「………せ、成功ですか?」
玉鋼色の光が収束し、咲夜は不安を押し込めて呟くように確認してくる………表情から不安と期待が読み取れるが、俺はここまで機微に鋭くないはずだが?
「ああ、大丈夫だよ。ほら………」
自信と確信を込めて応えてやる。ついでに安心するようにという気持ちを視線に込めてやると、どうやらそれが伝わってきたのか咲夜の表情に信頼の情が見えて………そして
「………………ん?」
「………………あ、れ?」
ベッドから僅かに漏れ聞こえる幼い声。うん、ちゃんと成功したようで何よりである。隣の咲夜を見ると、安堵の表情を浮かべていたので、俺はそっと背中を押してやる………ここからは、家族の時間だからな
「お嬢様!妹様!」
「さく、や………?ここは………」
「避難シェルターです………異変の被害者達が、皆ここに」
「………あ、そっか。お姉様も私も………」
藍と永琳に視線を向けると、どうやら同じ考えだったようで、静かに退室の用意を済ませていた………うん、俺も外に出るかな
廊下_
「ひとまず安心って所か………っと?」
「おっと………大丈夫かい?」
先に退室した2人を追って俺も廊下に出て、一息ついた瞬間に立ち眩みがした。幸い、倒れる前に藍が支えてくれたから支障はないが………いや、マジで近い
「あ、あぁ………どうやら初回の能力行使で勝手が分からなかったようだ」
「そうね………うん、考察通りよ。それで、何をしたのかしら?」
「………俺の能力の結果だ。名打つなら“繋がる程度の能力”だろうな」
「繋がる程度の能力………?さっきの感じを見ると、離れていく物を繋ぐ能力みたいだけど」
「どうやらそれだけでもない………物理的に繋がっていると、対象の感情や内心が伝え合えるようだな。後は繋ぐ対象が物理的なものだけに留まらない点かな?」
「まぁ能力を戻している段階で推察は出来るが………悟り妖怪の能力みたいだね」
悟り妖怪………確か心を読み取る能力を持つ妖怪だったか。確かに悟り妖怪の劣化能力だろうな
「取り敢えず、能力の扱い方は理解した。個人的にはすぐにでも巫女さんを助けに行きたいけど………」
「医者としてはまだ認められないわ………助けてあげて欲しいのは私も同じだけどね」
………まぁ、仕方ないよなぁ。と、休息を取るべく壁に背中を預けて座ろうとした瞬間、病室の扉が開いた
「………あの、少しいいかしら?」
「咲夜………?どうした?」
病室から顔を出した咲夜に呼ばれ、俺は壁から離れて咲夜の傍に進む
「お嬢様と妹様が、お礼を言いたいって………」
「なるほど………了解した」