ウマ娘×仮面ライダー 作:名無し
……ん?違う?…何?あらすじ紹介?
オイオイ話が違うじゃないか、私は研究データをだね………はあ、仕方ない。
エアシャカールが絶対の信頼を置く自作ソフト、
まあつまりこれはレースセンス、実績等を総合的に考えて……ん?そは長くなるから解説するな?
…あー!そこまでいうならキミがやりたまえよ!
内海「…仕方ない、では。
Parcaeの予想に反し、レースに勝利したのはサイレンススズカ、Parcaeが5位だと予想した彼女の勝利をエアシャカールは今まで積み上げてきたデータの否定と捉え、絶望する。
そしてそれとは対照的にアグネスタキオンは自身の実験の進歩を確信し、1人笑うのだった…。」
……まるで私が悪役みたいだが?
まあ、それは第33話で訂正するとしよう
シャカール「…オレが産まれたのは北海道の産婦人科だ、[計測不能][計測不能]のまあまあ元気な赤ん坊で………ッて!
なんで生い立ちから話さなきャなンねェンだよ!!」
戦兎「ああ!何すんだよ!折角スライドショー作ったのに!
折角幼少期から気難しい性格で、学校の先生に頭を開いて中を見てみたいと言われた所とかちゃんと図解も…」
シャカール「グロいわ!しかもこの話すンの2回目だぞ!1回話してやったンだからもう満足しやがれ!!」
戦兎「ったく…お互いを理解する為には必要な行程でしょうが…」
シャカール「ならもっと早くやれよ!
ってか自称天才物理学者の馬鹿とつるむのはもうヤメだ!オレはもう走らねェ!!」
戦兎「…本っ当にそれで良いのか?」
シャカール「…当たり前だろ、自分で決めたンだ」
戦兎「そうか、なら俺は止めない」
戦兎がテキパキと広げたパソコンや私物をまとめ始める
シャカール「……あ?」
戦兎「もう走る気が無くなったんだろ?なら俺に選ぶ権利も止める理由もない」
シャカール「……チッ…」
シャカール(そうだろうな、オレも馬鹿な夢を見るのはもうヤメだ、オレにはオレの立ち位置がある。
…悔しいとか、そんなのは…ロジカルじゃねェ…。
にしても、こいつも案外ドライだな)
それから少しして、エアシャカールの怪我は癒えた。
しかし、走ろうという気持ちはもう湧かなかった。
他の何かに対する欲求も、期待も
シャカール(…ダメだ、どれもこれもなンか上手くいかねェ…。
スランプってヤツか…?
そういや走るのもヤメた訳だし、転校の手続きとかそろそろ考えとかねェとな…今後の事も…)
走るのを辞めたウマ娘がここにいる意味はない。
進むべき道を進む為、その為になる進路を選ぶ…。
シャカール(……無ェな…やりたい事…
適当にシステムエンジニアにでもなって…適当に生きて……)
Parcaeをも産み出せたのだから、自身の腕は間違いなく一級品。
何処へでもいけるし、何となくでも生きていける…と、思ったが…。
シャカール(…Parcae…失敗作…になンのか?
…データの価値は無くなったしな……でも…)
自身の中で、Parcaeという存在がトラウマになっている事は気づいていた。
可能性の介入の余地のない、完璧なシステムのはずだったそれが、1回の敗北でトラウマになった…。
わかっている、確実で完璧なものなんて存在しないことくらい
わかっている、いつかは踏んだ可能性の話くらい
…それでも尚データは更新し続けている、だが、疑う。
もし打ち込んで結果が出ても…心の中で疑い続ける、何よりも、誰よりも信頼していたそれを常に、ずっと疑い続ける。
もはやそれを払拭するなんて事は不可能だ。
一つが間違った所為で、Parcaeの全てを疑い続ける。
だから考える、考えるのはやめられない、やめてしまえば…それこそ終わる、考えるのはやめない
シャカール(…クソ………ッ?)
シャカール「…ここは……チッ、またか…悪いクセが抜けねェ…」
いつの間にか…トレーニング用のコースの前に来ていた
もう来る必要なんてない、そうわかっていても、データ集めの為に来ていた癖で何度も…
シャカール(……誰か来る?…アァ、アイツらか)
タキオン「ああ、そこのレースについてはキャンセルしておいてくれたまえ、それよりも蹄鉄の方を頼むよ。
それと皐月賞へのプランだが…。」
内海「スケジュールには合わせます」
タキオン「当然だとも……おや?」
シャカール「…チッ」
踵を返してコースを去ろうとする
タキオン「ククッ…流石に対戦相手の前でトレーニングはできないかい?」
シャカール「オレは降りる、もう走るつもりは無ェ」
タキオン「ほう…そうかそうか、君は何も成さずにここを去り、これから先も成す事はできないと言うワケだ。」
シャカール「…ンだと?」
タキオン「ロジカルでロマンチストなキミ的に言うならば…たった今、モルタがキミの運命の糸を切った。
いや、モルタはキミ自身かな?ククク…おかげでライバルが減った、実に重畳だよ」
シャカール「………」
…言葉が出てこなかった
ただ呆然とその言葉を聞いてしまった
運命の三女神を意味するParcae、そしてそのひと柱、未来、運命の糸を切る…つまり死を意味する女神モルタ
そうか、この可能性を信じたガラスの脚にはオレがそう見えるワケだ
自身の運命の糸を切る、滑稽な存在に…
このウマ娘は今、か細い糸に縋り付く自分と違い、足掻く事をやめた愚かなウマ娘を今、見下しているのだ。
タキオン「おっと、流石に理解できたかい?
キミのその固い頭でも…いや、最早言葉を取り繕う方が愚かだな、良いか、よく聞きたまえエアシャカール。
これは宣戦布告だ、キミのそのふざけた運命とやらを私が握りつぶす、踏み砕いて薬品でドロドロに溶かしてやる!
私に火をつけた以上は逃しはしない、皐月賞で蹴りをつけようじゃないか」
シャカール「うるせェ…オレはもう!」
タキオン「聞こえないな!いや、聞こえていようが関係ない、キミを逃げられないようにする手段はいくらでもある。
だから、キミは出てくるしかないんだよ」
シャカール「ッ…!」
そういってアグネスタキオンはコースの方へと去っていった
タキオン「ククク…我ながら、少し悪役が過ぎたかもしれないねぇ…?
まあ、私の実験のためだ、精々良いモルモットになってくれる事を期待しているよ。」
内海「果たして出てくるでしょうか」
タキオン「出てくる、間違い無くね。
出てこなければ彼女は永遠にノイズに呑み込まれる、だがそもそもの話、ウマ娘はそのうちにある本能を抑えられない。
だからこの策に乗った」
タキオンが書類を差し出す
タキオン「これでキミの願いは叶えた、約束は果たしてもらうぞ、桐生戦兎」
戦兎「…ああ、シャカールは必ず皐月賞に出走させる…そして、勝つ」
内海「残念だがそれは不可能だ、皐月賞へ向けてのプランは完璧だからな。
その場凌ぎでレースに戻したところで勝てるわけがない」
戦兎「…それは、まだ証明されていない」
タキオン「まあ焦ることは無い、それよりも桐生戦兎、君はエアシャカールについて理解しているのかい?」
戦兎「…幼少期から地頭の良さが仇となり孤立、周りにも理解され難い性格で孤独に今までを過ごしてきた。
…シャカールの理解者は自分の手で作り出したParcaeのみ…それは、決して嘘を吐かない、絶対に信頼できる存在だったから」
タキオン「そうだとも、確かにそうだろう。
だから今、彼女は疲れ始めている。
元々が思考放棄でしかなかったんだ、無限にある可能性の中から一番濃いセンを辿るなんてズルをして居たのでは…ねェ?
いざと言うとき、全てを信じられず、道を見失う、考え続けるのに疲れて脚を止めてしまう…」
戦兎「……それでも導くのが、シャカールの道を創るのが俺の役目だ」
タキオン「果たしてそれができていると言えるのかい?」
戦兎「これから創る」
タキオン「ククク…なら楽しみにしているさ、行くよ、トレーナー君」
内海「ええ……桐生戦兎、やり方がスターク…いや、エボルト沁みてきたな」
戦兎「……そりゃ、着想はそこからだし…」
シャカール「……」
アグネスタキオンの宣戦布告から1日、それだけあれば、自身のデータ、そして向こうのデータ
互いの実力や状況などから結果を予測する事くらい簡単にできた
確かめたいからコースも何度か走った
シャカール「…チッ」
周りの奴らの目が痛かった
元々嫌われ者の部類の事もあり、明らかに遅い今のオレを見る目は冷ややかなモノばかりだった
ノイズがうるさい…
…アグネスタキオンの声が頭で響く
モルタが運命の糸を切った。
周りの誰もがそう言っているように聞こえる
…ノイズが、響く…
シャカール(…必要なデータは取ったんだ、こんなとこに長居しなくて良い)
Parcaeは…
シャカール「…そこまでバグってねェよな…」
頭の中をノイズが埋め尽くしそうだ
シャカール「チッ…ダメか」
Parcaeは出走不可能を予測した
G1に出走したい、だがそう言って数少ない枠に入るには実績がいる
今のオレにとことん足りないそれが
自身の勝利を信じてくれるモノはどこにも存在しない
皐月を走るのは…無理だ、とことん無理だ
例え走っても、赤っ恥をかいて…これからの余生を肩身を狭い思いをしながら生きなくてはならない…
シャカール(…逃さねェ…か、なにしやがるつもりなンだ?アイツ…。
……ん…?……なんだ、なんで…)
自身の携帯にメッセージが届く
そしてそれを確認するや否や、脚は動き出していた
いつも使っていたトレーナー室の前で足を止め、なんでもなくため息をつく
…もう一度この部屋に入るとは思わなかったが
意を決して戸を開く
戦兎「よう、これ、担当契約解約用の書類だ、書いたら帰っても良い」
シャカール「……そうか」
…心は失望に包まれた
その時になって理解したが、期待していたのだろう
Parcaeにも、この桐生戦兎にも、縋れるモノなンでも縋りたいほど…追い詰められていたのにようやく気づいた
ぼんやりと机の上に置かれた書類を見る
シャカール(……これにサインすれば…全て終わるのか…)
ふと戦兎の方を向くと…こっちを向いてニタニタと笑っていた
戦兎「Parcaeが皐月賞に出られないって言ったんだろ?」
シャカール「…何がおかしいンだよ」
戦兎「…まだわかってない様だな…いいか?
挫折したお前も、更新を止めたParcaeももうその時点で終わったんだ、そりゃ出られるわけない。
大体、いつかParcaeの予測は外れたんだ。
だからお前はそのいつかを迎えただけにすぎない…。
それに、Parcaeの予測を覆そうとしてたのはお前自身だ、本当にParcaeが完璧で覆らないと思ってたのか?
だとしたら能天気にも程がある。」
シャカール「…っ…」
戦兎「お前が皐月賞に出ないのは勝手だ、でもそうなった場合誰が一番苦しむと思う?
シャカール、お前自身だ。
お前は模擬レースの一件でParcaeへの信頼を失った、そして自分の積み上げたデータの崩壊を恐れている。
取れるはずだった二冠も本当に取れたのかわからなくなった。
でもアグネスタキオンはお前を逃そうとしていない、お前に対してのライバル宣言をした。」
シャカール「っ!?」
戦兎「タキオンは注目の新人として数えられている、もし出走自体を辞めたとすればマスコミはよってたかってお前を責めるだろう
二度とノイズから逃れられない程に」
シャカール(タキオンの奴…クソッ…!!)
戦兎「お前が走るしかないんだよ!
お前にもわかってるはずだ!だから何かを期待してここに来たんだろ!」
シャカール「…うるせェェッ!!」
シャカールが机を叩き割る
シャカール「…どうすりゃいい…!
……どうすりゃいいンだよ!!」
うずくまり、吐露する
戦兎「お前が皐月賞で勝てば良い」
シャカール「…無理だ……無理だ…!」
戦兎「負けて完全に壊れるのが怖いか?安心しろ、勝つ方法はある。
アグネスタキオンの所から拝借してきたデータと難波重工の蹄鉄だ、お前の出走を条件に貰ってきた、ご丁寧に…他の出走候補ウマ娘のデータもな。
…これだけあれば、皐月賞までに完全に仕上げればアグネスタキオンにだって勝てるかもしれない。」
シャカール「……っ…」
戦兎「…何を躊躇ってる!お前には見返したい奴が山ほど居るんじゃなかったのか?自分の力を証明するんじゃなかったのか?
それとも全部嘘だったのか!!」
シャカール「…勝てる未来すら見えねェのに…やるしかねェのかよ…!」
戦兎がシャカールの鞄からパソコンを取り出し、USBメモリを挿し込む
シャカール「…何やってンだ………オイ!まさか!」
戦兎「Parcaeに新しいデータを入れて、創り変える」
シャカール「お前が何のデータを入れる気かしらねェケド…!どうしたいんだよ!」
戦兎「
シャカール「…Moirai……」
戦兎が画面をオレに向け、パソコンを差し出す
画面に映し出された[Are you ready?]の文字
承認すればParcaeはMoiraiへと……変身、するのだろう
そして、オレ自身も……新たなステージへ向かわなくてはならなくなる
シャカール「ビルドアップ、てトコだな」
戦兎「…最っ高だ!」