事の始まりは中国、軽慶市。『発光する赤子』が生まれたというニュースだった。
以降各地で「超常」は発見され、いつしか「超常」は「日常」に、「架空」は「現実」になった。
世界総人口の約八割が何らかの特異体質『個性』を持っている超人社会となった現在、個性犯罪者『
それが『ヒーロー』。
個性を使い
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国立雄英高等学校の会議室では、各学年の教師たちが集まり、新入生を迎えるべく入学試験の採点をする会議が行われていた。
「これで、学科試験の成績優秀者は出揃ったね!じゃあ次は実技試験なんだけど・・・誰か目に止まった受験生はいたかな?」
世にも珍しい喋る
この雄英高校はナンバーワンヒーロー『オールマイト』をはじめ、名だたるヒーローたちを輩出した名門校で、教師たちも当然の如くプロヒーローが集められている。
そのためか、個性的な教師が比較的多いようだ。
「エブリバディ!まずはコレを見てくれー!!」
教師たちが注視するなか、DJ風の教師──プレゼント・マイクは自分の正面に試験映像を投影した。それは実技試験中の受験生たちを追いかけたドローン映像である。
「いやあ、今年も豊作でしたね」
「まさか
「後半、ほかが鈍っていくなか派手な『個性』で寄せつけ迎撃し続けた。まるで去年の
映像は実技試験の課題でもあった
幾人かの映像が流れたあと、緑髪の少年が映像に映し出された。
「さっきの奴と対照的にコイツは
「
「オレも思わず『YEAH!!』って言っちゃったからなー」
避難に遅れた女の子を守るために
「
「思わず『YEAH!!』って言っちゃったしなー」
教師たちが各々の意見を述べるなか、根津校長が採点の掛け声をあげた。
「そろそろ採点をしよう。それぞれ点数を挙げて!」
「トータル七位。合格だね!じゃあ次は──」
こうして、採点会議は進んでいく。
受験生が12000人なのに対し、ヒーロー科は40人までしか入れない。学科試験の成績優秀者に絞ってもまだ1000人以上の受験生が残る。
実技試験の採点においても、教師たちには休む暇が与えられないのだ。
それから何時間も会議は続き、終わったのは深夜三時を過ぎた頃だった。
「みんなお疲れ様!」
「「「お疲れ様です!!」」」
疲れ果ていまにも息絶えそうな者、解放感からハイテンションになっている者、喜びのあまり涙を流す者。限界を迎えた教師たちの様々な表情を受け、根津校長はウンウンと頷きを返した。
「さて、最後にひとつ言っておかなきゃならないことがあるのさ!それは去年の入試で首席合格だった彼のことなんだけど──」
校長の言葉を受け、教師たちの視線がある男を捉える。それは去年、1年A組を担当していながら、19名もの除籍者を生み出した問題教師──相澤消太である。
「どうも彼、ヒーロー科の教員免許を取りたいらしくてね、どーせ授業もほとんどが免除されてることだし教育実習の許可を出したのさ!」
「・・・まだアイツは二年ですが?」
「ウンウン。でもクラスメイトもいないし、実力は既に並のヒーローじゃ敵わないくらいだしね!せっかくなら引き続き相澤くんが面倒を見てあげれば、合理的じゃないかな?」
「・・・・・・・・・」
「彼が教師との兼業じゃなくて専属のプロヒーローとして活躍することを君が望んでいるのは知ってるよ。でもね、どんな進路をとるか決めるのは彼自身さ!」
「分かりました」
不承不承、といった様子で相澤は頷いた。
いま現在、唯一の2年A組の生徒にして、ヒーロー仮免を取得し、インターンにも顔を出すその生徒の名は『市丸 ギン』。彼はあのオールマイトすら超える、雄英高校始まって以来の天才と噂されている。