『対魔忍』閃光のフラッシュ   作:100000

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武術系キャラも好きだし、スピード特化のキャラも好き。


模擬戦

20XX年、世界には人間だけでなく人ではない魑魅魍魎が影で跋扈(ばっこ)するようになっていた。

 

彼らはこの地球で生まれた生物ではない。魔界、そうつまり魔物である。

 

そしてここ、東京も例に漏れず人ならざる者が影で暗躍する第二の魔界と化していた。

 

その中、人もただ指をくわえて見ていたわけではない。魔に与する者もいる中、その魔に対抗する者も現れた。

 

人は彼らを『対魔忍』と呼んだ。

 

────────────────────

 

 

 

 

 

「全員集合したな。今日は新学年初の模擬戦だ」

 

時刻は日も高く登り始めるというところ。校庭には複数の人間が、列をなして並んでいた。

 

その列に注目される形で彼らの目の前に立つのは一人の若い女性だ。

 

彼女の名は八津(やつ) (むらさき)、青いロングヘアーに豊満な体、モデル顔負けの美貌、とまるで美女の象徴かのような姿だが、ただ注意するとすればその表情は虎も射殺しかねないほどに鋭い目つきをしていること、そしてその足元にはとても女性一人が持つにはあまりにも大きすぎる戦斧が突き刺さってることか。

 

そして紫は目の前に()()()()()()()生徒に厳しい目を向けながら今日の模擬戦の内容を語る。

 

「お前たちには早速模擬戦を・・・と言いたいが、何事もまずは手本、目指すべき目標を見てもらう」

 

紫の言葉に口にはしないものの何人から笑みが零れる。無論、紫はそれを逃しはしなかったが、あえてそれを見逃す。

 

紫の目的はその鼻っぱしをへし折ることにあるのだから。

 

ここは五車学園、魔に仇なす者『対魔忍』を()()()()()()

 

ここに集められたのは今年五車学園に入学した新入生だった。無論そこには落ちこぼれもいればエリートもいる。

 

エリートである者には対魔忍の厳しさを、落ちこぼれには自分がまだ雛鳥であることを教えるために。

 

『紫先生、では誰と誰が模擬戦するんですか?』

 

生徒の誰かが紫へ質問する。その場にいた誰もが模擬戦を実演する者が誰なのか気になっていた。

 

「無論、ここにいる中で最も優秀な二人だ」

 

“優秀”その言葉に何人かの生徒が反応する。プライドが高い彼らは自分こそが優秀であるという自負があるからだ。

 

「まずは・・・私だ」

 

紫が示したのは自分自身だった。この場にいる者であるなら紫自身も含まれる。ゆえに紫が自分を指名することは可能だった。

 

『・・・・・・』

 

それに文句を言う生徒はいなかった。その中には不満を持つ者もいたが、納得はしていた。

 

八津 紫、『最強の対魔忍』と呼ばれる井河 アサギに次ぐ実力者と学園では名高いからだ。

 

せめて、紫先生の次には・・・と生徒たちも内心意気込むが紫が指名したのは別の人間だった。

 

「来い、()()()()()

 

紫は視線を飛ばす。生徒たちの後方へ。

 

その場にいる全員が振り返る・・・が、

 

そこにフラッシュと呼ばれた者はいなかった。

 

 

 

「どこを見ている?」

 

 

『!!』

 

バッとまた振り返る生徒たちの目の前には女性のように長く背中まで垂れた髪に凛々しい顔立ち、性別を見間違えそうな容姿の『男』がいた。

 

身体に張り付いた対魔スーツに足まで伸びたマントをなびかせ、細長い太刀を背負った・・・対魔忍だ。

 

「・・・・・・ふん」

 

新入生を一瞥(いちべつ)したフラッシュは鼻で笑う。

 

「新入生とはいえこの程度か・・・」

 

『!!!』

 

明らかな挑発に一気に不機嫌になる新入生一同。中にはフラッシュをよく知る者もいるのかヤレヤレといったジェスチャーをする者もいる。

 

だが、フラッシュと呼ばれた男にはそう言えるだけの()()があった。

 

「俺は今、お前たちが振り向くと同時に前の方に回り込んだ・・・気づいた人間はいるか?」

 

フラッシュの問いかけに答えられる生徒はいない。そもそもフラッシュが語った言葉にいまだ疑問符を浮かべる者すらいる。

 

「・・・いないのか?ならば───

 

貴様たちが抱いていた自信はただの(おご)りだったということだな」

 

フラッシュが新入生達を鼻で笑ったのは至極単純な話、大した実力も無いのにさも強者のように振る舞う生徒たちが滑稽に見えたからだ。

 

「そう言うなフラッシュ。お前のスピードについていけるのはこの学園ではアサギ様くらいしかおらん」

 

「ふん、あの女も俺に追いつくことは出来ん。そもそも紫、貴様も俺からすれば有象無象の一人に過ぎん」

 

「・・・・・・ほぅ?」

 

ピリつく生徒たちの雰囲気を一気に吹き飛ばすように辺りを濃密な殺気が充満する。

 

「どうやらここで一度上下関係というものを分からせておく必要があるようだな」

 

額に血管を浮かべる紫を止められる者はこの場にいない。というより止めたいとすら思っていないのだろう。

 

紫から放たれる尋常ではない殺気。それを真正面から受けながら依然表情を崩さないフラッシュ。この後の光景が彼らにはすぐに想像できた。

 

「・・・さぁ、模擬戦を始めるぞ。お前たちしっかり見ておけよ」

 

一応教師としての理性は残っていたのか生徒たちに呼びかける紫。きっとそこには生徒たちに毅然としたお手本を見せる姿が・・・あったのだろう。

 

当の生徒たちは巻き込まれないようにいつの間にかグラウンドの端に全員移動しており、紫の言葉など聞いていなかったが。

 

「・・・・・・紫、分かっていると思うが」

 

「・・・あぁ分かってるとも──

 

殺す!」

 

フラッシュの問いかけに紫はいい笑顔(殺意)で返した。

 

「・・・おい──」

 

フラッシュを何かを言いかけたが、その言葉は紫が振り下ろした戦斧が大地を割った音で消えていった。

 

まるで爆発が起こったかのような音、衝撃。およそ爆心地にいた者は肉片も残さぬような破壊がそこにはあった。

 

「全く・・・相変わらずの()()鹿()だな」

 

しかしその爆心地は既にもぬけの殻で、残っていたのは紫の背後に回ったフラッシュの皮肉を込めた言葉だった。

 

「ハァァァァ!!!」

 

フラッシュの存在を確認する間もなく紫は戦斧を後方へ振り回す。しかしフラッシュはそれをしゃがみこむ事で回避する。

 

「死ねぇぇえええええ!!!!」

 

この男を必ず殺すという意志を感じさせる紫の怒号、そして凄まじい速度で振り回される戦斧。

 

これは模擬戦ではなかったのか?という疑問が生徒たちの心の中に芽生えたが、それ以上にその闘いのレベルの高さにもはや尊敬すら感じ始めていた。

 

絨毯爆撃でも起こっていると錯覚するように連続する爆発音。そしてその爆心地の中を駆け抜ける()()()

 

「いつまで逃げ続ける!!!!」

 

「その言葉は俺を捉えられるようになってから言うんだな」

 

「抜かせぇ!!!!!」

 

フラッシュの挑発に紫も速度を上げる。斧を振り下ろした衝撃だけでもグラウンドを駆け抜けるほどの攻撃が無数、フラッシュへ降り注ぐ。

 

もはや舞い上がる砂埃にグラウンドの中がどうなってるのか生徒たちには視認できなくなっていた。ただ分かるのはいまだ鳴り続ける爆音。少なくともこれが収まるまでは戦いが終わることはないだろう。

 

「うぉぉおおおおおお!!!!!!」

 

そんな中、今日一番の紫の大声が響き渡る。それと同時にまた今日一番の爆発が、砂埃すらも吹き飛ばす。

 

『うお!?』

 

『キャ!?』

 

あまりの衝撃波に生徒一同も身構えてしまう。

 

そして砂埃が晴れたグラウンドには()()()()が立っていた。

 

「チィ・・・どこに行った!?」

 

紫だ。紫はしきりに辺りを見回している。生徒たちも気づく、フラッシュ先生の姿がないと。グラウンドは隕石でも降り注いだかのようにクレーターだらけで荒れに荒れていたが、確かにその場にいるのは紫一人でフラッシュの姿が見当たらない。

 

「まさか逃げたのか!?」

 

「逃げる?そんなこと言うとはお前も随分ボケたな、紫」

 

「!?」

 

いつの間にそこにいたのか、瞬間移動でもしたのか、様々な思考が紫の頭を駆け巡るがそれよりも先にフラッシュを迎撃するために身体を動かす。

 

「遅い」

 

一閃、フラッシュの拳が紫の腹へと突き刺さる。そのまま紫は身体をくの字に曲げながら生徒たちの方へ吹っ飛んでいく。

 

「があああああああ!!!!!」

 

大斧を地面に突き刺し、無理やり体勢を整える紫。その腹は痛々しい程に凹んでいた。だが、それも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「『不死覚醒』、相変わらずの耐久力だな」

 

『不死覚醒』、それは八津 紫の代名詞とも言える対魔能力である。その真価は超再生能力にある。これにより紫は()()()()()()()()()()()()()()()何度でも再生し続ける。

 

悠然と紫へ歩を進めるフラッシュ。ここで生徒たちはあることに気づく。

 

(まだカタナを抜いていない?)

 

フラッシュが背中に背負った細身の太刀。長刀であるゆえにとても抜刀には向いていない。それがいまだ鞘から抜けていない。それはつまりフラッシュがまだ()()()()()()()()()()という何より証拠だった。

 

「ナメるなよ、貴様なんぞすぐに肉塊にしてやる!」

 

「・・・・・・お前は頭に血が上りすぎるな」

 

「なんだと!?」

 

あまりにも簡単に激昂する紫にフラッシュが呆れた言葉を口にするが、それにすら紫は反応する。生徒たちは思った、確かにそうだと。

 

「馬鹿にするな!いつまでも得物を手にしないその余裕、私がへし折ってやる!」

 

もはや模擬戦という『名目』は紫の中には存在してなかった。既に彼女の頭の中にはどうやってフラッシュの鼻っぱしをへし折ってやろうかという思いのみだった。

 

そんな紫を見て、フラッシュは一言。

 

「・・・馬鹿だな」

 

ブチッと何かが切れる音を生徒たちは確かに聞いた。

 

それが紫の堪忍袋の緒だったのか、それとも理性だったのか、それが分かったのは・・・フラッシュを除いた全員だった。

 

「でぇぇえええやああぁぁああ!!!!」

 

血走った目でフラッシュに突進する紫。もはやイノシシとでも形容するべきか。己を忘れ、ただ真っ直ぐ突っ込んでくる獣に『閃光』のフラッシュが遅れをとるはずがなかった。

 

大きく斧を振りかぶる紫。

 

仕掛けたのは・・・フラッシュだった。

 

斧を振り上げた紫の両肩、正確にはその付け根に目に止まらぬ速さで二閃。

 

関節の隙間を狙った貫手は正確にヒットし、紫の肩関節を外す。しかし、紫の『不死覚醒』はその程度の傷は一瞬で完治する。

 

そう、『一瞬』である。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「閃光脚」

 

生徒たちは思った。あまりにも速すぎる攻撃は本当に光のように見えるのだと。

 

一瞬、止まった紫の背後に回ったフラッシュはまさに閃光の如きスピードで蹴りを放った。

 

紫は己が蹴り飛ばされたという事実を認識したのは自分が吹き飛ばされ、グラウンドに叩きつけられた後だった。

 

大ダメージにも関わらず、『不死覚醒』によりすぐさま起き上がる紫だがフラッシュは既に仕掛けていた。

 

「カッ・・・・・・!」

 

フラッシュの腕が紫の動脈を締め付ける。起き上がった紫の背後から動脈を押さえることで一瞬で紫の意識を落とす。いくら再生するといえど、外傷のない攻撃には無意味だった。

 

「・・・まったく」

 

紫の意識を落とした後に周りを見渡すフラッシュ。荒廃したグラウンドに、ポカンとした表情の生徒たち。もはや模擬戦とは何だったのかという感じだが。それでもフラッシュは『任務』を遂行する。

 

「全員集合だ・・・早くしろ、俺を待たせるな」

 

その言葉に生徒たちはビクッとし足場が悪くも素早く最初の隊形に整列する。

 

「さて、模擬戦・・・と言ったが今の戦いに貴様たちは何を感じた?」

 

『・・・・・・』

 

フラッシュの言葉に生徒たちは一同に顔を見合わせる。何を感じたと言えば、尊敬、畏怖、そして強さへのあこがれだった。

 

「・・・模擬戦はあくまで模擬だが、実戦だ。一歩間違えば死ぬ・・・だがそれは実戦でも同じだ。殺し合え、とは言わん。だがやることはその実、殺し合いだ。それを覚えておけ」

 

それを言うとフラッシュは踵を返し、校舎の方へ帰っていった。

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

後に残されたのは呆然と立ち尽くす生徒たち・・・と、白目を剥く紫()()

 

『・・・と、とりあえず紫先生を起こそう。土遁が使える人はグラウンドの整備を』

 

この時、声を発したのはある一族の生き残りで落ちこぼれと言われた男だったが自称エリート達も今は特に何も言うことなく指示通りにグラウンドの整備をした。

 

────────────────────

 

フラッシュside

 

 

 

俺には憧れのキャラがいる。それはワンパンマンという漫画に出てくる『閃光』のフラッシュというキャラクターだ。

 

憧れた理由は色々あるが一番カッコイイと思ったことは超スピードを活かした戦闘スタイルだ。

 

もし生まれ変わる機会があったならそのフラッシュのようになりたいと何度も思った。

 

そして()()は突然訪れた。

 

深夜にコンビニに車を走らせている時、赤信号なのに突っ込んできた車に俺は殺された。

 

だが、気づくといつの間にか子どもで俺は違う人間へと変わっていた。

 

事態を把握するまでに時間を要したが、落ち込んでばかりは居られないと俺は自分を鼓舞させた。

 

俺に勇気をくれたのは何を隠そうこの世界の『特殊性』だ。

 

どうやらこの世界には『対魔忍』という忍びがいて、なんと忍術や異能力を使って、魔の者と日夜戦っているというのだ。

 

この世界なら俺の『憧れ』になれる。だから俺は・・・もう一度立ち上がった。

 

 

 

 

 

と、意気込んで早二十年、気づけば俺もいい歳になり、対魔忍職業も板につき、ここ五車学園で特別教師というのを任されるようになった。

 

そういえば今日は新入生が初めての模擬戦をするらしい。紫先生が担当するらしいが、どうやら最初ということもあり、模擬戦のお手本としてご指名を貰った。

 

少し俺に当たりが強い所があるが、それは元来の気の強さがそうさせてるだけで根はしっかり優しい人だ。こんな殺伐とした世界でも仲間は絶対に見捨てないという強い意志も正直尊敬すらしている。

 

そういえば俺を指名した時に「期待している」と言っていたな。さくら先生でも良かったろうになぜ俺だったんだ。

 

さて、今日もフラッシュになりきってみせるか!

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・ムフフフ、驚いてる驚いてる。新入生全員どうやら俺の超スピードについてこれなかったようだ。

 

ここまでは紫先生と打ち合わせた通り。さて、生徒たちにもフラッシュ様のカッコ良さを見せつけてやろう。

 

「・・・ふん。新入生とはいえ・・・この程度か」

 

まるで相手が自分より下であることを確信しているかのように上から目線で話す。これぞフラッシュ様、自分が最強という自信に満ち溢れている!

 

「俺は今、お前たちが振り向くと同時に前の方に回り込んだ・・・気づいた人間はいるか?」

 

答える生徒はいない、そりゃそうだ。この数十年間、異能とかの特訓をせずにひたすら速さを求め続けた俺をそう簡単に捉えられると思うなよ?

 

「・・・いないのか?ならば───

 

貴様たちが抱いていた自信はただの(おご)りだったということだな」

 

ドヤアアアアアア!!!!!!

 

・・・・・・さて、生徒の対抗心を煽るのはこれくらいでいいかな?

 

「そう言うなフラッシュ。お前のスピードについていけるのはこの学園ではアサギ姉様くらいしかおらん」

 

は?アサギさんですら俺のスピードについてこれないぞ?俺フラッシュ様ゾ?何言ってんの?

 

「ふん、あの女も俺に追いつくことは出来ん。そもそも紫、貴様も俺からすれば有象無象の一人に過ぎん」

 

「・・・・・・ほぅ?」

 

・・・・・・・・・・・・あ、そういえば紫先生に関してアサギさんは地雷だった。

 

一気にピリつく紫先生。そういえば昔もよくこうして紫先生は頭に血が上って周りが見えなくなっていたな。

 

「・・・さぁ、模擬戦を始めるぞ。お前たちしっかり見ておけよ」

 

おぉ、めちゃくちゃ額に血管浮かんでるけどしっかり教師としての面目を保ってるじゃないか!・・・・・・え、大丈夫だよね?

 

「・・・・・・紫、分かっていると思うが」

 

「・・・あぁ分かってるとも──

 

殺す!」

 

相互理解って知ってる?

 

「──おい」

 

激昂する紫先生を諌めようと言葉をかけるよりも早く、目の前に大斧が迫る。

 

瞬時に地面を蹴り、紫先生の背後の安全地帯まで避難する。

 

斧が振り下ろされた地面を見ると、斧で付いたとは思えない程にデカいクレーターのようなものが出来ていた。てか、こんなのくらったら普通に即死なんだけど・・・いくら模擬戦だからってそこまでする?

 

てか流石に大振り過ぎるから俺には当たらんぞ。もう少しほらスピード付けて。

 

「全く・・・相変わらずの力馬鹿だな」

 

俺の言葉に反応した紫先生が振り返りざまに攻撃をしてくるが素早く避け、その後の連撃もスピードに任せて避け続ける。

 

「死ねぇぇえええええ!!!!」

 

・・・なんで俺こんなに紫先生に恨まれているんだ?

 

なんかめちゃくちゃに斧を振り回す紫先生。いつも以上にデタラメに振るから避けやすいが、それでも上級者魔族でも粉微塵になる威力はあるから相変わらず油断出来ない。

 

「いつまで逃げ続ける!!!!」

 

は?逃げとらんが?フラッシュ様が逃げるわけないだろ。流石に今の言葉はカチンときたぞ。

 

「その言葉は俺を捉えられるようになってから言うんだな」

 

「抜かせぇ!!!!!」

 

あ、やべ。また怒らせた。

 

「うぉぉおおおおおお!!!!!!」

 

・・・!大きいのが来る!

 

足に力を込め、ダッシュ。紫先生の死角に入り込み、グラウンドの外側に身を潜める。

 

凄まじい爆音と共に、グラウンドの惨状が(あらわ)になる。

 

・・・・・・・・・うわ、いくらなんでもこれはやり過ぎかな?ちょっと紫先生には正気に戻ってもらおう。

 

グラウンドに駆け出し、紫先生の背後に回り込む。

 

「まさか逃げたのか!?」

 

だから逃げてないって。

 

「逃げる?そんなこと言うとはお前も随分ボケたな、紫」

 

「!?」

 

振り返る紫先生のお腹にパンチを放つ。それもただのパンチではない。フラッシュ様になりきるために今まで鍛えに鍛えた脚の馬力を載せたパンチだ。まず常人がくらえば間違いなく死ぬ。

 

案の定、紫先生は吹っ飛んでいくが彼女には『不死覚醒』がある。これくらいでは死なない。ほら、やっぱり耐えた。

 

「『不死覚醒』、相変わらずの耐久力だな」

 

羨ましい能力だけどフラッシュ様には必要ないな。

 

「ナメるなよ、貴様なんぞすぐに肉塊にしてやる!」

 

もはや紫先生は目が血走り始めている、怖いんだが。てかそういうところ尊敬するアサギさんにも注意されてたじゃん。

 

「・・・・・・お前は頭に血が上りすぎるな」

 

「なんだと!?」

 

あ、また怒った。

 

「馬鹿にするな!いつまでも得物を手にしないその余裕、私がへし折ってやる!」

 

・・・いやいや俺のこの細身の太刀で打ち合ったらこっちの得物が確実折れるでしょ?・・・あ、そういえばアサギさんは普通に打ち合ってましたね。さすが『最強の対魔忍』。

 

「・・・馬鹿だな」

 

「でぇぇえええやああぁぁああ!!!!」

 

突っ込んでくる紫先生の動きを斬撃を二発の打撃で止めて、後ろに回り込む。さぁくらえ、フラッシュ()の技を・・・!

 

「閃光脚」

 

現時点、最速の蹴りをおみまいする。もっともこれも『不死覚醒』の前では決定打にならないんだよな・・・。

 

閃光脚で吹っ飛んだ紫先生の後ろに回りこみ、腕で動脈を押さえ、意識を刈り取る。

 

「カッ・・・・・・!」

 

「・・・まったく」

 

・・・ふぅ、ようやく収まった。もう慣れたけど昔はよく喧嘩したものだ。その度にアサギさんに怒られてたっけな?

 

あ、完全に生徒たちを置いてけぼりにしてしまった。紫先生・・・は俺が落としちゃったし。・・・しょうがない。

 

「全員集合だ・・・早くしろ、俺を待たせるな」

 

俺の言葉に生徒たちは素早く整列する。お、結構言うこと聞いてくれてる?まぁ、これなら模擬戦をしたかいがあったな。

 

「さて、模擬戦・・・と言ったが今の戦いに貴様たちは何を感じた?」

 

『・・・・・・』

 

とりあえず今回のまとめに入ろうと思う・・・が何を感じたかと言えばくだらない大人の喧嘩だよな。・・・いいや、それっぽくまとめておこう。

 

「・・・模擬戦はあくまで模擬だが、実戦だ。一歩間違えば死ぬ・・・だがそれは実戦でも同じだ。殺し合え、とは言わん。だがやることはその実、殺し合いだ。それを覚えておけ」

 

・・・よし、とりあえずいい感じにまとめたな。紫先生も起きると思うし俺は去ろうかな。

 

・・・・・・・・・・・・このままだと、俺もアサギさんに怒られそうだし。




『・・・で、申し開きは?』

「「悪いのは向こうです」」

『・・・・・・・・・・・・・・・』ビキビキ

皆さんの性癖(対魔忍仕様)はどんなものですか?

  • 感度3000倍
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  • ふた〇りレズ
  • 石化
  • AV堕ち
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