ウマ娘×仮面ライダー   作:名無し

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前回のあらすじか…
皐月賞に挑み、敗れたアグネスタキオン、そして勝利したエアシャカール。
2人の対照的な結果と同様に、ダービーへと向けた感情もまた、対照的だった。

んー…しかし、次はどんな戦法を取ってくるか予想はしておかないとねぇ…如何せん、レースの流れには左右されるものだ

内海「恐らく前回の皐月終盤で見せた追い込みが本来のスタイル、それを通してくるのが1番考えやすい可能性ですが」

私もそう想うが…ダービーコースは登り坂がある
それにスタート地点が直線の中、そして距離も伸びることからスタミナを鍛え続けて皐月賞に臨んだらしい彼女にとっては同じ手を使える格好の場ではある

内海「相手がどんな手を使ってくるのかは、35話で予想するとしましょう」





アグネスタキオン×内海成彰⑶

 

 

シャカール「……だーーッ!クソッ!」

 

タキオン「随分荒れてるねぇ…少しは落ち着きたまえ、トレーナー君、サバラガムワをシャカール君に」

 

内海「わかりました」

 

シャカール「要らねえよ!つーかなんでオレらの打ち合わせで取ってる部屋にお前らがいるンだよ!

オイ戦兎!どうなってンだよ!」

 

戦兎「いや、知らない…」

 

タキオン「学園内の施設なら理事長やら生徒会長のような権限を持つ相手を捕まえればどうにかなるものさ」

 

シャカール「…なんて誑かしたか知らねえが、何のつもりだ」

 

タキオン「別に?大したことはないさ、強いて言えば…君が次のダービーに向けてどんな作戦を…」

 

シャカール「めちゃくちゃ重要事項じゃねえか!帰れ!」

 

タキオン「アッハッハッハ!冗談だよ、その調子なら問題なさそうだ」

 

シャカール「あァ?」

 

タキオン「前回のウイニングライブでかなり応えたんじゃないかと思ってね、あんなふうにレースを乱されたせいで…君のウイニングライブに出たくないなんて拒絶されて…結局私と2人きりでライブをしたのを忘れたのかい?」

 

シャカール「あァ、忘れたな、そんなつまンねえ思い出」

 

タキオン「てっきりあの批判の嵐で精神的に参ったかと思っていたが…」

 

シャカール「言わなかったか?もうノイズなんて聴こえねェンだよ、そんなつまンねェモン聞いてる程暇じゃねェからな」

 

タキオン「そうだったねェ、2人で歌ったばかりだった、ノイズ全てを断ち切って往くだとか、明日をこの手で作るとか…色々とねぇ!」

 

シャカール「チッ…何で負けた側のが元気良いンだよ…」

 

タキオン「さて、行こうか!トレーナー君、ダービーを勝つためにね」

 

シャカール「ハッ…好きに言ってろ」

 

戦兎「…結局何しにきたんだ…?」

 

シャカール「どうでもイイだろ、それより作戦会議始めようぜ…ア?」

 

ノックと同時に扉が開かれる

 

ファイン「ねえシャカール!美味しいラーメンのお店見つけたよ!トッピングにプロテインだって!」

 

シャカール「…帰れ!!」

 

 

 

 

タキオン「…さて、私の中では彼女に勝つのは実に容易い話だ。

前回の皐月賞だって、スピードはずっと勝っていた、動きも良好で、完璧なレースをできるはずだった。

しかし、それをスタミナをべらぼうに使った変な動きで全て崩されたのだから笑えないねぇ…だが、あんなバカな作戦に2度も引っ掛かるわけがない。」

 

内海「しかし、同じ手を使ってくるとは考えにくい…ですか」

 

タキオン「そうだとも、だが………そうか!」

 

タキオンの毛並みが逆立つ

 

内海「決まりましたか」

 

タキオン「クククッ…単純だが、もう作戦は決めたよ」

 

タキオンがダービーのコースの模型にコマを置く

 

タキオン「こうするんだ」

 

そのコマの進む道は…

 

内海「…なるほど、これなら誰も邪魔はできない…しかし、これは…」

 

タキオン「傲慢に見えるかい?それとも、危険?無謀?…はたまた…」

 

内海「……」

 

タキオン「基本的な力の差を見せつける、彼女にも成長してもらわなければならないからねぇ…」

 

内海「並び立つ者を、創り上げる…わかりました、それで行きましょう」

 

タキオン「上手くいけば…彼女の成長を促せる、それが私の成長につながる…が、まずは追うべき背中だ、練習のプランも完璧だ、さっそく捕まえに行こうじゃないか、彼女を」

 

 

 

 

シャカール「良いか?結局は奇策なんて2度3度は通じねえ、そうなると奇策を打ってくると思わせるしかねェ…」

 

戦兎「Moiraiの組んだプランは3つ、どれを選ぶかはシャカール、お前次第だ」

 

シャカール「ンなモンわかって…」

 

ファイン「へー、こっちはスタミナ重視で…こっちはパワーなんだね!シャカール!コレにしようよ!」

 

シャカール「…頼むから帰ってくれ…。

ダービーまではまだ多少時間がある、だが余裕かましてる暇はねェ、速さだけで言えば…間違いなくタキオンが上だ、それを叩き潰す手が必要だ」

 

ファイン「じゃあパワーで…」

 

シャカール「だからなンでお前が…ッ!」

 

戦兎「どうどう」

 

ファイン「んー…考えすぎのシャカールの代わりに決めてあげようと思ったのに」

 

シャカール「…揶揄って愉しんでるだけじゃねェの…?」

 

ファイン「そんな事ないよ!だって…この筋力を増強するメニューをたくさん頑張れば筋肉がつくでしょ?」

 

シャカール「あ、ああ…?そうだな…?」

 

ファイン「そうなるとね、普段の消費カロリーが増えるからラーメン食べても問題ないと思うの!」

 

シャカール「…っ……はぁー……」

 

戦兎「……」

 

ファイン「うーん…良いアイデアだと思ったのに…」

 

戦兎「いや…それだ!」

 

戦兎の髪の毛が逆立ち、叫ぶ

 

シャカール「うおっ…どうしたんだよ…」

 

戦兎「いくらアグネスタキオンが速いとしても、チャンスはある…!」

 

シャカール「おお…?」

 

 

 

 

 

タキオン「やあ、元気そうじゃないか、もうアップは済んでいるのかい?」

 

スズカ「…ええ…何?」

 

タキオン「今から走るんだろう?…なら私を手伝ってくれると嬉しいんだ、もちろん前の事の借りを、なんて言うつもりはない。

ちゃんと対価として…トレーナー君」

 

内海「難波重工がスポンサーとして契約します、最新の蹄鉄を常に供給し、より合った製品と環境を提供できます」

 

スズカ「…確かに良い条件だけど……何をすればいいの…?」

 

タキオン「追いかけっこ、いや、鬼ごっこさ」

 

スズカ「……鬼、ごっこ…?」

 

タキオン「君は私から逃げ続けるだけで…」

 

スズカ「やります」

 

タキオン「…話は最後まで…いや、いい、前を走れればそれで君は満足なんだろうし、だから君を選んだんだ…。

早速…始めようじゃないか」

 

 

 

 

シャカール「…ハ、はァ…ッ…クソッ…!ば、バカじゃ…ねェ、のか…!!インターバル走なんてもう何回も…ゴホッゴホッ!」

 

戦兎「ちゃんと息整えてから喋りなさいよ」

 

ファイン「シャカール〜!頑張って〜!」

 

シャカール「けほっ…はぁ…ッ…あと何本やれば良いんだよ!普段のトレーニングの倍以上走ってンだぞ!

オーバーワークにも程があるだろうが!」

 

戦兎「あと5本、それが終わったら柔軟だ」

 

シャカール「チッ……クソッ!それ以上はやらねェからな!!」

 

ファイン「わぁ…シャカールが素直に従うなんて…!」

 

戦兎「それだけ勝ちたいんだよ、アグネスタキオンに勝つには…藁にでも何にでも、縋るしかない」

 

シャカール(好き勝手良いやがって…だが…間違いなく今のオレじゃ勝ち目はない…けど、Moiraiの示した選択肢はオレが勝つ為の選択肢、オレはそれを信じる…)

 

シャカール「…ッしゃァ!2分経った!行くぞ!」

 

戦兎(…あとできる事は…坂、コーナー…駆け引き…)

 

ファイン「終わったらラーメンで超回復!だね!」

 

シャカール(…仕掛けるタイミング…絞らねェとな)

 

 

 

 

 

タキオン「……驚いたな、まさか、ここまでとは思わなかった。

同じコースを走り、タイムを比べても…同じ時間、同じような走りをし続けても、決してこうはならないと思っていた。」

 

タキオンがテーブルに置かれた紅茶を口に運ぶ

 

タキオン「…まさか、もう一度同じ屈辱を味わうとはね…。

いや、もはや屈辱も感じられなかった、30分間…一度も触れる事すら…アレは何なんだ…?最早同じウマ娘の領域を超えているんじゃないのか?

だとしたら…どうすれば“そこ”に行ける…?」

 

内海「サイレンススズカは、果てに最も近い…ですか」

 

タキオン「ああ、そうかもしれない、だが違うかもしれない。

……アレを超えるまで、果ては見られない…ククッ……実に面白い…!」

 

内海「…追いつけるでしょうか」

 

タキオン「同じ距離を走るタイム自体は大差がない、だから可能だ、私の肉体はまだ…タイムは伸びる。

いや、伸ばしてみせるさ…必ずね」

 

 

 

 

 

シャカール「よォ、仕上がりはどうだ?」

 

タキオン「上々さ、そちらも良好なようだ…む…?

君、流石にエチケット関係はしっかりしていると思っていたが…ニンニク臭い」

 

シャカール「…嘘だろ…ちゃんとブレスケアまでしてきたのに…」

 

タキオン「焼肉でも食べてきたのかい?前祝いとは随分景気がいい」

 

シャカール「違ェ!…断じて違う、クソ、あんなラーメン漬けにさえされてなけりゃ…」

 

タキオン(ああなるほど、多少不憫な理由があるらしい)

 

シャカール「……今日は、ダービーは…運のいいヤツが取る、か」

 

タキオン(強引に話題を変えに来た…)

 

タキオン「…まったく、今日の勝ちに運など絡んでたまるものか」

 

シャカール「あァ…全部必然だ…オレは、テメェに勝つ」

 

タキオン「楽しみにしているよ…クククッ…!」

 

シャカール(…今回ばかりは策も無え、真っ向からのぶつかり合いになるか)

 

タキオン(何一つ問題はない、私のペースで走るだけだ…意識する必要すらない)

 

シャカール/タキオン(この勝負は譲らない…!)

 

 

 

 

 

内海「そっちの仕上がりはどうだ、桐生戦兎」

 

戦兎「…言うまでも」

 

内海「こちらもだ」

 

戦兎「…じゃあ、今回はわからない…と?」

 

内海「いいや、明白だ…今回勝つのは、アグネスタキオンだからな」

 

 

 

 

 

 

シャカール(…内枠か…逃げが欲しいトコ潰せてるのは上々、タキオンは…15番外、アイツが前回みたいに差しでくるか、それとも他の作戦で来るのかはわからねェが…

あの位置なら早めに前に出るのは妨害とられるのが怖いだろうな)

 

タキオン(きっと、今色々考えているんだろう?

私のやり方を予想しているんだろう?…どんなふうに潰すか考えているんだろう…?

なら、私はそれを真正面から全て叩き潰す…!)

 

タキオン「っ…!?」

 

シャカール「……雨、か…!」

 

晴れていたはずなのに、急な雨…

出走直前に降り出し、そしてどんどん強まる…

 

タキオン(なるほどねェ…天運までもが彼女の味方というわけだ…。

だからどうした?…私は、この場の誰よりも……)

 

シャカール(バ場に影響が出る前に終わるか?…やるしかねェか!)

 

ゲートが開き、スタートが切られる

 

シャカール「!」

 

タキオン(私は!誰よりも速いんだッ!!!)

 

タキオンは、大外を真っ直ぐ、ただひたすらに真っ直ぐ駆け抜ける

直線を内に詰める素振りなどなく、真っ直ぐに

 

シャカール(な、なンだ!?逃げか!?いや、それにしたってなンであンな変なトコ走って…ッ……!?)

 

タキオン(…わかるだろう、キミなら?)

 

シャカール(…そうか…そうかよ!そう言うことか!これは、オレがどンな作戦を取ろうと、どう潰しにかかろうと一切関係ない位置を…!)

 

タキオンはコースの内には入らず、外だけを走る

何かを避けるように、集団から離れた位置を、先頭ではなく、少し遅れた位置で

 

シャカール(…ふざけンなよ、それが許されるのはコーナーまで…!)

 

シャカール「は…!?」

 

コーナーに差し掛かったタキオンは、コーナーすらも大外を周り切る

シャカールの予想を楽しげに裏切りながら、悠々と自分の走りをするために

 

タキオン(無論、コーナーもだ、徹底しなくては意味がない

もし巻き込まれるのを避けるだけならば、それならばただ大逃げをすればいいだろう?

でもそれじゃ私の求めるものとは違う)

 

シャカール(…まさか、本気か…こいつ、G1(ダービー)でハンデ戦かましやがるのか!?)

 

 

 

 

戦兎「そんな…」

 

内海「圧倒的な速度、そして誰も阻害する者のいない真っ直ぐな道。

この勝利の方程式に気づいた瞬間、ダービーの勝ちは確定していた。

そして、エアシャカールにあの速さを差し切るだけの脚は…無い!」

 

戦兎「…いや、まだだ…」

 

 

 

シャカール(テメェの魂胆はわかった、要するに…怖ェンだろ?

…オレがそンなに怖ェのか!タキオン!!)

 

タキオン「……」

 

シャカール(テメェがどんな走りしようとしらねェな、だが…運はまだこっちにある、どんどん重たくなる芝が、スタミナを削る!)

 

雨はいつの間にか強まり、どんどん芝が重くなる

そして…

 

タキオン(…ふゥン…)

 

シャカール(…集団がタキオンに追いつき始めた…!バテやがった!!)

 

 

 

 

戦兎「これは…」

 

内海「……コレは、私も聞いていない、が…」

 

 

 

 

タキオン(…前のことは根に持っていてね…少し、意趣返しと行こうか!)

 

集団がどんどんと先頭へと近づいていく

エアシャカールさえもが、どんどんとペースを上げて…

 

シャカール(…なンだ、雨のせいか?それとも距離のせいか?ペースを誤ったのか?脚が重てェ…心臓が早え…なンだ、なンの…いや…!)

 

タキオン(やはり気付けたか、そう、私はバテてなどいない…緩めてからギアをあげたんだよ、前に君がやったように…!)

 

やはり、気づいた時にはすでに遅い

息を切らし、失速を始めるものが出始める

そしてそれは…

 

シャカール「ッ…!邪魔だ!」

 

タキオン(ぶつかって終わる…なんてマネは、やめてくれたまえよ?…さあ、最終直線だ!)

 

バテた他のウマ娘がまるで障害物かのように

速度を上げる邪魔をする

 

シャカール(クソッ!いつの間にか逃げのヤツまで沈んでる!

後ろがアゲてるせいで焦りやがったな…!?)

 

となれば、先頭にいるのは…

今、1番前で悠々と走っているのは

 

シャカール(逃すか、逃してたまるか!!)

 

シャカール「タキオン!!」

 

濡れた芝が脚にまとわりつく

坂道が脚を掴んで離さない

 

タキオン「…!」

 

お互い対等に不利なこの状況

それを分けるのは…

 

シャカール(安心しろ…この程度で沈ンでやらねェ!!

パワーはとことんつけてきた!!)

 

シャカール「ウオォォォッッ!」

 

タキオン(…やはり、君を選んでよかった!!)

 

逃げるタキオン、追うエアシャカール

その差は僅か…

 

タキオン「くっ…!?」

 

シャカール「なっ…」

 

 

 

戦兎「!」

 

内海「そんな、まさか…!」

 

 

 

タキオン「っ……」

 

ほんの僅かな差、ほんの僅かな、7センチの差を制したのは…

アグネスタキオンだった

 

しかし、その顔に笑みはない

在るのは強い恐怖だけ

 

シャカール「…おい、なにシケたツラしてンだよ…

勝ったンだろ、お前…オレに!このオレに勝ったんだろ!笑えよ!」

 

タキオン「君だって気づかなかったわけじゃないだろう…最後の瞬間を1番近くで見ていた君が」

 

シャカール「……」

 

アグネスタキオンは、ゴール版の僅か手前で大きく減速した

ゴールまで走り切ったのも、自身の意思ではなく、身体に乗った慣性で押し切られただけ

それは…

 

シャカール「折れたのか?切れたのか?…どっちだ」

 

タキオン「わからない…わからないよ…だが……」

 

俯くタキオンの両頬をシャカールが片手で掴み、持ち上げる

額をぶつけ、睨みつける

 

シャカール「諦めてンじゃねェ!まだ決まってねェだろ!?

お前はまだ終わってねェ!」

 

タキオン「終わりだ!終わったんだよ!わかってたさ…無茶をしてる事くらい…だが、脚を顧みないあんな作戦も、無茶な練習も、全部…意味はあった…」

 

シャカール「じゃあなンでここで勝ちに来た!」

 

タキオン「……それは…」

 

シャカール「テメェの理屈はちっともロジカルじゃねェな!クソだ!

意味はあった?ここで勝ちに来ず、先を見据えて脚を活かす事だけを考えてたなら?こンな中途半端な終わりじゃなく、納得できる結末を追えただろ!

お前が言えねェなら言ってやる!オレに勝ちたいからこンなバカな…クソバカな事しやがったンだろ!!」

 

シャカールがタキオンを突き飛ばす

よろけ、こけたせいでぬかるんだ地面がタキオンの白衣を泥で汚す

 

シャカール「なら笑えよ、オレが悔しいって思うほど笑えよ。

頼むから、笑ってくれよ…!」

 

タキオン「…やはり君はオカシイな」

 

シャカール「……」

 

タキオン「自分で言ってることが、全然合理的じゃないじゃないか。

私にロジカルを求めて自分ではそれに従えてないじゃないか?

脚の怪我はアスリートにとって致命的か、よく知っているだろう?

ガラスの脚が壊れたくらいで、大袈裟だ!ほれ見たことかと笑うのは君であるべきなんだ…!」

 

…同じだった

自分の奥底にある暗い感情を、燃やしたかった

燃やして、轟々と燃やして…立ち上がる為に

 

だけど、激しい炎を付けるほどの気力は、2人にはなかった

 

シャカール「…なら、終わるな、ゼロより低い可能性だとしても、信じて…」

 

タキオン「…君も、その荒々しい、その暴力的な数値で…自分の法則を超えて…」

 

ただ、静かな火は…残っていた

間違いなく

 

シャカール「菊花賞までには戻ってこいよ」

 

タキオン「どうだかね…だが……そうだ、どこまで行けるかはわからない、行けるところまでは…」

 

 

 

 

タキオンは病院へと運ばれ

ウイニングライブは…一着のセンターが不在という異例の事態で行われた

 

内海「…どうしますか、菊花賞までに間に合うかは…」

 

タキオン「間に合うさ、すでに私は運命を超えている。」

 

内海「…可能性の果てには、届くでしょうか」

 

タキオン「届くかどうかは些細な問題でしかない、結局のところ…私は彼女に負けたくない、諦める理由なんてないんだよ。

…もし気に食わないのなら、降りてくれても…」

 

内海がパソコンを病室のモニターに繋ぐ

 

内海「もし間に合わないのであれば、治す手段をなんでも用意しようと思っていました。

まず候補としてフェニックスフルボトル、しかしこれはボトルの性質上、再生となる為一度脚を斬り落とす等の手段が必要になる可能性がありました、その為優先度は低いです。

次にガイアメモリを使った肉体の強化による治癒能力の上昇ですが…」

 

タキオン「…キミは相変わらず狂っているね…ククッ…私以上に狂った奴なんて、野放しにはできないな。」

 

タキオン(というより…早く治さなくては身の危険があるかもしれない…)

 

タキオン「……しかし」

 

タキオンがリモコンでモニターを操作し、ライブ映像を映し出す

 

タキオン「…良いライブだねぇ」

 

シャカール『組み合わせながら導け、勝利の方程式を』

 

 

 

 

 

シャカール「…結局、7センチに負けたか?」

 

戦兎「いや、7センチと2ミリ」

 

シャカール「いや、そンなとここだわっても変わンねェから。

ま…そこまでが決まってる事なら……菊花賞は貰うしかねェ…その後で、運命も変えてやる。

…さてと、実験とやらを始めようじゃねェか!」

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