ウマ娘×仮面ライダー 作:名無し
どよめくレース場の観客席の中心で、男が一人、天を指して言う
天道「…おばあちゃんが言っていた、世の中で覚えておかなければならない名前は二つ。
天の道を往き、総てを司る男…天道総司、そして春に咲く麗かな少女、ハルウララ」
今日のレースは、全てが狂った
今まで芝を走って成績を残せなかったウマ娘が
決して強いとは言われなかったウマ娘が
すべてを差し切ったのだから
観客も、記者も、周りのトレーナーもウマ娘も、みんな、呆気に取られることしかできなかった
ウララ「やったね!トレーナー!」
天道「ああ、みんな見るべき相手を見誤っていた…最初からウララを見ていれば、ああはならなかった」
ウララ「ねえねえトレーナー!帰ったらパーティしよ!」
天道「ああ」
両手に大量のお土産の紙袋をぶら下げ、笑顔で歩く少女
かつてと同じだ、かつて、笑顔を曇らせ、たくさんの荷物を抱え、悩んでいた少女が、こんなにも笑っている
天道「荷物は、重くないか?」
ウララ「荷物?…んーん!これは荷物じゃなくておみやげだから!…荷物は、もう持ってないよ!」
少女はすでに荷物を捨てた
旅の終わりは遠い遠い先にある、重い荷物は捨てて、手ぶらにのんびりと、歩く事を楽しむ
ハルウララがした事はそれだけだった
ただ、荷物を捨てただけ
本来のハルウララを引き出しただけ
誰かがこう言った、「何をした、何をしたらそうなった」
天道「おばあちゃんが言っていた… 美味い料理と美しい人は余計な装飾をしない…強い人もな。」
…ハルウララは強い
矢車「天道ォ…お前かァ……!」
天道「なんだ、矢車」
矢車「…お前がライスシャワーを…」
天道「俺には関係のない事だ」
矢車「……一つだけ聞かせろ…ライスシャワーは…」
天道「おばあちゃんが言っていた…本物を知るものは、偽物には騙されない。と…
お前は本物のライスシャワーを見たこともないのか?それとも、喜びのあまり目を疑ったか」
矢車「…黙れ…!」
矢車がホッパーゼクターを掴む
天道「おばあちゃんが言っていた、強さにゴールはない。
俺達はさらに強くなる、いつまでも、どこまでもな。
…文句があるなら有馬記念に来い相手をしてやる。」
矢車「あァ…」
カフェテリアの端から2人が視線を向ける
ライス「それでね…お兄様と一緒にまたレースに出られるの!」
ウララ「そうなんだ!すごいねー!」
ライス「うん…!
…でもね、ライスは…ウララちゃんが相手でも、負けないよ」
ウララ「うん!負けないよー!…あ!そうだ!トレーナーが言ってたんだけどね…戦いはヘソでするもの、なんだって!」
ライス「おヘソ?」
ウララ「うん、意味はー…よくわかんない!」
ライス「そっか…ふふふ」
矢車「ライス、行くぞ」
ライス「うん、お兄様」
天道「矢車。
…おばあちゃんが言っていた、美味しい物を食べるのは楽しいが、一番楽しいのはそれを待っている間だ。と…。」
矢車「……ライス、わかったな」
ライス「うん…!」
ウララ「トレーナー、どういう意味?」
天道「…楽しいのは、今からだ、という事だ。」
加賀美「おい、天道!聞いたぞ、有馬記念に出るんだって?」
天道「ああ」
加賀美「…だとしたら、俺たちも負けない」
天道「… 俺達の進化は光より早い。全宇宙の何者も俺達の進化にはついて来れない。」
加賀美「クロックアップしてでも食らいついてやる…!」
天道「やってみればいい」