ダンジョンにグルシャンを求めるのは絶対に間違っている。 作:ガラクタ山のヌシ
時は、ベル・クラネルがオラリオに訪れるより結構前(神様感覚)までさかのぼる。
当時ファミリアを立ち上げたばかりのソーマのもとに、一柱の女神が訪ねていたのだ。
「お願いよソーマ〜。アレが無いと私死んじゃうのよ〜」
「知るか」
その女神とは、美の女神フレイヤ。
面倒ごとを好み、起こし、楽しむというソーマにとって、はた迷惑この上ないわがまま女だ。
「そもそもここは酒を作る場所だ。シャンプーなんぞ行きつけが10や20あるだろう」
「それがねー」
なんでも、とある村はずれに知る人ぞ知る名店があるらしいのだが、そこの店主の老婆(御歳81歳ボケ知らず)が倒れたらしい。
………ぎっくり腰で。
ちょうどその店で買ったシャンプーが使い切ってしまっているうえ、今まさにそのシャンプーの気分だったフレイヤはなんとかならないかと方々を駆けずり回りここまで来たという。
「で、なんでウチなんだ?」
腕組みをして片目を閉じフレイヤを軽く睨みながら聞く。
「おんなじ液体だし出来ないかなーーって…」
「帰れ」
つまみ出されそうになったフレイヤだったが、なんとその場で駄々をこねだし、遂には彼を了承させるに至ったのだ。
「ハァ…仕方ない。久しぶりに外に出るかぁ…」
ほぼ無理矢理とは言え引き受けてしまった仕事である以上妥協は出来ない。
別にあの女神のご機嫌とりではない。
これは彼の神としてのプライドの問題だった。
しかし自身はあくまで酒の神である。故にまずは詳しい者達からはなしを聞きに行く。つまりは取材が必要になった。
ソーマは自らの神脈の中で石鹸やら薬草に詳しそうな神やら女神に話を聞き、どうにかこうにかあとは作るだけとなった。
しかし不慣れゆえか、その試作の時間は異様に長くなってしまった。
ミルクを入れたりハチミツを混ぜてみたり、花びらや油を加え、泡立ちの確認のためにコップに少量のお湯を入れてその中に垂らしてみたりと本当に色々とやった。
気がつけば丸一日が過ぎ、2日経ち3日が経過して、ついには十日十晩を持ってして、流石のソーマも過労で死ぬように眠りに入った。
フレイヤが催促という名の茶々を入れてこなかったのが幸いしたのか、そのままぐっすりだったようだ。
「うぅん…しまった。寝てしまっていたか」
目覚めたソーマは、眠気覚ましにと水の入ったコップを手に取り中身をあおる。
瞬間、ソーマの脳内はスパークした。
こうしてこの世界に於ける
◇
「あ、あのーリリ?」
「はい?なんですかベル様?」
「それ、どう見ても…」
「いやですねぇベル様、シャンプーは飲み物ですよ?」
「えぇ…ボクがおかしいの?」
多分続かんじゃろ。