死にたい主人公が目覚めたのは死ねない能力でした。   作:ユノ・アスタライズ

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19話 ゲシェタルト崩壊

19話

 

「……まだ、書類あるんですか?」

 

「ハイ!バリバリあります!だから一緒に頑張りましょう!給料のために!」

 

 僕は今、受付の人と一緒に書類書いてます。なんの書類かって?まずは一つ目、これはダンジョンの調査後の書類…具体的にはなにに出会って何を拾ってそれがどこにあったのか。これだけでもめっちゃ字が多い。………なんで書類ってこんな文字数多いんだろう、普通にめんどくさい。

 

 二つ目はカースツイールと名付けられた双剣所有権の書類、そしてその効果など。あのあと、とりあえずカースツイールを壊せるか調べたら、ムリだった。物理的には当然ながら、浄化もやってもらったけど普通に弾かれたらしい。ちなみに、今カースツイールは詳しく効果を調べてもらってる。だから、とりあえず僕は白紙に使ったときの感想を書くだけらしい。詳しい効果などの欄は調べた機関が書くらしいから実際は僕が書く書類は所有権の書類のみ。

 

 これだけ聞くと少なそうに見えるでしょ?実はね、違うんですよ………なななんと!ニ種類しかないくせに文字数が大量!更には似たような書類だけで書類が嵩張ってます!HAHAHA!………ええ、どうやら、なんか内容同じでも送る機関……正式には見せるが違うらしく、それを一々書かなきゃいけないらしいです。魔法でコピーとかできないの?って、思いましたよ?当然。聞きましたよ?当然。そしたら………

 

「私もそれを思いましたけど、なんか魔法で複製するといくらでも偽装出来るってことで信用されるために全部手書きです。」

 

「…………。」

 

 もう何も言えない理由ですね。ド正論です。反論のしようがありません。

 

「それより、さっさと手を動かして書いてください。幸い、おんなじこと書くだけでいいんで。一回覚えたらあと楽ですよ?」

 

 ちなみに、受け付けの人は僕の書いた書類にサインしてます。どうやら受け付けのサインが必要らしいです。…………まぁ、ちゃっちゃと僕が書くより先にサインしてますけど………もう終わりそうだし。

 

「そういうのって、先にサインして大丈夫なんですか?」

 

「う〜ん、よく読んでからないとやめた方がいいですねぇ〜普通に。」

 

 え?3秒もかかってなかったよね?もしかして一瞬で読み終わるの?そういうもんなの?僕がおかしいの?僕もうあれだよ?読んでるうちに何行目読んでるかわからなくなってきてるよ?

 

「慣れですよ、慣れ。」

 

 本当に、当然のように心読んでくる人多いよね。僕の周り。

 

 こんなことしてる暇はそんなにないな。さっさと始めよ。

 

─────数分後

 

 なんだろうな………これってこんな字?あれ?あれ?あってるよね?あってるよね?

 

「バリバリゲシェタルト崩壊起こってるじゃないですか………」

 

「すみません………」

 

 ついでに、普段字とか書かなくて、汚くてすみません……

 

「そこはもう仕方ないですよ。それより、後はこの数枚だけです、頑張って下さい。」

 

─────さらに数分後

 

 ……やっと、やっと終ったァァァァァ!!!

 

「おめでとうございます。じゃあ、これ出しに行ってきてください!」

 

「分かりました!行ってきます!」

 

「え?」

 

「ん?」

 

 なんで不思議そうな顔してんの?僕おかしなこと言った?

 

「あ、そういえば……場所どこですか?」

 

「そっちかい!一人で行くことになにも突っ込まないのかい!」

 

「え?これ僕の書類でしょ?僕が行くのは当然では…」

 

「くそ!これだから世間知らずの坊っちゃんは!」

 

「えぇ……」

 

 何かおかしなことしたのか?

 

「イヤ、普通ついていかないの?とか聞くでしょ!?だってあなた薦めたの私ですよ!?行って当然でしょ!?むしろ普通の案件ならあなた行かなくても良いくらいですよ!?」

 

「え?そうなんですか?」

 

 てっきり一人で行くのかと思った。

 

「…………行きましょう。めんどくさい人たちの巣窟へ。」

 

 どこだよ、そこ。

 

「ギルドに出す書類はこっちが出すので、騎士団と教会へ一緒に書類を出しに行きましょう。」

 

「えっと………それで、どちらから先に行きます?」

 

「距離的に騎士団ですね。その後教会に行って、書類出して、そのついでにあなたが発見した武器を返してもらいましょう。」

 

「ハイ、分かりました。」

 

 よかったぁ~、迷子になる心配なくなったぁ~

 

「そういえば、めんどくさい人たちの巣窟ってどこのことですか?」

 

「あ~、それは教会ですね。話通じる人少ないんで。」

 

「そうなんですか?」

 

「えぇ、イエスマンか保身バカしかいません。」

 

「ホントにめんどくさそうですね……」

 

「えぇ、ホントにそうですよ。ま、保身バカの数人はきちんと話通じるし、イエスマンはプライベートなら結構好い人揃ってるんで、嫌いではないんですけど。仕事だと…………」

 

「あ~、なるほど。そういうことですか?」

 

「そういうことです。」

 

 一部はプライベートだったら構わないけど仕事では関わりたくない、一部はプライベートでも仕事でも関わりたくないってか感じか。

 

「さて、さっさとい行きましょう。」

 

──────────────────

 

 とりあえず受け付けの人は出しに行って、僕は武器取り行こうってことで別行動になった。

 

「ん?あぁ、アルフォトくん。良く会うね。」

 

 武器をとりに行こうと聖杯堂行ったらリベンさんが居た。

 

「リベンさん、居たんですか?」

 

 何で最近ほぼ毎日会ってんだよ。いや、嬉しいよ?知り合いがいるのは。ただ、あまりにも会いすぎててしかもそれが偶然となると………ねぇ、

 

「……たまたまね。」

 

 ちと怖くなってきたなぁ、偶然出会いすぎて。

 

「それは僕も思った。」

 

 わぁ、ほぼ僕しか効かない読心術も健在と。

 

「ところで、君はどうしてここに?」

 

「え〜っと、呪いの武器取りに来ました。」

 

「………君はいつも意図せずとも神の道逆走してるね。」

 

「え?そうなんですか?」

 

「そうだよ?逆に、呪いの武器を個人が管理するのを教会が良い顔すると思う?メリットがギリ多いから最低限手伝ってるだけだよ。現に、反対派も少なくないしね…………だから書類が多いんだよ。」

 

「えぇ…………まじですか。」

 

「そもそも、君の境遇とか、異能は教会から嫌われやすいよ?境遇は言わずもがな、君の異能なんて『儚い生命に対する冒涜だ!』って言ったりする人多いよ?ま、これは僕の想像だけどね。」

 

 ホントに言われそうで怖いんですけど…………。

 

「まぁとにかく、はい。これ君のでしょ?」

 

 リベンさんがどこから出したのか白い布に包まれた双剣を渡してきた。

 

「あ、ありがとうございます。」

 

「いいっていいって、仕事だから。………それより、それ僕個人でも調べて見たけどなかなかトチ狂った効果持ってるね。ヒャッハーってなって死ぬって…………」

 

 うわ分かりやっす。そしてそう聞くとシュールだな、字面的に………。

 

「まぁ、よかったよ。君の場合は異能で早く違和感に気づいてヒャッハーになりきってなくて。」

 

 だから字面よ字面。あとそれと異能がなぜ関係が?

 

「えっと、なぜヒャッハーになりきれないのが異能と関係があるんですか?」

 

「あぁ、それはね………まずは君の不死の話だ。僕は、最初は君の不死は単純に生命力が無限にあるのかと思ったんだけど………そしたらいつまでもヒャッハーになってないとおかしい。」

 

「そ、そうですね」

 

 ヒャッハーになるって動詞存在すんの?ハイになるって言わない?………アレ?ハイになるって動詞も存在しなくないか?

 

「そこで、僕が新たに建てた仮説は、君の身体は生命力がある程度減ると、あらかじめ用意してあるセーブポイントの時点の肉体に戻るんじゃないかってね。」

 

「ハ、ハァ………」

 

 ヤバイ、分からん。そして何でテンション上がってんのこの人。

 

 ……この後、僕の異能の仮説等を2時間近くたっぷり聞かされた。(尚、3分の2以上は聞き流した。)




恐らくリベンは異能のことになると饒舌になるオタクみたいな特性持ち。命名『異能オタク』
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