ウマ娘×仮面ライダー   作:名無し

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エアシャカール×桐生戦兎⑶

 

それぞれがゲートに入り、出走の時を待つ

 

テイオー「あ、マックイーンそれ何!?ピンクのやつ!」

 

マック「カメラですわ、それと、ピンクではなくマゼンタらしいですわ……って、貴方、その帽子は?」

 

テイオー「油断してたから盗って来ちゃった!にひひ、似合う?似合うでしょ?」

帽子が似合うと一流なんだよ!」

 

マック「もう…後で怒られても知りませんわよ…あら?」

 

タイシン(…なんでこんなレース受けたんだろ…。

面倒な相手ばっかだし、手の内晒すみたいで癪…でもやるからには負けない)

 

ルドルフ(模擬レース、しかしそれぞれが名を残したウマ娘で、油断すれば負けかねない…。

少々リスキーだったが、皇帝としてはこの勝負は外せない…)

 

デジタル(ああぁぁぁぁ…こんなに有名なウマ娘ちゃん達と走れるなんて…幸せが…尊みが凄い…)

 

タイシン(…今のアタシ、負ける気しないし)

 

ルドルフ(大義の為に、勝たせてもらおう)

 

デジタル(心火を燃やして…オタ道を突っ走りましょう!)

 

マック「あちらも気合い十分な様ですね」

 

テイオー「…てゆーか、カイチョーのシャツダサいよね」

 

ルドルフ(ダサッ…!?…いや、まだ子供のテイオーにこのセンスを理解するのは難し過ぎるのか……。

私も歩み寄るべきなのかもしれないな…例の服で。)

 

タンホイザ「頑張るぞ〜、えいえいむん!」

 

ネイチャ「気合い入ってるね〜、タンホイザ…ところで、トレーナーとの繋がりの証とやらは?」

 

タンホイザ「え?なにそれ聞いてない!」

 

ネイチャ「だよね〜、出走30分前に言われてもね〜」

 

タンホイザ「ね〜……あれ?…あの…ネイチャ…?」

 

ネイチャ「ん〜?」

 

タンホイザ「…その腰の辺りにしがみついてる子、何?サソリ…?」

 

ネイチャ「…あー……その、なんか貸してくれたから…ペットロボ的なやつみたいだけど…?」

 

タンホイザ「へー…じゃあわたしもクモさん!」

 

アヤベ「……貴方は、ベルトを?」

 

カフェ「ええ、居ない間に使われないようにと思って…そちらはカードを?」

 

アヤベ「これがなければ変身できないから…」

 

スズカ(…ジャケットを着るのを正当化する為に嘘をついちゃったけど…なんだかとんでもないことに……)

 

 

 

シャカール「…なあ、なンかスズカ顔色悪くねェか?」

 

戦兎「いや、遠すぎて見えないでしょ」

 

タキオン「そんな事より、もう始まりそうだ…もう少し集中して見たまえよ?」

 

シャカール「っ、アグネスタキオン!?」

 

タキオン「ああ、アグネスタキオンさ、どうかしたかい?」

 

シャカール(…そういや、走るメンツにこいつは居ねェ…観る側で研究する為に出走を避けたのか…!)

 

タキオン「ところで、キミの完璧でお利口な機械は…誰が勝つと予測したのか気になるんだが…聞いても良いかい?」

 

シャカール「……シンボリルドルフ」

 

タキオン「…ククッ…!……ならわたしも予言しよう、サイレンススズカ、今日は彼女の日だよ」

 

シャカール「…あ?……テメェもParcae(パルカイ)の精度はわかってンだろ、なんでそんな…」

 

タキオン「この世に可能性が存在しないなんて、私は認めない…。

確かに確実なデータを元にした予測なんだろう、だが!……走る前から決められてたまるか」

 

シャカール「…“執着”してやがんのか、ガラスの脚…!

可能性なんてクソつまんねェモンに!」

 

タキオン「いくら研究を共有し合う友達だとしても、口が過ぎるとは思わないかい?

…キミの機械では今日の結果を到底予測できないだろう…秋天は覚えているだろう?

私とキミが押し上げたサイレンススズカの勝利、それが今日もう一度見られる」

 

シャカール「ふざけンな!あンな出鱈目な事もう起きやしねェ!!」

 

タキオン「見ていればわかるさ」

 

 

 

 

ゲートが開き、一斉にスタートが切られる

そしてこの場の全員の予想通り、サイレンススズカの大逃げ…

ただ、想定外の事態は…

 

タイシン「ッ…!多…!」

 

デジタル(これは…!)

 

ルドルフ(…やはりな、これを逃れるのは至難の業か…)

 

中からやや後方に固まったウマ娘達…

思うようにスピードを出せず、前への道も塞がれ…

 

タイシン(差し策とってるヤツ多すぎ……って…!)

 

アヤベ(前のをかわすだけでも手が掛かるのに、ここにももう1人…!)

 

ルドルフ(あの2人は追い込みをかけるつもりか…。

だが、普段通りの走りをするはずが、他の追い込みが現れて位置取りに手を焼いている…。

特にその道の手練れ同士、やりにくいだろうな)

 

デジタル(あ〜!普段見れない組み合わせでバチバチのウマ娘ちゃん…!アガる〜〜!!!)

 

スズカ(……)

 

 

 

シャカール「…Parcaeの予想通りだ、この先頭が好きに走って伸び切った隊列」

 

タキオン「そしてそれを崩すのはやや後方に位置取っているシンボリルドルフ、正しい予測だが」

 

 

 

タイシン(…今仕掛けるのは早いのはわかってる、でも距離は2000!

少し速いくらいのペースなら全然走れる距離!このまま上げて全員撫で斬りにしてやる!)

 

アヤベ(…逃がさない!)

 

ルドルフ(後ろが上げて来たか!…不味い、周りもスピードを上げて…このままでは埋もれる…一度抜け出すしかないか!)

 

シンボリルドルフが大きく外に出てから速度を上げ始める

 

マック(…コーナー前で逃げを捕まえる…)

 

テイオー(よし、そろそろ…!)

 

スズカ(…あ…先頭の景色が…)

 

 

 

 

シャカール(コーナー前で捕まった…!追い抜かれるのも時間の問題…)

 

タキオン「思ったより速いところで追いつかれたか…コーナーから逃げ切るのは…いや、それより…間に合う、か…?」

 

 

 

 

ルドルフ「…捉えた」

 

スズカ「ッ!」

 

テイオー「あーっ!?」

 

マック(差しがもうここまで!?)  

 

レース中盤の時点で差しが先頭集団に並ぶ

 

 

 

シャカール(シンボリルドルフ…!このタイミングで追いつくのか!)

 

タキオン(…普通ならあそこで追い抜くなんて事はしない…!仕掛けるタイミングを普段と大きく変えて意表を突き、レース全体の流れを掴みにいったか…!

あの一瞬で全体の動きをコントロールした辺り、さすがとしかいえないが…コーナーを抜けた瞬間後続が続くことを考えると…まだ間に合う…!)

 

 

 

 

普段ならまだ追う側だった筈の先行が追い抜かされることでレースのペースが大きく崩れ出す

もはや逃げも先行も差しも、追い込みすらもまとまった団子状態、追い上げてきたウマ娘がどんどんと前に出ていく

 

タイシン(ッ…!…追いつけ…!)

 

スズカ「……青…!」

 

タイシンがスズカを追い越そうとした瞬間、スズカのスピードが上がる

 

タイシン(!…チビに負けたくないって事…?

舐めんな…!大人しく……) 

 

タイシン「沈んでて!!」

 

両者スピードをグングンと上げ、最終直線に入る

 

タイシン(あと少し!あと少し、絶対に負けない!!)

 

スズカ(……この子かと思ったけど、違う…!

…もっと…!この子じゃない!あの背中に追いつきたい…!絶対に、追いつきたい…!)

 

スズカとタイシンがルドルフに迫る

 

ルドルフ(…ッ…!……マズイ…!)

 

 

 

 

シャカール「なっ…!」

 

タキオン「ククク…!やっぱり来ると思ってたよ…!」

 

 

ゴール板を過ぎ、その拳を上げたのは…

サイレンススズカだった

 

 

シャカール(…あり得ねえ…あそこで集団に呑まれてから再加速、挙句…あの数字……レコードまで超えやがった…?

何故だ?あの局面で何が起きた?…何が違う…?…オレと…)

 

タキオン「オレと、何が違う…そう言いたげだねぇ…?」

 

シャカール「ッ…!」

 

タキオン「その機械が負けを予言した事も含めて概ねはキミと同じさ、彼女は……ただ一つ違うところがある、とするならば…」

 

戦兎「素直かどうか」

 

シャカール「あァ!?」

 

タキオン「クククッ、そうさ!その通りだよ!」

 

シャカール「…何だと…?」

 

タキオン「自分の“執着”する対象に何処まで素直になれるか…自身のリミッターを外すことが出来るのは自分のみ、わかっているんだろう?

キミの機械を越えるには、キミ自身が最大の壁となっていることくらい!」

 

シャカール「ッ……チッ…!」

 

シャカールが背を向け、その場を去ろうとする

 

タキオン「待ちたまえ!…ひとつ言い忘れていた…。

今日私がここに来たのは、データ収集でも、勝てそうにないキミの世話を焼きに来たわけでもない、挨拶に来たんだ」

 

シャカール「…何だと?」

 

タキオン「…今年の三冠ウマ娘の座、私のモノとさせてもらおうと思ってね、せっかく会えるのなら一言挨拶をと思ったんだ」

 

シャカール「…そんなガラじゃねェだろ」

 

タキオン「ああ、私もそう思うしやめておこうと思った。

が、やはり言っておかなくては気が済まなくなった、その死んだ目を見てはね」

 

シャカール「……クソッ…!」

 

 

 

 

 

 

シャカール(…オレの…Parcaeが間違った?

ならあの7センチは?…怪我さえしなければ存在しなかった?

オレは7センチ差なんて存在せず、勝ったかも負けたかもしれなかった?

…なら、どうすれば良かったんだ?オレは……!)

 

どうしようもなかった

絶対が目の前で崩れたのだから、盲目的に従い、信奉してきたそれが突き崩されたのだから

だから仕方ない、このムシャクシャが行き場が無くて、どうしようもないことも、もう、何もやりたくないのも

 

スズカ「シャカール」

 

シャカール「……何、しに来やがった…。

…ああ、そうか…お前の中では「御礼」だったな?…チッ……クソッ!!最高のお礼だよチクショウ!」

 

拳を壁に叩きつける

爪が皮膚に食い込み、わずかに血が滲み出す

 

スズカ「…貴方を助けられるのは私じゃないのね」

 

シャカール「あァ!?」

 

スズカ「そうよね、私はヒーローじゃないもの…」

 

シャカール「何言ってやがンだ」

 

スズカ「貴方も、いつも通りに「数字大好き」って思いながら…パソコンに向かっていれば良いと思う。

私も…私は今も、(ターフ)大好きって言いながら走ってるから」

 

そう言ってスズカは少し笑って去って行った

その意味はあまりに難解で…ヒートアップした頭には読み込めなくて…

 

シャカール「……クソッ…」

 

ただ、頭のディスクの回転は急速に落ち込んで…

考える気力すらも、手からこぼれ落ちて行った…

 

 

 

 

スズカ「……!…待ってたの…?」

 

タキオン「やあ、キミが勝ってくれて良かった」

 

スズカ「私も、貴方にも、このレースを見せられて良かった」

 

タキオン「…そうだ、キミがこのレースを礼だと言うなら…。

一つ質問がしたい、あの加速の理由が知りたいんだ、何故、スタミナがギリギリなあそこからトップスピードを超えた加速ができたのか?

理由は概ね予想はついているが…」

 

スズカ「それは、隣に来た子が…青かったから」

 

タキオン「前に言っていた、青いメタリックな誰か…か…。

やっぱりそうか、ククク…!確かめられて良かった、今日のレース、リスクこそあったが最高の実験だった!

あとは…エアシャカール次第…と言ったところかな?」

 

スズカ「…何をしようとしているの…?」

 

タキオン「簡単な事さ…!私はウマ娘の到達点が見たい!…楽しみだ、実に…ククッ…!」

 

スズカ「…マッドなのね…」

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