東方庇護録(旧作)   作:まほろばのーぶる

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第30話:ようやく目覚めた微睡み少女~動く賢者と見守る間者~


Asyl perspective

 

 

・・・こ、これは、一体どういう状況なのですか?

 

ワナワナと混乱している私の視線の先には綺麗で透き通った青紫色の大きな水晶がまるで役目を終えたかのように時間経過と共に徐々に砕けてパラパラと落ちている。

その水晶は落ちていく側から、さながらドライアイスのごとく個体から薄白い気体へと変わって消えていく。

 

そんな風景をどこか遠い世界から見ているかのように、まだ夢を見ているんだと思えるくらい目覚めたばかりの今の私は思考が停滞しているようだ。

 

 

物凄く長い夢を見ていた気がする・・・

いつもの如く夢の内容なんて欠片も覚えてないけれど・・・

まるでいくつもの人生を追体験してきたかのように途方もない夢を見ていた・・・ような気がする。

 

超速思考によって急速に混乱が回復していき、ついには目の前の崩れていく綺麗な水晶を見て、不思議な水晶もあるんだなぁ、と能天気に思う程落ち着いてきた。

・・・さすが吸血鬼のチートスペック。

こういう時にとっても便利である。

 

そんな事を考えながらも、一念発起(いちねんほっき)して、現状把握の為に思考をフル回転してみる事にする。

 

 

とにかく状況をもう一度確認しよう。

 

そう思い目の前の消えつつある何かしらの魔法が付与されているだろう水晶に目を向ける。

すると、ちょうど人間の子供が入れるくらいの空間がひび割れ、空いている事に気付いた。

 

そのひび割れた空間を起点に、水晶は付与されている魔法と共に、バラバラと崩れ落ち、消えていっているようだ。

 

私は事魔法に関しては、全て網羅する事ができる目を持っている、と自負している。

なので、この水晶に付与された魔法は、何かしらを封じ、()()()()()のある封印の魔法であると見抜く事ができた。

何を封じ、何を滅していたかまでは分からなかったが・・・

 

この封印の魔法は、とても複雑で高度な魔法だ。

私の目を持ってしても、すぐには全てを網羅することができない・・・

長い時間を掛けて研究しなければ、この魔法についてはこれ以上理解する事は困難だろう・・・が先程からこの魔法は絶えず自壊してきており、それも叶わないだろう。

 

 

そして、よく見れば自壊し消えてゆく封印の魔法の残滓(ざんし)は私の衣服や身体にも付着している。

 

 

そこまで、状況を確認したところで、吸血鬼の超速思考が、ひとまずの現状の私なりの仮説を導き出す。

 

・・・もしかして、私はあそこ(あの水晶)に入っていたのでしょうか・・・?

 

・・・もう一度、超速思考で現状把握し、情報を集めると、ある程度の現状理解ができるだろう。

 

・・・ぐすん

 

しかし、腕の中にいる存在にかまけて、現状把握の為の思考に、早々と匙を投げる事にする。

 

「・・・あの。・・・ヴァルター?」

・・・ぐすん。何でしょうか?アズール様。

「落ち着きましたか?」

いいえ。全然、落ち着いてないです。

「そ、そうですか・・・」

 

先程から繰り返されるこの問答。

 

時間経過にして、10分くらいは無言で鼻を鳴らしながら私にぴったりと抱き着いているヴァルター。

 

現状把握の為に、動きたいわけであるが、ヴァルターが私にくっついていてなかなか離れてくれない。

 

先程までは、何故か泣きじゃくるヴァルターが泣き止むまで、よしよしと頭や背中を優しくさすってあげていた。

そうして、しばらくして、泣き止んだヴァルターにホッとしていたのだが、今度はそのまま抱き着かれたまま動けなくなってしまい、今に至る訳である。

 

・・・そして、そんな私達をニマニマとした柔らかい微笑みで見ている、そちらの胸が豊かな綺麗なお姉さんはどちら様だろうか?

見た感じ立派な翼とかあるし、吸血鬼か悪魔っぽい見た目であるが・・・。

 

 

・・・とにかく、人前で私に甘える事なんてなかったヴァルターが、こんな状態になっている事に混乱し、私の思考は半ば停止状態だ。

 

まぁ、少し涙声で必死にしがみついてくるヴァルターが可愛いから、この状況は私にとってはご褒美なんですが・・・。

 

でも、ヴァルターがこんな事になるなんて・・・。

一体全体何があったというのだろうか?

 

 

・・・というか、私が眠る直前の記憶がすっぽりと抜け落ちていて怖い。

 

現世の身体の記憶力は異常に良かった為、この世界に生まれ落ちてから、今までの記憶は、誰かとの会話など、何もかも全てを覚えているはずだ。

現世での記憶がすっぽりと無くなるのは、今回が初めてだ。

 

混乱する思考を何とか自制しながらも、とりあえず、眠る前の記憶を掘り起こしてみる事にする。

 

まず、私は確か、ルーミアちゃんが教会に襲われないようにする為に、強力な妖怪の組織と同盟を結ぼうと、夢幻館へ、伯爵と小悪魔と一緒に向かって・・・。

 

・・・どうやら、夢幻館での記憶は鮮明に残っているようだ。

 

色々あって、夢月さんの夢幻世界に誘拐されて、伯爵と夢幻館の主の幽香さんが助けてくれて・・・。

 

どんどんと、自分が覚えている記憶を想起していく。

 

幽香さんと伯爵とで、ルーミアちゃんを教会から護る為に、同盟の契約を結んで、幽香さんと友達になって、それから、夢幻世界を脱出しようとして・・・、あれ?

 

ここで、記憶の想起に障害が生じる。

何故か、夢幻世界を脱出してからの記憶が思い出せない。

 

あれ?

あの後、幽香さんにお茶に誘われて、お茶会をして帰ったんでしたっけ?

 

どうしても、それ以降の記憶が思い出せない。

 

そうして、思い出せない記憶に難儀(なんぎ)していると、先程の胸が豊かなお姉さんが声を掛けてきた。

 

「おはよう。アズールさん。調子はどうかな?何か悪い所とかはあるかい?」

「え、あ、はい。調子は良いですし、悪い所も無いです。」

「それは、良かった。あたしはモルモー。君が寝ている間、君の療養を担当していた、医者まがいの吸血鬼だよ。」

 

そう、自己紹介する彼女は次いで、お医者さんのように、触診、問診を続けていく。

 

「・・・うん。バイタル、心身、精神機能共に良好だね。特に、封印の後遺症とかなくて、本当に良かったよ。」

「あ、あの。お医者様?モルモーさん?封印?療養?後遺症とはなんの事でしょうか?」

 

ニコニコと、私の身体を診て頷いているモルモーさんの言う事が理解できずに、素直に答えを求めてみる。

 

すると、モルモーさんはニッコリとした笑顔で、私の手を取ってギュッと握手しながら、声を掛けてくる。

 

「改めて、おはよう!落ち着いて、聞くんだよ?眠り姫。30年の眠りから目覚めた気分はどうだい?」

 

「ふぇ!?」

 

!!!???

 

30年!!!

 

今、彼女は30年と言いましたか?

 

余りの事実に思考はパニックになる。

それでも、吸血鬼の超速思考は残酷にも、現状の状況証拠から、彼女が話す事は真実である可能性が高いと導き出される。

 

こんな時、吸血鬼の超速思考は、私自身を落ち着かせる為に、すぐ様現状に当たりをつけて、現実を見させてくれる訳であるが、今回ばかりはさすがに精神が追いつかない。

 

「あう・・・え?・・・あ、あの。・・・え!?・・・じ、30年!?」

「混乱するのは、当然だよ。ゆっくりでいいから現実を受け入れようね。」

 

モルモーさんは、私を落ち着かせように、優しい声音で続ける。

 

「アズールさん。君は30年前、聖人のキルケー・・・その時は教会のトップの教皇をしていたその子と戦闘をした際に、君が持つ能力と思われるものが暴走し、その際に生じた負の影響力をスカーレット夫妻を始め、様々な妖怪達に君ごと封印された事で、今の今まで眠っていたんだよ。」

 

私も、封印には協力してるよ。と続けて言うモルモーさん。

 

その言葉を理解するのに、超速思考でも少しばかりの時間を要した。

 

教会のトップの教皇との戦闘?

私の能力が暴走?

その影響を伯爵達が封印?

 

様々な情報が入ってくるが、さっぱり理解できない。

 

 

まず、教会のトップの教皇の話。

 

私は教皇と、まったく面識が無い。

・・・というよりも記憶にない。

 

何故、穏健派で知られる教皇と戦いになったのか想像がつかない。

 

それに、私の能力が暴走するなんて・・・。

 

確かに少し、心当たりはあるが、それにしても封印を要する程までに暴走しただなんて・・・。

 

それ程までに、能力が暴走したという事は・・・その時の私の心境は・・・。

 

・・・もしかして、誰かが・・・。

 

 

そこまで考えた所で、抱き着いているヴァルターが抱き着く力を強めながら、涙目の上目遣いで不安そうに私の顔を覗き込んでくる。

 

「アズールさん。君は30年の間、眠っていて混乱してるだろうけど、ヴァルターさんや、他の皆も君を30年待ち続けたんだよ。」

「あっ。」

 

モルモーさんにそう言ってもらって、何故ヴァルターが泣いて、こんなにも私に甘えてくるのか、今更ながらに理解した。

 

30年間、ヴァルターは私を心配して待ってくれていたんだ。

 

そこまで、心配して私を想ってくれていた事にむず(がゆ)さを感じながらも、正直言って嬉しく感じる。

 

しかし、そうやって嬉しく感じるとともに、申し訳ないとも思う。

 

私なんかが、こんなに愛されていて良いのだろうか・・・。

そんな風にも思ってしまう。

 

そんな考え事をしているとヴァルターは、()()()()()()で、何も言わずに私のお腹の辺りに、ポスンと顔を(うず)めてくる。

 

ギュッと私のことを抱きしめてくれるヴァルター。

 

抱き着くヴァルターから、感じる温もりは、本当に私の事を慕ってくれているんだと感じさせてくれる。

まるで、体温と共に気持ちや想いまでも感じる事ができるようだ。

 

・・・そう言えば、この子は他者の顔を見る事で、その心情を読み取る事が出来るんでしたね。

 

・・・ふふ。

庇護対象に慰められるなんて、保護者失格ですかね。

 

そんなヴァルターの背中と頭を再度優しくぽんぽんと、撫でながら、声を掛ける。

 

「ただいまです。ヴァルター。」

 

そんな声に、ヴァルターは恐る恐るといった感じに私の顔を見上げてくる。

 

そして、私の顔を覗いたヴァルターは、涙目、涙声、()()()()()で言葉を返す。

 

おかえりなさい。アズール様。

 

 


 

 

「ヴァルター、落ち着きましたか?」

「はい。アズール様、ありがとうございます。」

「・・・いえいえ。貴方は可愛い我が子のようなものです。いつでも私の胸に飛び込んでくれても大丈夫ですよ。」

「はい!ありがとうございます!では、さっそく失礼します!」

「おっと。いつでもと言いましたが、今は色々と確認したい事があるので、また今度でお願いします。」

 

再度、私に飛び込んで抱き着いてきたヴァルターを可哀想だが、引き剥がす。

自分で言っていて思うが、酷い手のひら返しである。

 

・・・引き剥がすと、泣きそうな顔になっているヴァルター。

 

結局、悲しそうな顔をするヴァルターに根負けして、手を繋いで、この30年お世話になった方々に挨拶まわりに行く事になった。

 

手を繋ぐと、ニマニマと今まで見た事無いくらいに、満面の笑みとなるヴァルター。

やだ、何この子。

 

がわい゛い゛ぃ♡

 

いつものヴァルターとのギャップに萌えて、(もだ)える。

用事がなければ、四六時中撫でていたいくらいだ。

 

そんなこんなで、クールキャラから、甘えん坊キャラに変わっているヴァルターと手を繋いで、とりあえず、隣にいるモルモーさんに改めて挨拶をする。

 

「モルモーさん。改めまして、月光館の主で吸血鬼のアズールです。私が眠っている間、色々と面倒を見て頂きありがとうございました。」

「いやいや、礼を言いたかったのはあたしの方さ。」

 

手を繋ぐ私達をニコニコと微笑ましく見ながら、モルモーさんは話を続ける。

 

「君は私の友人、キルケーの命の恩人だからね。」

「・・・キルケーさんを救った記憶がまったく無いのですが・・・。」

「・・・へぇ。()()()()少し、記憶に障害が出ているようだね。・・・まぁ、失った記憶は些細な事だよ。気にしないようにね。」

 

やっぱり?

モルモーさんは、私の記憶が失われている事を予想していたのでしょうか?

 

まぁ、聞いても教えてくれそうに無い雰囲気ですし、モルモーさんが言うように、この事はあまり気にしないようにしよう。

 

「また、キルケーが君の所に改めて挨拶にくるだろうから、その時は仲良くしてあげてね。あの子は昔から脳筋バカで人付き合いが苦手だけど、根は良い子だから。」

 

そう言って、くつくつと、何か思い出し笑いでもしているかのように笑うモルモーさん。

 

キルケーさんと言うと、先程の話からすると、私と戦闘になった、教会の教皇のキルケーさんだろうか。

 

話を聞く限りでは、もう敵対していないようだし、今度会った時にお茶でもしながら、お話してみたいものです。

 

「分かりました。キルケーさんのお話とか聞いてみたいですし、また機会があれば会ってみたいです。」

「うん。ありがとうね。まぁ、あの子は案外頑固で付き合うのは大変だけど、頑張ってあげてね。」

 

モルモーさんの話し方からして、本当にキルケーさんの事を想って言っているみたいだ。

それだけキルケーさんの事を話すモルモーさんは優しい表情をしている。

 

「まぁ、とにかく復活おめでとう。月光館のメンバーは全員ホールで食休みしているだろうから顔を見せてあげたらどうだい?あたしは夢現の揺籃の確認をしているから行っておいで。」

 

夢現の揺籃?

私が封印されていた水晶の事かな?

 

まぁ、今はとにかく、皆に早く顔を見せに行きたい。

ヴァルターのように、私の事を慕ってくれているなら、寂しい思いをさせてしまっているだろうから・・・

 

「分かりました!モルモーさん、改めてありがとうございました!また、後でお話しましょう。」

「・・・あぁ。あたしはいつでも暇だから話し相手になってくれるのは嬉しいねぇ。また、会おうね。」

 

そう言って、たわわな胸を揺らしながらにこやかに手を振るモルモーさん。

 

・・・ゴクリ。

 

そんな官能的な情景に、同性であるにも関わらず、思わず生唾を飲み込む。

同じ吸血鬼のはずなのに、あんなにもたわわに育っているだなんて・・・。

 

・・・べ、別に羨ましいなとかは、思いませんけどね・・・。

 

そう思いつつ、自分の視線を下に向けて見る。

当然のごとく、なんの障害もなく、ストンと見えた両足と地面に、少し悲しい気持ちになってしまう。

 

・・・こ、これでも、ちょっとは膨らんでるんですよ?

まぁ、生まれてかれこれ100年近く、胸も身長も成長した事なんてないかもですが・・・。

で、でも私の身体はまだまだ子供みたいなものですし・・・。

これから、成長期が来るはずですし・・・。

 

そんな風に自分に言い訳しながらも、再度、同族の吸血鬼モルモーさんのたわわに育っている双丘を見てみる。

 

・・・でも、興味はあるので、今度吸血鬼でも、たわわに育つ方法とかモルモーさんに聞きに行きましょう。

 

そういう感じに心の中で葛藤しながら、ヴァルターと私は手を繋いで、地下から月光館に繋がる階段を昇り、月光館ホールへと向かった。

 

 

 


Mormo perspective

 

 

仲がいい姉妹のように手を繋いでホールへと向かった2人を微笑ましく思いながら見送る。

2人が見えなくなったところで、振り返り夢現の揺籃に視線を向ける。

 

役目を終えて、パラパラと崩れ落ち消滅ていく水晶。

その水晶の残骸を掻き分けて、あるものを探す。

 

すると、一際目立つ、血の様に紅い宝石のような物が、残骸の中に転がっているのを発見する。

 

・・・恐らく、これが・・・。

 

そう考えながら、しゃがんで、紅い宝石に手を伸ばし、拾おうとした、その時。

突如、殺気にも似た凄まじい圧を後方から感じた。

 

落ちている紅い宝石のようなものを拾うのを止める。

ゆっくりと、立ち上がり両手を挙げて敵意が無いことを示す。

あまりの殺気に身体がこわばり、冷や汗が流れる。

 

そして、振り返らずに、先程まで気配を感じなかった、後ろにいるだろう妖怪に声を掛ける。

 

「君の思惑通り、彼女は封印の直前の記憶が消失しているようだよ。隙間の妖怪さん。」

「あらあら、やっぱり貴方も、記憶消去の術式に気付いていたのね。」

 

そんな言葉と共に、その胡散臭い妖怪は私の横を、ふわりと通り過ぎ、夢現の揺籃の残骸の方へと向かう。

 

「気付かれないように、カモフラージュして術式を編んだのだけれど、気付いたのは貴方で5人目よ。本当、()()に関しては自信なくしちゃうわ。」

 

そう言って胡散臭い妖怪は、落ちている紅い宝石を拾い、大事そうに、空間のヒビの中にしまった。

 

そして胡散臭い妖怪は振り返り、ヒビ割れた空間から覗く数多の瞳と共に、何を考えているのか分からない目で私を見据えて声を掛けてくる。

 

「宵闇の妖怪、人狼の執事にも伝えている事だけれど、無闇に30年前のあの時、何が起こったか、あの人、アズールさんに伝えては駄目よ。・・・もし、貴方から、彼女の記憶が戻ってしまう事があるのなら、貴方だけでなく、今回命拾いした哀れな魔法使いや、その他の貴方の大切な家族は無事では済まさないわ。」

 

凄まじい力を感じる視線達に、私の魂は抗う事を許さない。

それに、家族を害される事だけは、あってはならない。

そんな脅しに屈して言葉を返す。

 

「・・・分かっているさ。何も、君みたいな存在に喧嘩を売る程に、私は愚かではないよ。」

「・・・そう。・・・なら、良かったわ。貴方の主人は、私でも簡単には対処できない存在だもの。お互い、不条理な結果にならないよう願っているわ。」

 

そう言葉を残して、凄まじい圧力と共に、胡散臭い隙間妖怪はその姿を消した。

 

「・・・・・ぷはぁ。」

 

先程までの、重力すら感じた凄まじい圧力が消え、気を抜いて、大きく息を吐き、ペタンと座り込む。

 

「・・・相変わらず、本当に末恐ろしい妖怪だねぇ。」

 

アズールさんの記憶に関して絶対に手出しをするなと、今しがた忠告を受けた訳であるが、その理由はまったく想像がつかない。

 

まぁ、あの隙間妖怪が考えている事は、いつも理解できない難解なものばかりなのだ。

今回も恐らく、あたし達が想像もつかないような、次元の違う考えを持っているに違いない。

 

それに、間違いなく、薮蛇だろうし、首を突っ込まないに越したことはないか・・・。

 

「それにしても、いささか、この地には力ある妖怪達が集まり過ぎなんじゃあないかなぁ。」

 

思わず苦笑いして、口にしてしまう。

 

先程の胡散臭い隙間妖怪を始め、真祖の吸血鬼夫婦、夢幻の怪物に名のある悪魔達。

どれもこれも、単体で世界に影響を与えうる強力な妖怪達だ。

 

そんな強力な妖怪達と関わりがある、アズールさんは本当に不思議な吸血鬼だ。

 

それに、何故か〖へカーティア〗様も彼女に関心を持っている。

 

私自身も、まだ少ししか彼女と話せていないが、そんな彼女と、もっと話をしてみたいと純粋に好感を持っている。

キルケーを助けてもらった事はもちろんであるが、彼女の纏う和やかな雰囲気が、私から警戒心を取り上げるのだ。

 

だから、私は彼女を見守り、時には力を貸す事にする。

 

パンドラの箱のように、彼女が触れてはいけない存在だと分かっていても。

 

 

そう思い、これから先の出来事に不安感や期待感を抱いた私の視界の端で、夢現の揺籃の最後の一欠片が消失し、空気へと消えていった。

 

 




〖後書き〗
どうも、最近ダブルスポイラーに再ハマりし、弾幕沼に精神と時間を溶かされているまほろばです。(≧∇≦)/
久しぶりに弾幕ゲームをすると、感覚が鈍っていて、stage2のパルスィさん(ジェラシーボム)にも、ボコボコにされました。(゚⊿゚)
でも、ダブルスポイラー楽しすぎて辛いです(゜▽゜)


・・・それはさておき、庇護録30話です。
今回も、ストーリーが難解であり、また、私の文章力が酷いため、読みにくい話であったかなと思います。
文章力については、すみません。m(_ _)m
また、後日、おかしな所を見つけ次第改稿していきます。

今話は、簡単に言うと、封印から目覚めたアズちゃんが、現状を把握し、ヴァルターちゃんとイチャイチャするお話です。
そのほんわか空間の周囲に渦巻く胡散臭い思惑や、モルモーさんの内心等が、簡易的ではありますが表現出来ていたらな、と思います。

さて、恒例ですが、今話での作業用BGMを勝手ながら紹介させていただきます。
まずは、東方原曲から
東方萃夢想、八雲紫のテーマ曲より
『夜が降りてくる ~ Evening Star』

フリーBGMから、PeriTune様が手掛ける曲
『Numina』
を作業用BGMに利用させて頂きました。

それぞれの、曲の、私なりの感想やYouTubeプレイリストを活動報告にあげさせていただきますので、是非ご覧になってみてください。
どちらも、神曲です!

改めまして、たくさんのUA、お気に入り登録をありがとうございます。
最近仕事が多忙で少し投稿頻度が落ちてきており、申し訳ありません。

ですが、モチベーションは皆様のおかげで、かなりあるので、当初の通り、1週間に最低1話を目指して頑張ります。

これからも、庇護録をよろしくお願い致しますm(_ _)m
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