それでは、どうぞ!
スマホのアラームで目が覚め、軽く伸びをしてからジャージに着替えた。
学園に入学してから日課となっているランニングを行い、部屋に戻ってシャワーを浴びる。
シャワーを浴び終え身体を拭きドライヤーで髪を乾かした後、歯を磨き制服に着替え身嗜みをチェックする。
IS学園入学してからの朝のルーティーンとなっており慣れた筈の行動だが、今日はその行動全てが少しぎこちない。
まぁ、理由は分かりきっている。
今日は2月14日、所謂ーーーバレンタインである。
◆
「おはよう!」
教室に着くと既にシャルは来ており、挨拶とともに俺のところに駆け寄ってくる。
「はい、バレンタインチョコ。も、勿論本命…だよ?」
そう言ってシャルが渡してきたのは、黄色い包装にオレンジのリボンが結ばれた可愛らしい箱。
「……?どうしたの?」
箱を前にして固まった俺にシャルが戸惑った様に声をかけてきた。
勿論シャルならくれると信じていたが、こんなあっさりと渡されると正直戸惑いが大きい。
何せ自分は今までモテたことがなかったのだから母親以外から貰ったことはない。
声が多少震えてしまったが、シャルにお礼を言ってチョコを受け取る。
「そんなに喜んで貰えると、僕も嬉しいな」
そう言ってシャルが華のような笑顔を見せる。
それにつられて俺も自然と顔がほころぶ。
「時は来たっ!者共であぇ!!」
と、そんな事をしているとクラスメイトの何人かが俺の元に集まってくる。
何事かと身構えると集まったクラスメイトの先頭の人ーーー相川さんが声をかけてくる。
「いやぁ、彼女のシャルロットちゃんより先に渡すのは流石に悪いから皆待ってたんだよ」
そう言いながら相川さんはラッピングされた箱を差し出してくる。
それにポカンとしてると他の集まってきたクラスメイト達もその手に持っていた箱を渡してくる。
「この前は資料運ぶの手伝ってくれて助かったよ、ありがとう!」
「お菓子分けてくれてありがとぅ〜」
理由は様々だったが、内容は全て感謝のお返しということで義理チョコを渡すということだった。
お陰で俺の机には少なくない量のチョコが積み上がっている。
正直ここまでのチョコの山はアニメやドラマでしか見たことない程だ。
暫く思考停止していた俺だったが、何とか現実に戻ってきてチョコをくれた皆にお礼を言って回った。
ーーーだからだろう…シャルの様子が少し変だったのに気付かなかったのは。
ちなみに一夏と一夏ラバーズは誰が一夏に最初にチョコを渡すかで揉めた結果、
一夏含め全員謹慎&反省文の刑に処され、最終的に織斑先生が一夏への最初のチョコを渡した人となったそうな。
◆
そうしてバレンタインの夜。
授業も全て終わり、今は俺の部屋でシャルと2人きりである。
ただ、シャルの様子がおかしい。
どうしたのか聞いても、何でもないと言ってはぐらかされてしまう。
そうしてシャルを見ると、その視線が机に置かれた義理チョコの山に注がれていることが分かった。
それが分かってからの行動は自分でも驚く程、早かった。
「?どうしーーーっ!?」
シャルに近づいてキスをする。
「んっ…ぁ…ど、どうしたの?」
とろんとした目で見てくるシャルに、俺は本心をありのままに伝える。
ーーー俺が好きなのは、他の誰でもないシャルだよ。
その言葉を聞いてシャルは目を見開いて、そして次の瞬間にはシャルからキスされた。
「はぁ……ねぇ、僕があげたチョコ…今食べてくれる?」
シャルの言葉に首を傾げるが、ひとまず言う通りにシャルから貰ったバレンタインチョコを開ける。
中にはハート型の1口チョコが4つと大きめのが1つ入っていたので、1口サイズのを食べる。
チョコの甘さが美味しく、更にそれを高めるためにーーー
「うん…ウィスキーボンボンを参考にお酒を少し入れてみたの。どうかな?」
とても美味しいよ、と答える。
するとシャルも1口サイズのチョコを食べて更にそのまま深いキスをする。
「狡いって分かってる…でも、ね。僕を好きって…もっと、感じさせて?」
ーーーこの後の展開は、2人だけの秘密である。
シャルの心の準備が……
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出来た(R-18作成)
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まだ出来てない(本作のみ)