Asyl perspective
| 夢幻世界監禁記録 |
|---|
| 監禁生活4日目 |
|---|
| 目標:夢月さん達の家からの脱出 |
|---|
夢月さんの家に監禁されて今日で4日目です。
私が日記を書いている、今の時間は監禁生活4日目の今日が終わる間近の真夜中。
この家の住人がいつも寝静まる時間帯です。
朝に日記を書くと、見つかって大変な目にあうのは、昨日嫌と言う程に分からせられたので、今日から皆さんが寝静まる夜中に日記を書く事になりました。
昨日の夜は色々あって日記が書けなかったので、4日目の今日は、まず3日目の事から記録する事にします。
昨日は朝に夢月さんを止める事ができず、夢月さん1人で料理を作らせてしまいました。
その結果、前の日に廃棄したはずのヌメヌメさんの内臓を使ったスープが出されました。
本人曰く『お肉が美味しかったんだし、内臓も美味しいよね♪』と思って使ったとの事ですが、正直、正気を疑いましたね。
味は・・・まぁ、一言で言うと、生魚の生臭さが凝縮されたエキスをねちゃねちゃした内臓の内容物と一緒に飲み込む感じです。
詳しい味や食感は思い出したくもないです。
それからは、吸血鬼の強靭な胃袋も妖力が封じられて弱っていたのか、内臓に含まれていたらしい劇物による中毒で寝込んでしまい、倒れて寝込んだ私にオロオロする夢月さんに看病される一日でした。
看病自体は親身にしてくれて、凄くありがたかったのですが、お昼にお粥と称してヌメヌメさんの
本人は至って真面目に栄養を付けて元気になって欲しいから、お粥を作ってくれたようですが、それはいまの私にはオーバーキルです・・・。
いつか、また一緒にお料理を作ってお勉強しましょうね!
そうして次の日の今日。
前日の体調は流石は吸血鬼の超肉体と言った所でしょうか。
一切の不調なく、すっかり回復していましたが、朝から寝込む振りを続けました。
そう!
言わゆる仮病というやつです。
一向に良くならない(振りをしている)私にワタワタ慌てていた夢月さんが幻月さんに万病に効く薬草を取って来るようにお願いし、妹の頼みを断れない幻月さんは外の世界に薬草を取りに行きました。
夢月さん達には申し訳ないですが、これはチャンスと思った私はさっそく脱出の為の作戦を実行する事になりました。
まず、夢月さんへのカモフラージュとして、身代わり人形をベッドに寝かせました。
見た目や呼吸などの生物的行動をも真似てくれるこの人形は事前にプログラムした行動も自律して行動できる、言わば半自律式の
なので、夢月さんを誤魔化すには十分の働きをしてくれるはずです。
とりあえず、オートマタの設定は、もし夢月さんから話しかけられたら『よろしくお願いします』『すみません』『ありがとうございます』から状況に応じて答えるように設定しておきましょう。
それに、私の怪しい行動を嗅ぎつける能力の高い、幻月さんが留守の今が、
・・・なんか、家探しだなんて、悪いことしている気分になってきましたが、脱出の為にはやむを得なかったと思います!
そうして私はまほうのカギと透明マントを使って、とりあえず監禁されている部屋から外に出ました。
夢月さんは寝ているか、留守にしている様子で居ないようなので特にトラブル無く玄関まで辿り着く事が出来ました。
そして、案外呆気なく玄関の扉を開けて外に出られた私でしたが、その結果、脱出は困難な事が分かりました。
夢月さんの自宅は一面、360度を空に囲まれていたからです。
少し考えてみれば、分かる事でした。
だってここは夢幻世界。
別世界なのですから、この家の外に出られたとしても、世界自体からは脱出する事ができるとは限らなかったのです。
また振り出しに戻った訳ですが、まだ、脱出を諦めた訳ではありません。
目標を更新します。
次の目標はこうです。
| 目標:封じられた力を取り戻す |
|---|
封じられた力を取り戻す事が出来れば、もしかしたら転移魔法でこの世界から脱出する事が可能かもしれません。
そうと決まれば、即行動です。
私は透明マントを使って、封じられている力を探して、夢月さん達の家の中をくまなく探索しました。
しかし、封じられた力の手掛かりすら掴めずに時間ばかりが過ぎていきました。
1度、監禁部屋に戻ると夢月さんが、いつの間にか中に居て、人形にヌメヌメさんの頭を食べさせてあげていました。
・・・こころなしか、意思がないはずの人形が、助けを求める様に涙目でこっちを見ていた気もしましたが、見て見ぬふりをして探索を続けました。
しばらく探索を続けていると、不思議な事に気付きました。
この家には夢月さんと幻月さんの2人で住んでいるはずなのですが、明らかに2人以外の部屋を見つけたのです。
その部屋は、何故か内から鍵が掛かっていて、ちょっと申し訳なかったですが、まほうのカギで開けてみました。
開ける事ができた、その部屋は女の子らしい可愛らしいお部屋で、まるでさっきまで誰かが居たかのように生活感のあるお部屋でした。
まるで、私の知らない3人目の姉妹が住んでいるかのようです・・・。
その後、その部屋を探索してみた結果、残念ながらそこにも私の力が封じられている場所等は見つかりませんでした。
しかし、その代わりと言ってはなんですが、引き出しの奥に厳重に隠された興味深い奇妙な日記を見つけました。
その日記の内容を以下に模写してみます。
| 白銀の吸血鬼のお姉さんが夢幻世界に捕らえられてから、日に日に私を唆す謎の幻聴が大きくなってきている。『我を受け入れろ』や『力を寄越せ』だなんて幻聴がひっきりなしに聞こえてくる・・・なんだか怖い・・・。 |
|---|
| 外の世界でマスターと一緒にあの幽香を退ける事ができた。その後、幻月姉さんに私達まとめて『世界一素敵な妹達ね』と褒めてもらった。・・・うれしい。これでようやくゆったりと白銀の吸血鬼のお姉さんと仲を深められるかな・・・でも、最近例の幻聴が余りにも酷くなってきている。それに、私の意思に関係なく身体が動く事がある。・・・まるで私の中に誰かが入り込んで操ろうとしているみたいに・・・・・・こわいよ、幻月姉さん・・・ |
|---|
| 絶対におかしい。私が書いた日記の幻聴についての記述が全て黒く塗りつぶされている。まるで、誰かが幻聴について知られないように証拠隠滅を図っているかのように・・・もしかして私自身が消しているの・・・?うるさいうるさいうるさい。私の中から出ていってよ!!こわい、こわい、こわい、助けて、助けて、幻月姉さん!助けて、助け |
|---|
と、直近の日記の内容を、筆跡まで真似て模写してみましたが大部分が滲みがかったように黒く塗り潰されて読めなくなっていました。
それでも、何とか読む事ができた上記の内容を見ても、文頭に書いてあった幻聴の事など、この日記の著者が心配です。
それに最後の記述は、震える手で幻月さんに助けを求めるよう、か細い字で綴られていて、見ていて心が苦しくなるような内容でした。
日記の内容から、この子は幻月さんの妹さんのようなのですが、もしかしたら、幻月さんには夢月さん以外にもう1人妹さんが居るのではないでしょうか・・・。
・・・幻月さんはこの事を知っているのでしょうか・・・。
いや、カギが掛かっていたし引き出しに厳重に隠されてもいたので幻月さんも気付いていないのかもしれない。
・・・やっぱり心配であるし、幻月さんが帰ってきたら1度相談してみよう。
・・・勝手に家中を探索した事のお咎めを受けるかもしれませんが、苦しんでいる子がいたら、その子を助ける事を優先しないと・・・。
とにかく、日記を読み終わった私は、日記を元の場所に戻してから1度、監禁部屋に戻る事にしました。
監禁部屋に戻ると、幸せそうに涎を垂らしながら半裸の夢月さんが寝ていました。
私の身代わり人形を抱きしめて・・・。
いや、どうしてそうなった。
当然の疑問の目で、人形を見ていると、まるで『知らんがな』とでも言いたそうに人形がジト目になっている気がしました。
とりあえず、人形を隠して、夢月さんを揺すって起こすと、寝ぼけ眼の夢月さんが、『さっきは気持ち良かったよ!ありがとうね!』と屈託のない笑顔で言ってきました。
・・・いや、マジであの人形何しやがった。
変な事してないですよね・・・。
プログラムされているのは返答機能だけのはずですし・・・。
疑いの目を向けると、人形が目を逸らした・・・気がした。
・・・本当にこの子は
・・・それとも、私が疲れているだけなのでしょうか・・・。
とにかく夢月さんの言う、気持ち良かった事が何なのか物凄く気になりますが、寝ぼけ眼の夢月さんを抱っこして夢月さんの部屋のベッドに寝かし付けて、その日1日が終わりました。
そうして4日目の朝を迎えました今日は、朝から夢月さんの元気がなく、仮病をやめた私がご飯を作りました。
朝昼夕兼用のご飯は余っていたヌメヌメさんの焼肉です。
それを夢月さんと
そうです。
昨日から薬草を取りに外に出た幻月さんは帰ってきませんでした。
夢月さんが元気が無いのは幻月さんを心配しての事でしょう。
その日は夢月さんは、『なんで』、『開かない』、『どうして』、『もしかして、あの子が・・・』とブツブツ言って部屋に篭ってしまったので、私1人で自由に家中を移動する事ができました。
夢月さんの様子がおかしいのは気になりますし、心配ですが、気を取り直して私の力が封じられている場所を探す事にしました。
そうして今日は、もう一度玄関を出て外に出てみる事にしました。
すると、外の様子が昨日と少し変わっていました。
初めは、何が変わったか気が付かなかったぐらいの違和感でしたが、空を見て違和感の原因に気が付きました。
夢幻世界の空に浮かぶ紫色の美しい満月が少し欠けていたのです。
夢幻世界にも月の満ち欠けがあるのか、不思議ではありましたが、その後もっと不思議な事がありました。
どこからともなく可愛らしくも、
歌声はちょうど上空にある少し欠けた月から聞こえてくるようでした。
吸血鬼の超視力で月の方向を見てみると、誰かが月の中で膝を抱えて蹲っている姿が見えました。
目を凝らしてよく見てみると、その誰かは、青いメイド服を着ており、そのメイド服は前掛けが2枚重なっている特殊そうなメイド服で、綺麗な金髪はショートヘアの歳は15歳くらいの女の子が膝を抱えて蹲っていました。
・・・夢月さんとそっくりの女の子に初めは夢月さんかと思いましたが、夢月さんは今部屋にいるはず・・・。
あの子は一体・・・。
その綺麗な歌を歌っていた夢月さん?はおもむろにその
その目は、悲しそうで、寂しそうで、見ていて何故か胸が苦しくなりました。
ふと、視線を外してもう一度見てみるとその夢月さん?は幻のように消えていましたが、一体何者だったのでしょうか。
そんな謎を抱えたまま、封じられた力も、手掛かりが掴めずに1日が終わりました。
夢月さんは結局あれから部屋から外に出てきませんでした。
そうして、真夜中の時間になった今、こうして4日目の日記を書いているという訳です。
色々と相談したい事があるのですが、今日も幻月さんは帰ってきませんでした。
夢月さんも部屋に篭りっぱなしで心配ですが、今の私は力も無く、何もできないただの少女。
今まで、吸血鬼の妖力等の力に頼り過ぎていた事を痛感しました。
非力な存在となった今、そのやるせなさがたまらなく辛いです。
早く力を取り戻して、夢月さんや幻月さんの助けになりたいですが、今はまだ囚われの身。
この日記を書き終わったら首輪をつけ直さないと、見つかったら大変な事に~~~~~~~~~~
ガチャり
【後書き】
どうも、最近アリは左足の二番目の足から歩き出す事を某何でも鑑定する番組を見ていて知ったまほろばです。
有名な画家の「熊谷守一」さんが 何年もアリをじっと観察していて発見したそうです。
私も、ちょうど外にいたのでアリを探して見てみましたが、ワシャワシャと歩き回るアリがどの足から歩き始めるかなんて、全然わかりませんでした。
これを発見した「熊谷守一」さんは本当に何年もじぃっと観察していたんだなぁとしみじみ思った今日このごろでした
それはそうと、41話です!
今話は、夢幻世界監禁生活に変化が起こった回でした。
なにやらきな臭いムードになってきましたが、夢幻世界監禁生活も残すところ2.3話(この前も2.3話と言いましたが忘れてください。)。
終幕が近付いてまいりました。
果たして最後、アズールちゃんが日記を書いている中部屋に入ってきたのは誰なのでしょうか・・・
いささか起承転結の「承」の部分が長すぎるお話となってきていますが、この物語の転結は2.3話でおわってしまう傾向にあるので、どうなるのか・・・。
神様、どうか私に語彙力をください・・・・・・
さて、今話は本当は1話にまとめるつもりだったお話を2話に分けようとして、やっぱり3話に分けました。(←なんでやねん)
優柔不断と、かすみたいな文章作成能力、語彙力のせいです、本当に申し訳ない(メタルマン鬼畜博士風)
いつもの如く思考がバグっていて、おかしなところがあるかもですが、随時改稿していきます。
あぁ、私にも物語の中のアズールのように超速思考能力が欲しいです・・・
それは、そうと恒例ですが、今話での作業用BGMを勝手ながら紹介させていただきます。
今回は、『志方あきこ』様が歌っておられる楽曲から2曲選曲させていただきました。
「うみねこのなく頃に」
「月夜の音楽会」
を作業用BGMに使用させていただきました。
これらの神曲のプレイリストや、今話の作業用BGMに使用した理由や、感想など、活動報告にあげさせていただきますので、宜しければ御覧になってください。
今後も庇護録はまだまだマイペースに続いていきますので、これからもよろしくお願いいたします!!