シャルロットとの甘い日々   作:nightマンサー

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仕事が立て込んでて遅くなりすみません!
福音事件編の最終話になります!


福音事件編4 キミと僕の物語

 

 

 

『福音』が先程と同じように此方に向かってビームを放つ。

それを俺は第2次移行(セカンドシフト)した自身の機体

ーーー『ラファール・リヴァイヴ・オルテナウス』の単一仕様能力(ワンオフアビリティ)である《円卓の盾》で防ぐ。

『白式』の《零落白夜》が敵を倒すことに特化した能力ならば、こちらはその逆ーーー味方の守りに特化した能力を備えていた。

 

 

 

ーーー《誉れ堅き雪花の盾》っ!

 

 

 

発動と同時に自分とシャル達の身体、正確にはISが淡い青色の光によって包まれた。

俺の単一仕様能力(ワンオフアビリティ)ーーー《誉れ堅き雪花の盾》は自分を含めた指定したISにエネルギーシールドを纏わせれるものだ。

この能力の最大の利点は、纏わせるエネルギーシールドを形成するエネルギーは《円卓の盾》で精製されたものであるため、

IS本体のエネルギーを消費しない点にある。

 

「凄い…!」

 

「これなら、行けるっ!」

 

言葉と共に箒と一夏が『福音』に向け紅と白の軌跡を描き空を駆ける。

『福音』は接近させまいとエネルギー弾を放つが、《誉れ堅き雪花の盾》により箒と一夏は被弾してもダメージを受けることなく『福音』との距離を縮める。

ゴリ押しとしか思えぬ戦法だったが、今この瞬間においてそれは最善手に他ならない。

それを見て『福音』は己の最大の武器である機動力をもって退避しようと後方へーーー

 

「予測していましてよ…!」

 

「先程の借りを返してやるっ!」

 

瞬間、『福音』の背中が爆ぜる。

後方へ退避する『福音』の行動を読んだセシリアとラウラの射撃が命中したのだ。

その攻撃により体制が崩れる『福音』。その隙をつき、箒と一夏は『福音』に肉薄した。

 

「はぁぁ!!」

 

箒が追撃を仕掛けるが『福音』はすぐさま体勢を整え、箒の攻撃を受け止める。

そのまま『福音』と箒は超音速で激しく激突する。

箒が『紅椿』の性能を引き出せるようになったのか、《誉れ堅き雪花の盾》で防御力が上がっているからか、

或いはその両方のおかげなのか、最初に対面した時と打って変わって箒が完全に押している。

 

「箒が押してる、これなら…!」

 

「けど、決め手が足りないみたい」

 

鈴の言葉にシャルが補足を入れた。確かに押してはいるものの『福音』を打倒するに至っていない。

どうすればいいか考え視線を動かすと、そこには箒と『福音』のスピードに追い付けず戦闘を外側で見守る一夏の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ…!」

 

箒に加勢する為にスピードを上げるが、箒と『福音』に追いつけないでいる。

最初の作戦にて直撃しなかったとはいえ、ダメージがなかった訳ではない一夏の身体は本調子とは言えない状態だからだ。

 

(これじゃ、また仲間を守れない…)

 

一夏は悔しさを感じ《零落白夜》を強く握り締める。

そもそも初撃で落とせていれば彼が傷付くことも皆を巻き込むこともなかったのだ。

 

(今度こそ守るんだ。だから『白式』、力を貸してくれ…!)

 

 

ーーーうん、私はいつだって一夏の力になるよ。

 

 

瞬間、一夏は少女の声を聞いた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは唐突に起こった。

一夏が…いや、一夏が身に纏っている『白式』が眩しいほどの輝きを放ち始めたのだ。

 

「うそ!?」

 

「これって、もしかして…!」

 

鈴とシャルが驚き声を上げる。

発光が収まり次第に一夏の姿が見えてくるが、その姿は先程と変わっていた。

どうやら一夏も自分と同じで第2次移行(セカンドシフト)した様だ。

 

「これなら、行ける…!」

 

そうして一夏は箒と『福音』の戦闘に加わるため飛び立つ。

先程とは一変し、一夏にいつものキレが戻っている。

 

「箒、やるぞっ!」

 

「…っ、あぁ!」

 

一夏が加勢に入り、徐々に『福音』を追い詰めていく。

劣勢を悟った『福音』は急上昇し、先程よりも強力なエネルギー弾を全方位に向けて放った。

それが、最も愚策だとは気付かずに。

俺の《誉れ堅き雪花の盾》が付与されている皆に殆どダメージは入らない。

それに『福音』はその攻撃を行う為に動きを数秒だが停止させている。

 

 

 

「今度は外さねぇぇぇぇ!!」

 

 

 

一夏は第2次移行(セカンドシフト)で進化した『白式』の能力なのか、

シールドを展開して弾幕の中をノーダメージで突き進み、『福音』の懐へ潜り込み《零落白夜》によってシールドエネルギーを全損させた。

エネルギーを失ったことで『福音』は解除され、操縦者が海へ落下するのを鈴が助けに入る。

 

 

 

 

 

ーーーこれにて、『福音事件』は終幕を迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー『福音事件』から翌日、臨海学校3日目の夜。

 

『福音』を行動不能にし操縦者を救出した後、俺は気を失ってしまった。

確かに箒達の元へ行くために慣れない高速移動を行い、その後『福音』に文字通りぼろ負け。

その後、機体は第2次移行(セカンドシフト)したとはいえ、俺自身は傷ついたまま戦線復帰。

自分の事ながら、かなり無茶していると思う。

そのため臨海学校3日目である今日は、織斑先生と山田先生の2人から当然のように旅館で絶対安静を言い渡された。

今は山田先生から少しだけと頼み込んで許可をもらい、旅館からすぐ側の海の見える岩場に腰掛けていた。

 

「何してるの?」

 

そんな俺の背後から聞きなれた声が響く。

振り向くとそこには予想通りの人物ーーーシャルが旅館の浴衣姿で佇んでいた。

1日旅館に篭っていたから外の空気を吸いに、と答えを返した。

 

「そっか…えっと、隣いいかな?」

 

遠慮がちに聞いてくるシャルにどうぞと返すと、シャルはお礼を言って隣に腰かけた。

 

「身体は大丈夫?」

 

シャルの不安そうな声に殆ど回復したと答えた。

シャルを助けるために『福音』のビームを受け止めた時に痛めた右腕はまだ回復しきっていなかったが、

それくらいの強がりは許して欲しい。

 

「よかった、本当に…」

 

そう言葉を零したシャルが次の瞬間、抱きついてきたおかげで俺は固まってしまった。

 

「キミが海に落ちた時、本当に怖かった。

また、大切な人がいなくなっちゃうんじゃないかって…」

 

涙を流しながらシャルは言葉を口にする。

シャルは幼い頃に母親を亡くしており、その時と今回の事を重ねてしまったのだろう。

そんなシャルを見て泣かせてしまった事を悔やむ気持ちと、

不謹慎かもしれないが、そこまで俺の事を大切に思ってくれている事に嬉しさを感じていた。

 

 

 

 

そんなシャルの事を、自分からも抱き締める。

 

「…ひゃ!?」

 

抱きしめ返されるとは思っていなかったのか、シャルから可愛らしい声が漏れた。

先ずは心配をかけてしまったことへの謝罪をする。それから、シャルに聞いてほしい事がある事も告げる。

 

「あ、えっと、はい、なに…かな?」

 

未だに抱き締められた事への理解が追いついていないようだが、それでも俺はもうこの気持ちを伝えずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

ーーーシャル、愛してます。俺と付き合ってください。

 

 

 

 

 

「………ぇ?」

 

抱きしめからまだ復活していなかった所に俺の告白が重なり、

シャルは顔を真っ赤にして完全に機能停止(ショート)してしまった。

そうして体感1分程経過した所で、シャルが口を開いた。

 

「……ほ、本当に?」

 

先程とは恐らく別の意味で涙を浮かべ聞いてくるシャルに俺は自分の想いを偽りなく告げる。

 

 

ーーー今まで1人で色々勝手に思い悩んでた。

 

 

ーーーでも、海に落ちた後にちょっとしたきっかけがあって…自分の気持ちに素直になれた時に、シャルへの気持ちにも気付けたんだ。

 

 

ーーー誰でもない、シャルがいいんだ。

 

 

ーーーシャルだから、俺は恋人になりたいって思ってる。

 

 

 

それは学年別トーナメント後の浴場で、シャルが俺に言ってくれた言葉と似たもの。

他の誰でもない、俺が良いと言ってくれたシャル。

その言葉を言ってくれた他の誰でもないシャルの事が、俺は好きなのだと。

 

 

「…う、ん。僕も、他の誰でもない、大好きなキミだから、恋人になりたい…!」

 

涙を流しながらも抱き締める力を強めて、シャルは俺の告白に答えてくれた。

その事が嬉しくて、俺もシャルを抱き締める力を強める。

しばらく抱き締めあった俺とシャルは、どちらからともなく顔を近付ける。

 

 

 

 

月明かりが照らす岩場にて、俺とシャルの影は1つになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー臨海学校4日目の朝。

 

臨海学校4日目は午前中からIS学園へ戻る移動日となっている。

正直『福音事件』のせいで臨海学校で行うはずの性能テスト等がほぼ出来ていないため、

自分達専用機持ち以外はただの旅行みたいになっていたようだが。

既に自分達1年1組の全員はバスに乗り込み、出発を待っているところだ。

 

「はぁ、昨日は酷い目にあった…」

 

そしてこの唐変木(いちか)は性懲りも無く俺の隣に陣取っていた。

おかげでシャルと一緒に座れない所か箒達にまで睨まれる始末だ。

それと一夏達は昨日の夜に浜辺に出ていた事で織斑先生にこっ酷く説教をくらったらしい。

後でシャルに聞いたが、作戦成功で帰還した際は珍しく織斑先生に褒められた様なのだが、あっさり帳消しにするのはある意味才能か。

そんな事を考えていると、1人の金髪の女性がバスに乗り込んできた。

 

「ごめんなさい、ここに男性操縦者の2人がいるって聞いたのだけれど…」

 

「はい、それ俺と彼ですけど、何か用ですか?」

 

金髪の女性の言葉に一夏が答える。

それを聞いた金髪の女性はこちらに近付き、一夏を抱きしめた。

 

「私『福音』の操縦者のナターシャ・ファイルスよ。今回は私と『福音』(あの子)を助けてくれて、ありがとう!」

 

そう言ってファイルスさんは抱き締めていた一夏の頬にキスを落とした。

 

「「「「「……えぇぇ!!?」」」」」

 

これには箒達のみならず、クラスメイト全員が驚愕の声を上げる。

そんな周りの反応など露知らず、一夏を離したファイルスさんは俺に視線を合わせた。

 

「キミがもう1人の男性操縦者ね!」

 

そう言ってこちらに近寄るファイルスさん。

このままでは俺も一夏の二の舞になってしまう…そう思った俺は咄嗟にーーー

 

 

ーーー彼女がいるので!

 

 

と、言葉にしてしまった。

 

「あら、そうなの?ならこのお礼は控えた方がいいわね。

なら困ったことがあったら連絡してね、力になるわ。それじゃ!」

 

そう言い残してファイルスさんはバスから降りて颯爽と去っていった。

そうしてバス内は少しの静寂の後ーーー

 

 

 

「「「「「「えぇぇぇぇぇ!!!」」」」」」

 

 

 

一夏がキスされた時よりも大音量の驚愕の声が響き渡った。

その後、箒・セシリア・ラウラの3人以外のクラスメイトは皆シャルか俺の元へ来て質問攻めにしてきた。

クラスメイト全員俺に彼女がいると聞いて真っ先にシャルの所に行ったのを見ると、やはり傍目からはバレバレだったのだろうか。

結局ファイルスさんの行動により、俺とシャルの関係は、たった1日で全員にバレる結果となり、

一夏は箒・セシリア・ラウラから頬キスについて嫉妬による説教をくらった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーー俺はこの出来事を忘れることはないだろう。

ーーーシャルと恋人になれた…大切なこの出来事を。

 

 




読んで頂きありがとうございます!

シャルの心の準備が……

  • 出来た(R-18作成)
  • まだ出来てない(本作のみ)
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