初詣が完全に頭から抜けてました…『うどんこ』様ありがとうございます!
他のユーザー様からも幾つか案を頂いており、とてもありがたいです。
それでは、どうぞ!
「皆遅いなぁ…」
とある神社の鳥居の前に、俺と一夏は着物姿でシャル達が来るのを待っていた。
本日の日付は1月1日、つまり元日である。
そのため箒の実家である篠ノ之神社に初詣に行こうという話になり、今に至る。
一夏に女性の準備は時間の掛かるものだからと宥める。
「ふーん、そういうもんか…お、来たみたいだな!」
そう言った一夏の目線の先に振り袖姿のシャル達が見える。
どうやら全員着替え終わったようだ。
「待たせたな」
「お待たせ致しましたわ」
「お待たせ〜」
「ごめんね、遅くなって」
「どうだ嫁よ、私の振り袖姿は」
5人がそれぞれ言葉を紡ぐ。
皆それぞれイメージにあった色の振り袖を着ており、とても華がある。
シャルは以前プールデートの際に着た水色でなくオレンジ色のを着ており、
とても似合っている。
「おぉ、みんな振り袖似合ってるな!」
一夏の言葉に同意するように似合っていると言って頷く。一夏と俺の言葉にシャル達はもれなく全員顔を赤らめていた。
「それじゃ、早速お参りしに行こうぜ」
そうして神社に向けて歩き出す一夏。
そんな一夏に我に返ったように一夏ラバーズが追いすがり、手を繋ごうと画策していた。
新年早々いつも通りの風景を見せられた事に苦笑しつつ、俺はその場に残ったシャルに左手を出して俺達も行こうと促す。
「っ!うん!」
嬉しそうに返事をしたシャルが俺の左腕を掴んで、そのまま腕組み状態になる。
このやり取りもようやくデートで回数を重ねてなんとか自然と出来るようになったが、
慣れるまではまだまだかかりそうだ。
そうして俺とシャルは前を行く一夏達の後を追った。
◆
「なぁ、折角だからおみくじもやっていこうぜ」
長い列に並びお参りを済ませた所で一夏がそう提案してきた。
皆いいねと同意して、おみくじを引くことにした。
「では、私から引こう」
そう先頭を切ったのはこの篠ノ之神社が実家である箒。
おみくじ箱の前で目を瞑り数秒後、目を見開き箱に手を入れおみくじを引いた。
紙を開いて中を見た箒は勝ち誇ったように皆に結果を見せる。
「大吉じゃないか、凄いな箒!」
「ふん、これくらい当然だ」
そうクールに返す箒だが、口元が緩んでおり嬉しさが隠しきれていない。
よく内容を見れば恋愛部分が『自ら動けば進展あり』と書かれていたので恐らくそれも要因の1つだろう。
「つ、次はわたくしが引きますわ!」
「わ、私も!」
箒の結果に焦ったのか、セシリアと鈴が我先にと引きにかかった。
「「き、吉…」」
結果はどちらも吉、しかも恋愛部分は『自ら率先して動くと吉』と同じ内容という始末。
「ふむ、では私も引こう」
そうしてラウラは前の2人とは対称的に落ち着いた様子で引く。
「ふむ、中吉か。悪くはないな」
ラウラは中吉を引き当て、恋愛部分は『押しも良いが一度引いてみるとより吉』との記載。
なんと言うか、恋愛部分だけ見ると信憑性が高いように見える。
「じゃあ、僕も」
一夏ラバーズに先を譲っていたシャルも引く。
「やった、大吉!……っ!?」
シャルも箒と同じ大吉を引き当てたようだが、おみくじを見ているうちに顔が真っ赤になった。
どうかしたのかと聞くと、何でもないと言いつつ、おみくじを見ながら今度はとても笑顔になっている。
「さて、俺達も引こうぜ」
シャルの行動は気になるが、一夏の言葉を受け一旦置いておき、おみくじを引く。
「お、やった、大吉だ!」
一夏が声を上げ、おみくじを見せてくる。
確かに大吉で殆ど良いことが書いてあるのだが、
恋愛部分だけ『己の周囲を理解しなければ破綻』と凄まじく的を射るお告げが書かれていた。
このおみくじ、恋愛に関しては信じていいかもしれないと思いつつ自分のおみくじを見る。
「そっちはどうって凄い嬉しそうだけど、そんなに良かったのか?」
一夏の言葉に俺は自分のおみくじを見せる。
そこには『大吉』の2文字が並んでおり、恋愛部分の記載が『良い人です。愛情を告げ結婚せよ』となっていた。
先程の一夏のおみくじの記載で恋愛部分を信じていた俺にとっては何より嬉しい結果だ。
「おぉ、なんというか…らしい結果だな」
流石の一夏でも俺とシャルが付き合っている事を知っており、
その関係を比較的間近で見ているため、これが惚気であると理解しており苦笑気味だ。
「ねぇ、キミのおみくじの結果はどうだったの?」
シャルが俺のおみくじの結果を聞きに来たが、
これをシャル本人に見せるのは流石に恥ずかしいので、大吉であることだけ告げた。
ただ記載されていた事が嬉しくて笑顔になってしまっているーーーそこまでいって今自分がした行動が、先程のシャルと似ている事に気付く。
「どうかした?」
急に驚いた顔をした俺に疑問を抱くシャルに、
思い切ってシャルのおみくじの恋愛部分がもしかして結婚せよの様な内容ではなかったかと聞いた。
「っ!?ど、どうして知ってーーーっ!」
自分のおみくじの記載を当てられ焦るシャルだが、俺がわかった理由に検討がついたのか今度は驚いた表情になる。
これではバレたも同然なため、俺は持っていたおみくじの恋愛部分を見せる。
「ぁ…えっと、これ…」
俺の恋愛部分の記載を確認したシャルが、顔を真っ赤にしながらおずおずとシャルのおみくじを見せてくる。
そのおみくじの恋愛部分には予想通りというか、なんというか、一言一句自分と同じ言葉が記載されており、
それを理解した俺とシャルはお互いのおみくじを見た状態で、顔を真っ赤にして暫く棒立ちだった。
◆
「初詣、楽しかったね」
IS学園への帰り道を歩きながら、振り袖姿のシャルが楽しげに言う。
おみくじ事件の後、出店を回ったり神社の出し物に参加したりと色々楽しんだ後、
それぞれ予定があると、一夏と一夏ラバーズは俺とシャルを置いて先に帰ってしまった。
クリスマスの時と同様、再び気を遣われたらしい。
「あはは。まぁ、今回は箒達も一夏と帰りたかったのもあると思うよ?」
シャルの言葉に早速お告げ通り率先して自分から行動した可能性もあるなと思った。
そう話している間にIS学園へのモノレール駅前まで着く。
そのまま駅に入る為に歩き出そうとした身体にブレーキがかかった。
見るとシャルが左腕を握ったまま、その場から動こうとしないでいる。
「その…今日はこのまま帰る、の?」
疑問に思った所にシャルから逆に質問が来る。
まだ時間はあるが、もしや何処か行きたい場所があるのだろうかと思いシャルに聞くと、何故か顔を赤くした。
「えっと、ね?皆で初詣に行くことになったから、年初めの日本の文化を色々調べたんだ。
それで、調べてる時に、その…
シャルから姫始めという言葉が出たことに驚く。
姫始めとは確か、年の最初に所謂その…
未だ俺の思考は動揺から抜け出していないのだが、それに気付いていないようでシャルは止めの一撃を放った。
「その…ぼ、僕で姫始め…しないの?」
それから俺とシャルがIS学園の寮に帰ってきたのは、
正月休みで延びていた門限5分前だったことを知るのは俺とシャル、寮長の織斑先生だけである。
読んで頂きありがとうございます。
シャルの心の準備が……
-
出来た(R-18作成)
-
まだ出来てない(本作のみ)