今年もよろしくお願いします!
ということで今年の今作初投稿になります。
短編なのに1話完結でなく前編となりますがご容赦ください…
それから現在アンケートしていたシャルの心の準備ですが、本作と同時準備中になります。
また、活動報告の方でネタを募集致しますので、良ければご意見貰えると助かります。
注)今回の馴初め話ですが基本シャル視点になります。
それでは、どうぞ!
ーーー彼への最初の印象は、良くも悪くも普通の青年という感じだった。
お母さんの亡くなった後、デュノア社の人が家にやって来て、僕がデュノア社の社長の娘なのだと告げた。
そうしてデュノア社に連れられ様々な検査をするうちにIS適性が高いことがわかり、非公式でテストパイロットをやる事になった。
そんな中、父と実際にあったのはたった2回。話した時間は1時間にも満たなかった。
その後デュノア社は経営危機に陥った。
デュノア社は確かに第2世代のIS『ラファール・リヴァイヴ』で世界シェア第3位を獲得している。
しかし、それはあくまで第2世代の話であり、世界は現在第3世代の製作に力を入れているのだ。
デュノア社も第3世代のIS作製に取り組んでいるが、成果はいまひとつ。
このままではIS製作権限剥奪も有り得るほど事態は切迫していた。
そんな彼らにとって、僕は丁度いい駒だったらしい。
男装してIS学園に潜入しろと命令を受けた。
目的は2つ。
1つは広告塔として注目を集めること。3人目の男性操縦者ならば十分目立つからこれは潜入時にほぼ達成したと言っていい。
問題は2つ目。IS学園の男性操縦者である彼と一夏の2人に接触し、稼働データを強奪。
IS学園に行く直前には、父のいない所で本妻の人からもし女であることがバレたならば誘惑して既成事実を作れとまで言われた。
ーーー妾の子で何処にも居場所のない僕が、せめてこの任務をこなせれば、
ちょっとでも自分が必要とされて、存在した意味を残せるんじゃないか。
IS学園には、そんな縋るような思いでやってきたのだ。
◆
「シャルル・デュノアです。フランスから来ました」
無難に自己紹介を済ませる。周りを見れば、3人目の男性操縦者の登場にざわついていた。
ーーー実際は普通に女なんだけど。というのは勿論口には出さない。
その後女性から凄い歓声が上がるが、織斑先生が一喝し静かになる。
「今日は2組と合同でIS実習を行う。各人はすぐに着替えて第2グランドに集合するように」
織斑先生の声に従い、皆が準備を始める。
そんな中、彼が先生から指名され僕の面倒をみるように言われていた。
後で彼に聞いたところ、一夏だとグイグイ距離を詰めてくるので困惑させるだろうからという織斑先生の配慮だったらしい。
彼は了承して、僕に挨拶もそこそこに女子が着替え始めるからと移動を促す。
「うん、わかった。よろしくね」
途中、他クラスの人や上級生が道を塞いできたが、彼が必死に説得し何とか切り抜け更衣室に辿り着いた。
「おお、遅かったな。もしかしてそっちも女子に囲まれたか?」
そう言いながら先に更衣室に着いていた織斑一夏が話しかけてきた。
3人揃い先程出来なかった挨拶をし、お互い名前呼びを許したところで時間が迫っていることに気付く。
「うっわ、時間ヤバいな。すぐに着替えちまおうぜ!」
そう言って一気に服を脱ぎ、上半身裸になる一夏。
突然の同世代の男の裸に驚いて声が出てしまい、恥ずかしさから後ろを向く。
「早く着替えないと遅れるぞ?うちの担任は、そりゃあ時間にうるさい人で」
「う、うん。着替えるよ?でも、その…あっち向いてて」
そんな僕の様子に彼は何か気付いたような顔をして、一夏に耳打ちすると納得したように一夏が頷いた。
「おう、わかった。あっち向いてるから、着替え急げよ?」
そう言って一夏と彼は反対側を向いてくれた。それに安心しつつ僕は服を脱ぐ。
ISスーツは既に着ているため、服を脱ぐだけでいいのだが流石に男の子の前で服を脱ぐのは抵抗がある。
手早く制服を脱いでISスーツ姿になる。胸は中に着込むローテクで圧縮して分からないようにしているが、
これがかなり締め付けられるため結構キツい。
その後、着替え終えた2人にISスーツ姿を見られても女だと疑われた様子もなく、
僕は男子グループに上手く混ざって合同実習に向かう事が出来た。
◆
合同実習は一夏のラッキースケベとお姫様抱っこ以外は特に問題なく終わり、お昼休みに入る。
彼と僕は一夏に誘われ一緒にご飯を食べる事にしたのだが、
そこにはイギリスと中国の代表候補生に加え、ISの生みの親である篠ノ之束博士の妹である篠ノ之箒。
自分もフランス代表候補生であるが、やはりどの国も男で唯一のIS操縦者に近付くように言われているのだろうか。
ただ彼を見ると一夏を見て、やれやれと言いそうな顔をしていた。
「…どういう事だ」
「大勢で食った方が良いだろ?それにシャルルは今日転入してきたばかりだしな」
どうやら篠ノ之さんが一夏だけをお昼に誘ったのに、一夏はみんなに声をかけてしまったようだ。
「えっと、本当に僕が同席して良かったのかな?」
僕の問に彼がある意味いつもの事だからシャルルは気にしなくて大丈夫、箒には後で自分がフォローしておくから、
と言って気遣ってくれた。
「ありがとう、キミは優しいね」
僕がそう言ってお礼を言うと、彼は少し固まったようにこちらを見た後顔を逸らしながら、普通だよ、と言った。
その硬直に少し違和感を感じたが、一夏の周りが騒がしくなりそちらに意識が向いた。
見れば一夏に向かって3人がそれぞれ自分の手料理を食べさせようと躍起になっており、
そんな慌ただしくも楽しいお昼休みはあっという間に過ぎ去った。
◆
今日の授業が全て終わり、彼に案内され部屋に向かう。
どうやら僕は彼と同室みたいで理由は多分、面倒見るように言われたものと同じだろう。
彼は部屋に着くと改めてよろしくと言ってくれた。
「うん、これからよろしく。それから、今日は色々ありがとう」
初日から彼には助けられてばかりだと改めて思う。
女生徒に囲まれた時もそうだし、着替えの時も、と考えてーーー
「そう言えば、着替えの時って一夏になんて言ったの?」
疑問に思ってつい自分が突っつかれると痛いことを聞いてしまった。
僕の言葉に彼は少し言いづらそうにしたが、
身体を見られたくない、例えば火傷の痕があるみたいな事情があるかもしれないから踏み込まないようにと一夏に言ったそうだ。
「そ、そうだったんだ…その、ありがとう」
お礼を言った僕に彼はむしろ勝手に想像して不躾なことを言ってしまって申し訳ないと謝ってきた。
その言葉に僕は女である事を黙っていることに胸が傷んだ。
「き、気にしないで!その、事情はあるんだけど、そんな重いものじゃないから!本当に!」
そう聞くと彼は安心したようで表情が柔らかくなり、
僕へのお礼と念のため僕がシャワーを浴びている時は浴室に入らないようにすると言ってくれた。
浴室に入らないようにする、それだけの事なのに僕にとってその気遣いはとても嬉しいものだった。
今日1日彼の優しさにふれたのをきっかけに、彼を知りたい、仲良くなりたいと思うようになったんだと思う。
そして、これから数日後に起こるあの出来事で、僕と彼の関係は大きく動いて行くことになったんだ。
読んで頂きありがとうございます。
ランキング記載や評価赤バー等、大変嬉しく思います。
これからも不定期ではありますが、更新していきますのでよろしくお願い致します。
シャルの心の準備が……
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出来た(R-18作成)
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まだ出来てない(本作のみ)