死にたい主人公が目覚めたのは死ねない能力でした。 作:ユノ・アスタライズ
17話
ヤバいヤバいヤバい!!引きこもりにいきなり全力疾走維持して走る何て無理だよ!?肺が痛い!止まれ?死なないからいいだろって思った人。痛い思いをしたくないから却下。
「オイ!俺は逃げるの慣れてるからいいが、お前大丈夫か!?」
逃げる事になれてるってあんたどんな人生送って来たんだよ!?もしこんな状況ばかり味わってんなら大層いい人生送ってることだな!?(皮肉)
「ッ!」
返事しようにも出来ねぇや。つらすぎて。
「オッケー余裕は無いと。なら隠れんぞ!」
え?どこに?
『Gaaaaaaaaaaaa!!!!』
それも今叫んだ巨大なゴーレム相手に。しかもバッチリ視界に入ってるし。
「簡単だ。囮を使う!」
そう言うと、ガーダさんの数が増えた。
………………ん?増えた!?
「「俺の異能は自分の数を増やす異能!それは本物であり偽物でもある!」」
「「その名を『
なに言ってんだ?この人。
「「で?どうする?どっちが死ぬ?………よし、アルフォト。お前が決めろ。どっちを足止めに使う?」」
何て選択押し付けてきてんだこの野郎。え?え〜
「ミッ………みぎで!」
「オッケー!行ってくるよ俺!」
「おうよ!できるだけ時間稼げよ!」
「分かってるよ!お前もせいぜい金稼いで満足してから死ねよ!」
そう言うと、右の方で走ってたガーダさんはUターンし、ゴーレムに向かって走って行った。……………え?何この死ぬ前提みたいな別れ。泣くに泣けねぇや。
「………さて、アイツが時間稼いでる間に打開策見つけなきゃね。」
「え?ほっといていいんですか?」
「良いんだよ、死ぬ前提だし。あのまま何も出来ずに死ぬよりは良いだろ。人間は誰しもカッコつけて死にたいもんなのよ。特に男はねッ!」
………言っちゃ悪いけど死ねない僕にこれは当て付けかな?こんな時に死にゆく姿をカッコイイって思わせないで?僕悲しくなっちゃうじゃん。
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そんなこんなで、僕たちは偶然見つけたスペースに隠れこんでます。ダンジョンが迷路の形してて良かったよ。…………まぁ、そのおかげでゴーレムに見つかるのは時間の問題…………何なら歩く音で近くに来てる事分かる距離までいるんですが。
「………そいやお前あの武器使えないか?ほら、あのデカイ宝箱に入ってた双剣。お前の懐にあるやつ。」
「………ほんっ……とだっ!」
ヤバい、息が荒れて上手く喋れない。でも必死な時って割と気づかない物だな。正直どんなデメリットあるのか気になるが………使うしか無さそうだ。
「…………とりあえず水でも飲んで落ち着け。俺今水持ってないけど。」
ならポーション飲も。
ゴクッゴクッ
ぷはぁ!生き返るぅ!疲れたときのポーションもとい水はしみるなぁっ!
「…………始めてみたわ。水代わりにそこそこ質のいいポーション飲むやつ。俺もそんな事をしてみてぇよ。」
「………さて、行ってきます。」
「おうよ、俺は逃げるかもしれねぇから。」
「それでも良いですよ……僕、死にませんし。」
第一、初対面でここまでしてくれたことに感謝だ。思えば、最近は気のいい人ばかりに会う。ガーダさんも含めてね。
「ハッハ!もしホントなら生きて再開したら飯奢ってやるよ!そんなに高くないやつをな!………俺が奢るのは珍しいぞ?」
「そういうの自分で言っちゃうんですね………まぁ、期待して待ってます。」
─────────────────────────────
『Gaaaaaaaaaaaa!!!!』
…………とうとう目の前まで来てしまった…しかも返り血浴びてる…絶対あの人のだよなぁ………にしても、もう逃げられないな。腹くくろう。
僕は、鞘から双剣をそれぞれ取り出した瞬間、僕の体は熱くなり、そこそこ溜まった疲労がまるでなかったかのように感じた─────────が、
ドクンッ!
「ぐぁ!」
突然、体を激痛が襲う。ものすごく痛い!…………だが、その痛みも次第に消えてった。コレナライケルッ!今はなぜだか知らないが、勝てるピジョンしか浮かばない!
「ッ!」
僕は思いっきり踏み込んだ。僕でも驚くほど速くゴーレムの眼前に接近し、スローに見えるゴーレムの動きより速く、ゴーレムの腕を斬りつけた………が、流石に硬く、傷をつける程度で終わる。
ドクンッ!
「がぁ!」
またもや突然全身に激痛が走る。だがやはりすぐに収まるが、思いの外隙が多かったらしく。ゴーレムの反撃を食らうが、とっさにカースツイールで受け止める………が、やはり衝撃自体は殺せずに、僕は吹っ飛んだ。
ドゴォ!
凄くでかい音がしたわりには背中がかなり痛くなかった。というか、それよりもカースツイールがあのゴーレムのパンチを真正面から食らって全く傷ついていない事に驚いた。
『Gaaaaaaaaaaaa!!!!』
ゴーレムがまた襲いかかってくる。
…………斬れないけど傷は付けれるか。なら、削るか。
ガリガリガリガリッ!
僕は高速で双剣を振り回し、まずは右腕から徐々に削っていくように攻撃する。…………にしても凄いな、全く刃こぼれしてない。普通するよね?刃物ろくに扱ったことないから良う知らんけど。こういうものなのか?
ドクンッ!
「〜〜〜ッ!」
またもや激痛が走るが、流石に慣れて削る作業を続行した。…………やっぱり効率悪いな、これ。普通に斬るか?
『Gaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!』
ゴーレムは、ガードするように構えていた右腕をそのままに、左腕を振りかぶる前動作をする。
「あ、ヤベッ!」
バコンッ!
今度はもろに食らう。
ドゴォ!
壁に思いっきり背中をぶつける。
「カハッ!」
…………ヤバい!何でこの感覚を忘れていた?痛いって感覚を!自分には無理だって感覚を!くそったれ!こいつのせいか!?
僕は、カースツイールを見た。
この感覚は、酒に酔ってるのと同じだ!………自分が強く感じるけど、その分油断が多くなり、慢心が強くなる!…………今回ばかりは、小心者の僕に感謝だな。
……僕は間違っても自分の実力以上の見栄は張りたくない。それが僕の意味不明なプライドだからだ。
僕は、生き様は死に様に直結まではいかなくても、そこそこ繋がりはあると思う。
それに、死んだ後にせめて僕と仲いい人くらいは墓参りしてほしいから!だから僕は実力以上の見栄張って、失望されたくないから!黙って従えよ!
僕に要らんことさせんなよ……、カースツイール。
………ところでさ、今めっちゃ恥ずかしいんだけど。何一人でこんなこと言ってんの?
ああ、これがゴーレムの目の前じゃなかったらのたうち回ってるな。
『Gaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!』
………どうしよう。何も思い付かないや。異常に固いんだもん、コイツ。………あ、いいこと思い付いた。
ダダッ!タッ!
僕は、助走をつけて思いっきり跳び、鎚の頭部をゴーレムの背中辺りでダンジョンのスペースいっぱいに無理やりでかくして、姿勢を無理やり崩した。
………やっぱりあったな首辺りに間接部!
ガイン!
首の間接部に思いっきり刃をたてる。やっぱり硬い!でも、腕よりはマシ!一応挟めたから、後は思いっきり差し込んで梃子の原理で首をもぎ取る!………カースツイール折れないよね?大丈夫だよね?信じてるよ、君。
グググッ
「ふんっ!ぬァァァァァァ!!!」
「Ga!?Gaaaaaaaaaaaaa!?!?!?」
「暴れんなッ!……フゥー、いっせいのっせッ!」
ビキッ!ビキビキッ!
大丈夫だよね!?これ大丈夫だよね!?カースツイールの音じゃないよね!?ゴーレムの音だよね!?
……考えても仕方ねぇ!もうここまで来たらもう殺るしかねぇんだよ!やけくそだこのヤロォォ!!行くぞコラァァァァァ!!!
「ふんがぁ!」
ビキッ!ビキビキビキッ!
バキンッ!
『Ga──────』
ゴーレムの首が思いっきり吹っ飛んだ。
………よ、よかったぁ…折れたのが剣じゃなくて。
僕は、心のそこからそう思った。
ガーダ・オルフェス…35歳の独身男性。金にそこそこ汚いタイプだが、割と情に厚い。見た目は作中でも言うとおりめっちゃダンディー。だから結構モテるが、彼はとりあえず金貯めて満足する金額になるまで身を固めるつもりはないらしい。意外にもギャンブル等はやらないが、高い旅費を出して一々高く売れるものを取りに行くなど、「大きく使って大きく稼ぐ」と言う思想ではあるそう。ちなみに、ギャンブル等をやらない理由は「結局は人に造られたもので夢とロマンが足りないから」らしい。
異能『