仮面ライダービルド dungeon world 異世界帰りの白兎   作:山吹色ノ大妖精

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星狩族

 目の前が真っ暗だ。ここはどこかと思っていると、聞き覚えのある声が聞こえる。周りを見渡すと人生で一番嫌いなヒトがいた。

 

「よお、久しぶりだなぁ? ベル?」

「エボルト!?何でここに!?」

 

 エボルト。あっちの世界で倒されたと思っていた存在、それがどうしてここにいるのかと、頭の中で混乱していた。

 

「安心しろ。俺はあの時負けた。今お前の目の前にいる俺はお前の体に仕込んで置いた分裂体だ」

 

 たとえそうであったとしても、コイツが生きているのなら、聞くべきことは一つだ。

 

「・・・何が目的だ」

「そうだなぁ・・・科学が全く無いこの神秘に満ちた世界を冒険するお前が見たい・・・とか?」

「誤魔化すなッ!」

「本当さ、目が覚めたら、俺も出よう。そこで神の前でしっかりと話してやる。それでは、お目覚めの時間だ」

「おい!待て!──」

 

 真っ暗な世界に光が包まれていく。そこで消えていくエボルトを追おうと手を伸ばす。その先には──

 

「エボルトッ!」

「キャア!?」

「れ、レフィーヤさん・・・?」

「もう、ビックリさせないでください!」

 

 そう言ってプリプリしているレフィーヤさんに苦笑してしまうが、さっきの夢の内容に笑みが無くなってしまう。

 

「今から、ロキ様を呼んできますね」

「その必要はあらへんで」

「ロキ様・・・」

 

 その声と同時にロキ様が部屋に入ってきた。側には緑髪をしたエルフの人がいる。

 

「ベル、調子はどうや・・・とは言えんな。何があった?」

「実は──」

「俺が話そう」

 

 再び聞こえたあの声、夢でありたいと思ったが、現実だったようだ。そこに現れたのはブラッドスターク、所謂エボルトの初期形態だった。

 

「また会ったなぁ?ベル」

「僕はあなたと会えて非常に残念です」

「冷たいねえ・・・」

 

 エボルトはそう言ってロキ様達に向き合う。ロキ様は自身にとって謎の存在に警戒をしている。

 

「俺の名はエボルト、かつてベル達と敵対していた地球外生命体だ。今後とも宜しく・・・」

「ロキ様、今からコイツに問答しますので、嘘をついていないか確認して下さい」

「ええけど、その前に場所を変えるで。レフィーヤ、先に部屋まで走ってコイツのことをフィン達に話してくれ」

「は、はい!」

「それじゃあベル、それとエボルト、ついてこい」

 

 そうして僕達は部屋を移動した。移動した部屋には、金髪のパルゥムと茶髭を生やしたドワーフがいる。他にも酒場で僕を罵っていたウェアウルフや怪物祭で会った二人のアマゾネスと最後にアイズ・ヴァレンシュタインさんとレフィーヤ・ウィリディスさんもいる。ヴァレンシュタインさんとレフィーヤさんは今の僕の雰囲気に戸惑っている。

 

「おっと・・・これは大歓迎のようで?」

「僕はあなたの腹の内を知るまで歓迎できません。したくもありません」

「ベル、ちょっち落ち着きぃ・・・さて、エボルトと言ったか?目的は何や?」

 

 ロキ様は僕を窘めてエボルトに対して単刀直入に目的を聞いた。エボルトは相も変わらずと言った声色で夢と同じようにこう言った。

 

「ベルの夢でも言ったが・・・俺は科学の無いこの神秘に満ちた世界でベルの冒険を見たいんだ」

「・・・嘘は言っておらへん。因みにベル、コイツはどんなヤツや?」

 

 信じられない。そう思っている僕を横目に、細い目を鋭くしてエボルトに見たまま、僕に問いかける。ロキ様は直感でコイツを信用できないと思っているのだろう。僕はそう思いながらロキ様の問いに答える。

 

「コイツはブラッド族、またの名を星狩族と呼ばれていて、惑星を破壊して自身のエネルギーに還元する。他にも簡単に人を騙すので、はっきり言ってモンスターより質が悪いヤツです」

「そうか、他にも聞きたいことがぎょうさんあるが、今のところコイツは何かをしようとは思っておらんで。さっきの言葉は真実や」

「分かってくれて──」

「しかし信用できん。うちの直感で解る。お前は危険や」

「おっと、それは残念」

 

 ロキ様とエボルトの剣呑な雰囲気に誰一人喋れない中で、ロキ様はため息を吐いた。

 

「分かった。お前の望みを叶えてもいい。「ロキ様!?」ただしが条件がある」

「ほう・・・それは何だ?」

「今回の怪物祭での出来事は知っておるか?」

「あぁ、ベルを通して観ていた。あの植物のモンスターだろ?」

「せや、今回の件を含めて、何モンかが良からぬことを企んでおる。そいつを特定して潰す。これを手伝ってくれるなら、その望みを叶えてええ」

「いいぜ。交渉成立だ」

 

 そう言ってエボルトは手を出して握手を求めた。ロキ様は嫌そうながらも応じた。これで話が終わった所だった。

 

「そうだ、ベル、ちょっち着いて来てくれんか?他のみんなはコイツを見張っておいてくれ」

「え?・・・わかりました」

 

 僕とロキ様は一度部屋を変えた。その部屋には、神様がいた。神様は僕を見るとすぐに飛びついて来た。

 

「ベル君!」

「神様!」

「無事だったんだね!良かったぁ・・・」

「ご心配をおかけしました。けど、何故此処に?」

「うちが連れて来たんや。自分達と話すためにな」

「僕達と?」

 

 その疑問を答えてくれたのはロキ様だった。僕はロキ様の方に振り向くと、何処か真剣な雰囲気でいた。

 

「なぁ、聞かせてくれんか?あの鎧についてやその他全部な」

「・・・わかりました。お教えします」

 

 そうして僕は、かつて異世界に行った出来事とその異世界で起こったエボルトとの戦いのこと、ライダーシステムも含めて全部話した。




現在のベルに潜伏していたエボルトの状態は、異世界転移の影響によって感情が芽生えたとしています。帰ってきてからはその感情を学んだり、本体は復活しているから、自分は暇つぶしにベルの冒険を見ようという魂胆です。(アドリブで作った)

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