Great fairy perspective
「パーティーの間、皆自由に遊んでて良いですけど、はっちゃけ過ぎて怪我しないように遊んでくださいね。〖大妖精〗はメイドリーダーとして皆の事を頼みますね。館には私が魔法を掛けてますから、そんじょそこらの弾幕では傷1つつかないようになっているので、大丈夫だとは思いますが・・・」
部屋から出てきたアズール様がガクガクと震えてヴァルター様にしがみつきながら私に注意を促してくる。
さっきはいきなり抱き着いてきた女の子がアズール様の部屋に入り、少ししてアズール様の悲鳴が聞こえてきてビックリした。
中で一体何があったんだろう・・・
「分かりました!アズール様はパーティー楽しんできてください!月光館は私達妖精メイドにお任せを!」
とにかくアズール様に心配されないように元気よく返事をしておく。
・・・遊んでも良い。
つまりはいつもなら危ないって理由でヴァルター様に禁止されている弾幕ごっこを思う存分楽しめるということ。
アズール様が教えてくれた遊び、弾幕ごっこ。
自らの魔力を弾に変化させて、撃ち出して相手にぶつけた方の勝ちという遊び。
私達、森の妖精にアズール様が魔法を教えてくださる際に、文字や言葉では魔法を理解できず、ちんぷんかんぷんだった私達にも魔法に親しみを持てるように、魔法を学びやすい様にと教えてくれた遊び。
初めの頃は弾1つ作って撃ち出すのも一苦労だった私達でも、遊びを通じて2.3年もすればたくさんの弾、言わば弾幕を出せるくらいまで、上達する事ができた。
他の魔法は未だにちんぷんかんぷんでアズール様は残念がっていたが、「弾幕魔法は皆、免許皆伝ですね」って喜んでた。
まぁ、皆、弾幕が上手になりすぎて館が弾幕まみれになるので、ヴァルター様が弾幕遊びは夜更け前に1時間だけと制限を設けられたけど。
「まぁ、こういう時くらいは多少はしゃいでも問題ないでしょう。アズール様も言っていますが、アズール様の魔法の保護ががあるからと言って無茶しないよう気をつけるんですよ!」
ヴァルター様は怒ると怖い。
怒らせちゃうとご飯がバナナだけになってしまう。
ヴァルター様の揺れるふわふわしっぽに抱き着いた妖精メイドの1人が、1週間バナナ生活になって泣いてたのは記憶に新しい。
そこは皆理解しているからこそ、ヴァルター様からはしゃいでも問題ないと許可を得た事で歓声をあげた。
私も歓声に混ざりたいが、御二方の手前我慢した。
「・・・大丈夫でしょうか。いくらアズール様の魔法による保護があるからといって、大妖精レベルの本気の弾幕は防げるのでしょうか。」
「う~ん・・・大妖精の本気の弾幕は恐らく完全には防げないでしょうが、その他の妖精の弾幕は館のどこに当たっても防げる自信があります。大妖精も大人しいですし、はっちゃけ過ぎないと思うので大丈夫ですよ。」
私は他の森の妖精とは違い、何故かアズール様に〖大妖精〗という大層な名前を頂いた。
名付けられた当初は私も何が何だか分からず、ビックリしちゃったが、その時「んぇぁ!?」と変な声を上げてビクッと震えたアズール様自身もビックリしてる様子だった。
意図せずに名付けしちゃったのだろうか?
まぁなんにせよ、与えられた大妖精という名前は気に入っている。
名乗るのはちょっと恥ずかしいけど。
「まぁ、それもそうですね。大妖精なら大丈夫でしょう。任せましたよ。では我々はパーティーが始まる紅魔館に向かいましょう。」
「分かりましたヴァルター。では、大妖精。いってきますね?」
・・・うぅ、アズール様達からの信頼が重い。
不安になってきた。
「はい!行ってらっしゃいませ!」
とりあえず元気よく御二方を送り出す。
・・・よし、期待に答える為、頑張るぞー!
アズール様達はずっと昔、私達森の妖精を匿ってくれた。
妖精という存在は人間が自然を畏れる事によって生まれるもの。
人間が自然を畏れる事は太古の昔から続いてきて、その畏れは膨大なものだ。
でも、妖精はその数が多いためそれらに分配される畏れ、妖力が少なく人間や妖怪にも狙われる弱い存在だった。
誰も手を差し伸べてはくれず、毎日妖怪や人間達に怯えながら森の中で隠れて暮らしてきた。
自然自体から力を受け取っている私達妖精はしぶとさだけは並の妖怪にも負けていなかった。
どんな怪我をしても、たとえ死んでしまったとしても自然から力を受け取って生き返ることだってできた。
それが分かっている妖怪たちからはいじめられることが多かったけど・・・
そして、そんな生活をしていたある日のこと。
私達がいつものようにカエルの妖怪に襲われていじめられていたところを綺麗な銀髪の可愛らしい女の子が助けてくれた。
その女の子、アズール様は私達を見て「辛かったでしょう?もう大丈夫ですよ。」と抱きしめてくれた。
そしてその日からアズール様は虐げられてきた私達妖精をその住処である月光館で匿ってくれることになった。
私たちは温かいごはん、温かいベッド、そしてなにより今まで知らなかった愛情をいただくことができた。
はじめのうちはみんなアズール様を警戒していた。
人間たちに騙されて毒なんかも食べさせられた事もあったから、与えられたご飯も食べないことが多かった。
でもアズール様はそんな私達ひとりひとりに毎日のように愛情を持って接してくれた。
1年、2年、3年と変わらずに注いでくれる愛情に私たちの心は温められた。
そして今では私達みんなアズール様を慕っている。
それに匿ってもらいながらも弾幕魔法を教えてもらって私達に戦う力も与えてくれた。
おかげで今まで、いじめられてきたカエルの妖怪にも教えてもらった弾幕魔法を使って追い払えるまでに皆強くなった。
私なんてアズール様に名付けと一緒に力も分け与えられてるので、そこいらの中級妖怪くらいなら戦っても勝てるくらいに強くなった。
そんな色々と助けてくれたアズール様に恩を仇で返さないように、なんとかして恩返ししたいなぁ。
その恩返しの一環として私達は月光館でメイド・・・みたいな真似事をしている。
掃除とか、庭の手入れや、図書館の整理くらいしかしてないので、役にたってるかは分からないけれど。
逆に私達妖精メイドにもご飯や寝床を用意してくれて、とっても居心地がよくって元の場所なんか戻らずにずっとここで暮らしていきたいくらいだけど。
それに、アズール様の傍にいると、なんだか心がポカポカする。
それは皆、一緒のようで、よくアズール様が寝ている傍に行って添い寝する事もある。
添い寝がバレてもアズール様は困った顔で苦笑するだけで怒られる事はないらしい。
私は恥ずかしいからまだした事は無いけど、ヴァルター様に見つかったら怒られるらしいからやめとこう。
御二方が紅魔館へ向かって出ていくと、妖精達はざわめき始めた。
何して遊ぼうか?かくれんぼ?鬼ごっこ?それともやっぱり弾幕ごっこ?
出ていった途端、掃除道具をほったらかして遊びの相談を始める。
かくれんぼ、鬼ごっこ、弾幕ごっこ。
皆、アズール様が教えてくれた遊びだ。
アズール様は遊びをたくさん知っているのか、よく新しい遊びを教えてくれて、一緒に遊んでくれる。
そんなこんなもあって、私達はアズール様をとても慕っている。
月光館から元の住処へ帰ろうとしたものなど1人もいないくらいに。
とりあえず、私は騒ぎ始めた他の妖精達に声をかける。
「ヴァルター様も言ってたけど、皆はしゃぎ過ぎないようにね!」
「「「「「はぁ~い!」」」」」
「・・・それは、そうと私は弾幕ごっこがしたいなぁ、なんて。」
「「「「「良いね!」」」」」
決まりだ。
妖精は昔から遊び好きと言われてきた。
私だって例外じゃない。
せっかく、遊んで良いと言われたんだ。
私もちょっとははしゃいでも問題ないよね!
手馴れた弾幕魔法の為に魔力を練り上げる。
皆お互いにニヤリと笑みを浮かべて準備万端だ。
いつもなら、1番力が強い私vs他の皆になるけれど・・・。
皆ニヤニヤしながらこっちを見てきてるから、そんな感じになりそうだ。
そういうことなら、避けるのに集中しなくちゃね。
そうしていざ、弾幕ごっこ開始といったそんな時。
バタン
「最強の妖精のあたいが、妖精攫いを退治しに来たぞ!みんな解放しろぉ!勝負だぁ!」
玄関をバタンと開けて青い髪色の妖精が月光館に入ってきた。
ちょっとビックリして皆でその青い髪色の妖精の方を向く。
「「「「「あ」」」」」
私以外の妖精は弾幕魔法を解除出来ずに撃ち出しちゃったようだ。
そうして侵入してきた青い髪色の妖精に向けてたくさんの弾幕が殺到した。
「えぇぇ!?な、なんだぁ!?」
その侵入してきた妖精はビックリしながらも最強を自称するだけあって実力はある様で、弾幕を凍らせたり、避けたりしながら自分に飛んでくる弾幕を全て捌ききった。
弾幕を凍らせたりして驚いたけど、どうやら、その様子や見た目からして氷の妖精のようだ。
「「「「「うわぁ~、君すごいね!」」」」」
「うぇ!?あっ、そ、そうだぞ、あたいは最強だからな!」
妖精メイド達は自分達の弾幕を防がれたことに驚いて最強妖精さんの周りをくるくるとまわって楽しそうにしている。
最強妖精さんは弾幕を撃ったのが妖精である事を確認してビックリしたようだが皆、賞賛しながら最強妖精さんの周りに集まるもんだから戸惑いながらも言葉を返しているようだ。
この最強妖精さんは月光館のお客様なのかな?
何か妖精攫いを退治するとかなんとか言っていたしお客様じゃない気もするけど・・・
まあ、だとしても挨拶はしないとだね!
「ようこそ、月光館へ。今この館の主様は留守中なので、私が対応させていただきますね。」
「あっあれ?あんた達は攫われた妖精?ここで不当に働かされてるんじゃないの?」
・・・どうやら、何かしらの誤解があるようだ。
誤解を解かないと。
「・・・それは誤解で・・・」
「「「「「そんな事より遊ぼ!」」」」」
最強妖精さんに説明をしようとしたら妖精メイドのみんなが最強妖精さんに抱きついて遊びに誘い出した。
久しぶりに私達以外の妖精を見たからか、弾幕ごっこを解禁されているからか皆のテンションがやけに高い。
「え、あたいは良いぞ!妖精は遊ぶ事が仕事みたいなもんだからな!」
「「「「「やったぁ!」」」」」
「それで、何して遊ぶ?」
「「「「「弾幕ごっこ」」」」」
「?なんだい、そりゃ?まぁいーや、何でも良いから遊ぶぞ〜!」
「「「「「わ〜い!」」」」」
・・・えぇ・・・ま、まあ悪い妖精さんじゃなさそうだし、いっか。
とりあえずみんなが怪我しないようにちゃんと見張っておかないと。
その時の私は、深く考えずに弾幕ごっこで遊ぼうとしている皆を見ていた。
この後、館がボロボロになるくらいの激闘を目の前の少し力が強い青い髪色の氷精と繰り広げて、大変な事になるなんて知らないままに。
〖後書き〗
はい!今回少し短いお話です。٩(╹⌓╹ )۶'
という事で原作キャラを2人ほど登場させて頂きました。(*'∀'人)
またまた、オリジナル要素があり原作の雰囲気をぶち壊してしまっていたらすみません。m(._.)m
さて、この妖精メイド達ですが、前の住処ではカエルの妖怪にベロでビシバシ叩かれていじめられて泣いていたようです。(´•̥ ̯ •̥`)
説明不足なところも多かったので加筆修正してアズールと妖精たちとの出会いを書きました(2022/9/13)
でも庇護録のタイトル通りアズちゃんの庇護を受けて幸せになってくれます。(≧◡≦)
大妖精以外は登場回数は少なくキャラ立ちも際立たずとは思いますが確かに存在しているこの妖精メイド達は幸せにのほほんと館で暮らしていきます!( ´ ▽ ` )ノ
次回からはようやく、夫人の歓迎パーティーが始まります。
当の夫人はアズちゃんに夢中なので歓迎パーティーそっちのけで、アズちゃんを危ない目でみています。(´×ω×`)
アズちゃん「うぅ、寒気がします。」
アズちゃんの貞操は守られるのか!?
唯一参加している〖人間〗も気になる所です。
仕事が忙しくなり、次回投稿は恐らく1週間程先になりますが、申し訳ありません。
追記:思ったよりも時間が取れずに手直しに時間がかかっています。
プロットを見直し改稿を続けています。
これからも庇護録をよろしくお願いします
m(_ _)m