千冬の案内で寮に到着した武昭は番号が書かれた鍵を渡した。
「これが海城の部屋の鍵だ」
「分かりました、そう言えば部屋の子は俺が行く事は知ってるんですか?それと一夏は……」
「同部屋の者には説明している、それと織斑の場合は篠ノ之が同部屋だ」
「そうですか……何となく厄介者を一纏めに感じがあるんですけど……」
「まぁ……事実だとしてもそんな裏を言うな……」
そう言った千冬は遠い目をしていた。
「分かりました、荷物を持ってくれてありがとうございます」
「気にするな、私は職員室に戻るが門限は午後8時までとなっているから注意する様に、それと私は学生寮の寮長もしているから何かあるなら、いつでも来ると良い」
千冬は武昭に言うとその場から離れた。
寮に入った武昭は自分の部屋を見つけると床に荷物を置いてドアをノックした。
コンコン「すみません、今日からここでお世話になる海城武昭ですけど……」
「はーい、ちょっと待ってて〜」ガチャ
中から住人の声がしてドアが開くと狐の着ぐるみを着た女子が出てきた。
「あぁ〜 いらっしゃ〜い 話は聞いてるから入って良いよぉ〜」
「ありがとう、まさか本音さんが同部屋だったなんて思わなかったよ」
武昭は荷物を持つと部屋に入った。
「それで本音さんは……こっちのヌイグルミがあるベッドを使ってるの?」
「そうだよぉ〜 そっちの空いてるベッドを使って良いからぁ〜」
「うん、分かったよ……ん?
武昭が段ボールから荷物を出してるとスケボーとハーモニカが入っていた。
「あれ〜?あきっちってスケボーとかやるのぉ〜?」
「あぁ、知り合いから習ってな。それにしてもここの何処でやれば良いんだ?」
「う〜ん……体育館とかぁ〜?」
「まぁ、今度織斑先生にでも聞いてみるか……それにコイツも吹けるかどうかも……」
「ねぇ、あきっち ハーモニカで何か聞かせて〜?」
「隣の部屋とかに迷惑になるかもしれないから少しだけで良いなら……」♪〜
武昭はハーモニカを手にすると軽く曲を奏で始めた。
「うわぁ〜……初めて聞く曲だけど何か凄く落ち着くなぁ〜……」
曲を聞いた本音は柔らかい笑顔を浮かべていた。
そんな中……
クキュ〜……
「ん?今の音って……もしかして本音さん?」
「う、うん……私だよぉ〜(恥ずかしい〜)」
何かの音がしたので発生源を探してると本音が赤い顔を袖で隠して答えた。
「そっか……そう言えば食堂ってまだ開いてたっけ?」
「えっと〜もう閉まってるよぉ〜」
本音が時計を見ると学食の終了時間になっていた。
「材料があれば何か作れるんだけど、今日は……ん?コレって……」
武昭が段ボールの中を見ると何か入った袋があったので確認すると幾つかのアンパンとお菓子が入っていた。
「本音さん、コレで良かったら食べる?」
「ふぇ?けど、それってあきっちのじゃ……」
「俺なら大丈夫だよ。それにコレを俺にくれた人なら同じ事をするからさ」
「そうなんだ……じゃあ頂くね……ん!?美味しい!!こんなアンパン初めて食べたよ!!」
武昭から貰ったアンパンを食べた本音はその美味しさから凄く喜んだ。
「そっか、じゃあ俺も食べるか……うん、やっぱり
「ねぇ、あきっち……もう一個……貰って良い?」
「あぁ、構わないよ、ホラ」
本音は武昭から貰ったアンパンを食べ終えたのでもう一つ催促すると武昭は笑顔で渡した。
その後……
「うーん……とても美味しかったよ、ありがとう、あきっち」
「別にお礼を言われる様な事はしてないよ、困ってる人がいたら自分が出来る事をする、ただそれだけだよ」
「そうなんだ……ねぇあきっちに頼みたい事があるんだけど……」
武昭の言葉を聞いた本音は何かを考えるとある事を言った。