東方庇護録(旧作)   作:まほろばのーぶる

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第25話:かわいい悪魔~Innocence Devil~


Asyl perspective

 

 

アハハハハハハハハハハハハハ♪

 

 

紫色の月が見下ろす不思議な空の中、幼い少女のあどけない可愛らしい笑い声が響き渡る。

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

そのあどけなく可愛らしい声とは裏腹に、凶悪なまでに絶大な力が無造作に吹き荒れ、揺れる力の波に空間自体が震えている。

四方八方から襲い来る凄まじい力の波に、まるで吹き荒ぶ嵐の中にいるようにも感じられる。

 

私は、今その嵐の中を吸血鬼が持つありとあらゆる力を最大限に用いて高速で飛び回り、圧倒的な力を放つ妖力弾、魔力弾、極大なレーザーを必死に回避している。

 

頭の中ではひっきりなしに、それらの弾幕は私にダメージを与え得るとアラートが鳴り響いている。

 

一体どうして、こうなったんだろうか・・・

 

「逃げてばかりじゃ、面白くないわ。お姉さん♪」

 

私のすぐ側の空間が爆ぜて消滅する。

・・・空間が消滅するだなんて表現。

そんな摩訶不思議な事があるかいな(笑)

・・・とか思っていたけれど、本当に空間が消滅している・・・

 

・・・物凄い力だ。

まるで1つ1つの弾幕に星が持つ重力のような圧倒的で重厚な力を感じる・・・

あんな小さな身体のどこからこんな力を放出できるのだろうか・・・

 

中空にプカプカと浮かぶメイド姿の女の子は、キャッキャとはしゃぎながら凄く楽しそうに力を放出している。

 

そんな彼女に何回目かになる制止の懇願をしてみる。

 

「夢月さん!?ちょっと、もう勘弁して欲しいのですがぁ!?」

 

「まだまだ、遊び足りないわ♪」

 

先程から繰り返されるこの応酬。

というか、どうしてこうなったんだっけ?

 

吹き荒ぶ力の嵐に飲まれながらも、現実逃避じみた回想をしてみる事にする。

 

 


A little while ago・・・

 

 

「ようこそ。私の世界へ。私は夢月。少し、2人で遊びましょう?」

 

ニヤニヤ笑みを浮かべた金髪金眼の青いメイド服の女の子、夢月さんはそう言って後ろ手に扉を閉めた。

 

扉が閉まった途端、月光館周囲に張り巡らせていた警戒魔法が認識出来なくなる。

・・・どうやら夢月さんが言ってるように、ここは現実世界とは別離している別の世界のようだ。

 

「・・・ここは、貴方が作り出した世界なのですか?」

 

とりあえず夢月さんに問いかけてみる。

 

「そうよ。私たちは夢幻世界と呼んでいるわ。どう?この世界は。」

「夢幻世界、ですか。確かに夢みたいに美しい場所ですね。紫色の月は綺麗ですし、キラキラ光る星々は美しいです。」

「!?・・・あ、ありがと。この世界を褒められたのなんて幻月お姉ちゃん以外では貴方が初めてよ・・・。」

 

自分の世界を褒められて照れたのか、夢月さんは少し頬を赤に染めながらモジモジと恥ずかしそうにしている。

 

「・・・どうしたら、元の世界に帰してもらえますかね・・・」

「貴方が私と遊んでくれたらね。」

 

そう言って夢月さんはニコリと可愛らしく微笑み、口は三日月のように弧を描き始める。

 

・・・どうやら簡単にはこの世界から出してはくれないらしい。

・・・って、遊ぶ?

な、なーんだ。

ただ、構って欲しかっただけなのかな?

 

拍子抜けするかのような可愛らしいお願いに少し緊張が和らぐ。

 

「?・・・でも遊ぶって言ったって、何して遊ぶのですか?」

「いつもあなた達がしているような、弾をぶつけ合う遊び。」

 

弾をぶつけ合う遊び?

・・・もしかして弾幕ごっこ?

・・・あれ?

なんで、月光館で皆がいつも弾幕ごっこで遊んでいる事を夢月さんは知っているのだろう。

 

「この間あの方・・・今は小悪魔を名乗っているのだったかしらね、その方に聞いたのよ。」

 

なるほど、小悪魔に聞いたのですね。

 

・・・とにかく、この世界から脱出するには、この子と弾幕ごっこで遊べば良いらしい。

 

「なるほど、分かりました!では、遊びましょうか!」

 

小さい子と遊んであげるような軽い気持ちで条件を引き受ける。

ふっふっふ。

弾幕ごっこの真髄をお姉さんが教えてあげましょうか!

 

「♪そうこなくっちゃ。私、お姉さんの事気に入っちゃった。すぐに潰れないでよね♪」

「・・・え?」

 

そんな物騒な事を言いながら夢月さんとの弾幕ごっこが始まった。

 

 


 

 

・・・そうして今に至る。

 

もうどのくらいの時間、弾幕ごっこをしているのだろうか。

 

ヴァルターや妖精達との弾幕ごっことは違い、命の危険すら感じられる程に力が濃い凶悪な弾幕に初めはギョッとしていたが、難なく回避する事が出来ていた。

 

でも、回避する毎に勢いを増していく攻撃。

 

もうすでに、空間には空きがないかのごとく、弾幕がひしめき合っている。

 

それらの必殺の弾幕を超速の移動だけでは回避できなくなり時には結界で防ぎながら防御に専念する。

 

・・・これは、ちょっと本腰を入れて対処しなければマズくなってきた。

 

「くぅ。ようやく準備が整いましたよ。〖顕現:魔楯(まじゅん)スヴァリン〗。」

「むむ?」

 

準備を進めていた防御の為の魔法を発動し猛攻を防ぐ。

展開されたのは半透明で水色がかった盾。

その盾は私の周囲360°全てをカバーしてくれている。

その盾に全ての弾幕が殺到するも、全ての弾幕を打ち消し消滅させる事に成功する。

 

ふっふっふ。

私が持つ中で最高の防御力を誇る魔法です!

ちょっとやそこらの攻撃ではビクともしませんよ!

 

夢月さんの弾幕はどうやら、この魔法は貫通できないようで、やっとの事で私への攻撃がやんだ。

 

この魔法〖魔楯(まじゅん)スヴァリン〗は放たれる力に対して、反作用の力のベクトルを込めた魔力を用いて作用点から逆行させる事で攻撃を相殺させる魔法なので、指向性を持つ攻撃は全て完全に防ぐ事が出来る、私の自信作の魔法です・・・って、解説してる場合じゃない!

 

もうこれ以上の攻撃を回避するのはしんどい。

すぐ様、夢月さんを無力化するための魔法の準備を始める。

 

「うぐ~。なかなか、壊れない~。」

 

魔楯スヴァリンごしに何度も凄まじい衝撃を感じる。

 

この魔法は完全な防御力がある代わりに欠点が2つある。

 

1つは発動に時間がかなり掛かってしまう事。

もう1つは物凄く燃費が悪い事。

 

今こうしている間にも、私の秒間自然回復の魔力量よりも数倍の魔力を消費し続けている。

 

私の総魔力量から考えると長時間発動には十分な魔力はあるが、あまり力を使いすぎたくはない。

 

「これで遊びは終わりですよ!夢月さん!〖顕現:鏡楯(きょうじゅん)アイギス〗」

「っうわ!?・・・って何これ?こんな結界。簡単に壊しちゃうよ!っわわわ!!

 

夢月さんの周囲360°を覆った10m半径に透明度の高い黄色の丸い結界を顕現させる。

その結界に当たった夢月さんの弾幕は反射し夢月さん自身へと放たれる事になる。

 

先程の魔楯スヴァリンが、攻撃のベクトルの反作用の力を逆行し相殺させて、攻撃を消滅させる盾であるのに対して、鏡楯アイギスは攻撃のベクトルに干渉し、その作用自体を逆行させて、指向性のある攻撃自体を対象に反射させる盾だ。

つまり、鏡楯アイギスは私が持つ魔法の中では数少ない攻撃に転じる魔法であり、対象の武装解除及び戦意喪失を目的とした魔法なのである。

 

この魔法達は開発するのにそれぞれ20年くらい掛かりましたので、簡単に突破されると悲しいですが・・・

 

そんな発動した鏡楯アイギスの中では、夢月さんが結界を壊そうと自身が放った攻撃が反射され、反射された攻撃を必死に回避している。

どうやらアイギスを突破できる程の攻撃手段は持ち合わせていないようだ。

 

攻撃を全て反射するこの魔法に囚われたら攻撃の手を止める必要があります。

よって、私の勝利です!

 

「さぁ!夢月さん。私の勝ちです!降参してください。」

「うぐ~。こんなのズルだもん!」

「ズルだもん!じゃありません!早くここから出して下さい。」

 

・・・何か変な胸騒ぎがする。

 

私が現実世界と別離しているこの世界にいる間に何かが起きているような気がしてならない。

 

それに早く脱出して夢幻館の主さんにも挨拶をしないといけないし・・・。

 

「うぐ~。嫌よ〜。せっかくの遊び相手だもん!手放したくないよ!・・・っていうことで、あとは姉さんに任したわ。」

 

結界に囚われた夢月さんが助けを求める。

 

姉さん?

・・・嫌な予感に冷や汗が流れる。

 

「何負けてんのよ。夢月が負けるなんて、珍しいわねぇ。」

 

不意に背後から可愛らしい声が聞こえた。

振り向くと、真っ白な可愛らしいワンピースを身にまとい、赤いリボンを頭の上に乗せた夢月さんに瓜二つの女の子がいた。

 

【挿絵表示】

 

夢月さんと違う所は、天使の翼のような可愛らしい白い翼を持つところ。

そしてその天使から感じる力の大きさはどうやら夢月さん以上で・・・。

 

「私は幻月。夢月の姉ですわ。よくわかんないけど、夢月に任されたから、あなたを倒せばいいんだよね。」

「・・・勘弁して下さい。」

 

そう言って項垂れる私に幻月さんから、理不尽なまでの力を感じる弾幕がありえないくらいの物量で降り注いだ。

 

 


Count Scarlet's perspective

 

 

「あれ〜?アズール様はどちらに行かれたのですか〜?」

「!ほんとだ!いつの間にかいなくなってる!」

「さっきまで一緒に居たんですけどねぇ。」

 

先程まで、和気あいあいと話していた少女達が何やら騒ぎだした。

・・・怒られるかもしれないけれど訳を聞いてみよう。

 

「どうしたの?」

「うるさいです!話しかけてくるんじゃあないのです!1人寂しくそっちで蹲っているのです。」

「うぅ。そんなに言う事ないじゃんかぁ。」

 

何で僕はこんなにも、くるみ嬢に嫌われてるのだろう?

何もしてるつもりは無いのだけれど・・・。

 

くるみ嬢の言葉に凹みながらも小悪魔に視線を向ける。

 

「先程まで一緒に話していたアズール様が、いつの間にか居なくなってるんです~。」

 

そう言って心配そうな小悪魔。

そう言われて気付いたが確かにこの部屋からアズール嬢の気配がいつの間にか消えている。

 

ふと悪い予感がして館内の気配を探ってみる。

 

「・・・はぁ。」

 

アズール嬢が関わっているからか、運命を見る程度の能力が正常に機能しない。

 

それでも、館内の状況予測からある程度起こっている状況を理解できた。

 

「・・・くるみ嬢、エリー嬢。幽香はまだ寝ているのかい?」

「え?どうしたのですか?伯爵。幽香さんならこの時間は大体いつも寝ていますよ。」

「話しかけるなです。大体、幽香さんが寝てる時間に来るなですよ。」

 

館の中から3人分の気配が忽然と消えていた。

 

1人はアズール嬢だと分かる。

じゃあ残りの2人は・・・。

 

「・・・はぁ。本当に困った悪魔達だ。小悪魔。少し僕は席を外すよ。ここは頼んだ。」

「やっぱり、あの子達のせいですよね〜。分かりました。伯爵は幽香様を起こしに行かれるのですか〜?」

「そうだよ。あの子達は幽香の()()()には逆らえないだろうからね。」

 

小悪魔も現状を正しく理解している様子だ。

 

「ちょ、ちょっと待つのです。幽香さんに会いに行くのなら、全力で止めるのですよ!」

 

幽香に会いに行く僕の前にくるみ嬢が立ち塞がる。

 

「くるみさん、邪魔はさせません〜。すみません〜。アズール様の為なので〜。」

 

そんなくるみ嬢を小悪魔が魔法で生成した水の檻に捕らえる。

 

「なっ!小悪魔さん。通して下さい。」

 

くるみ嬢は吸血鬼の弱点である、流水の牢獄に囚われ、身動きが取れなくなったようだ。

 

「じゃあ、ここは任せたよ。小悪魔。」

 

エリー嬢は訳知り顔で傍観しているので、こちらも正しく現状を理解しているのだろう。

小さくこちらに手を振っているので見逃してくれるようだ。

 

やいやいと騒がしいくるみ嬢を尻目に、僕は感じる気配を辿って幽香の部屋に向かった。

 

 


 

 

「・・・幽香。入るよー。」

 

幽香の部屋をノックして開ける。

 

部屋の中は全体が館と同じくチェック柄で統一され、内装は趣深く綺麗に整頓されている。

部屋の中央にある大きなチェック柄のベッドは10人は一緒に寝れる程に大きい。

 

そのベッドには1人の美しい女性が気持ちよさげに眠っていた。

 

赤いチェック柄のベッドに映える美しい緑のロングヘア。

寝癖防止の為か薄ピンク色のナイトキャップを着ている。

服はパジャマ姿なのだろう、こちらもまた薄ピンク色の可愛らしいネグリジェを着ている。

 

「もう、うるさいなぁ・・・こんな時間に・・・」

 

モゾモゾと眠たそうな様子の彼女は僕に気付いたのか眠たそうな目を擦りながらムクリと起き上がった。

 

「悪いね、幽香。寝ているところに。ちょっと付き合ってほしい事があるんだけど」

「・・・おやすみ・・・」

 

起き上がったと思ったら、またパタリと横になってすぅすぅと寝息が聞こえ始めた・・・

・・・紫といい、幽香といい大妖怪は皆寝起きが悪い・・・。

 

「・・・今度僕が出来る範囲で何か言う事聞くから起きてくれないかな?」

「あらぁ。久しぶりねぇ、伯爵。おはよう。寝ているレディの部屋に入るなんて、良い度胸してるわねぇ。」

 

僕の言葉にすぐ様起き上がった現金な彼女は、ニコニコと僕を見つめてくるが、その持ちうる物凄い圧力は惜しみなくビリビリと僕に放たれている。

 

「い、いやー。久しぶりだねぇ。幽香。寝ている所にすまないけれど、ちょっと困った事があってねぇ。手を貸して欲しいんだよ。」

 

そんな掛けられる圧力に臆することなく話を続ける。

そんな圧力は最近ぐっすり寝ている愛する奥さんを起こす時に毎日の様に受けているので慣れっ子だ。

 

「ふーん。・・・もしかしてだけど、まさか、またあの子達が何かやらかしてるのかしら。」

「うん。そのまさかなんだよね。」

 

話が早くて助かる。

そう言って、経緯を説明する。

 

 

かくかくしかじか

 

 

「・・・はぁ。なるほどねぇ。」

 

人目を気にせずに、ネグリジェからチェック柄の服に着替える困った彼女から目を逸らしながら説明していると着替え終わった様子の彼女が納得したように答えた。

 

「分かったわ。あの子達にはおしおきが必要のようね。」

 

そう言いつつ、幽香はどこからともなく取り出した日傘をおもむろに中空に構えた。

 

「えっ!ちょ、ちょっと待って幽香!ま、まさか!」

 

館全体が震える程の力が日傘の先に集まっていく。

・・・これから先の運命は能力で見る必要もなく手に取るように分かるが、考えたくない・・・

 

「?・・・あぁ!あの子達はいつも夢月の変な世界に隠れてるんだもの、こうして穴を開けるのが楽だと思ってね。」

 

・・・昔から脳筋なのは理解していたが、僕には到底真似出来ないし理解もできない。

 

でも、これで、館が壊れたら直すのはくるみ嬢達だ。

そんな大元の原因である僕は、また嫌われるんだろうな、と1人でトホホとしていると、幽香の準備が整ったようだ。

 

 

「『マスタースパーク』」

 

 

久方ぶりに見た幽香の技は昔と比べても全然衰えていない。

それどころか更に洗練されている。

 

その日傘の先端から計り知れない破壊の力が光の本流となって放たれる。

その光の本流は世界の壁を貫通し空間を揺るがせる。

 

調停者として、世界の壁を壊すなんて事は見逃せない大事件ではあるが・・・ま、まぁ、見て見ぬふりをしておこう・・・

 

「さぁ、行きましょうか?」

 

そう言って、幽香は世界に空いた大穴に入っていく。

 

その過程で夢幻館にぽっかりと空いた大穴を見て、心の中でくるみ嬢やエリー嬢に謝りながら、幽香に続いて僕も大穴に入った。

 

 


Asyl perspective

 

 

「はぁ、はぁ、本当に・・・とんでもない姉妹ですね・・・。」

「・・・あ、貴方も、私達姉妹相手に良くここまで持ち堪えられるわね。ちょっとビックリだわ。」

「ずるい、姉さん!私も遊びたい!」

「夢月は捕まってるじゃない。どうせ助けてもすぐ捕まっちゃうんだから、自力で頑張って出てきてね。」

「そんなぁ。」

 

そんな姉妹のやり取りを見て微笑ましいが現実はそんなに甘くはない。

 

先程から夢月さんはアイギスから脱出できずにいるが、幻月さんの方は上手く捕らえられない。

それもそのはず、アイギスの複数同時発動はいかに吸血鬼の脳内超速処理速度でもかなり難しい。

 

自分を防御するスヴァリンも発動しているし尚更である。

 

さらに、どうやら幻月さんが放つ理不尽なまでの物量の弾幕はスヴァリンの盾でも指向性を上手く処理できず、何度か盾を貫通されている。

長引けば、盾を維持できなくなる事間違いなしだ。

 

「それぇ!」

 

幻月さんが再度弾幕を放つ。

 

幻月さんから放たれる弾幕は夢月さんよりも大分純粋で凶悪なまでの物量であり、私の周囲に展開しているスヴァリンの盾も弾幕にぶつかり悲鳴をあげている。

 

このままでは、いずれ盾を突破されてしまう。

・・・ぐぬぬ、どうしましょうか。

 

 

吸血鬼の超速思考で打開策を模索していた、そんな時。

私の悩みを吹き飛ばすかの様に幻月さんと私の間に、凄まじいまでの破壊の力を感じる一筋の極太レーザーが通り過ぎた。

 

 

ピキピキピキピキピキピキ

 

 

その光の本流は夢月さんの世界にヒビを入れながら世界にぽっかりと穴を開けていった。

 

「あらあら、ちょうど見つけたわ。」

 

呆然としていた私と夢幻姉妹に、落ち着いた女性の声が届く。

 

ぽっかりと空いた大穴から姿を現したのは、1人の女性。

 

髪は緑のロングヘアで、服装はチェック柄の服にズボンをはいている優しい雰囲気のお姉さんだ。

 

【挿絵表示】

 

凄まじい力を感じる日傘を優雅に持ってニコニコとこちらを見ている。

 

そんな彼女に呆然としつつも、相対している姉妹の方に注目を戻す。

 

すると、幻月さんは緑髪の女性を見て、顔を引き攣らせて、苦笑いしていた。

 

夢月さんの方は絶望した顔で即座に逃げようとしているが、アイギスの結界に遮られて逃げられないようだ。

 

そうして、先程までの地獄のような弾幕ごっこは緑髪の女性の乱入によって終止符が打たれた

 

 




〖後書き〗
『夢幻姉妹(夢月、幻月)』登場です。
サブタイトルのInnocence Devilは原作〖東方幻想郷〗に登場するエクストラボス〖幻月〗さんのテーマ曲です。
今話ではシスコン振りをあまり描写出来ませんでしたが、本作品の幻月さんはシスコンで夢月大好きなキャラとなっています。

それは、さておき、私は旧作である東方幻想郷は遊んだ事は無いですが、東方幻想郷のEXボスである夢幻姉妹は姉妹共々凄まじい最凶な発狂弾幕を持つと聞いた事があります。
特に『幻月』。
その弾幕は耐久してしまうと、理不尽な発狂弾幕が飛んでくる事で有名です(→死ぬがよい)。
youtubeで見たことありますが、人間が見て避ける事が出来ない弾幕だと思いました(小並感)。
しかも、ボム無効まである鬼畜仕様。
今話でも出来るだけそんな耐久すれば飛んでくる発狂弾幕を拙いながらも描写してみました。
原作の魅力を1mmでも再現できていたらな、と思います。
ちなみに、主人公のアズールは防御に特化した強さがあるという設定があるので、なんとか耐久出来たようです(→チート)。

そして、満を持して夢幻館の主『幽香』さんが登場しました。
今話時点での幽香さんは東方幻想郷5.6面ボスに登場する美しい緑髪のロングヘアを持つ幽香さんです。風見という苗字はまだありません。
私は東方幻想郷5面で出てくる幽香さんのセリフが可愛くて、私が読んだ二次創作での彼女とのギャップがあり、とても驚くと同時にその可愛らしさに悶えました。
もちろん二次創作でのSっ気がある彼女も大好きですが・・・。

さて、今回の作業用BGMも活動報告で挙げさせていただきます。
原曲多めです。
ちなみに、今までに紹介したBGMも含めて全てリピート再生で執筆中の私の耳を幸せにしてくれています。
皆さんに少しでも素晴らしい東方の曲を伝えられたら幸いです。

さて、今回アズールの魔法で『魔楯スヴァリン』、『鏡楯アイギス』が登場しました。
どちらも神話で登場する盾や防具をモチーフにしています。
スヴァリンは北欧神話に登場する盾です。
スヴァリンとは「冷やすもの」の意で、太陽から大地を守っているとされています。吸血鬼の連想から着想を頂きました。

アイギスは、ギリシア神話に登場するアテーナーの所持品で、装飾にメドゥーサの頭が使われているとされています。メドゥーサの見た物を石に変えてしまう力はアイギスに埋め込まれても、まだ健在であり、その能力ともに守ってくれる盾です。本作では反射として表現しました。(Wikipediaより引用)

では次話をお楽しみに!!
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