ここは、私の知っている場所ではない。
いや、正確には私の知っている世界ではなかった。
隣にいたはずだった私の親友も今はいない。
この世界で私はたった一人になってしまった。
『ニュースの時間です。タイで起こった爆破テロについてですがあれから犯行グループからの後の行動もなく依然として現場には二次災害防止のため半径数十メートル付近は立ち入り禁止とされておりまた・・・』
どこかのデパートの電化製品のテレビに映っているこのニュースも私が来た時からずっと流れていて、かれこれ数日はたったのだろう。それほど大きな事件だったのだろうと思える。日付を見ると私のいた年よりかなり前のようだ。平行世界の移動はしたことはある…でもこれはタイムスリップとは少し違うような感じがした。
通信もできなければギアを纏うこともできない。
誰か…誰でもいいから…この世界で一人しかいない私を。
「見つけて」
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「どうしてなんですか!?」
部屋の一室で青年が電話越しで声をあげていた。
『どうしてもと言われてもな、アイツはもう儂達との縁を切っている。こちら側が何かしてやる必要はない。むろん奴の子らも同様にだ』
「それでもオヤジの息子で俺の兄貴だろう!」
『だとしてもだ。アイツの事はその子達に任せようではないか…なにアイツの子達が儂達に戻ってきたいと言えば…考えてやらんことはないがな』
電話越しに聞こえる少し年老いた声を感じ、青年は目を見開いて声を出すが
「それな『だが…』…!?」
青年の言葉を遮っては老人は言葉を続ける。
『あの外人とその子はダメだ。儂達の家計に余計な異国の血は求めてはいない。あれこそ儂達【大門】家の汚点である』
そう聞いて青年は少し考えるが老人の言葉に頷き。
「わかりました。別にアイツには俺も興味はありませんから」
『そうであるか…ならよい。…真よ』
青年の言葉に老人はほくそ笑み息子の名前を呼ぶ。
「はい…」
「お前は自慢の【大門】の子だいずれ儂の代を継げる様励めよ?」
「わかった…では…」
通話を切ると携帯をベッドに投げ入れる。
「久しぶりに会えるのにこんな形になってしまいましたごめんなさい、優の兄貴」
横に置いてある少し古びた写真の人物を見て青年は謝罪をしてから、出かける準備をしてから扉を開ける。
「そうと決まれば早速準備だ。買い物でも行ってあの人の好きなものを買ってあげるかな」
そうして青年は家を出れば荷物を持ってデパートに向かい歩いていく。