が低い場所にいたため生き残れたのだろう。そして奴は海へ逃げ更に地殻を掘りそこで永い年月冬眠に近い状態で絶滅を乗り切ったと我々は見ている。そして1950年代、地上の放射濃度が上がったため奴はまた眠りから覚めた」と芹沢は付け足した。
「放射濃度が上がった?」とオズマが疑問に思い芹沢に聞くと、
「我々の時代、核兵器や原発などが増え地上に放射性物質がありふれた時代になった。それを感じ取って奴は目覚めた。これらが我々の見解だ」
芹沢の説明に一同は息を飲んだ。
「奴の存在は人類にとって危険だとアメリカ政府は判断し、奴がいるビキニ環礁近くの島々を作戦の場として島民を避難させそしてそこに奴を誘おびき寄よせるため水爆を設置し、奴を誘導した。そして.....、後はあなた達に話した通りだ」
芹沢は全てを打ち明け、それを聞いたジェフリー達は息を飲んだ。
「我々はこの生物を日本の伝説の怪物から取って、こう呼んでいる」と芹沢は生物の名を口にした。
「奴の名は.....」
-同時刻 ランカ自宅内-
「もう、クロちゃん....、ご飯食べないの?」とランカは心配そうに『ゴジラ』を見た。
彼女がクロちゃんことゴジラを保護してから5日が過ぎていたが、ゴジラは食事を摂っていない。
ランカはどうしたものか悩んでいた。
この生物が何を食べるのか全く知らない。
それも至極当然だ。何故なら彼が食べるのは「放射能」だとは彼女が知る由もない。
彼女は彼女なりに資料を読み、特に獣医学関連の資料を読み漁りそして彼女なりにゴジラの食べそうな物を調べた。
歯の形、首に鰓がある事から恐らく魚を食べるのではと彼女は考えた。
しかし、彼は口にしなかった。
悩んだ彼女はネットで買った魚をすり身にし団子状にしてゴジラにあげてみた。
しかし、それでもゴジラは食べなかった。
ココで彼女は最終手段にでた。
それは、ゴジラの前でその魚肉団子を食べてみたのだ。
本来、刺身などの例外を除いて魚介類を生で食べる事は勧めない。
しかし、自分が食べる事によってゴジラの警戒心を解きこれは食べれるものだという事を見せたかった。
「ほら、おいしいよ。食べても大丈夫だよ」とランカはゴジラに言い聞かせた。
これを見たゴジラは彼女の行動にこそ驚いたが、やがて彼女が食べる様に自身も食べる様になった。
(最もこれらを食べなかったとしてもゴジラにとっては特に問題ではなかった)
これを見たランカは少し安心し、ゴジラの頭を撫でた。
頭を撫でられる事自体初めてだったがゴジラは特に気にならず彼女の好きにさせた。
「ルカ、お前あの連中がウソを言っていると思うか?」
オズマがルカに未だ信じられないと感じだった。
「いえ、少なくとも彼らの搭乗していたあの機体はすでに存在しない代物です。あれに搭載されていたコンピューターやその他のメカを調べましたが、やはりあれらは過去の、特に第一次星間大戦前のものです。僕自身、実物を見たのは初めてですが....」とルカは冷静に答えた。
「そうか....、と言う事はあの『ゴジラ』も存在する怪物だって事か....」とオズマはバツが悪そうな顔をした。
(あの連中がここにいるからといってあの『ゴジラ』という怪物が来ているとはありえないと思うが....。厄介な事になったな)と歴戦の隊長は今回起きた事に少なからず不安を覚えた。
オズマがそんな風に考えていた時、他の3人はオズマには聞こえない様に小さな声で話していた。
(ミシェル先輩、クラン先輩。あれってやっぱり.....)
(いや、まだ断定した訳じゃない。単に似ているというだけかも知れないが....)
(そうだな。まだ、アレが『アイツ』とは限らないし、決めつけるのは早計だ。もう少し様子を見よう)とルカとミシェル、そしてクランはランカが匿っているあの『クロちゃん』を疑ったが、それは後にした。
「ん? お前ら何ぶつくさ言っているんだ?」とオズマが彼らの様子を見て不思議に思ったが、3人はすぐに「い、いえ、何でもないです」と何事もないかの様に誤摩化した。
(隊長にバレたら....、オレ達殺されるかもな....)とバレた時の対処法を考え始めた。
しかし、後に彼らはそれさえマシだと思ってしまう様な状況が来る事をまだ知らない.....。