ウルトラマンジード外伝Story ofベリアル『闇の巨人と10の輝き』feat.機界戦隊ゼンカイジャー 作:世界一孤独なチンパン
この話を読む前に第0話全3話と設定を読んでから読むことをお勧めします。要素が含まれているので。
大体5500字…結構書いたな。
ついに本編開始です。それではどうぞ。
#1『はじまりのトキメキ』その1『尾行』
『輝きとは何か』
1年前、まるで哲学のようなこの問いの答えを導きだしたものがいた。その者の名は『高海千歌』。あのラブライブ3代目王者である『Aqours』のリーダーだ。
彼女は上記のような問いに対してこう答えた。
『何もかも。一歩一歩、自分たちが過ごした時間の全てが輝きなのだ』と。
そのAqours全盛期の時代も徐々に薄くなりかけた今現在の日本。その首都東京の片隅にあるファンシーショップとやらの前でたった今、またもや哲学的な問いが生まれた。
「うーん…これはどう?」
ただ今言葉を発した人物は『上原歩夢』。
「いまいちトキメキが足りないね…」
問いの内容はズバリ
『トキメキとは何か。』
「トキメキってなんだよ」
「トキメキはトキメキ。それぐらいわかるでしょ?」
更にただいま会話を交わした人物は、前者が彼女の幼馴染の『高咲侑』。そして後者が2人の幼馴染にして我らが本作1人目の主人公『五色田リアル』。
「いや、分からねえ」
「はぁ~…」
「なんでため息疲れてんの」
現在進行形でため息をつかれている彼は今、ウルトラマンベリアルとして活動中だ。まだなって2週間のゴリゴリの新米ウルトラマンだが、元に備わっている身体能力も相まってか今は何事もなく活動できている。
「それはそうとどうするよ。他の店行くか?」
「そうしよ」
「うん」
リアルの提案に半分棒読みで同意する2人と共に、その場を後にした。
◇◇◇◇◇◇
一方その頃3人の背後では。
『ねえリク。なんか悪いよ…』
「仕方ないよ。彼がベリアルってわかった以上、色々と気になる」
『だからって女の子2人といるところの後をつけるのは…』
先日リアルが変身したウルトラマンベリアルと対峙したウルトラマンジードこと朝倉リクが警察官よろしく彼を付けていた。それを止めるペガッサ星人のペガ。流石に見た目成人男性が高校生を尾行しているとなると通報案件だ。この男、若干のデリカシーが欠けているようで。
「それに僕のベリアルカプセル。返してもらわないと…」
彼がリアルを追う理由は、純粋に彼がベリアルに慣れたことへの疑問だけではない。彼がベリアルカプセルを持っているからである。
そもそもリアルがベリアルに変身するには、ベリアルカプセルのみを装填ナックルに差し込みスキャナーで読み取ることでベリアルに変身できるのだ。しかし無論リクはそのことを知らないために、彼にとってのカプセルの重要性を理解していないのである。
「それにこれを落としたかどうかも気になる」
『それは交番に届けなよ…』
ため息をつかれるリクの手にあるのは、歯車型のアイテム。そこには、何の意図があってか番号が書かれていた。しかも贅沢にも金色で。『45』と。
『あ、リク。移動したよ』
なんやかんやで協力してくれるペガの言葉に釣られて前を見ると、リアルと侑。そして歩夢の3人が店前のショウウィンドウから立ち退く姿があった。
「やばっ!」
リクはその歯車型のアイテムを自身のポケットに滑らせ、尾行を再開した。
◇◇◇◇◇◇
「あ!また移動した…」
さらにその背後では、カラフルなジャケットを羽織った青年がリアルと侑と歩夢を尾行するリクとペガをさらに尾行していた。
「諦めるな…。俺のギアを取り返すまで…全力ゼンカイだぁー!!」
と文面上では明らかに大声を出していそうなセリフを小声で呟くこの青年の名は『五色田介人』。先日、ベリアルおよびジードが倒したレッドキングと共にこの世界にやって来た。
そんな彼のお目当ては、リクがポケットに滑らせた介人がギアと呼ぶアイテムだ。
あのアイテムの正体は『センタイギア』。介人がゼンカイザーに変身するのに必要なアイテムだ。アブソリュートタルタロスに敗れてこの世界にやって来た時、変身解除と共に彼の持っていたギアトリンガーのカバーが開き、中からあのアイテムが落ちた。ギア自体はすぐに見つかり回収しようとしたところ、ジードが建物を巻き込みこちらへ倒れてきた。流石に身の危険を感じ一度は撤退。そしてリアルが変身したベリアルと協力しレッドキングを打ち取った後再び回収しようと現地に向かったが、変身を解いたリクが近くにいた介人に気づかず回収。そのまま行方をくらました。そして案外すぐにリクは見つかり話しかけようとしたのだが、当の本人は尾行中。容易に話しかけることもできず、尾行するものを尾行するという今の状況に至ってしまったわけだ。
つまり、あのアイテムが無ければ彼は人々を守る力を無くしたも同然な訳で。
「早くあの子から返してもらわないと…」
御覧の通りに焦っているわけなのだ。
そんなわけで、トキメキを求めて右往左往する3人組を尾行する2人の地球人と宇宙人を尾行するという何とも奇想天外前代未聞の形で、
これから世界の運命を左右する戦いに参戦する戦士が集結したのであった。
◇◇◇◇◇◇
視点が変わりリアルサイド。店をでた3人は暫く行き当たりばったり的な感じで歩いていた。
「この前取り損ねたぬいぐるみさ、ネットで見たらオークションに出てて…「あっ…」ん?」
侑の世間話を遮った歩夢の目線の先にあるのは、ショーケース越しに飾られているいかにも可愛らしいフリル多め、ピンクベースのワンピース半袖バージョン。
「あらま可愛い」
それには我らが主人公もこの感想。侑はやや興奮気味に小走りでショーケースの前に陣取る。そして歩夢の方へと顔を向けると
「歩夢!これいいんじゃない!?似合うと思うよ!」
と彼女へこの服を着るように勧めを促した。乗り気100パーの彼女に対し、歩夢は
「い、いいよ!!可愛いとは思うけど子供っぽいって!」
手をブンブンと振り反対の意を示す。しかし、侑はこれくらいでは引き下がる少女ではない。
「そうかな~?つい最近まで着てたじゃん」
「それは小学生の時の話でしょ?もうそういうの卒業だよ」
「着たい服着ればいいじゃん。歩夢は何着たって可愛いよ」
「もー。また適当なことを…」
「適当じゃないって…そうだ!お姫様はこうおっしゃっていますがいかがでしょうか。王子様?」
侑が痺れを切らし、悪い笑みと共にリアルに意見を求める。ちなみに彼女が行ったお姫様と王子様というのはリアルがその小学生時代の劇でやった時の役職だ。どっちがどっちをやったかは考えずして明確だろう。
「似合うんじゃねえの?」
その王子様が即答で出した答えがこちら。本人は無意識で行ったのだが、言われた方は
「ふえ!?///も、もう!からかわないでよ!!」
顔を真っ赤にして反論した歩夢を再度悪い笑みで見た後、今度はその隣の衣装に目を奪われる。
「あ!2人とも見て!」
「「ん?」」
侑の視線の先にあったのは5歳児が着るようなサイズの服。フードにうさ耳が付いた、幼い女の子が着るような服だ。
「幼稚園の時、こんな格好してたよね?」
侑がそれを見ながらつぶやくと、歩夢とリアルも便乗するようにその白いうさ耳フード付きパーカーの前に座りこむ。
「あ~。懐かしいねぇ…」
過去を思い出すようにしみじみと呟く歩夢の両隣にいる2人は、その姿を同時に記憶の底から引っ張り出した。確か彼女はこれを着た時、両手を頭の上に持ってって…
『あゆぴょんだぴょん!』
「確かに懐かしいな」
「でしょ!?可愛かったな~…。ねえ」
「何?」
「ちょっとやってみてよ」
「何を?」
侑は幼い歩夢の仕草を真似て、自分の両手を自身の頭の上に持ってくる。そして数回手を折り曲げた後
「あゆぴょん」
「…はぁ?やるわけないでしょ!?もう…」
微妙に呆れの返答を返し、無理矢理にでも話をそらそうとした結果食事をとることとなった。
「何食べる?」
「コッペパン」
「即答だね…じゃあ行こ!」
そうして移動販売車にて無事コッペパンを購入し、リクとペガが見ているとも知らずに3人で間接キス案件のようなものをしていると。
「「「ん?」」」
何故かその場のノリで写真を撮り終え少し後の予定について話していると近くから何やら黄色い歓声のようなものが聞こえた。
「何かのイベントかな?」
「行ってみるか?」
「そうだね!」
侑、リアル、歩夢の順に会話を交わした後即座に荷物をまとめ、黄色い歓声の発生源へと足を運んだ。無論、彼らを尾行しているリクとペガと、その2人を尾行している介人も後を追った。
◇◇◇◇◇◇
というわけで3人(事実上6人)がやって来たのは、ダイバーシティ東京プラウザ2階フェスティバル広場。3人がステージである階段の踊り場のような場所へ目を向けると、そこには赤いアイドル衣装を着た少女。その名は
「せつ菜!?」
「「え?」」
実はリアル、自身が目の前の少女『優木せつ菜』のマネージャーをしていることは2人には話していないのだ。というのも、侑ならまだしも歩夢には多少のヤンデレ気質がある。そのため彼女の事を話してしまうと、彼女が刺されるかもしれないというありもしない想像を恐れて話していないのだ。
それなら侑だけに話してしまうのが得策だと思う方もいるかもなのだが、一応歩夢に間違えて言ってしまわないようにという懸念を籠めている。
そんなわけで、改めて言うが自身が彼女のマネージャーをしていることは2人には言っていないのだ。
(なんでアイツ1人なんだ?この前嬉しそうに『リアルさん!今度私たちのグループのお披露目ライブをするので見に来てくださいね!?』って笑顔で言ってきたのに)
リアルはその日以降、練習を見に来るのを禁止された。LINEで問い合わせたところ『リアルさんに頑張った姿を見せたいので!』とのこと。ついでにワクワクのスタンプ付きで。しかし今現在、リアルの目の前に展開されている光景というのはせつ菜が1人でポジショニングをしている場面だ。
(他の皆はどうしたんだ?)
思考を張り巡らす内に、せつ菜の歌が始まった。
【CHASE!:~♪】
「走り出した~♪想いは強くするよ~♪」
炎が吹き上がるステージの上で、彼女は歌詞の一節一節、一語一語を噛み締めるように歌う。その歌声はやがて、その場にいた全ての者に影響を与えた。
◇◇◇◇◇◇
『すごい…。これが…スクールアイドル…』
「あの子から凄い熱量を感じる…」
『うん…』
彼女の歌声は人間のリクだけでなく、その近くにいた宇宙人のペガでさえ心を震わせた。
『ん?…』
曲も終盤に入りかけた頃、ペガはせつ菜からとあるものを感じた。
「どうしたの?ペガ」
『あの子の目、すごく寂しそう…』
「寂しそう?」
リクはペガの発言に首を傾げ、せつ菜をじっと見つめる。そして再度首を傾げた。
「そうには見えないけどな…」
「ねえ、ちょっといい?」
リクが考えるのを辞めて再び曲に聞き入ろうとしたとき、背後から声をかけられた。そこにいたのは、カラフルなジャケットを羽織った青年『五色田介人』だった。
◇◇◇◇◇◇
「凄さ全開…」
時は少し遡り、せつ菜の曲が始まって数十秒後。介人もまた、せつ菜の歌声に魅かれていた。
「ん?…」
ふと視界の端に自分が尾行していた青年がいた。
「チャンスは…今しかないか…」
そう呟くとともに介人はリクの元へと歩みだし…
「ねえ、ちょっといい?」
この瞬間、ウルトラマンとスーパー戦隊。全く交わることの無かったであろう日本の2大ヒーローが、対峙した。それと同時に、せつ菜のライブは終わりを告げた。
2人の見えないところで頭を深く下げた自身の頬から垂れた水滴は、涙だったのか汗だったのか。それは彼女以外、誰も知りえない。
◇◇◇◇◇◇
ライブが終わりギャラリーが散ったライブ会場に残っているのは、幼馴染3人と少し離れたところで対峙しているリクと介人だ。だが対峙している2人とは違い、は未だにライブの余韻から抜け出すことができずに、目の前のステージをただ見つめている。
「「すごい…!」」
侑とリアルが真っ白になった頭を回転させて出てきた第一声は称賛の言葉だった。
「うん…」
「だよね!凄かったよね!?」
同意した歩夢の手を侑は両手で握る。
「う、うん…」
歩夢が頷くとさらに両手を上下させて、好奇心旺盛な笑顔で熱弁していく。
「カッコ良かった!可愛かった!!やばいよ!あんな子いるんだね!!」
困惑した笑顔を浮かべる歩夢だが、侑の熱弁は止まらない。
「何だろう、この気持ち!すっごいトキメキぃぃ!!!」
「ねえ、リアルもそう思うでしょ!?」
「あ、ああ…」
あまりにも熱量が違いすぎて若干引き気味のリアルの返事でさえ、今の彼女には十分だった。
「だよねだよね!!なんて子なんだろう?」
そこまで口にした侑が見つけたのは、一つの看板。侑はそれに寄って行き、歩夢とリアルもそれに続く。
「ポスターか…」
リアルは言えなかった。『このポスターに乗っている人全員、自分の知り合いです』とは。
「これだ!虹ヶ咲学園…スクールアイドル同好会?」
そこまで読み終えたとき、侑と歩夢の身体に激震が走った。
「虹ヶ咲って…」
そして2人は顔を見合わせると
「「うちの高校だぁぁぁぁ!」」
その叫びに乗らなかったものが4人。
(知ってました…)
幼馴染3人の中で唯一全てを知る者と、
「「うお!」」
その者を尾行した者と、その尾行した人物をさらに尾行したもの。そして
『ふわぁ~…』
先ほどの寂しそうな目発言は何処へやら。このライブを気に、どっぷりと沼にハマってしまった宇宙人だった。
さて次回は学園内でのお話になります。リアルが入学した経緯はカットということで。
モチベーションが上がるので、感想を書いて頂けると幸いです。ヒロインアンケートも実施しているので協力お願い致します。
※アンケートに彼方ちゃんを入れ忘れてたことに気づき、改めてアンケートを作り直しました。彼方ちゃん…ゴメン。
また0からですが、どうか皆さん投票お願い致します。
それではまた次回ヾ(•ω•`)o
そろそろこれ以外の2つの小説も更新しないとやばいな…。玲の方に至っては3か月以上更新してない…。
本作のヒロインは誰だ!?(改)
-
上原 歩夢(うえはら あゆむ)
-
高咲 侑(たかさき ゆう)
-
中須 かすみ(なかす かすみ)
-
桜坂 しずく(おうさか しずく)
-
天王寺 璃奈(てんのうじ りな)
-
宮下 愛(みやした あい)
-
近江 彼方(このえ かなた)
-
エマ・ヴェルデ(えま・ゔぇるで)
-
朝香 果林(あさか かりん)
-
優木 せつ菜(ゆうき せつな)