俺は今日は意気揚々とあんていくへ向かう
カランカラン
「いらっしゃいませ」
中に入ると今日は入見さん一人だった
「珈琲ブラック一つ・・・・後君の笑顔を」
俺は指をならしながら言う
「かしこまりました」
そう言い彼女は珈琲を入れはじめる
「あ、お兄ちゃん!」
俺がどんな猥談をしようか考えていると奥から雛実ちゃんがでてきた
「お、雛実ちゃん、今日も可愛いね?」
「ありがとう」
そういうと雛実は俺の前でくるりと回った
「ねぇ、どお?」
「ん?」
俺は何がどう?なのか全くわからない
「・・・・・・むぅ」
しかしどんどん雛実の頬が膨らんでいく
「あ!」
「なに?」
わからんがこういう時はとりあえず
1、髪きった?
2、おっぱい大きくなった?
3、痩せた?
4、ブラ付け始めた?
5、初潮きた?
俺選択肢を間違えるなよ?
「おっぱ「当店では子供にセクハラしたら即通報しますよ?」い・・・・・じゃなく」
「お兄ちゃん?」
雛実ちゃんの目がジトーとしてくる
結構可愛いな
「髪きった?」
「うん!トーカお姉ちゃんに切って貰ったんだ!」
彼女は嬉しそうに回る
「そっかー、似合ってるよ。俺も切って欲しいくらいだよ」
「今度お姉ちゃんに頼んでみたら?」
「そうだねぇ」
雛実ちゃんはカウンターの方に行くと
「入見さん何か手伝いますか?」
「大丈夫よ、ありがとう雛実ちゃん」
俺はトーカちゃんが来るまで時間を潰すためどうしようかと考えていると
「お兄ちゃん!また雛実が字を教えてあげようか」
「お願いします!雛実先生!!」
「それじゃあね」
そう言い彼女は俺の横に来て自身のノートを開く
「・・・・・雛実ちゃん字上手だね?」
「そうかな?」
俺は感心する。
普通に綺麗なじなのだ
俺・・・・帰ったら習字始めようかな
雛実ちゃんから字を教わりながらまったり過ごす
少女を先生と呼び教えを乞う背徳感
そして仕事をサボって飲む珈琲の旨さ
まさに至福の時間である
「お待たせしました」
「あれ?笑顔は?」
「当店にそのようなサービスはありません」
そう言いカウンターに戻ってしまう
「・・・・・ねぇ雛実ちゃん」
「なに?」
「今日俺休みだしどっか連れて行ってあげようか?」
「・・・・・・ううん、大丈夫」
「・・・・・そっか」
俺は少女に漢字を教えて貰いながら珈琲
そう言えば・・・・CCGからちょろまかしてきたものがあったな
「雛実ちゃん・・・・これを君に返すよ」
俺は二つの指輪がついたネックレスを取り出す
「これ・・・・」
「こっそり持ってきちゃった」
俺は苦笑いしながら言う
「・・・・迷惑だったかな?君のお父さんとお母さんの指輪」
「・・・・・・ありがとうお兄ちゃん」
「・・・・・どういたしまして」
それから少女は大事そうに指輪を握り締める
「・・・・・・・」コク
珈琲の苦味と香りを楽しみながら俺は少女を眺める
静かな空間
こんな静寂は悪くない
そんな中無粋な音がなる
俺の携帯である
「はいもしもし?休暇中のイケメン捜査官ですが?」
『だれがてめぇに休暇やった!!!鬼咲!!・・・・・いいか一度だけ言う、11区が占拠されたこれから対策会議をする。・・・・・・いいかこれをサボるようならいくら上がなんと言おうが俺は許さねぇ」
ちっ!!
丸手特等のどすの効いた声から真剣な様子が伝わってくる
そして電話は切られる
「・・・・・ゴメン雛実ちゃん」
「・・・・・雛実は大丈夫だよ」
「・・・・・・君が寂しいなら」
「・・・・・大丈夫!」
そこにある笑顔は明るく輝いていたがどこか作り物のようでもあった
「これ、君用に契約した携帯・・・・・俺の連絡先入れてるから何か困ったら連絡して」
俺は1台の携帯をテーブルに置くと金を置きCCGへと向かう
CCG対策室
「11区が壊滅したこれが一般人に広がれば混乱は避けられないだろう」
丸手特等の声がする室内に入っていく
「・・・・・・」
無言で入る俺に捜査官達の冷たい視線が刺さる
「よう、20区のサボリ魔。おそかったなぁ」
「・・・・・これでも急いで来たんですが?それに11区のことでしょうに20区担当の俺に何の関係が?」
「お前はめでたく11区特別対策部隊に入れて貰えたんだ・・・・・・・20区のサボリ魔じゃなくCCGの赤鬼として働け」
なんだそれ?初めて聞いた二つ名だ
「赤鬼ってなんですか?」
「あ?自分の事なのに知らんのか?・・・・・たまに仕事すると服も髪も帰り血で真っ赤にして死にゆく仲間すら気にかけず殺しまくってるのを喰種の間で噂になってるそうだぞ?それを採用してやったんだよ」
その言葉で視線がきつくなる捜査官がちらほらいる
恐らく俺は彼らの関係者を多く見捨ててきたのだろう
「そうですか」
「ちっ!いいか!今からでも乗り込みたいところだが我慢のしどころだ!11区の住民をすべて避難させる!それには警察を使え!マスコミ対応は俺に任せろ!!・・・・・てめぇらの命を俺に預けろ」
そう言い解散の号令で皆が忙しそうに出ていく
「おい!鬼咲!」
声の方を見ると篠原特等に肩を掴まれながら丸手特等が歩いてくる
「なんですか?」
「次の作戦てめぇが殺した喰種の数しだいでてめぇの好きなメス喰種どもを追加で無期限所有させて貰えるよう上に掛け合ってやった・・・・・これでお前の玩具箱はもっとたくさんの玩具がしまえるんだぜ?俺に感謝しろ」
「へぇ?・・・・・丸手特等、何匹殺せばいい?」
「全体の1割殺す毎に1匹、Sレート以上も1体につき1匹増やしてやる。今お前の玩具は何個だった?」
「無期限10匹、期間が残ってるのが20匹程だったかと」
「けっ!あんなの生かしておいて何考えてんだか・・・・・・・いいか、お前の戦闘能力には期待してる俺の交渉を無駄にするんじゃねぇぞ」
「えぇ・・・・・誤解してましたよ。あなたは最高の上司だ」
俺が笑顔で言うと特等二人はドン引きしたような顔をして去っていく
「あなたも迷子だったですか?」
「?・・・・俺はサボリだよおしゃれなバッテン少年」
俺の目の前には白髪で目に隈のある線の細い少年がいた
ただ体を縫いいいとでデコレーションしている不気味なやつだ
「ありがとです。これをほめられるの(ほめられること)は中々ないので嬉しいです」
「・・・・・お菓子食うか?」
「いいんですか?」
俺がポケットからお菓子をだすと嬉しそうに食べ始める
不気味さの一つがわかった
いような幼さがあるのだ
精神的に
「・・・・・僕は鈴屋什造っていいます」
「・・・・・俺は鬼咲階級は上等だ」
俺は追加でお菓子をだす
こういうたぐいは下手に扱うと危険である
故に懐柔すれば便利な道具に化ける時がたにある
「これは!僕よりも偉い人だったですか」
「まぁな」
「そう言えばさっき赤鬼っていわれてましたが・・・・・どんなクインケ使ってるです?」
「よく斬れる刀」
「いいですね!いいですね!・・・・早く僕も強いクインケが欲しいです」
「見つかるといいな?」
「そうですね・・・・・・今回はたくさんゲット出来そうです」
そういう彼はどこか夢心地のようであった
これで女の子だったらなぁ
俺は少年に別れを告げその場を離れとある場所へと移動する
それは墓場である
ここに眠るのは殉職者達
俺は一人一人眺めて行くととある墓が目に止まる
真戸上等の墓である
「・・・・・・因果応報ってあると思いますか?真戸上等」
話しかけても返答はない
会話に意味はない
俺にとって墓参りは確認作業である
「・・・・・あんたの墓に来てもなんも感じれねぇよ、まぁ絡みなんてなかったし当然だろうけどさ」
冷たいかぜが吹き声をかき消す
「龍の逆鱗に触れた感想とか聴きたかったんだけどな」
俺は答えるはずもない墓に問う
「なぁ・・・・・・雛実の絶望してる姿は面白かったかよ?どうだ?その結果同僚に殺されるのは」
怒りも
喜びも
罪悪感すら
湧いてこない
「・・・・・・・まぁ、あんた嫌いだから嫌味いいにまた来るよ」
俺は来た道を戻ろうとすると一人の女性が歩いてくる
「父の墓になにかようか?」
金髪の美しい女性だった
「まぁ、暇つぶしに話をしに来ただけだよ」
「暇は潰せたか?鬼咲上等」
「おや、貴女の様な素敵な女性に名前を覚えておいて貰えるとは」
「覚えているさ・・・・・・・父が調べていた相手で父を死に追いやった二人の内一人なのだから」
父を死に追いやったか
俺は何人におもわれているか
「・・・・・・・」
俺は謝る訳にはいかないだろう
それは過去の俺を無にする言葉だ
俺は謝ってはいけない
まだ何も感じていないのだから
「何か言ったらどうだ?・・・・・・・お前が見捨てたから死んだ男の話しだぞ?」
その言葉の直後携帯がなる
「失礼」
俺は電話に出ると
『お兄ちゃん・・・・・・どうしよう』
「・・・・詳しい話を聞きに行くよ」
俺は電話を切ると
「美しきレディ、また機会がれば」
俺は一礼してその場をあとにする