死にたい主人公が目覚めたのは死ねない能力でした。   作:ユノ・アスタライズ

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5話 初仕事

5話

 

 はい、というわけで早速調査しましょー、って言いたいところだけどマルク君とはぐれました。

 

 終わった…………………

 

───────────数分前

 

「えっと、洞窟まではたしかここらへんを真っ直ぐでいいんだよね?」

 

「確かそのはずだよ?」

 

 駄目だ、なんか違和感が凄い。さっきから嫌な予感しかしない。大丈夫だよな?簡単な仕事って言ってたし。うん、大丈夫!

 

「どうかしたの?早く行こうよ。日が暮れる前に。」

 

「そうだね………。」

 

 やばい。どうしようもなく不安だ……………

 

「どうかしたの?」

 

「いや、なんか嫌な予感がするなと………………」

 

「エッ、やめてよ君の勘意外と当たるんだから。」

 

 そうなの!?初耳だよ!?

 

「そうなの!?」

 

「うん、ほとんど当たってるよ、君の勘は。だからさ、不安になるようなことできるだけ言わないで?」

 

「わかった……………………」

 

──────────────────────

 

 で、そのまま真っ直ぐ進んだらこれかよwww

 

 wwwwwwwww

 

 ………………いや笑えねぇよ!!!!!!!!!!笑うしかないけど‼僕の方向音痴ってここまでひどいの!?なんで!?

 

「チクショー!!!!!!!!!!!!」

 

 僕は思いっきり叫んだ。喉が痛くなった。

 

「おい!そこで何をしてる!」

 

 なんか剣持ったオッサン数人に話しかけられた。

 

 

 

 

 

 

 

 ………これ、やばくね? 

 

 落ち着け、話せば分かる。ここは隠密に行こう。

 

「えっと、道に迷ってしまって、困ってたんです。決して怪しいものではありません。」

 

 一応洞窟の調査の件は黙っておく。説明した状況はあながち間違えてはないし…………

 

「な、何故だ、何故人避けの結界が作用しない!」

 

「おい!貴様は黙っていろ!!」

 

 なんか勝手に喋ってくれたんだけど。まあいい、好都合だ。えーっと人避けの結界だっけ?じゃここは薄暗い奴らのアジト、もしくは取引場所か…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………うわ、帰りてぇ。

 

「とにかく、今の話を聞いたからには返せないな。ここで死ね。」

 

 死なねえーよ。てか死ねねーよ。

 

「こっちは話聞いたってより勝手にそっちが喋ったのが聞こえただけなんだけなんですけど?」

 

「関係ないな。どちらにしろ、ここにたどり着いたやつは全員殺す。」

 

「怖い怖い、でもそうはなりませんよ?僕は不死なんで。」

 

 少なくとも殺せはしないよ…………………………殺してくれるならしてほしいけど…………

 

「そうか、本当にそうだったら切り刻むだけで許してやるよ。」

 

 いや、だったらいっそ殺せや。殺せなくても殺せや。そっちのがこちとら好都合だわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………………ん?待って、終わってね?これ。負けて斬り刻まれてどっかに捨てられて放置って未来しか浮かばへん。むしろそれ以外何浮かぶん?

 

「いっせいに仕掛けるぞ!!」

 

「オー‼‼‼(不特定多数)」

 

 ダッ!

 

「!!」

 

 そうこう考え事してるうちに、何人かが襲ってきた。

 

 あークソ!ぶっつけ本番だ!

 

「オラッ!」

 

 ブォン!

 

 とっさに槌を巨大化させて襲ってきた奴らを薙ぎ払った。何人かがキレーにぶっ飛んだ。

 

「ククッ、なるほど、面白い武器を使う。」

 

 ちなみにさっきまで会話してたオッサンは襲ってこなかったから普通にいる、てか喋ったのがその人。(それ以外は全員ぶっ飛んだ。)

 

「意外と慎重なんですね?貴方は。」

 

「薄暗い商売やっていると、慎重じゃないといつ足すくわれるかわからんからな。」

 

「意外に説得力ありますね。」

 

 ヤバいどうしよう。この人絶対僕より強い。さっきの人たちはいっせいに襲ってきてくれたから一気になぎ払えたけども、この人は無理っぽい。

 

 

 ジリジリ

 

 少しずつ距離を詰める。まだ仕掛けちゃ駄目だ、格上相手に不用意に距離詰めたら一気にバラバラにされる、それは普通に嫌だ!

 

 …………落ち着け、僕の今ある手札を整理しろ、1つ目は不死。血は出ない、でも痛覚はある。再生もないけどポーションぶっかけりゃ治る。2つ目は自由にサイズ変換可能な槌。3つ目は僕の馬鹿力。僕のタイプは強いて言うなら超重量型アタッカー、あっちは剣を扱ったり比較的軽装であることから推測すると、スピード特化のアタッカータイプ。僕がこの人に勝ってんのは筋力と魔力ぐらいだな。でも魔法は回復と強化しか練習してないから攻撃はできない。……………どうする?

 

 ダッ!

 

 ヤベッ!仕掛けてきた!‼クソ、こうなったら!

 

 ザクッ

 

「なっ!」

 

 僕が選んだのは、あえて受ける!でもそれだけじゃジリ貧で負ける。なんたってこっちは引きこもりで体力ないからな。

 

 だから!受けた瞬間に、剣が完全に僕の肉を断ち斬る前に強化魔法で全身の筋肉を硬化&圧縮!そんでもって、斬られたとこから引き抜かれないように回復魔法でくっつける!!!

 

「痛えんだよこんちくしょう‼!!」

 

 ドゴッ!!

 

「グホッ!」

 

 とりあえず痛かったし、めっちゃ集中して疲れたからその怒りに任せて拳で腹ぶん殴った。剣離してくれた、ラッキー。

 

「そんじゃ、おやすみ。」

 

 バコンッ‼

 

 念の為槌でひっぱたいて気絶させた。

 

 これ、念の為縛ったほうがいいか?吹っ飛んだのはどうしよう………………

 

 ……………ま、いっか。

 

──────────────────────────────────────────

 

 ふう、縛るの終わった、ポーション飲も。

 

 ゴクゴク

 

 アーッ!生き返るぅ!

 

 ……………って、オッサンか僕は。まだ18だぞ、そんな歳いってないぞ。しかも体力回復するだけで所詮味はただの水だし……………………水は普通に美味いけどさ。

 

 あ~、駄目だ。よくわからんこと言ってんな。さて、調査行こ。

 

───────────────────────────────────────────

 

「えっと………ここが洞窟か…………」

 

 さっさと入ろ、そんで帰ろ。あっ、でもマルク君いなきゃ道に迷いまくって帰れないな……………いっか、別に。

 

 確かに何か違和感あんな、さっきの出来事あって違和感なかったら逆にキツイけど………

 

 そんなことはどうでもいいや、さっさと進も。

 

 ウー!ウー!

 

「は?え?」

 

「侵入者だ!捕まえろ!」

 

 アーッ、いっけねぇ、そりゃトラップくらいの物は用意しないとこんな商売できないや!怖くて。

 

 ま、最悪槌ぶん回して逃げればいいか……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………………あ、ここ狭くて槌満足に振れねぇわ。バズーカも持ってきてないし、そもそもこんなとこであんなもん打ったら恐らくここ崩れて調査どころじゃないし、今から逃げる?足遅すぎて論外。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 終わった…………………(本日三回目)

 

「いたぞ!捕まえろ!」

 

 抵抗だけでもしておくかッ!

 

 ガシッ!

 

「は?」

 

 とりあえず掴んで………………

 

 ブォンッ!

 

 どっか適当に投げとこ…………………

 

「ハァァァァァァァァ!?マジで!?(不特定多数)」

 

 アッ、ここ洞窟だった…………

 

 ゴキンッ‼

 

 ドゴォン!

 

「うわっ、痛そう…………」

 

 今結構鈍い音したぞ………バウンドしたし……………

 

「うわぁ…………(不特定多数)」

 

 ……………あっちサイドは全員引いてんな、これは。

 

 地味に傷つく………

 

 アッ、なんか記憶が蘇ってきた…………

 

───────────黒歴史再生(10年前)

 

「お前、いいもん持ってんじゃん。ちょっと見せろよ。」

 

 あ~懐かし、こんなのいたなぁー。見せろとか言いながらそのまま借りパクする典型的ないじめっ子。

 

「エッ、えーっと…………」

 

 アッ、そいやこの時から人間観察とかやってたなぁー、むしろそれが間近で出来るのがいじめの唯一のメリットだって思ってたし……思ってた?今も思ってんか、普通に。

 

「いいから貸せよ!」

 

「え、ちょ!」

 

 いや、なんか見せろから貸せよに変わってんじゃん、てかこれ奪い取ってるよね?

 

「か、返してよ!」

 

 ガシッ!

 

「何すん…………」

 

 ブォンッ!

 

 ガサッ!

 

 わぁー、運良く木に引っかかったぁー、そんで取られた水晶落ちたぁー、割れたァ……………。

 

──────────────

 

 嫌なもの思い出しちゃだったなぁー、僕。(この間だいたい1秒くらい)

 

「とッ、取り押さえろぉー!!」

 

 あ、思い出(黒歴史)に浸ってる場合じゃなかったな…………

 

「イテッ。 」

 

 アッ、取り押さえられた、地味に痛い…………

 

 最悪鎖引きちぎって………

 

 ガチャンッ‼

 

 アッ、手錠か。でもこの手錠なかなか硬いな………時間かけきゃまず壊せない、んで、時間かけてる間に気絶させられる可能性が高いなぁ、隙を見てやらないと………

 

 




 槌についての補足…槌の柄も太さ、長さを自在に変更可能。なので応用は効く。(例えば、柄だけ長くして小回りを効くようにする、頭部だけでかくして盾のみたいに扱うなど。)ちなみに、サイズを変えるときは魔力流してどのくらい大きくするかをイメージするだけ。


 絶対いらない豆知識…アルフォトがたまに使うよくわからん方言はたまに作者本人も使ってる。

 アルフォトに人避けの結界が気かなかった理由…………そもそも人避けの結界の効果はは通ろうとすると自然とそこを選択肢から外してわけわからん場所へ行ってしまう(わかりやすく言うと前の方向に目的地がある→一定の距離まで近づく→前に行こうとしてるつもりでも自然と違う方向行ってる。)って感じなので、真っ直ぐの方向に目的地があるって思ってるマルクはようわからん方向進んで、それに対し、方向音痴のアルフォトは自分の感覚が当てにできないからマルクから聞いた方向にひたすら歩いてるだけ。その認識の差。

 あと体力ないのに余裕そうだったのは叫ぶ前にポーションを飲んで体力回復したから。

 ちなみに魔法は別に名前唱えなくても使える。ただ、精度が多少落ちる。

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