「・・・・・人間の学校か」
その日少女は億劫な気持ちを抑えつつ歩いていた
入学式の翌日のことであった
「へい!そこのツンデレそうなレディ!俺と珈琲ブレイクしようぜ!!」
そこには灰色の髪をオールバックにしている真紅の瞳をもった鍛え抜かれた体を持つイケメンの
「・・・・・・しない」
変態がいた
「な・・・・んだと」
変態は崩れ落ちる
「・・・・・てか、なんでフンドシだけなの?あんた」
「俺の肉体に君の思春期の欲情が爆発すると思って」
「死ねば?」
変態の馬鹿な発現に心底不快そうに少女は答える
「君、新入生だろ?俺は2年の鬼咲龍臣だよろしく」
「・・・・あっそ」
少女はつまらなそうに歩いていく
その後も男は話し掛けてくるが無視をする
最悪食べてもいいかと考える
それが彼女と彼の出会いであった
少女は学校に馴染めずにいた
人との関わりかたをしらなかったのだ
そんなある日1人の少女が声を掛けてきた
「一緒にごはん食べよう」
少女のはじめての友達である
「へいへいへいへい!!!なんで俺の誘い断るのにその子は良いの?ツンデレ少女!!!」
そして空気を読まない馬鹿は初日からいくら無視しても付きまとってきていた
少女は友人の手をとり彼を無視し続ける
「ツンデレ少女!連れションしようぜ!!」
そして毎度毎度彼女はうっとおしく思っていた
「・・・・・・・・・」
当然だ一ヶ月無視しても話しかけてくるなんて異常だ
それに初対面の印象が最悪
会話内容はキモくてセクハラでデリカシーの欠片もない
「もう鬼咲先輩、女の子にそんなこと言ったらダメですよ?」
「依子ちゃんは今日も可愛いねぇ!ツンデレ少女も笑えばもっと可愛くなるのに・・・・恐らく女神級と予測する」
「そうですよね!トーカちゃん可愛いですよね!!」
「うんうん!あ、依子ちゃん今日のパンツの色何?」
「教える訳ないじゃないですか!!セクハラですよ!鬼咲先輩!!」
「俺の予想でわねぇ・・・・・依子ちゃんはピンク!トーカちゃんは白だね!!」
「もう!先輩最低です!!」
「ふふふ図星と見た」
「知りません!!」
少女はいつの間にか自分の友達と仲良くなっている彼を不快に思った
「依子、そんなの無視しなよ」
「駄目だよ?トーカちゃん・・・・・・ちゃんと先輩って言わないと、それに無視は良くないと思うな」
「なんでそんな奴かばってんの?」
「だって鬼咲先輩って最低だけど面白いところあるし悪い人じゃないよ?」
「そうよ?ツンコちゃん」
少女のストレスは限界を迎えていた
「いい加減にしろよ!!」
少女の蹴りが彼の顔面を捉え
「ぐはっ」
「トーカちゃん!?」
彼は鼻血をだしながら吹っ飛び、倒れる
彼女はしまったと思った
依子に怖がられるかと
仮にも喰種である自分がかなりの力でけってしまった
依子の前で殺してしまっただろうか
「依子ちゃん・・・・・水色だった」
「先輩・・・・・やっぱり最低ですよ?」
「君の優しい対応と中に隠れる棘が心に刺さるぜ」
彼は何事も無いように話しはじめる
そんな彼からは不思議な匂いがした
「・・・・あんた何?」
「イケメンです」
「先輩自分でそれ言うんですか?鼻血出してなければ確かにかっこいいですけど」
「はい!依子ちゃんからかっこいいいただき!!!」
「そう言うところですよ先輩」
それからも変わらず彼は話し掛けてきた
相変わらず最低ではあるが
少女は分からなかった友人が彼と何故楽しそうに話せるのか
そんなある日転機が訪れた
少女達の前に喰種が現れたのだ
「依子逃げて!」
少女は友人にバレたくなかった
自分も喰種である事を
自分なら勝てる相手
でも初めて出来た友人を失うのは怖かったのだ
「依子こっち!!あんたも早く逃げ「逃がさないよ!!」な」
少女の前には喰種の尾赫が迫っていた
喰種は自分も殺しここを餌場にしようとしていると考えた
尾赫はこのままでは依子に当たってしまう
そう思った時
ズン!!!
「おいおい何受け止めてんの?」
「君達ここはお兄さんに任せな」
いつものキモいおちゃらけた男は別人の様になっていた
「依子!」
「トーカちゃん先輩が!」
少女は友人を逃がした後戻る
そこには死体が転がっていた
凄惨な死体だ
「・・・・・なんで」
「・・・・確かに喰種の体は硬かったけど関節を壊せば関係なかったよ」
死体は四肢の関節が外れており、首が回転していた
「怪我とかしてないよね?」
彼はボロボロの服装でヘラヘラと笑いながら聞いてくる
「ケガしてるの自分じゃん」
「これはけがじゃねぇ」
「は?」
「いい女二人を守るために着いた勲章っていうんだぜ」
「・・・・・なにそれ、馬鹿じゃないの」
「知らねぇのか?いい男ってのは馬鹿なんだぜ?」
「あっそ」
少女は翌日学校で友人に馬鹿と一緒に怒られていた
「本当に二人とも無事でよかった。でも喰種を素手で倒すなんて凄いですね」
「俺は、柔術、剣術、居合、合気術、空手にムエタイ、コマンドサンボを修め、さらには宇宙の力を体内に取り込んで闘うペケポン流護身術と無我の極地座禅と呼吸方でサルでも強くなれるクサモサモサ流護身術を通信教育で毎月五万づつ出して受けてるからな無敵だぜ」
「・・・・後半のはよくわかりませんが助けてくれてありがとうございました」
「感謝はスリーサイズでいいぜ」
少女は男を軽く蹴る
「いて」
「そう言うところをキモいって言ってんの先輩」
「「・・・・・・」」
少女の言葉に二人は絶句する
「もう一回」
「は?」
「もう一回先輩って言ってくれツンデレ娘!!」
「なんでだよ!」
「トーカちゃん先輩相手にタメ口は駄目だよ?」
「べつにこいつにならいいだろ」
「もう、助けてもらったんだから」
「・・・・・・先輩」
「・・・・・・・ツンデレ娘がでれた」ダバーーーーーっ
「霧嶋薫香・・・・です」
彼はパアァっと明るく笑い
「よろしくね。トーカちゃん」
それから彼と依子と一緒にいるようになった
それはとても心地のよい空間だった
彼が馬鹿をやったり
馬鹿な事を言ったりして
少女と依子がおこり
笑い
呆れる
きっと普通の生き方とはこんなことを言うのだろうと思った
~あんていく~
「あいつは昔から変わらない・・・・・バカやって私の心をかき乱す馬鹿な奴だよ」
薫香は過去のほんの一部を語る
「今思えば不安でつまらなそうな私に初めて声を掛けてくれったんだ。・・・・・・・そして昔も今も守ってくれたんだよ。だから・・・・・私はあいつに生きていて欲しい」
「「・・・・・・・」」
金木は薫香に近づくと
「トーカちゃん、きっと・・・・鬼咲さんなら大丈夫なんじゃないかな?君の話をきいて僕はそう思ったよ」
「・・・・・ああ!もう!なんでこんな話ししてるんだか・・・・行くよ雛実!あのバカが部屋を荒らしてないか心配になってきた」
「うん!」
それを見送る金木は笑い
出ていく彼女を影から優しい微笑みで見守るいくつかの瞳
そして彼女は部屋に戻る
そこには先ほどまで過去を振り返り今一度大切さを思い出した男
「・・・・・・何してんの?」
「・・・・・・・れ、錬金術?」
彼女は昔の思い出の一部を誰かに話した事を今日ほど後悔した日はない
「・・・・・裸で?私のパンツを被りながら?」
「・・・・・・・はい」
男が全裸で尻を向け床にパンツやブラを並べ、一枚のパンツを被りガニ股で腰を下ろし合掌した手を額当たりのところで力を入れ続けていたのだ
「何を錬金しようとしてたの?」
「トーカちゃんに履いて欲しい下着を錬成できるかなと」
「・・・・・できた?」
「後一時間位かな」
「・・・・・・・・他に何か言うことはある?」
「・・・・・・痛くしないでね♥」
この日男の断末魔が20区全体に響きわたり
あんていくの裏路地に捨てられている男をゴミ収集の業者が発見してちょっとした騒ぎになったのだ