「スペルカード発動………」
(お兄様のスペカ………どんなものかワクワクするわね)
手にしたカードから伝わる不可思議な感覚を、そのまま言葉にして世界を振るわせる
「絆符“繋がれた者達の神秘”」
宣言の直後、俺の四方に展開される大玉弾幕に手を伸ばし、一つ一つに触れていく………そして、俺は理解した。このスペカには攻撃する使い方はない、と
「………悠?」
「………フラン、続けようか」
「ええ、お兄様。スペルカード発動。禁断“スターボウブレイク”」
先程と同様の、しかし圧倒的に密度の増した弾幕を前に、俺は一つのスペカを発動させる
「スペルカード発動」
(っ!?あれは………!)
「え………えぇ!?」
「禁断“スターボウブレイク”!」
フランの放った弾幕がそっくりそのまま、俺のスペカとして発動する。だが、どうやら威力は少し抑えめなのか、放たれた弾幕だけではフランの弾幕を打ち消せずに残った………ま、避けやすくなったと思っておこう
「フランのスペカを扱えるなんて………一体、何故?」
「………いや、どうやらそれだけではないようだぞ。スペルカード発動。“スカーレット・シュート”!」
「っ!?スペルカード発動!禁忌“レーヴァテイン”!」
続けて放つのは、一度も見たことのないレミリアのスペカ。生憎フランが発動させたスペカで打ち消されたものの、驚愕を理由に戦意は削ぎきれたようだ………ふぅ、良かった
「悠!」
「お兄様!」
姉は疑問符を、妹は興奮を全面に見せながら空と陸から俺に詰め寄ってくる………いや、本当に距離感を保って欲しいのに
「あ〜、はいはい。ちゃんと説明するから………取り敢えず少し喉を潤したい。流石に能力行使と移動に加えて弾幕ごっこまでするとは思ってなかったし」
「そ、そうね………咲夜」
「はい、お嬢様」
流石に3回目だと驚かないな………慣れたというか、条件を見つけたから心構えが出来た
「悠の部屋は用意出来たかしら?」
「申し訳ありません。本日中に完成させるには到りませんでした」
「あら、そう?ならその仕事は妖精メイドに任せてしまいなさい。それより、至急私の部屋に紅茶を用意して。咲夜も同席して貰うわ」
「私も、ですか?畏まりました」
………何となくだけど、レミリアにはある程度の仮説が立っているようだな。敢えて咲夜を同席させるということは、何かしらの確証を得たいということだろう
(咲夜が用意に手間取るなんて珍しいわね………何を考えているのか、後で聞いてみましょう)