ペロロンチーノの転生録【オバロ二次】   作:taisa01

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アニメ第四期序盤最大の盛り上がりポイント 武王戦がそろそろですが
原作のジル君と 本作のジル君では能力の差はそれほどありません。
ただし抜け毛の差は顕著です。

あとヘッセンとヘッケンが混在していたのでヘッセンで統一するように修正中です 


第三話

スレイン法国 神都 郊外 迎賓館

 

 過去より外交の場として何度も使われた歴史ある建物である。そして今回、バハルス帝国の外交団を受け入れる場所となった。もちろん受け入れるにふさわしい建物ということもあるが、郊外ということで相手国の護衛もそのまま受け入れることができる数少ない場所という点が重視されているのは、なんとも皮肉な話である。

 

 とはいえ、近年稀に見る大規模な外交団に、神都の住人は興味深く、まるで祭りやイベントの山車を観覧するように遠巻きに眺めるのであった。

 

 見るモノが見ればその価値に驚きを禁じ得ない魔法武具をまとった近衛に守られたひと際目立つ馬車の隊列。スレイプニル4頭立ての馬車も見るからに豪華でありながら要人護衛という点も優れているのが素人目にもわかるほど。

 

 それだけでもバハルス帝国の財と権威を示すには十分だが、それ以上に注目を集める存在が今回は同行していた。

 

 

――爆撃の王

 

 

 帝国最大戦力と謳われる大魔法詠唱者フールーダに並ぶとされる存在。

 

 鳥をあしらった黄金の仮面を被り、射る矢は百発百中。高位魔法さえ使いこなす戦場の申し子。10倍の敵兵から帝国を守った英雄。法国ともつながりはあり、帝国と法国との国境沿いで発生した亜人種の大規模氾濫の時に共闘したことは、広く知られている。

 

 もっとも最近の話題は婚約話である

 

 娯楽の少ない世界だ。有名人の色恋沙汰は噂として広まりやすい。法国の、特に高位者は出産に厳しい条件があるので土地柄注目されやすいのだ。

 

 であるならば

 

 同じ馬車に乗る、純白のドレスと仮面を纏う貴婦人が、その婚約者ではないか?

 

 そんな憶測が広がるのであった。

 

 しかし、そんな民衆の状況を苦々しく見るものがいることを知る者は少なかった。

 

 

 

 

 

スレイン法国 神都 郊外 迎賓館 大会議室

 

 

 ペロロンチーノ達 帝国の外交団が迎賓館につき、一休みしたころ、第一回目の会合の準備が整ったという連絡があり、会議自体はつつがなく始まった。

 

 外交辞令の挨拶から始まり、事前協議で決まった案件の確認。普通であれば、この後個別案件の深堀や代表どうしの意見交換の流れになる。

 

 しかし

 

 突如口を開いた帝国側の代表であるペロロンチーノ・ヘッセンに視線があつまる。

 

「館を囲うように護衛を配置し、その上で隣部屋にも待機。なにより法国最大戦力のお一人が同室で警備とは痛み入る」

 

 先ほどまでににこやかに挨拶をしていた態度から一転、慇懃無礼に述べるペロロンチーノの言葉に、法国側は眉を顰める。

 

 もちろんペロロンチーノが事前調査やスキルで現状を把握したのではなく、今回のためにアインズから借り受けたマジックアイテムの一つを利用しての事でしかない。しかし、言い当てられた側の驚きは想像に難くないだろう。

 

「双方の安全のため、これからの議題の事を考えれば必要な措置かと」

 

 法国の立法機関長は切り返す。

 

「では、その議題。こちらからの提案をする前に、別室に待たせている彼女を呼びたいのだが?」

「婚約者が参加するのは、夜の園遊会が通例ですぞ」

 

 立法機関長の言葉は正しい。もっとも言葉の裏には異形種などこの場に連れてくるなという嫌悪があるだろう。しかし、その感情を微塵も出さないあたり政治を生業とする存在なのだろう。

 

「まあ、通常の会議であればそうだ。しかし、彼女はなによりも明確な証明であり、また真の会談を行う上で必要な存在なのだから」

「まるでこの場にいる者たちでは足りないと言いたげですな」

「プレイヤー……またはユグドラシル。あなたたちはどちらの単語で動いてくれるかな」

 

 ペロロンチーノの言葉に、ほとんどのモノは意味を理解することができなかった。むしろ理解できたのは三人だけ、立法機関長、行政機関長。そして護衛として会議室に入室していた漆黒聖典の第一席次である。

 

 そしてペロロンチーノは、第一席次のそのわずかな表情の動きを見逃すことはなかった。

 

「ではもう一度質問しよう。呼んでもかまわないかな?」

「わかった。しかし、こちらも何名か下がらせる必要がある」

 

 双方の合意の下、場の仕切り直しが行われる。

 

 法国側は二人の機関長に加え、先ほどまで同席していた漆黒聖典の第一席次に加え第二席次。そして

 

(老婆に……チャイナ服……だとっ)

 

 知らず知らずのうちに、法国はペロロンチーノの腹筋に大ダメージを与えることに成功したのだった。※

 

 

 

 ・・・

 

 

 

 ペロロンチーノの腹筋へのダイレクトダメージも、控室の扉からシャルティアが現れたことで、なんとか切り抜けることができた。

 

 純白のドレス。屋内ということで帽子こそとっているが、美しい金髪(・・)が歩くたびに揺れ、見るモノを引き付ける。しかしその顔に仮面舞踏会で利用するような、一風変わった仮面で隠されている。だが、

 

 

――強烈な殺気

 

 

 そう称してよいほど冷淡な気配を漆黒聖典に向けているのだった。

 

 だが、その殺気がいけなかった。

 

 

「あの時の!」

 

 

 漆黒聖典 第一席次が、武器に手を掛けようとする。その声に反応するように、もう一人の漆黒聖典も構えを取ろうとする。

 

「待て!」

 

 しかしペロロンチーノは右手を第一席次に向けながら制止する。むろんペロロンチーノ以外はその右手の意味を分かっていないが、何等かの構えと認識し武器に手を添えるだけで動きを止める。

 

「シャルティア。冷静に。いいね」

「はいでありんす」

 

 ペロロンチーノの言葉に、シャルティアから発せられていた殺気はピタリと止まる。まるで先ほどまで何もなかったように。

 

「こちらの非礼を詫びよう。しかしそれ以上構えるなら会談はここで終了だ」

 

 ペロロンチーノの言葉に、漆黒聖典の二人は先に仕掛けたのはそちらだといわんばかりに怪訝な顔する。しかし機関長らの合図により、元の待機姿勢に戻るのだった。もっとも視線から、すこしでも怪しいことをすれば、即対応するという強い意志が発せられている。

 

 だがペロロンチーノはそんな雰囲気などお構いなしに会議を進めるのだった。

 

「まずは紹介しよう。私の婚約者 シャルティア・ブラッドフォールン」

「ナザリック地下大墳墓 第一・第二・第三階層守護者 シャルティア・ブラッドフォールン 真祖(トゥルーヴァンパイア)でありんす」

 

 

 ペロロンチーノの言葉に優雅に一礼するシャルティアの姿に、法国の面々は表情を取り繕うことさえやめたようだ。

 

 

「吸血鬼それも真祖(トゥルーヴァンパイア)だと! そんな存在認めることができるか! そもそもヘッセン卿、魅了でだまされているのではないかね」

 

 

 吸血鬼を婚約者といえば、むしろ騙されているとさえ思うだろう。法国の高官でなくとも、そう判断することだろう。

 

 

「ああ、ある意味で魅了されているのだろうな。もっとも卿らの意図するものとは違うがね」

 

 だが、ペロロンチーノはまるで恋愛劇のような切り返しで煙に巻く。帝国側の同席者たちは、また始まったといわんばかりに視線をそらしている。そんな周りの反応にペロロンチーノは肩をすくめつつ、指輪を外す。

 

 

「いま情報遮断の指輪を外した。どうせこの場にいないモノが、この場を監視しているのだろ? そして状態異常を確認する魔法ぐらいつかえるのだろ」

 

 事実、しばらくすると法国側のメンバーに動きがあり、確かに魅了はされていないと確認がとれたのだろう。その上で

 

「プレイヤー アインズ・ウール・ゴウン率いるナザリックとバハルス帝国は同盟を結び、多種族国家の立ち上げをめざす。もちろんバハルス帝国がその国是に従い人類存続と安寧を目指す。そのスレイン法国には我らが行うリ・エスティーゼ王国解体に向けて消極的でも同意をいただきたい」

 

 ペロロンチーノの要求に、立法機関長が答える。

 

「それは我らが立場を考慮してということかな?」

 

 立法機関長は何食わぬ顔で答える。ペロロンチーノも言質こそあたえないが、否定の雰囲気を出しはしない。だが立法機関長が意図せぬ形で、護衛の者たちには明らかに動揺の気配が浮かぶ。

 

「人類守護を可能とする戦力はまだ若いと見える。知っていることがバレるぞ」

 

 そんな護衛達の動揺を見透かすようにペロロンチーノは突き崩す。もっともそんなペロロンチーノと漆黒聖典第一席次に年齢的な差はなく、どの口がいうんだと突っ込みがはいるだろうが、ペロロンチーノの政治力は帝国歴代最高とも称されるジルクニフと共にフールーダに帝王学をたたき込まれ、その後も帝国の政治の一部を担った経験の差に過ぎない。

 

「ならもう一つ。シャルティアを王国内で洗脳しようとしたのは、貴様らだな」

「くっ」

 

 第一席次は己のミスに気が付く。シャルティアの殺気に反応し「あの時の」と言ってしまったことが、シャルティアとの面識を示す言質を与えたと気が付いたのだ。もちろんいくらでも言いつくろうことができる内容であるのに、場の雰囲気にのまれ弁明すれば、揚げ足を取られるとさえ考えていた。

 

「我が友に言わせれば、ギルドメンバーの子でもあるシャルティアに手を出しただけでも万死に値すると判断し、ナザリックの全軍をもって法国を攻め落とすというだろう。俺だって婚約者を洗脳し、二度死ぬ原因を作った卿らに敵対を宣言するのもやぶさかではないが……」

 

 ペロロンチーノは交渉相手ではなく護衛のメンバーの目を見ながら淡々と告げる。その内容は抗議というより脅迫となっているが、言葉には一切の感情が乗っていない。だが聴く側はその無感情こそ、言葉通りに実施するという凄みを感じさせていた。

 

「ゆえにもう一度問おう。我らが行うリ・エスティーゼ王国解体に向けて消極的でも同意をいただきたい。人類種の安寧のためにも」

 

 

 

 

 




※このお話ではシャルティアに殺され復活後、緊急事態ということでレベルダウン状態の強制参加
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